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更新日:2023.04.28
登録日:2023.02.24
マンションの所有権とは?敷地権との違いや土地の権利について解説
マンションを購入する際、所有権を持つのは自分が購入した部屋だけと考える人は多いのではないでしょうか。実は、マンションの所有権は部屋だけに限ったものではありません。
本記事では、マンションの所有権とは何か、敷地権との違いについて詳しく解説します。借地権などの土地の権利についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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マンションの所有権とは?
マンションの所有権とは?
マンションにはさまざまな所有形態があります。そのなかでも「所有権」を持つマンションに含まれるのは、購入する部屋の権利だけではありません。
マンションの所有権を持つということは、下記の3つを所有するということです。それぞれどのようなものか、詳しく見ていきましょう。
・専有部分
・共用部分の共有持分
・敷地利用権
専有部分
マンションにおける専有部分とは、実際に購入した部屋です。分譲マンションは、戸建てのように建物全てを所有するわけではないため、決められた区分を所有することになります。とはいえ、部屋の中のすべての場所が専有部分ではありません。
専有部分は、「区分所有法」に基づいて作成される「マンション標準管理規約」によって定められています。マンション標準管理規約では、「専有部分は天井や壁、床は躯体部分を除く部分」、「窓枠や窓ガラスは専有部分に含まれない」などの専有部分に関する決まりが確認できます。
なお、マンションの専有部分については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
マンションの専有部分とは?共用部分との違いをわかりやすく解説!
共用部分の共有持分
マンションには、各室の専有部分のほかに下記のような共用部分があります。
・バルコニー(ベランダ)
・玄関ポーチ
・エントランス
・廊下
・エレベーター
・管理人室
・集会室
・駐車場
・ゴミ置き場
・ゲストスペース
・ラウンジスペースなど
これらの共用部分は、マンションに住む誰もが利用できる場所であり、マンションの住人全員で所有する場所です。共用部分を分割して所有することはできないため、持分を決めて所有しています。
共用部分は、大きく分けて「専用使用権のある共用部分」と「その他の共用部分」の2種類がありますが、持分を所有しているからといっても自由に使えるわけではありません。どちらの共用部分も、マンション標準管理規約にて使用できる範囲が定められています。
マンションの共用部分については、こちらの記事で解説しています。
マンションの共用部分とは?トラブル防止のために理解しておくべきこと
専用使用権とは
専用使用権とは、一部の共用部分について特定の区分所有者のみが使用できる権利です。専用使用権のある共用部分の代表的なものには、下記のようなものがあります。
・バルコニー(ベランダ)
・玄関ポーチ
専用使用権があるといっても、共用部分であることに変わりはないため自由には使えません。例えば、バルコニー(ベランダ)の場合は、災害などの緊急時の避難経路などの役割があるため専用使用権のある共用部分です。
万が一災害が起こった際に通れるようにしておかなければならないため、通路を遮るようなものを置くことができません。詳細なルールは、マンション標準管理規約などで定められています。
敷地利用権
マンションの所有権を持つ場合、専有部分と共用部分の共有持分のほか、マンション全体の土地に関する利用権も持ちます。この土地に関する利用権のことを「敷地利用権」といいます。
敷地利用権の考え方は、共用部分の共有持分と同じです。敷地利用権には下記の2種類があり、すべての部分を自由に使うことはできません。
・専用使用権のある敷地の一部
・その他の敷地
専用使用権のある敷地の一部には、専用庭や駐車場などが該当します。これらの敷地は、専有部分の所有者だけが利用できる場所ですが、マンションの管理組合などに使用料を支払う必要がある場合が多いでしょう。
敷地利用権についても、マンション標準管理規約にその範囲や使い方が定められています。
敷地権と所有権の違い
マンションの敷地に関する権利には「敷地権」というものもあります。では、敷地権と所有権では何が違うのでしょうか。
まず、敷地権とは敷地利用権と建物を分離できないように一体化した権利形態のひとつです。一方で、所有権とは建物を所有する権利そのものを表します。
マンションは、ひとつの建物を複数人で所有するため権利が複雑です。建物の権利を持ったまま敷地利用権を売却するといったように、建物と敷地の権利を別々の人が持っていると権利関係の把握が難しくなります。
そのため、敷地権という権利形態を用いて、敷地利用権と建物を分離できないようにしているのです。
なお、敷地利用権については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
鑑定士コメント
一戸建て住宅の場合は、土地・建物が単独の所有権であれば所有者が自由に管理できます。マンションの場合は土地も建物も多数の区分所有者と共有となるため、マンションの管理組合によって運営管理が行われ、自分の好きなように管理は出来ません。
マンションの敷地権がないケース
マンションの敷地権がないケース
販売されているマンションのほとんどは、敷地権があるため建物と敷地利用権を分離できません。しかし、なかにはマンションの敷地権がないケースもあるため注意が必要です。
マンションが建てられ始めたのは1950年代です。当時は、マンションのように共同で建物を所有することは珍しく、対応するような法律がなかったため1962年に区分所有法が作られました。
しかし、マンションが増えていくに従って建物と土地の権利がバラバラになってしまったのです。権利がバラバラの状態だと、登記手続きの煩雑化やさまざまなトラブルなどが発生します。
このような問題を解決するため、1983年に区分所有法の大改正が行われて敷地権が定められました。区分所有法の大改正以前のマンションは敷地権がない可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。
借地権付きマンションの所有権
借地権付きマンションの所有権
マンションの所有権には、土地と建物の所有権を持つ形態のほかに「借地権付きマンション」の所有権を持つ形態があります。借地権とは、土地を第三者に借りて自宅を建てる権利のことです。
借地権付きのマンションの場合、建物の所有権は持つものの土地の所有権は持ちません。土地の所有者である地主から借地権を得ることで、土地を所有せずにマンションに住むことができます。
土地を所有しないため、土地に関する固定資産税を支払う必要がありません。一方で、地主に毎月地代を支払う必要があるほか、借地契約の更新や売却時に手数料が発生します。
借地権には、下記の2種類があります。それぞれどのようなものか、詳しく見ていきましょう。
・普通借地権
・定期借地権
普通借地権とは
普通借地権とは、借地権の契約が満了した際に更新できる借地権です。普通借地権の契約期間は30年以上ですが、30年以上マンションに住むことは珍しくありません。
普通借地権の場合、契約が満了しても更新することで住み続けることができます。正当な理由がなければ、地主側から更新を拒否することはできません。
また、契約終了時は建物を撤去して借りる前の状態に戻さなければいけませんが、建物を時価で買い取ってもらうように「建物買取請求権」を行使することもできます。
なお、普通借地権については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
普通借地権とは?定期借地権との違いやメリット・デメリットを解説
定期借地権とは
定期借地権とは、普通借地権と同様に土地を借りて建物を建てる権利です。しかし、普通借地権とは違い、定期借地権は契約を更新できません。
定期借地権の契約期間は50年以上ですが、契約期間が満了した場合は更地にして土地を返却する必要があります。
なお、定期借地権については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
鑑定士コメント
もし全く同一の条件で所有権の土地と借地権の土地があり比較すると、所有権の方が資産価値が高いのは言うまでもありません。しかしながら、あえて借地権を選ぶメリットもあります。一番は初期費用が抑えられ、同じ予算でより良い立地に住めます。借地権の土地が所有権の土地よりどれだけ低いかは、様々な個別の条件で異なりますが、国税局が発表している相続税路線価に付記されている「借地権割合」が参考になります。借地権割合が70%であれば、およそ借地権の土地の相場は所有権の土地の7割という意味になります。借地権割合は都心や、商業地のエリアが高くなる傾向にあります。
まとめ:マンションの購入には所有権の理解も大切
まとめ:マンションの購入には所有権の理解も大切
マンションの所有権を持つということは、部屋などの専有部分だけではなく共用部分や敷地そのものを所有するということでもあります。ひとえにマンションを所有するといっても、さまざまな所有形態があります。
どのような所有形態にもメリットとデメリットがあるため、自分に合った所有形態のマンションを選ぶことが重要です。マンションを購入する際は、所有権について詳しく調べておきましょう。
参考文献・サイト
選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 基礎編
選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 実践編
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