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更新日:2025.03.24
登録日:2025.03.24

二酸化炭素消火器の実力とは?メリットから使用時の注意点までを徹底解説

二酸化炭素消火器の実力とは?メリットから使用時の注意点までを徹底解説

消火器は、火災の種類に合わせてさまざまなタイプがあります。数ある消火器の中でも、粉末消火器などと合わせて馴染みがあるのが「二酸化炭素消火器」です。

多くの人が存在を知っている一方で、実際に二酸化炭素消火器とはどのような消火器か詳しく知らない人もいるのではないでしょうか。

この記事では、二酸化炭素消火器とは何か、特徴や仕組み、メリット・デメリットについて解説します。対応可能な火災の種類や効果を発揮する場所、使用する際の注意事項についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

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二酸化炭素消火器とは

二酸化炭素消火器とは

二酸化炭素消火器とは

ここでは、二酸化炭素消火器に関する下記の内容について解説します。

 

・二酸化炭素消火器の特徴

・二酸化炭素消火器の消火の仕組み

・二酸化炭素消火器の使用場所

・二酸化炭素消火器とその他の消火器の違い

二酸化炭素消火器の特徴

二酸化炭素消火器とは不活性ガス消火器の一種です。名前の通り、二酸化炭素を放出することで窒息効果によって消火を行う特徴があります。

 

また、不活性ガスであることから化学反応が起こらないという特徴もあり、さまざまな場所で利用できる消火器です。薬品が飛び散らず、気体であるため対象物の内部まで浸透して消火できる特徴を兼ね備えています。

二酸化炭素消火器の消火の仕組み

二酸化炭素消火器の消火の仕組みは、冷却・窒息効果による消火です。火は酸素がないと燃えないという特徴を利用して、火の周囲の酸素濃度を下げることで消火しています。

 

また、消火器内には高圧で圧縮、液化された二酸化炭素が充填されています。液化している二酸化炭素を放出することで二酸化炭素が気化し、潜熱による冷却作用によって消火を行うのが二酸化炭素消火器の仕組みです。

二酸化炭素消火器の使用場所

二酸化炭素消火器は、基本的に防壁や囲いなどがない開けた場所での火災で使用できます。使用する場所や使い方を誤ると死亡事故にも発展する恐れがあるため、基本的には開けた場所で使用しましょう。

二酸化炭素消火器とその他の消火器との違い

消火器には、二酸化炭素消火器のほかに下記のような消火器があります。

 

・粉末消火器

・水消火器

・泡消火器

 

二酸化炭素消火器とこれらの消火器のもっとも大きな違いは、消火剤が気体かどうかです。固体や液体を放出する消火器は、消火後の復旧が大変です。しかし、気体である二酸化炭素消火器は、消火後の復旧が容易であるという特徴があります。

鑑定士コメント

二酸化炭素消火設備とは、火災を検知した際に手動または自動で作動する設備です。消火原理は二酸化炭素消火器と同様ですが、その危険性から無人の建物以外は手動での作動が法律で定められています。

二酸化炭素消火器のメリット

二酸化炭素消火器のメリット

二酸化炭素消火器のメリット

二酸化炭素消火器のメリットには、下記のような物があります。

 

・消火後の掃除がしやすい

・電気火災への適応性がある

・化学反応を起こしにくい

 

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

消火後の掃除がしやすい

二酸化炭素消火器のメリットは、なんと言っても消火後の後処理のしやすさです。二酸化炭素は気体であるため、消火後に何か物が残ることがありません

 

復旧が容易なため、ためらわずに使用できるという点もメリットの一つでしょう。

電気火災への適応性がある

二酸化炭素消火器は、電気火災への適応性があります。というのも、絶縁性が高く消火による汚損がないため、電気設備への影響が少なく、設備の復旧をスムーズに行えるからです。

 

電気火災はその性質上、主に電気設備が多い場所で発生しやすいです。電気火災への適応性がある二酸化炭素消火器を使用することで、被害を最小限に抑えられるでしょう。

化学反応を起こしにくい

二酸化炭素消火器は、金属や薬品などと化学反応を起こしにくいという特徴があります。そのため、化学薬品が置かれている部屋などでも問題なく使用できるのがメリットです。

 

万が一危険な薬品などがあった場合でも、最小限のリスクで消火できます。

二酸化炭素消火器のデメリット

二酸化炭素消火器のデメリット

二酸化炭素消火器のデメリット

二酸化炭素消火器には、下記のようなデメリットもあるため注意が必要です。

 

・密閉空間での使用時の危険性

・冷却効果が低い

・一部の火災には効果が限定的

 

それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。

密閉空間での使用時の危険性

二酸化炭素消火器は、密閉空間での使用時は危険が伴います。というのも、二酸化炭素中毒による死亡事故のリスクがあるからです。

 

二酸化炭素は、通常の空気にも含まれるごく一般的な気体です。しかし、密閉空間で二酸化炭素消火器を使用すると一時的に空間内の二酸化炭素濃度が高くなってしまいます。

 

二酸化炭素濃度が高くなると、人体から二酸化炭素を排出することができなくなってしまい頭痛やめまい、呼吸困難などの症状が現れます。最悪の場合は死亡事故にも発展するほどです。

 

そのため、基本的には密閉空間での使用ができず、狭い場所で使用する際も細心の注意が欠かせません

冷却効果が低い

二酸化炭素消火器の主な消火方法は窒息効果であるため、冷却効果が低いというデメリットがあります。液体の二酸化炭素が気体に変わる際の気化潜熱による冷却効果はあるものの、水などと比べると冷却効果は低いです。

 

気体となった二酸化炭素はその場にとどまることがないため、冷却効果があってもすぐに拡散してしまいます。そのため、消火できても対象物が冷えるまで時間がかかる場合があります。

一部の火災には効果が限定的

二酸化炭素消火器は全ての火災に対応できるわけではなく、一部の火災には効果が限定的というデメリットもあります。

 

例えば、高所の火災では二酸化炭素消火器の効果は薄いです。というのも、二酸化炭素は空気よりも重いため床面に落ちてしまいます。二酸化炭素消火器の消火原理は主に窒息効果であるため、その場にとどまり続けられなければ窒息効果がなくなってしまい再燃する恐れがあります。

 

とはいえ、どの消火器も得手不得手があるため、火災に合わせた消火器の選択が重要です。

二酸化炭素消火器が対応可能な火災の種類

二酸化炭素消火器が対応可能な火災の種類

二酸化炭素消火器が対応可能な火災の種類

二酸化炭素消火器は、どのような火災にも対応できるわけではありません。主に対応可能な火災としては、下記のような火災が挙げられます。

 

・油火災

・電気火災

 

それぞれの火災と二酸化炭素消火器の効果について詳しく見ていきましょう。

油火災

油火災とは、可燃性の油が発火したり、油に引火することで発生する火災です。揚げ物油やガソリン、シンナーなどの液体性のものからグリスや油脂のような反個体のものまでさまざまな油で発生します。

 

油は私生活から工業、化学分野までさまざまな場面で使用されるため、発生リスクが高い火災です。二酸化炭素消火器は油との化学反応もなく、水のように油を広範囲に広げるようなことがないため、油火災に対応可能です。

電気火災

電気火災は、放電や漏電、断線、短絡、接触不良などの電気的な原因で発生する火災です。電気設備や絶縁体の劣化、人的ミスなどで発生することがあり、一般家庭から商業施設、工場などさまざまな場所でリスクがある火災です。

 

二酸化炭素は化学反応を起こさず、絶縁性が高いため電気も通しません。電気火災の消火でリスクが高い漏電による感電事故などを防ぐことが可能です。

二酸化炭素消火器が効果を発揮する場所

二酸化炭素消火器が効果を発揮する場所

二酸化炭素消火器が効果を発揮する場所

二酸化炭素消火器は、特に下記のような環境において大きな効果を発揮します。

 

・精密機器がある場所

・特殊な環境

 

それぞれの環境について、詳しく解説します。

精密機器がある場所

二酸化炭素消火器は、精密機器がある場所での使用に強みがあります。

 

精密機器がある場所での火災は、消火後に復旧作業が必要です。二酸化炭素消火器は、消火剤である二酸化炭素が気化するため消火後に何も残りません。

 

精密機器の復旧が容易に行えるため、二酸化炭素消火器は精密機器がある場所でも使用しやすいです。

特殊な環境

二酸化炭素は、電気室や精密機器室、工場、研究室など特殊な環境で特に効果を発揮する消火器です。というのも、二酸化炭素は化学反応などを起こさないため薬品や金属などのものが集まる特殊な場所でも使用しやすいからです。

 

二酸化炭素消火器は、普通火災に対して大きな効果は期待できませんが使用上の問題はありません。油火災や電気火災には強みがあり、密室での使用が難しいといったデメリットを除けばどのような火災に対しても使用できます。

 

二酸化炭素消火器は、二次災害などの危険がある特殊な環境でも安全に使用できるため、大きな効果が期待できるでしょう。

二酸化炭素消火器を使用するときの注意事項

二酸化炭素消火器を使用するときの注意事項

二酸化炭素消火器を使用するときの注意事項

便利な二酸化炭素消火器ですが、使用する際は下記のようなポイントに注意する必要があります。

 

・定期メンテナンスを欠かさない

・狭い部屋や密閉空間での使用は避ける

・十分に換気する

 

それぞれの注意事項について、詳しく解説します。

定期メンテナンスを欠かさない

二酸化炭素消火器は、定期的なメンテナンスが欠かせません。

 

二酸化炭素消火器の消火剤である二酸化炭素は、経年による劣化・変質などがほとんどありません。そのため、長く使えるというメリットがあります。

 

とはいえ、何らかの原因で消火器の容器から消火剤が漏れ出る可能性はあります。もし内容量が気づかないうちに減ってしまっていると、万が一火災が発生した際に消火しきれない恐れがあります。

 

そのため、定期的にメンテナンスを行い、内容量に問題がないかをチェックしましょう。

狭い部屋や密閉空間での使用は避ける

二酸化炭素消火器は、狭い部屋や密閉空間での使用は避ける必要があります。二酸化炭素濃度が高くなることにより中毒症状が出てしまい、最悪の場合は死亡事故にも発展するからです。

 

どのような火災でも問題なく使用できる一方で使う場所には制限があるため、使用できる環境であるかを必ず確認しましょう

十分に換気をする

狭い部屋や密閉空間ではなくても、二酸化炭素消火器を使用する際は十分に換気する必要があります。

 

開けた場所であっても、消火器を使用すると一時的に使用しているエリアの二酸化炭素濃度が高くなる恐れがあります。そのため、使用する際は十分に換気して二酸化炭素が滞留しないように対処が必要です。

鑑定士コメント

新二酸化炭素消火器の使用期限は、他の消火器と同様に業務用が10年、住宅用が5年です。使用期限が切れた消火器は、容器の破損などによる事故のリスクがあるため、早めに交換しましょう。

まとめ:二酸化炭素消火器の特徴を理解して、適切に利用しよう

まとめ:二酸化炭素消火器の特徴を理解して、適切に利用しよう

まとめ:二酸化炭素消火器の特徴を理解して、適切に利用しよう

二酸化炭素消火器は、消火剤に二酸化炭素を使用した消火器の一種です。主に窒息効果による消火を行い、幅広い火災で使用できます。

 

ただし、冷却効果は低く密閉空間での使用が難しいなどのデメリットもあります。また、対応可能な火災の種類や使用する際に注意することもあるため、二酸化炭素消火器を使用する際は特徴を把握して適切に利用しましょう

 

#二酸化炭素、#消火器、#放射

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

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