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更新日:2023.08.23
登録日:2022.09.14

重要事項説明とは?記載事項やチェックポイントを徹底解説

重要事項説明とは?記載事項やチェックポイントを徹底解説

不動産を売買・賃貸する際には、必ず重要事項説明が実施されます。しかし、重要事項説明の内容やチェックすべきポイントがわからない人もいることでしょう。

この記事では、重要事項説明の概要や目的、注意すべきポイントを徹底解説。昨今増えつつあるオンラインで受ける方法なども紹介するので、重要事項説明について詳しく知りたい人は必見です。

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重要事項説明とは不動産契約における重要事項の説明のこと

重要事項説明とは不動産契約における重要事項の説明のこと

重要事項説明とは不動産契約における重要事項の説明のこと

重要事項説明とは、不動産を購入または借用する当事者に、宅建士が契約上重要な説明を行うことです。買主の保護を目的として行われる重要事項説明は、専用の書類「重要事項説明書」を使って行われます。

 

説明項目は以下の4つに分けられ、プロの宅建士により説明されます。

1.権利関係に関する内容

2.不動産にかけられる法令上の制限

3.不動産の状態

4.不動産の契約条件

重要事項は、原則として「宅地建物取引業法第35条およびその関連法令」を基に定められることが特徴です。説明後も重要事項は改正される可能性があり、再度確認を要する場合もあるので注意しましょう。

 

参照:e-Gov法令検索

重要事項説明は実施が義務付けられている

重要事項説明は実施が義務付けられている

重要事項説明は実施が義務付けられている

重要事項説明は、不動産の契約前に必ず実施するよう法律で義務付けられており、違反すると宅建業者や取引士が罰せられます。

 

不動産の売買・賃貸は、生活の基盤である「家」を取引する重要な場です。所有者が住宅に対しどのような権利を持っているかを確認する機会は、重要事項説明以外になかなかありません。この機会を逃すと、権利関係や法令上の制限など、大切な内容を把握できなくなります。

 

この意味でも、重要事項説明を受けることは重要です。

 

また、2020年8月からは、重要事項説明における水害ハザードマップの説明が義務化されました。近年、豪雨や台風などによる水害が深刻化していることが背景にあります。

 

参照:e-Gov法令検索

重要事項説明書の3つの内容

重要事項説明書の3つの内容

重要事項説明書の3つの内容

重要事項説明書には、以下3つの内容が記されています。

・取引物件に関する事項

・取引条件に関する事項

・その他の事項

それぞれ詳しく解説します。

 

取引物件に関する事項

取引物件に関する事項は、以下の7つです。

1.飲用水・電気・ガスの供給や排水の整備状況

2.私道に関する負担

3.法令に基づく制限の状況

4.登記記録の記載事項

5.施工完了時の建物形状や、構造などに関する情報(建物の建築前の場合)

6.建物状況調査の概要(既存の建築物の場合)

7.共用部分・区分所有建物の敷地の規約に関する事項

取引物件に関する事項の中には、飲用水や電気など生活インフラに関するものがあります。インフラ設備がすぐに使えるのか、ガス管や水管がどこにあるかなどが説明されます。

 

参照:e-Gov法令検索

取引条件に関する事項

取引条件に関する事項は、以下の8つです。

1.金銭貸借の斡旋について

2.契約の解除について

3.支払金や預り金について

4.損害賠償や違約金について

5.借賃以外の金銭やりとりの事項

6.代金や交換差金のやりとりの事項

7.手付金等の保全措置に関する事項(不動産会社が売主の場合)

8.担保責任の履行措置の概要

取引に関する事項は、そのほとんどがお金に関する重要なものです。損害賠償や違約金の発生条件も、取引条件に関する事項に含まれています。

 

損害賠償や違約金の発生条件を知らないと、思わぬところで費用を要求される可能性があります。金銭が関わる取引条件は、必ず確認しましょう。

 

参照:e-Gov法令検索

その他の事項

その他の事項

その他の事項

以下の事項に該当する場合、不動産会社は買い手および借用者にその理由を説明しなければなりません。

・建物や土地が土砂災害の警戒区域内に位置しているとき

・1981年の5月以前に着工し、耐震診断を受けた建物を売買・譲渡するとき

・不動産会社が割賦販売を行うとき

・心理的に告知すべき事項が物件・周辺の環境などにあるとき

水害ハザードマップにおいて、物件がどこに所在しているかも、重要事項説明書類に記載する項目のひとつです。

 

参照:e-Gov法令検索

重要事項説明でチェックすべきポイント6選

重要事項説明でチェックすべきポイント6選

重要事項説明でチェックすべきポイント6選

以下では、重要事項説明でチェックすべき、以下6つのポイントを紹介します。

・物件の現状について

・代金以外にかかる費用があるか

・インフラが整備されているかどうか

・契約の解除ができるケースと期間

・マンションの共用部分について

・住環境に将来及ぶかもしれない影響の有無

それぞれ詳しく解説します。

 

①物件の現状について

物件の現状に関してチェックすべき項目は、以下の通りです。

新築・中古共通で確認すべきこと

共用設備の現状

専有部分に利用制限があるか(ペット飼育や楽器演奏の可否など)

建物や道路の斜頸有無

排水設備の現状

新築物件で確認すべきこと

パンフレットや図面に関する疑問がないか(構造や形状、間取り、内外装の図面をチェック)

中古物件で確認すべきこと

過去に雨漏りや地盤の異常が起きていないか

排水設備の現状

上記の箇所については契約後にトラブルが起きないよう、現状をしっかり確認すべきです。物件に傾きや漏水などがある場合、きちんとリスクを把握・説明してもらったうえで、契約するかを決めてください。

 

マンションのパンフレットの読み方については、以下の記事でも解説しています。

マンションパンフレットの読み方は?記載項目の見方を詳しく解説

②代金以外にかかる費用があるか

契約時に、代金以外の費用がかかるかどうかも確認しましょう。特に以下の費用の有無は、多くの場合重要事項説明書で確認できます。

・手付金

・固定資産税等清算金

・管理費等清算金

重要事項説明が終わった後は「聞いていなかった」では済まされません。契約前には隅々まで重要事項説明書を確認し、どの費用を支払うべきかをチェックしましょう。

③インフラが整備されているかどうか

③インフラが整備されているかどうか

③インフラが整備されているかどうか

生活に必要なインフラがきちんと建物に整備されているかも、必ず確認しましょう。以下の設備は生活に必須であるため、重要事項説明書で現状を把握してください。

・上水道(飲用水)

・ガス(都市ガス・プロパンガスのいずれか)

・電気

・下水(トイレなど)

生活インフラのいずれかが未整備ならば、整備費用は自己負担かを確認すべきです。設備の開通は可能なのか、整備に費用はかかるのかなど、重要事項説明の際に確認しましょう。

 

④契約の解除ができるケースと期間

契約の解除ができるケースや期間も、重要なチェックポイントです。具体的には、以下に注目しましょう。

※横にスクロールできます。

解除基準

契約の解除条件

手付の解除 

手付金の放棄(買主)

手付金の倍返し(売主)

契約違反による解除

期日までに建物の引き渡しを行わない(売主)

期日までに代金を支払わないなどの違反を起こした(買主)

※いずれの場合も違約金を請求可能

引渡前の減失や毀損による解除

建物が引渡し前に壊れたりなくなったりした場合、契約を解除可能

ローン特約による解除

売主にローンの融資が下りなかった場合

※違約金なしで解除可能な場合が多い

瑕疵担保責任による解除

売主が契約書に無い傷のある物件を売買した場合

反社会的勢力排除条項に基づく解除

買主が暴力団などの反社会勢力と判明した場合

契約書には上記のケースに陥った場合、物件の契約解除が可能かどうかが記載されています。売主・買主いずれかの責任によって、強制的に契約を解除される場合もあるため、注意してください。

⑤マンションの共用部分について

⑤マンションの共用部分について

⑤マンションの共用部分について

共用部分の取り扱いも、チェックすべき項目です。共用部分にあたるのは、以下の部分です。

・バルコニー

・玄関扉

・インターホン

・専用庭

・パイプスペース

・窓ガラス

・物件の廊下やロビー

・駐車場

・エレベーター

・セキュリティ設備など

重要事項説明では、共用部分の管理方法などが管理規約に基づき説明されます。共用部分は同じマンションに住む人と共に使う部分のため、利用方法や現状を理解したうえで使ってください。

 

また、マンションの管理規約や、過去に大規模修繕があったかどうか、修繕積立金の累積額なども確認しましょう。

⑥住環境に将来及ぶかもしれない影響の有無

住環境に将来及ぶかもしれない影響の有無も要チェックです。水害や地震などのリスクがある場所や、地盤がゆるくなっている地域は特に注意が必要です。

国土交通省では、契約物件がハザードマップ対象物件かどうかを、不動産取引の際に必ず説明するよう義務付けています。(※)心配な場合は、宅建士に聞いてみましょう。

 

※参照:国土交通省

鑑定士コメント

専有部分だからといって何もかも自由に使えるわけではありません。たとえば、ペット飼育ができるかや、楽器演奏が可能かどうかです。
マンションのトラブルの多くは、騒音やマナー等の近隣関係にあると言われています。事前に確認することでトラブルを回避しましょう。

重要事項説明書に記載がない項目は告知書で確認する

重要事項説明書に記載がない項目は告知書で確認する

重要事項説明書に記載がない項目は告知書で確認する

重要事項説明に記載がない項目は、告知書で確認することもできます。告知書は売主の協力のもと、作成してもらえます。告知書に記載される主な内容は、以下の通りです。

土地に関する事項

境界汚染の有無や状況

土壌汚染の有無や調査状況

過去に土地を利用した人とその利用状況

周囲の土地の過去や現在の利用状況

建物に関する事項

新築時の見取り図や設計図などの資料状況

増改築や修繕の履歴

アスベスト使用の有無

アスベスト調査の有無や履歴

耐震や住居性能の評価状況

建物に傷があるかや将来の傷の発生確率

過去の所有者や利用状況の情報

中には売主・大家しか知らない重要な情報も記載されているため、トラブルを防止したい人は発行を依頼するとよいでしょう。

 

重要事項説明はオンラインでもできる

重要事項説明はオンラインでもできる

重要事項説明はオンラインでもできる

近年では感染症対策のため、重要事項説明をオンラインで行う不動産会社も増えています。オンラインで重要事項説明を受ける手順は、以下の4ステップです。

1.重要事項説明書を事前送付してもらう

2.スマートフォンやパソコンに音声通話アプリ(Zoomなど)をダウンロードする

3.時間になったら入室し、宅建士が重要事項説明を開始する

4.説明完了後、買主が重要事項説明書に署名と印鑑押しをして返送する

買主が移動する手間や感染リスクを減らせる点がメリットですが、買主が書類の返送作業をする手間が発生します。

 

また、通信環境が不安定だと重要な情報を聞き逃す可能性もあるため、注意が必要です。

 

鑑定士コメント

もともと重要事項説明の意義は、きちんと契約内容を確認し、後から「こんなことは知らなった」「こんなことは聞いていない」ということを無くし、安心した取引を行うことです。
リアルな対面なら相手の反応を確認しながら進められますが、オンラインでは通信環境や通信トラブルによってその点が円滑に進められないことも想定できます。状況によっては、中断し、途中から対面に切り替えることも検討しましょう。

まとめ:重要事項説明で重要なポイントを確認しよう

まとめ:重要事項説明で重要なポイントを確認しよう

まとめ:重要事項説明で重要なポイントを確認しよう

重要事項説明では、契約する建物に関する重要ポイントを確認できます。宅地建物取引業法(宅建業法)で定められた手続きのため、物件を売買・賃貸する際には必ず受けねばなりません。

 

重要事項説明の目的は、買主の保護です。誤った認識や勘違いで物件購入の際に被害を被らないよう、宅建士が丁寧に物件の現状や将来予想される影響を説明します。

 

重要事項説明は、スマートフォンやパソコンを使いオンラインで受けることも可能です。この記事に掲載されているポイントを抑えながら、重要事項説明に臨みましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

マンション分譲会社がマンションを販売する際の説明として正しい記述を下記より選びなさい。

答えは 2

マンション分譲会社は、マンション購入希望者と売買契約を締結する前に「重要事項説明書」を説明しなければなりません。定められた項目に応じて宅地建物取引主任者免許を持つ資格者のみこの業務を行えます。

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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