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2023.05.12

マンション購入後の固定資産税はどれくらい?計算方法もやさしく解説

マンション購入後の固定資産税はどれくらい?計算方法もやさしく解説

「マンションの固定資産税ってどのくらいかかるの?」
「固定資産税を安く抑える方法はあるのかな?」

マンションの固定資産税について、このような疑問を持つ人は多いです。

固定資産税は土地や建物を所有するすべての人に課税される税金です。この記事ではマンションの固定資産税の計算方法や支払い方法について解説します。固定資産税の軽減措置についても紹介するので、マンションの固定資産税を安く抑えたい人はぜひチェックしてください。

マンションの固定資産税とは?

固定資産税とは土地や建物を所有している人に課せられる税金のことです。

 

土地

・家

・アパート

・マンション

 

これらの不動産を所有している人は固定資産税を支払う義務があります。マンションの場合は自分が所有している分の土地と建物の両方に課税されるので、それぞれの固定資産税の支払いが必要です。固定資産税は1年に4回の支払いがあり、1年分を一括で支払うこともできます。徴収を行っているのは各市町村(東京23区の場合は都)です。

 

賃貸マンションの場合は、オーナー・家主に支払いの義務があります。そのため、マンションの部屋を借りている人は固定資産税について考える必要はありません。一方、分譲マンションを購入した人は固定資産税を支払う必要があります。

 

分譲マンションとは何かについては、こちらの記事でご紹介しています。

分譲マンションとは?賃貸との違いや物件の選び方も紹介

固定資産税は誰が払う?

固定資産税はその土地や建物を所有している人が支払う対象者です。各市町村が管理している固定資産課税台帳には課税対象になる土地や建物の所有者が登録されています。毎年1月1日時点でその土地や建物の所有者として登録されている人が課税の対象です。

 

例えば年度の途中でマンションを売却する場合、1月1日時点でのマンションの所有者は買い主ではなく売り主のままです。そのため、たとえマンションを売却しても、その年の固定資産税は売り主が支払う必要があります。

 

マンション売却時の税金については、こちらの記事で説明しています。

マンションの売却でかかる税金ガイド!計算方法や減額方法も解説

鑑定士コメント

固定資産税を支払うのは1月1日時点でその物件を所有している人です。そのため、マンションを売却した年の固定資産税は買い主ではなく売り主が納税します。但し、慣習として、決済時に売買の月日から売主・買主で清算するケースもあります。小さな金額では無いので、事前に仲介会社に確認しましよう。

固定資産税はいつ払う?

固定資産税は年に4回支払う必要があります。支払うタイミングは各市町村によって異なり、例えば東京23区の場合は固定資産税の納期は6月・9月・12月・2月です。1年分の固定資産税を分割ではなく一括で支払うこともできます。(※)

 

固定資産税の課税対象者には納税通知書が自宅まで毎年送付されます。課税の対象者には自動的に送付されるので手続きをする必要はありません。納税通知書には分割で支払うための用紙4枚と1年分を一括で納付するための用紙1枚の両方が封入されています。金融機関で手続きをすれば口座からの自動引き落としにも変更可能です。

 

※参考:東京都主税局

マンションの固定資産税はどれくらいかかる?

マンションの固定資産税は新築の場合は約10万〜30万円、中古の場合は約10万〜20万円です。固定資産税は土地と建物の両方に課税されます。マンションを購入すると土地と建物の両方を所有することになり、固定資産税は各市町村が調査して定める固定資産税評価額によって決まるのが特徴です。

 

そのため、マンションの地域・築年数・購入価格などの条件によって固定資産税の金額も変動します。同じマンションでも部屋によって階数や間取りが変わるので、固定資産税は一定ではありません。

鑑定士コメント

固定資産税は車庫や物置にもかかります。家屋とは、一般的には基礎などで土地に定着して建造され、屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、独立して風雨をしのぎ得る外界から遮断されることができる一定の空間を有する建造物であり、居住、作業、貯蔵等の用途に供し得る状態にあるものをいうと解されています。固定資産税は土地や住居だけでなく車庫・物置・倉庫なども課税対象です。また、これは登記されてない場合も対象になります。

新築マンションの固定資産税は?

新築マンションを購入する場合、固定資産税を事前に調べるのは難しいです。固定資産税は各市町村が定める固定資産税評価額に基づいて計算されます。しかし、新築マンションの固定資産税評価額は購入前だとまだ調査が行われていないため、固定資産税がはっきりしないことが多いです。そのため、固定資産税の金額が実際にわかるのは入居後となります。

中古マンションの固定資産税は?

中古マンションの固定資産税は簡単に調べることができます。なぜなら、そのマンションを1月1日時点で所有していた人がすでに固定資産税を納税しているからです。各市町村の役所で固定資産税台帳を確認すれば、購入したい中古マンションの固定資産税を調べられます。

マンションの固定資産税を計算する方法

マンションの固定資産税は以下の計算式から算出できます。

 

固定資産税 = 固定資産税課税標準額 (固定資産税評価額)× 税率(標準税率1.4%)(※)

 

固定資産税は固定資産税評価額に標準税率をかけ合わせることで算出できます。なお、固定資産税は土地と建物それぞれに課税されるので注意が必要です。

 

固定資産税評価額については後ほど詳しく解説しますが、国の定めた基準を基に各市町村が土地や建物を調査することで決まるのが特徴です。また、税率の1.4%は各市区町村で決定するため、一部では異なる場合があります。お住まいの地域で確認しておきましょう。

 

※参考:東京都主税局

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、固定資産税の金額を決めるときの基準となる数値です。固定資産税評価額に税率(標準税率1.4%)をかけ合わせることで固定資産税の金額が決定します。

 

固定資産税評価額は各市町村が土地や建物を調査して決定します。固定資産税評価額の査定は国が定めた固定資産評価基準をもとにして行われる調査です。固定資産税評価額はその土地の広さや建物の築年数をもとに決定されます。地価が変動することで固定資産税評価額も変化するのが特徴です。

 

地価は時間が経つごとに変化するため、固定資産税評価額も変動します。そのため、各市町村では3年に1度、固定資産税評価額を見直すための調査が行われます。(※)

 

※参考:総務省

マンション土地部分の固定資産税評価額とは

マンションの土地部分に関しては土地の所有権を住民全員で分け合う形になります。そのため、土地部分の固定資産税はマンションの土地部分全体の固定資産税評価額を算出してから、自分が所有している土地分の固定資産税評価額が割り振られるイメージです。

 

マンションの土地部分の固定資産税評価額はその土地が面している道路の固定資産税路線価によって決まります。全国の路線価は国税庁のホームページで確認することができます。

マンション建物部分の固定資産税評価額とは

建物部分の固定資産税評価額は再建築費用を基にして決まります。再建築費用に減点補正率をかけ合わせたものがマンションの建物部分の固定資産税評価額になります。再建築費用とは同じ建物をもう一度立て直す場合にかかる費用のことです。減点補正率は建物の経年劣化による価値の減少を加味するための数値です。

都市計画税の計算方法

都市計画税は以下の計算式で算出することができます。

 

都市計画税額 = 固定資産税評価額 × 標準税率(0.3%)(※)


都市計画税とは道路・公園・下水道の整備といった区画整理事業に使われる税金のことです。固定資産税評価額に各市町村ごとに定められた標準税率をかけ合わせることで都市計画税の金額を算出することができます。標準税率の値は各市町村によって変わりますが、全国で定められている上限は0.3%です。

 

※参考:東京都主税局

固定資産税評価額と固定資産税課税標準額の違いとは?

固定資産税課税標準額とは固定資産税評価額に軽減措置による減税を適用したあとの金額のことです。(※)そのため、大抵の場合は固定資産税課税標準額が固定資産税評価額よりも低い金額になります。軽減措置を1つも利用しなかった場合の固定資産税評価額と固定資産税評価額は同じ金額です。

 

農地や山林などの場合は軽減措置が少ないため、固定資産税課税標準額と固定資産税評価額が同額になることが多いです。一方、マンションや一般住宅の場合は固定資産税の軽減措置を利用できるため、多くの場合は固定資産税評価額が固定資産税課税標準額よりも高くなります。

 

※参考:富士市

 

固定資産税における軽減税措置とは

マンションの固定資産税はある一定の条件を満たすと軽減措置を受けることができます。(※)軽減措置を受けられる条件は築5年以内の新築マンションであることや、長期優良住宅に認定されることなどさまざまです。

 

他にもマンションの土地の広さによる固定資産税・都市計画税の軽減措置・タワーマンションの階層による固定資産税の特例措置など、固定資産税が軽減される特例措置は複数あります。

 

※参考:東京都主税局

新築マンションの軽減措置

築5年以内の新築マンションの場合、条件を満たすと固定資産税が2分の1に減税されます。(※)ただし居住部分の1戸あたり120㎡相当分までが限度です。

 

新築マンションが軽減措置を受けるには以下の条件を満たす必要があります。

 

3階建て以上のマンション

耐火・準耐火構造のマンション

居住部分の床面積が全体の2分の1以上

居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下

 

※参考:東京都主税局

認定長期優良住宅の軽減措置

マンションが長期優良住宅の認定条件を満たしている場合、固定資産税の軽減措置を受けることができます。軽減措置を利用できる条件はマンションの居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であることと、長期優良住宅に認定されていることです。軽減措置を利用すると7年度分の固定資産税が2分の1に減税されます。(※)

 

認定長期優良住宅に認定されるには以下のような条件を満たす必要があります。

 

省エネ性能

バリアフリー性能

耐震性能

可変性能(間取りを変更可能な部屋)

 

※参考:東京都主税局

土地の固定資産税と都市計画税の軽減措置

マンションの土地の広さによって、土地の固定資産税と都市計画税の軽減措置が利用できます。都市計画税とは道路・公園・下水道の整備といった区画整理事業に使われる税金のことです。(※)

 

土地の固定資産税と都市計画税の軽減措置に関する条件と内容は以下の通りです。

 

土地が200㎡以下の場合固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1になる

土地が200㎡以上の場合固定資産税は3分の1、都市計画税は3分の2になる

 

※参考:東京都主税局

タワーマンションの例外措置

タワーマンションの固定資産税は高層階の部屋ほど高く、低層階の部屋ほど低くなっています。これはタワーマンションの高層階と低層階では分譲価格に差があることが原因です。各階層ごとの格差をなくすために、タワーマンションの固定資産税は平成29年度の税制改正によって見直されました。

 

タワーマンションにおける固定資産税の計算式は、1階の固定資産税を100として階が1つ増えるごとに39分の10を足していきます。これは中間の階を基準にすると固定資産税が1階上がるごとに0.256%増えて、1階下がるごとに0.256%減る計算です。(※)

 

※参考:全日本不動産協会

 

マンションの固定資産税の支払い方法

固定資産税の主な支払い方法は以下の通りです。

 

役所の対応窓口

・金融機関・コンビニから現金で支払う

金融機関窓口からの振り込み

PayPayやLINE Payといった決済アプリから支払う

 

固定資産税は課税対象者の自宅に毎年届く納税通知書を使って支払います。納税通知書には分割で支払うための4回分の支払い用紙と一年分の固定資産税を一括で納付するための支払い用紙の両方が封入されています。


また、固定資産税はPayPayやLINE Payといった決済アプリでも支払い可能です。スマートフォンを使って簡単に支払うことができるので、窓口に並んだり現金を用意したりする手間がありません。

一般的な支払い方法

固定資産税は現金で支払うのが一般的です。現金の場合は役所の対応窓口・金融機関・コンビニなどで支払うことができます。手数料はかかりません。支払ったその場で領収証や納税を受け取ることができるので、各証書が必要な場合は現金で固定資産税を支払いましょう。

 

また、現金で支払うのが面倒な場合は口座振替が便利です。金融機関の窓口で固定資産税の支払いに利用する口座を指定しておけば自動的に引き落とされます。

PayPayとLINE Payで支払い可能

PayPayやLINE Payといった決済アプリでも固定資産税が支払い可能です。決済アプリに搭載されている請求書支払い機能を使えば、自宅で簡単に固定資産税の支払手続きができます。自宅に届いた納付書に印刷されているバーコードをスマートフォンのカメラで読み取ることで決済手続きができます。

 

ただし、決済アプリを利用した固定資産税の支払いに対応していない自治体もあります。また固定資産税を決済アプリで支払うと領収証や納税証明書が発行されないので注意しましょう。

 

まとめ:固定資産税を理解してしっかり納めよう

固定資産税は土地や建物を所有するすべての人が支払う税金です。マンションの場合は自分が所有している土地と建物のそれぞれに課税されます。年に4回支払う必要がありますが、一年分の一括支払い・口座振替・PayPayやLINE Payといった決済アプリなどさまざまな支払い方法を利用可能です。

 

また、固定資産税は軽減措置を活用すれば金額を抑えることができます。軽減措置を受けるにはいくつか条件があるので、事前によく確認しておきましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

いわゆる「所有権」マンションを所有している場合、支払う必要がないものは次のうちどれですか?

答えは 1

解説

建物を取り壊すことが前提とされていないため「建物取り壊し準備金」を支払う必要はありません。

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