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更新日:2025.06.25
登録日:2025.06.25
機械式駐車場のサイズ基準を徹底解説|車幅・車高・重量の落とし穴をチェック

「機械式駐車場を利用する際に確認すべきポイントは?」
「利用に際してどんなことに注意すべき?」
機械式駐車場を利用したいと考えた際に、このような疑問をもった方も多いのではないでしょうか。
機械式駐車場は、平面駐車場と比べて確認すべきポイントや利用する際の注意点が多いです。特に「サイズ」に関しては、利用するために必ず確認しなければならない項目です。
安全に機械式駐車場を利用するために、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事でわかること】
・機械式駐車場では「全長・全幅・全高・重量」が4大サイズ指標
・機械式駐車場には複数の種類があり、特徴やメリット・デメリットが異なる
・サイズを確認する方法には、主に車検証のチェックと実寸の2つの方法がある
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機械式駐車場でチェックすべき「4大サイズ指標」と基準値

機械式駐車場でチェックすべき「4大サイズ指標」と基準値
機械式駐車場を利用するには、事前に車両のサイズと機械式駐車場のサイズを確認する必要があります。チェックすべき車両のサイズ指標は下記の通りです。
・全長
・全幅
・全高
・車両重量
それぞれのサイズと基準値について、詳しく解説します。
全長:5mを超えると要注意
全長とは、車両の先端から後端までの長さのことです。一般的な機械式駐車場では全長5m以下と決められていることが多く、全長5mを超える車両の場合は事前に確認しておく必要があります。
なお、車両の全長は下記の通り車の規格によってある程度把握できます(※)。
車両規格で見ると、全長が5mを超える可能性があるのは普通自動車です。機械式駐車場を利用する車両が普通自動車の場合は特に注意しましょう。
※参照:自動車検査登録情報協会
全幅:1.8mの壁とミラー格納時の実効幅を比較
全幅とは、車両の左右の端から端までの長さのことです。機械式駐車場では全幅が1.8mまでと決められていることが多いです。全長と同様に、車両規格によってある程度全幅を把握できます(※)。
車両の全幅が1.8mを超えるのは普通自動車だけです。しかし、サイドミラーによって小型自動車でも1.8mを超える可能性があることに注意しなければなりません。
一般的に、サイドミラーを広げた状態では0.20m全幅が広がるとされています。そのため、必ずサイドミラーを含めた全幅を把握しておく必要があるでしょう。
※参照:自動車検査登録情報協会
全高:1.55m標準 / 1.8mハイルーフパレットの違い
全高とは、タイヤの接地面から車体の天井までの高さのことです。機械式駐車場の規格には、主に下記の高さ制限があります(※)。
中には2つの規格が混在している機械式駐車場もあるため、間違えて駐車してしまうと重大な事故につながる恐れがあります。
特に全高は、車両規格による差が少ない項目です。軽自動車でも2.00m以下とされているため、必ず車両ごとに確認しておく必要があります。
※参照:自動車検査登録情報協会
車両重量:パレット耐荷重と軸重の落とし穴
車両重量は、車両そのものの重さのことです。機械で動く機械式駐車場では、駐車できる車両重量に制限があります。駐車可能な車両重量は、車両を駐車するパレットの耐荷重と昇降機の性能によって決まり、一般的な機械式駐車場では1,600kg〜2,300kgとされています。
車両重量には下記の2種類があり、車両重量をチェックする際はそれぞれの重量の違いについて把握しておくことが大切です。
機械式駐車場によってどちらの重量で判断されるか異なるため、どちらの重量もしっかり把握しておきましょう。
機械式駐車場の種類

機械式駐車場の種類
機械式駐車場にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。ここでは、主な機械式駐車場について解説します。
・二段式・多段式
・垂直循環方式
・エレベーター方式
それぞれの機械式駐車場の特徴やメリット・デメリットについて、詳しくみていきましょう。
二段式・多段式
二段式・多段式とは、上下に駐車スペースがある機械式駐車場です。二段式・多段式には、それぞれ下記のようなメリット・デメリットがあります。
また、二段・多段式の機械式駐車場には、駐車スペース分地下に空間が作られており昇降の際に下段が地下スペースに収まるピット式のものもあります。
垂直循環方式
垂直循環方式は、パレットを観覧車のように上下垂直に回転させる機械式駐車場です。機械を操作すると、出庫したい車両が出庫位置にくるまでパレットが回転します。主にマンションなどで設置されることが多いです。
垂直循環方式には、下記のようなメリット・デメリットがあります。
建屋内であることから、外部の影響を受けないというメリットがある一方で、出庫に時間がかかったり騒音などの問題が発生する可能性があります。
エレベーター方式
エレベーター方式は、建物内に駐車室を配置して、入庫する車両を決められた位置まで引き上げて格納する機械式駐車場です。垂直循環方式とは異なり、あらかじめ駐車位置が決められているのが特徴です。
エレベーター方式には、それぞれ下記のようなメリット・デメリットがあります。
エレベーター方式は、垂直循環方式と同様に建物内に車両を駐車するため、外部の影響を受けません。駐車室が決められているため、出庫時間を読みやすいのもメリットです。
一方、駐車室が出庫位置から遠いと時間がかかってしまいます。また、設備が複雑なためきちんとメンテナンスできていないと不具合が発生しやすく、入出庫できなくなる可能性があります。
なお、マンションのタイプごとに注目すべき要素についてより詳しく知りたい場合は以下の資料をご覧ください。無料でダウンロード可能です。
機械式駐車場に車が入るか確認する方法

機械式駐車場に車が入るか確認する方法
機械式駐車場を利用するにあたって、まずはそもそも駐車スペースに車両が入るのかを確認する必要があります。確認する方法として、主に下記の2つの方法があります。
・車検証で確認する
・実寸で計測する
それぞれの確認方法について、詳しくみていきましょう。
車検証で確認する
車両のサイズを調べるのにもっとも簡単な方法は、車検証を確認することです。車検証には、全長・全幅・全高が記載されており、重量についても車両重量と車両総重量のどちらも記載されています。
ほとんどの人が車内に車検証を保管しているため、気になったタイミングですぐに確認できます。まずは、車検証に記載されているそれぞれのサイズが機械式駐車場の要件に当てはまっているかを確認しましょう。
実寸で計測する
少し手間はかかりますが、より正確・確実にサイズを確認するには実寸で計測する必要があります。というのも、車検証に記載されているサイズは、あくまでも車両そのもののサイズだからです。
例えば、車両後部にスペアタイヤが外付けされている場合、車検証に記載されている全長よりも実寸は長くなり、重量もスペアタイヤ分重くなります。また、サイドミラーを広げると全幅が記載されている数値よりも広くなるでしょう。
他にも、アンテナやスキーキャリアなど、外付けのオプションがあると車検証に記載されたサイズと実寸に差が出ます。そのため、より確実に機械式駐車場の要件を満たしているかを確認するためにはディーラーなどに依頼して実寸で計測しましょう。
鑑定士コメント
機械式駐車場の制限値と車のサイズを照らし合わせる際は、特に全高について注意しましょう。全長・全幅・重量は、車両や機械式駐車場の規格である程度決まっています。しかし、全高は機械式駐車場によって「ハイルーフ」「ミドルルーフ」「ロールーフ」に分かれています。車両側も、もっとも小さな軽自動車規格でも2m以下とされているため、高さで制限に引っかかる可能性があります。
機械式駐車場のサイズで見落としがちな4つの注意点

機械式駐車場のサイズで見落としがちな4つの注意点
機械式駐車場のサイズを確認する際、車検証の数値だけを確認して判断すると思わぬ見落としがある可能性があります。特に見落としがちなものとして、下記の4つがあります。
・ドア開閉スペースと隣接パレットの干渉リスク
・サイドミラー折りたたみ忘れによる幅オーバー
・ルーフボックス・キャリア積載時の車高超過
・荷物満載時は「車両重量」も増える
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
ドア開閉スペースと隣接パレットの干渉リスク
車両サイズがギリギリ機械式駐車場のサイズに収まっていたとしても、下記のような注意点があります。
・ドアの開閉スペースを確保できない
・駐車位置のズレで隣接パレットに干渉してしまう可能性がある
全幅が制限ギリギリだと、ドアの開閉スペースを確保できず乗り降りができないという事態が想定されます。また、駐車の難易度が高くなってしまい、位置が少しズレるだけで隣接するパレットと干渉してしまう恐れがあるでしょう。
サイドミラー折りたたみ忘れによる幅オーバー
機械式駐車場の制限の1つである全幅ですが、サイドミラーを折りたたみ忘れるとサイズオーバーしてしまう可能性があります。というのも、サイドミラーは車両の全幅に含まれないからです。
サイドミラーが折りたたまれていない状態では、車検証に記載されている全幅よりも実寸が大きくなります。全幅が機械式駐車場の要件をギリギリ満たしている場合、サイドミラーを折りたたみ忘れてしまうと全幅がオーバーしてしまうことが考えられます。
そのまま作動させてしまうと、他パレットや車両と干渉してしまう恐れがあるため、必ずサイドミラーの格納作業を忘れずに行いましょう。
ルーフボックス・キャリア積載時の車高超過
ルーフボックスやキャリア積載時の車高超過にも注意しましょう。サイドミラーなどと同様に、これらのオプション類は車検証に記載されている全高には含まれていません。
車検証だけでサイズを確認してしまうと、オプション類を加味した全高の確認を怠ってしまいます。気づかないまま入庫してしまうと、上部パレットへの接触による積載物の破損や作動時の挟まりなど重大な事故を起こしてしまう恐れがあるでしょう。
荷物満載時は「車両重量」も増える
荷物満載時は「車両重量」も増えることを把握しておきましょう。重量の指標には「車両重量」と「車両総重量」の2種類があります。
どちらの重量で基準が決められているか、機械式駐車場によって異なることに注意が必要です。車両重量が基準となる場合、荷物などの重量が反映されていないため荷物満載時に車両重量がオーバーしてしまう可能性があります。
基準が車両重量であったとしても、機械式駐車場の要件までどれくらいの余裕があるかを事前に確認しておく必要があるでしょう。
鑑定士コメント
荷物を積載したことによる重量超過や天井にオプションを追加したことによる全高超過などでサイズオーバーしてしまったときは、無理に駐車するのは重大な事故に繋がる恐れがあり厳禁です。制限値を超えないように改善し再確認の上、使用してください。
まとめ:事前のサイズ確認で安心・安全に機械式駐車場を利用しよう

まとめ:事前のサイズ確認で安心・安全に機械式駐車場を利用しよう
機械式駐車場を利用するためには、「全長・全幅・全高・重量」の4大サイズ指標において機械式駐車場の要件をクリアする必要があります。少しでもサイズオーバーしてしまうと、他者の車両を傷つけたり機械式駐車場に損害を与えてしまったりなど重大な事故につながりかねません。
機械式駐車場ごとに要件は異なるため、安心・安全に機械式駐車場を利用できるよう事前に自分の車両サイズを車検証や実寸で確認して要件に当てはまるかを確認しましょう。
#駐車場 #機会 #サイズ #マンション

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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