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更新日:2024.09.24
登録日:2024.09.24
ラーメン構造とは? 基本知識からメリット・デメリットを徹底解説
ラーメン構造とは建築構造形式の一つで、一戸建て住宅から高層マンションまで幅広く取り入れられています。どのような構造なのか知りたいなら、基本的な知識をチェックしておくことが重要です。
一方で「ラーメン構造とその他の構造の違いは?」「デメリットや注意点はある?」など、疑問を感じている方は多いでしょう。
本記事では、ラーメン構造の基礎知識やその他の構造との違いをまとめました。メリットやデメリット、注意点もわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。
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ラーメン構造とは
ラーメン構造とは
ラーメン構造とは、柱や梁(はり)を剛接合(ごうせつごう)することで骨組みを形成する建築構造形式です。「ラーメン(Rahmen)」は、ドイツ語で額縁や枠という意味があります。
つまり縦方向の柱と横方向の梁で四角形の枠を構成する、と考えるとわかりやすいでしょう。また接合形式である剛接合では、柱と梁が一体化するように接合します。
骨組みに外力が加わって部材が変形しても、完全に固定された接合部分は変形しません。耐震力に優れており、地震に強いといった特徴があります。
ラーメン構造が主に用いられるのは、鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造、重量鉄骨構造です。一方で構造用集成材の性能が上がったことで、木造のラーメン構造(SE構法)も増えてきています。
ラーメン構造と他の構造との違い
ラーメン構造と他の構造との違い
ラーメン構造のほかには、以下のような建築構造形式があります。
ラーメン構造とその他の構造には、耐震性やリフォームのしやすさなどさまざまな違いがあります。それぞれの特徴を把握したうえで、比較することが重要です。
以下の記事ではラーメン構造の見分け方についてさらに詳しく説明しています。ラーメン構造について知識を深めたい方は、ぜひチェックしてください。
ラーメン構造の見分け方はどこでわかる?ポイントをくわしく解説
鑑定士コメント
ラーメン構造の木造と鉄骨造では使用する部材が異なります。木材を用いる木造は木の温かさを感じられ、さらに開放感のある間取りを作りやすいことがメリットです。一方で建物の高さに制限がある、火災のリスクが高いなどのデメリットがあるでしょう。鉄骨を使用する鉄骨造は地震の横揺れや火災に強く、シロアリ被害の恐れがないことがメリットです。その反面、木造と比べると断熱性が低くなってしまいます。
ラーメン構造のメリット
ラーメン構造のメリット
ラーメン構造のメリットを紹介します。
・間取りの自由度が高い
・構造設計がやりやすい
・リノベーションしやすい
どのような魅力があるのか解説するので、ぜひ参考にしてください。
間取りの自由度が高い
ラーメン構造は柱と梁の骨組みで建物を支えるので、補強を目的とした補強材を必要としません。補強を目的とした壁がいらないため、間取りの自由度が高いといったメリットがあります。
窓や扉の位置を自由に決めたり広い空間を確保したりと、柔軟に設計できるでしょう。以下に、ラーメン構造だと実現しやすい間取りをまとめました。
ステップフロアとは、一つの階層に複数の高さのフロアを取り付ける間取りのことです。持ち出しは前に飛び出した物を支える部材・構法のことで、ラーメン構造なら柱なしで前に飛び出した空間を作れます。
構造設計がやりやすい
ラーメン構造は柱と梁だけで骨組みを構成するシンプルな形式です。そのほかの構造と比較すると、構造設計がやりやすいといったメリットがあります。
構造部材の施工や加工が比較的簡単なので、工事がスムーズに進むでしょう。建物の完成が遅れたり複雑な施工のせいで販売価格が高くなったりといったリスクは、ほとんどありません。
リノベーションしやすい
リノベーションしやすい
ラーメン構造は、間取りの変更などリノベーションがしやすいといった特徴があります。柱と梁の枠で建物を支えているため、壁を取り払っても影響はあまりありません。
壁を移動させて間取りを大きく変えたり、取り払って広い空間を作ったりと、自由にリノベーションできます。ライフスタイルにあわせた改装を予定している場合は、ラーメン構造にすることを検討してください。
ラーメン構造のデメリット
ラーメン構造のデメリット
ラーメン構造のデメリットは以下の通りです。
・ほかの種類の構造よりコストが高め
・防音性が低い可能性がある
・室内に凹凸が目立ちやすい
選択したあとに後悔しないために、あらかじめ確認しておくことが重要です。
ほかの種類の構造よりコストが高め
ラーメン構造ではサイズが大きい柱や梁を用いるため、部材費が高い傾向があります。他の種類の構造と比較した場合、建築コストが高くなってしまうでしょう。
さらにサイズが大きな部材を使用すると建物全体が重くなります。大規模な基礎工事や土地の基盤改良が求められるケースもあり、さらにコストがかさむ可能性があるので注意が必要です。
防音性が低い可能性がある
ラーメン構造では壁が薄くなってしまい、防音性が低くなるケースがあります。なぜなら壁の厚さに制限が設けられているからです。
マンションなど居住目的の建物だと、隣室の物音が気になったり騒音トラブルの原因になったりする可能性があるでしょう。ラーメン構造で建物を建てる場合、遮音性の高い材質を使用するなどの対策を検討してください。
室内に凹凸が目立ちやすい
室内に凹凸が目立ちやすい
ラーメン構造では、太い柱や梁を使用するため室内に凹凸が目立ちます。家具の配置が難しくなり、デットスペースも生まれやすくなるでしょう。
一方で「逆梁工法」や「逆梁アウトフレーム工法」など、柱や梁が室内に張り出さないラーメン構造もあります。部屋がスッキリとしますが、追加コストがかかるため見積もりが必要です。
鑑定士コメント
ラーメン構造は柱と梁を一体化させることで耐震性を高めています。一方で面で支えられる壁式構造と比較した場合、耐震性で劣るので注意が必要です。とはいえ「ラーメン構造が地震に弱い」といった事実はありません。構造だけではなく、地盤の状況や建物の形状、窓や壁の位置、部材の寸法によっても耐震性は大きく左右されます。予算や建物の用途、土地の状況などを考慮したうえで、専門家に相談することが重要です。
ラーメン構造を採用するときの注意点
ラーメン構造を採用するときの注意点
ラーメン構造のマンションや中古住宅を購入する場合、張り出した柱や梁の位置を確認することが重要です。置ける家具のサイズを把握するために、家具を置く場所を測っておきましょう。
自分で測る以外にも、販売会社に採寸を確認する方法もあります。どの家具をどのように配置するのか、シミュレーションしておくことがおすすめです。
また、ラーメン構造で一戸建てを建築する場合は、見積もりをとってどのくらいの費用がかかるのか確認する必要があります。コストが高くなりやすいので、予算内に収まるかチェックしておきましょう。
ラーメン構造は、間取りにこだわりがあったり、将来的にリフォームの予定があったりする方に適しています。それらに当てはまらずコストも抑えたい方は、その他の構法を検討してください。
まとめ:ラーメン構造は将来的に改装したい人におすすめ
まとめ:ラーメン構造は将来的に改装したい人におすすめ
ラーメン構造とは、柱と梁で枠を作って建物全体をささえる建築構造形式です。間取りの自由度が高く、リノベーションがしやすいといったメリットがあります。
一方で他の構造よりコストがかかる、室内に凹凸が目立ちやすいなどのデメリットがあるので注意が必要です。その他の構造との違いをチェックしたうえで、選択する必要があるでしょう。
どうしても実現したい間取りがあるか、将来的に改装を予定しているかなど、十分に検討することが重要です。メリットやデメリット、注意点など、紹介したラーメン構造の知識をぜひ役立ててください。
#ラーメン構造とは、#建物、#リノベーション
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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