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更新日:2025.12.24
登録日:2025.12.23
フローリングの耐用年数は?張り替え時期の見極め方を徹底解説

フローリングは長く使ううちに、傷や凹み、きしみなどの劣化が目立ってくるものです。そのため、「フローリングの耐用年数は?」「張り替えの見極め方を知りたい」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、フローリングの耐用年数の目安や張り替えが必要となるサイン、そして長持ちさせるコツまで解説します。住宅購入やリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
・フローリングの耐用年数の目安は10〜30年。素材(複合・無垢など)によって大きく異なる
・床が沈む・きしむ・継ぎ目に隙間があるときは、張り替えのサイン
・掃除や湿度管理を徹底することで、耐用年数を延ばせる
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フローリングの種類別「耐用年数」
フローリングの種類別「耐用年数」
フローリングの耐用年数は、税法や法律で明確に定められているわけではありません。
国土交通省のガイドラインでも、フローリングは経過年数ではなく、傷や損傷の程度によって原状回復を行うとされています。(※)そのため賃貸物件では、入居者が故意や過失で傷をつけてしまった部分は年数に関係なく原状回復の対象となります。
とはいえ、フローリングの種類によって実際の寿命には大きな差があります。ここからは、代表的な3種類のフローリングについて、それぞれの耐用年数の目安を見ていきましょう。
・複合フローリング
・無垢フローリング
・クッションフロアやフロアタイル
※ 参照:国土交通省住宅局参事官
複合フローリング
複合フローリングは、合板の表面に薄い木材や樹脂製の化粧シートを貼り合わせたタイプで、住宅でもっとも一般的に使われている床材です。耐用年数はおよそ10〜15年が目安とされています。
複合フローリングの耐用年数が短いのは、表面の木材が薄いためです。傷や凹みを削って補修するのは難しく、劣化が進むと張り替えが必要になります。
また、接着剤の寿命が比較的短く、時間の経過とともにはがれやすくなることもあります。
複合フローリングは、無垢フローリングに比べると耐久性はやや低めで、より短い周期での交換が必要になる場合が多いでしょう。
無垢フローリング
無垢フローリングの耐用年数は、およそ30年です。天然の木をそのまま使っており、表面に傷がついても削って直せるため、長く使用できます。
また、木の種類によっても寿命は変わります。チークやオーク、ヒノキなどの硬い木を使ったものは、より長持ちするでしょう。定期的にオイルを塗るなどの手入れをすれば、50年、60年と長く使い続けることも可能です。
複合フローリングに比べると少し手がかかりますが、しっかり手入れをすれば、長く使える丈夫な床材です。
クッションフロアやフロアタイル
クッションフロアやフロアタイルは、ビニールを主原料とした床材で、水や汚れに強く、お手入れが簡単なのが特徴です。住宅では、トイレや洗面所、キッチンなどの水まわりによく使われています。
クッションフロアの耐用年数は、10年が目安です。熱や衝撃には弱く、家具を置いた跡が残ったり、長く使うと端がめくれたりすることがあります。
フロアタイルはクッションフロアよりも硬く、より耐久性に優れています。耐用年数は10〜15年ほどと比較的長く、傷がついても部分的に張り替えられるため、メンテナンス次第で10年以上使い続けることも可能です。
張り替えを検討すべき劣化症状
張り替えを検討すべき劣化症状
ここでは張り替えを検討すべき代表的な劣化のサインを6つ紹介します。
・歩くと床がフカフカと沈む
・特定の部分を踏むと「ギシギシ」「ミシミシ」と床鳴りがする
・フローリングの継ぎ目に隙間ができたり、板が反って浮き上がったりしている
・表面の化粧シートや木の薄板が剥がれている
・広範囲にわたる日焼けや色あせが目立つ
・湿気によるカビや、それに伴うダニの発生が気になる
歩くと床がフカフカと沈む
歩くと床がフカフカと沈む感触があるときは、フローリングの下地が傷んでいるサインです。
おもな原因は以下のとおりです。
・湿気による木材の腐食
・経年劣化
・接着剤の剥がれ
・シロアリ被害(特に築年数が古い場合)
沈みが気になるときは、部分的なものか全体的なものかを確認しましょう。小さな範囲であれば下地の補修で対応できることもありますが、広範囲にわたる場合は全体の張り替えが必要です。
異変を感じたら、早めに専門業者に相談し、フローリングや床下の状態をチェックしてもらいましょう。
特定の部分を踏むと「ギシギシ」「ミシミシ」と床鳴りがする
特定の部分を踏むと「ギシギシ」「ミシミシ」と音がする場合は、フローリングの張り替えを考えるタイミングです。
おもな原因は以下のとおりです。
・フローリング材の劣化
・土台のゆるみ
・湿気による木材の伸び縮み
築年数が経った住宅では、床下の木材が湿気で腐食していたり、シロアリの被害を受けているケースも。放置しても自然に改善することはなく、床が沈んだり、きしみ音がさらに大きくなることもあります。
歩くたびに音がすると、日常の中でストレスを感じるものです。快適な住まいを保つためにも、床鳴りが続く場合は早めにリフォーム会社などへ相談し、補修や張り替えを検討してください。
リフォームを検討している方は、部分リフォームの基礎知識や費用感をまとめたこちらの記事も参考にしてください。
フローリングの継ぎ目に隙間ができたり、板が反って浮き上がったりしている
フローリングの継ぎ目に隙間ができたり、板が反って浮き上がったりしている場合も、張り替えを検討する時期です。
隙間や反りのおもな原因は以下のとおりです。
・経年劣化
・湿気
・温度変化
木材は湿度が高いと膨張し、乾燥すると収縮するため、季節の変化によって隙間や反りが生じやすくなります。
軽度の隙間であれば、無垢材は埋木で、複合フローリングはパテやコーキング材で補修できる場合があります。しかし、隙間が大きい場合や部屋全体に複数の箇所で見られる場合は、下地や土台の劣化が進んでいる可能性があります。
早めに専門業者へ相談し、補修で対応できるか、張り替えが必要かを確認しましょう。
表面の化粧シートや木の薄板が剥がれている
フローリングの表面に使われている化粧シートや木の薄板が剥がれている場合は、劣化が進んでいるサインです。
この状態を放置すると、水分が入り込んで内部の合板が膨らんだり、腐ったりする可能性があります。段差ができてつまずく危険もあり、早めに対処することが大切です。
剥がれの原因は、さまざまです。長年の使用で接着剤が弱くなったり、結露や水分の影響で表面が浮いたりすることがあります。椅子の出し入れや家具の移動による擦れも原因のひとつです。
小さな剥がれなら補修テープやパテで対応できますが、広範囲に及ぶ場合や基材まで傷んでいる場合は、張り替えを検討しましょう。
広範囲にわたる日焼けや色あせが目立つ
フローリングの広い範囲で日焼けや色あせが目立つ場合は、表面のコーティング剤が紫外線によって劣化している可能性があります。長年にわたり日光を受け続けることで、コーティングがはがれ、木の色が白っぽく変色してしまうのです。
見た目の変化だけであれば大きな問題はありませんが、放置するとひび割れやささくれが生じ、素足で歩くと痛みを感じることもあります。また、表面の保護機能が低下すると、水分や汚れが浸透しやすくなり、さらに劣化が進むおそれがあるため注意が必要です。
軽い色あせなら、ワックスや補修剤である程度目立たなくできます。ただし、ひび割れやコーティングの剥がれが見られる場合はDIYでの対応が難しいため、早めに内装業者へ相談することが大切です。
湿気によるカビや、それに伴うダニの発生が気になる
フローリングは一見きれいに見えても、湿気がこもりやすい環境ではカビやダニが発生することがあります。特に布団を敷きっぱなしにしている場所や風通しの悪い部屋では、床と布団の間に湿気がたまり、気づかないうちに黒カビが広がっていることも珍しくありません。
カビは見た目が悪くなるだけでなく、木材を傷める原因にもなります。また、カビを栄養源にしてダニが繁殖し、アレルギーや鼻炎などの健康被害につながることもあるため注意が必要です。
軽いカビであれば中性洗剤やアルコールで拭き取ることができますが、黒ずみやカビ跡が残る場合は、床材の内部まで傷んでいる可能性があります。
無理にこすり続けると傷を広げる原因にもなるため、状態が気になるときは専門業者に相談し、張り替えを検討しましょう。
部屋の湿気対策をしても「なんとなくカビ臭い」と感じる場合は、床だけでなく部屋全体の環境改善が必要です。カビ臭さの原因や対処法については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
部屋がカビ臭い原因は?今すぐできる効果的な匂い取り方法を徹底解説
鑑定士コメント
内覧では、歩いたときに床がフカフカしたり、ギシギシと音がしないか確認しましょう。継ぎ目の隙間や浮き、色あせがあれば劣化のサインです。また、床だけでなく、壁のヒビやドア・窓の開閉具合なども重要なチェックポイントです。小さな違和感でも建物全体の老朽化につながることがあるため、気になる箇所は写真に残しておくようにしましょう。
以下の記事では、内見時にチェックすべきポイントをまとめています。ぜひ参考にしてください。
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フローリングの耐用年数を延ばすコツ
フローリングの耐用年数を延ばすコツ
フローリングは、日々の使い方やお手入れの仕方によって耐用年数が大きく変わります。ここでは、フローリングを長持ちさせるコツを5つ紹介します。
・定期的に掃除をする
・湿度管理を徹底する
・傷や凹みを予防する
・定期的にワックスをかける
・床材に応じた補修をする
定期的に掃除をする
フローリングの耐用年数を延ばすためには、定期的な掃除が欠かせません。
ホコリや砂を放置すると、歩くたびにこすれて表面に細かい傷がつく原因になります。毎日のお手入れでは、掃除機やモップ、乾燥シートなどで優しく汚れを取り除きましょう。
週に1度は、固く絞った雑巾で軽く水拭きをすると清潔な状態を保てます。ただし木材は水分に弱いため、仕上げに必ず乾拭きを行ってください。無垢フローリングはオイル塗装されていることが多く、水拭きは避けたほうが安心です。
複合フローリングやクッションフロアであれば、月に1度ほど床用クリーナーで皮脂汚れを落とすと、より長く維持できます。
湿度管理を徹底する
フローリングを長持ちさせるためには、湿度管理を徹底することが重要です。
湿気はフローリングの大敵で、放っておくと反りや変色、カビの原因になります。特に梅雨のように湿度が高い時期は、結露によるダメージが起きやすいため注意が必要です。
室内の湿度は湿度計でこまめにチェックし、40〜60%を目安に保ちましょう。湿度が高い日は、除湿機やエアコンの除湿機能を活用すると効果的です。
定期的に窓を開けて換気を行うことも大切です。
傷や凹みを予防する
フローリングの耐用年数を延ばすためには、日常生活での傷や凹みを防ぐことが欠かせません。傷がつくと見た目が悪くなるだけでなく、水分や汚れが入り込み、劣化を早める原因にもなるためです。
テーブルやソファの下にはラグやカーペットを敷くと、家具の重みや摩擦による傷を防げます。椅子や家具の脚にはフェルトやゴムキャップをつけ、床との摩擦を軽減しましょう。
ロボット掃除機を使う際は、床に硬いものが落ちていないか確認してから稼働させるのがおすすめです。小石などが挟まると、フローリング表面を傷つけるおそれがあります。
子どもやペットがいる家庭では、ジョイントマットやタイルカーペットを敷くとより安心です。
定期的にワックスをかける
定期的にワックスをかけることも、フローリングの耐用年数を延ばすコツのひとつです。
ワックスをかけると、床の表面に保護膜ができ、傷や汚れを防げます。家具の移動やペットの爪、スリッパの摩擦などによるダメージも減らすことができ、結果的にフローリングの寿命を延ばすことにつながるでしょう。
ワックスがけは、乾きやすい晴れた日に行うのがおすすめです。目安は3カ月に1回ほど。床がくすんできたと感じたときも、塗り直しのサインです。
ただし、すべての床材にワックスが使えるわけではありません。無垢フローリングや、UVコート加工された「ノンワックスフローリング」は不向きな場合があるため、施工業者に確認してから行うようにしましょう。
床材に応じた補修をする
床材に応じた補修を行うことも、フローリングを長持ちさせるために大切です。
無垢フローリングは、木の性質を活かして修復できるのが特徴です。軽い凹みなら、水を垂らして膨張させたり、濡れタオル越しにアイロンを当てて元に戻せたりすることがあります。
複合フローリングの場合は、浅い傷なら補修ペンや専用パテを使うことで目立ちにくくできます。クッションフロアやフロアタイルは、浅い傷は補修材で、深い傷は部分的な交換で対応できるのがメリットです。
床材の種類を見極め無理のない範囲で補修を行えば、見た目も耐久性も保てるでしょう。ただし、ウレタン塗装などが施されている場合は、熱で塗装が変色する恐れがあるため注意してください。
鑑定士コメント
リフォーム費用は、その内容によって「修繕費」か「資本的支出」に分類されます。床や壁の一部補修など、建物の維持・原状回復が目的の工事は「修繕費」となり、実施した年の経費にできます。一方、床の全面張り替えなど、建物の価値を高める工事は「資本的支出」となり、耐用年数に応じて減価償却で経費化する扱いです。ただし、資本的支出だからといって不利とは限らず、長期的に経費を分散できる点はメリットとも言えます。判断が難しいケースも多いため、迷った際は税理士など専門家へ確認するようにしてください。
まとめ:フローリングの耐用年数を知り、メンテナンスで長持ちさせよう
まとめ:フローリングの耐用年数を知り、メンテナンスで長持ちさせよう
フローリングの耐用年数には法律上の明確な定めはありませんが、素材によって寿命は大きく変わります。無垢フローリングは30年以上、複合フローリングやクッションフロアは10〜20年ほどが目安です。
フローリングを長く使うためには、毎日の掃除や湿度管理、定期的なワックスがけなど、基本的なメンテナンスが欠かせません。傷や色あせが気になったときは、早めに補修や張り替えを検討することで、劣化を最小限に抑えられます。
正しいお手入れを続けて、フローリングをより長く、快適に使い続けましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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