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2023.09.26
自主管理とは?メリット・デメリットや行う前に押さえておきたいポイントを解説

マンションの管理方法には、管理会社に委託する方法以外にマンションの管理組合で行う「自主管理」という方法があります。自主管理にはさまざまなメリットがある一方でデメリットも存在するため、それぞれを把握したうえで管理方法を決めることが大切です。
本記事では、自主管理とはどのような管理方法か、やるべきことやメリット・デメリットについて詳しく解説します。自主管理から管理会社に委託する方法に変更できるのかについても説明するので、ぜひ最後までご覧ください。
自主管理とは

自主管理とは
自主管理とはマンションの管理方法の1つであり、会社に委託することなくオーナー自身で管理を行う方法です。全体で自主管理を行う場合、マンションの管理組合が主体となって建物や設備などの共有部の保守や整備を行います。
管理を専門の会社に委託しているマンションは多いですが、管理組合で管理することも可能です。ただし、自主管理するためにはマンションに関する多くの知識が必要であり、メリットとデメリットの両方を把握しておく必要があります。
自主管理でやるべきこと

自主管理でやるべきこと
会社に委託せずに自主管理を行う場合、下記のような業務を管理組合で行う必要があります。
・建物や設備の定期点検
・定期清掃
・マンションの修繕計画
・管理費の徴収
・決算などの会計業務
・区分所有者や居住者の名簿作成
定期的な点検や清掃を業者に依頼する場合は、それぞれ業者の選定や発注を行う必要があります。また、上記はあくまで自主管理でやるべきことの一部です。やるべきことは多岐にわたり、マンションによって異なる場合もあります。
なお、第三者管理方式については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
第三者管理方式とは?3つの管理方式とメリット・デメリットを解説
自主管理マンションのメリット

自主管理マンションのメリット
自主管理マンションには、下記のようなメリットがあります。
・管理会社に委託するよりもコストがかからない
・マンション管理に対する意識が高まる
・住民間の交流が活発
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
管理会社に委託するよりもコストがかからない
自主管理の大きなメリットは、委託する場合よりもランニングコストが安いということです。会社にマンションの管理を委託する場合、委託の範囲にもよりますが管理費は割高になりやすいでしょう。
自主管理を行うことで、費用を抑えて各住民(区分所有者)の管理費の負担を削減できます。管理費が安いと、滞納などのトラブルが発生しにくくなるなどのメリットもあります。
マンション管理に対する意識が高まる
管理をすべて管理会社に委託すると、それぞれの住民のマンション管理に対する意識は高まりません。しかし、自主管理を行うことでそれぞれが管理を行う必要があるため、管理組合全体でマンション管理に対する意識が高まりやすいです。
管理に対する意識が高いと管理組合としての活動にも積極的になり、運営がスムーズになります。共有部の利用マナーの向上にもつながるでしょう。
住民間の交流が活発
自主管理することで組合活動が活発になるということは、住民同士の交流が活発になるということでもあります。住民同士の交流が活発になりコミュニケーションが増えることで、住民同士がそれぞれの家族構成や価値観、ライフスタイルなどを把握しやすくなるでしょう。
住民同士が顔見知りになってそれぞれの事情を知っていると、トラブルが起こりにくくなります。住民同士が密にコミュニケーションをとっていることで、孤独死や犯罪などの防止にもつながるでしょう。
自主管理マンションのデメリット

自主管理マンションのデメリット
自主管理マンションには、下記のようなデメリットもあるため注意が必要です。
・理事会メンバーのなり手が不足する
・しっかり管理しないと資産価値が下がる
・管理の手間が増える
それぞれどのようなデメリットか、詳しく解説します。
理事会メンバーのなり手が不足する
自主管理は、委託に比べてやるべきことが多くなります。管理組合の負担も大きくなってしまうため、理事会メンバーになる人が減ってしまい不足するという状況になる恐れがあるでしょう。
また、理事会メンバーの入れ替わりが長期間ない場合、メンバーの高齢化によって継続が難しくなってしまいます。さらに高齢化に伴い、詳しい人がいなくなってしまう可能性があります。
管理に関する詳細が引き継ぎにくいため、さらに理事会メンバーになるハードルが上がってしまい、なり手が不足してしまうでしょう。
しっかり管理しないと資産価値が下がる
自主管理では、知識がないと正しい管理ができない恐れがあります。しっかり管理ができていないと、建物や設備の老朽化・劣化が進んでしまいマンションの資産価値が下がってしまう可能性があります。
また、建物や設備だけではなく、管理費の徴収や管理規約の徹底などの業務も資産価値に影響するでしょう。管理費の滞納によって費用が不足すると、正しい管理ができなくなってしまいます。管理規約が適切に設けられていないと、利用マナーが低下して資産価値が下がりやすいです。
管理の手間が増える
自主管理では、すべての管理業務を管理組合で行わなければなりません。会社に委託する方法に比べて管理費用は抑えられるものの、管理の手間は増えてしまいます。住民同士で協力して管理しなければならず、管理が負担になってしまうこともあるでしょう。
鑑定士コメント
自主管理だと住宅ローンが組めないことがあるのでしょうか?住宅ローンの審査基準は銀行により異なります。扱える不動産の基準についても銀行により、例えば、定期借地権マンションは取り扱わない、築50年以上のマンションは取り扱わない、などがあります。自主管理のマンションについても、申し込み時の書面だけでは、実際の管理状況を詳しく把握するのが難しく、資産価値を判断できないため取り扱わない、という銀行もあります。購入したい物件は自主管理と判明した場合は、複数の銀行に相談しましょう。
自主管理から委託に変更も可能

自主管理から委託に変更も可能
自主管理に不安がある場合は、委託管理への変更も可能なため検討するとよいでしょう。
自主管理にはメリットも多いですが、長期的にみると資産価値が下がるといった大きなリスクを負ってしまいます。管理を委託することで、入居者や建物の管理を専門家に任せることができ、管理組合の負担を減らせます。
鑑定士コメント
自主管理マンションは売れにくいのでしょうか?自主管理マンションでも、管理組合によりきちんと管理されているものもあれば、管理組合の実態が無いものまで様々です。自主管理マンションの中には、確かに売れにくい物件もあります。原因としては、管理組合がなかったり管理規約が定められていなかったりする場合、銀行によっては住宅ローンを組みにくい場合があります。直近の実際の売買が行われたケースがあるかなど、不動産会社にヒヤリングしてみるもの参考になります。
まとめ:自主管理マンションの特徴を理解して管理方法を考えていこう

まとめ:自主管理マンションの特徴を理解して管理方法を考えていこう
自主管理マンションは、住民がマンションを管理するため、会社に委託するのと比べて管理費用が安いというメリットがあります。管理のために住民同士のコミュニケーションが増えることで、住民同士のトラブルや犯罪などを防ぐことにもつながるでしょう。
ただし、管理の手間が増えて住民の負担が大きくなるというデメリットもあるため注意が必要です。自主管理から委託に変更することも可能なため、自主管理マンションの特徴を理解したうえで管理方法を考えていきましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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