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更新日:2024.12.20
登録日:2024.12.20

気密性とは?重視される理由と高めるためのポイントをわかりやすく解説

気密性とは?重視される理由と高めるためのポイントをわかりやすく解説

気密性は住宅の住みやすさを左右します。自宅の気密性を高めるためには、基本的な知識を確認しておくことが重要です。

一方で「気密性とは何?」「どうやって高めればいいの?」など、疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、気密性の基礎知識や重視される理由をわかりやすく解説します。デメリットや気密性を高めるためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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気密性とは

気密性とは

気密性とは

住宅における気密性とは、隙間がなく屋内外と空気の出入りが少ないことです。住宅には目に見えない隙間があり、少しずつ空気が出入りしています。

 

気密性が高い住宅ほど屋内の空気が漏れにくくなり、屋外からの空気は入りにくくなります。そのため一定の室温を保ちやすくなるのです。

 

また、現在は高気密・高断熱の住宅が注目を集めています。断熱性とは、室内と屋内との熱移動を防いで、暑さや寒さの影響を少なくすることです。両方が一緒に語られる理由は、双方が大きく影響しあうことにあります。気密性が高くなければ冷暖房が逃げてしまい、断熱性は保てません。

 

断熱性能が高い家は断熱材で家を包み込むように施工するので、自然に気密性が高くなります。両方にこだわった「高断熱・高気密住宅」は、国から省エネ住宅として推奨されているのです。

 

なお、以下の記事では、気密性能を表す「C値」について解説しています。気密性の基礎知識とあわせて、ぜひチェックしてください。

C値は気密性能を表す数値!算出方法や改善する方法をくわしく紹介

気密性が重視される理由

気密性が重視される理由

気密性が重視される理由

なぜ気密性が重視されるのか、具体的な理由をまとめました。

 

・建物の老朽化を防げる

・換気効率を上げられる

・ヒートショックを予防できる

・光熱費を削減できる

・結露やカビが発生しにくくなる

 

気密性の高い住宅のメリットを、チェックしておきましょう。

建物の老朽化を防げる

気密性が高い住宅は結露が発生しにくいため、老朽化を防止できます。結露による湿気は天井や床のカビや腐食の原因になり、家の耐久性や性能を低下させてしまうのです。

 

さらにシロアリは湿った木材を好むので、シロアリ被害が発生しやすくなります。このようなさまざまなリスクを防止することで老朽化を防ぎ、長く住める住宅になるわけです。

換気効率を上げられる

住宅の気密性が高ければ、効率的に部屋の空気を入れ替えられます。気密性が低いと隙間が多く、意図しない箇所から空気が漏れてしまうでしょう。

 

隙間風がなくなることで正常な換気が保たれやすくなり、設計時に計画された換気性能を十分に発揮できます。換気効率が上がることで効率よく室内の汚染質を除去でき、新鮮な空気を取り込めるようになるのです。

ヒートショックを予防できる

ヒートショックを予防できる

ヒートショックを予防できる

気密性の高い家は室温を一定に保ちやすく、部屋ごとの温度差が少ないため、ヒートショック予防になります。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が上下することです。

 

気密性が高く温度差をあまり感じさせない部屋であれば、血圧の急上昇や急降下によって発生する、心筋梗塞や脳卒中など深刻な病気のリスクを減らせるでしょう。住宅の気密性を高めることが、自分や家族の健康を守ることにつながります。

光熱費を削減できる

気密性の高い住宅では冷暖房を効率よく使用できるので、光熱費を削減できます。隙間から冷気や暖気が漏れにくく、室温を一定に保てるからです。

 

外気の影響を受けにくいため、温度を過度に上げ下げしなくても快適さを保てるでしょう。光熱費を節約しながら、夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。

結露やカビが発生しにくくなる

室温の変化が少ない気密性の高い住宅では、結露やカビが発生しにくくなります。換気もしやすいため、結露の原因となる室内の湿気を減らせるわけです。

 

窓周りの結露が少なくなるため、拭き取る手間を省けます。さらに住宅の劣化や健康リスク、ダニの発生など、結露やカビによるさまざまなリスクを防止できるでしょう。

気密性が高い場合に起こるデメリット

気密性が高い場合に起こるデメリット

気密性が高い場合に起こるデメリット

気密性が高い住宅にはさまざまな利点がありますが、以下のようなデメリットも考えられます。

 

・ハウスダストが溜まりやすい

・内部結露が発生する可能性がある

・建築費が高くなりやすい

 

後悔しないためにも、あらかじめ確認しておくことが重要です。

ハウスダストが溜まりやすい

気密性の高い住宅は空気がこもりやすく、ハウスダストが溜まりやすいので注意が必要です。吸い込んでしまうと、アレルギーや気管支喘息を引き起こす可能性があります。

 

定期的に換気をしたり空気清浄機を使用したりと、ハウスダスト対策を行いましょう。24時間換気システムが備わっている場合は1年中24時間稼働させて、定期的にフィルターを掃除してください。

内部結露が発生する可能性がある

壁と断熱材の間に隙間が発生することで、内部結露が発生しやすくなります。施工のときに断熱材が小さかったりズレて設置したりすると、目に見えない部分に結露が発生するので注意が必要です。

 

知らない間に被害が大きくなってしまうケースもあり、最悪の場合は柱や土台の腐食が発生します。信頼できる施工業者に依頼したうえで、内部結露対策について相談しましょう。

建築費が高くなりやすい

建築費が高くなりやすい

建築費が高くなりやすい

気密性や断熱性を高めるには専用の資材や工法が必要なので、建築費が高くなる傾向があります。隙間を塞ぐ断熱材や資材を使用して、さらに工事工程が増えるわけです。

 

ただし、求める気密性能や断熱性能、施工業者によって建築費は大きく左右されます。要望を伝えたうえで見積もりをとって、どれくらいかかるのか確認してください。

鑑定士コメント

気密性が原因で乾燥しやすい場合、対処法はあるでしょうか?
気密性が高いと冬でも室温が高く保ちやすいため、乾燥しやすいと感じやすくなります。加湿器を使用したり、洗濯物を室内に干したりといった対策を行いましょう。石油ファンヒーターは水蒸気がでるので、エアコンより乾燥しにくくなります。ただし、気密性が高い住宅でガス・石油ファンヒーターを使用すると一酸化炭素中毒を招くので、利用は避けたほうがよいでしょう。

気密性をあげるためのポイント

気密性をあげるためのポイント

気密性をあげるためのポイント

住宅の気密性を上げるためのポイントは以下の通りです。

 

・複層ガラスの窓を選ぶ

・C値を確認する

・気密性を高める窓を使用する

・気密測定を実施する

 

室温を快適に保つために、具体的な方法をチェックしておきましょう。

複層ガラスの窓を選ぶ

複層ガラスとは、複数のガラスで構成されたガラスのことです。ガラスとガラスの間に空間を確保することで熱伝導率が低くなり、高い断熱効果を発揮します。

 

外気温の影響を受けにくくなるのはもちろん、結露防止効果や紫外線カット効果があるのも魅力です。気密性を高めながら、より快適な住環境を実現できます。

施工業者の提示するC値を確認する

住宅における気密性は「C値(隙間相当面積)」で表します。建物全体にある隙間面積を延床面積で割った数値で、値が小さければ小さいほど隙間は少なく、気密性が高くなるわけです。

 

一般的には「C値1.0以下」が高気密住宅とされています。施工業者を選択するときは、あらかじめ気密性に関連する数値を提示しているか確認しておくことが重要です。

気密性を高める窓を使用する

気密性を高める窓を使用する

気密性を高める窓を使用する

「樹脂製サッシの窓」や「FIX窓」など、気密性を高める窓を使用する方法です。樹脂製サッシの窓は、フレームが熱を伝えにくい樹脂でできています。気密性や断熱性が高く、結露が発生しにくいことが特徴です。

 

FIX窓は開閉できない窓のことで、主に採光のために設置します。主に壁との隙間がないため気密性が高く、ホコリや花粉などの侵入も防止できます。

実際に気密測定をおこなう

C値を気密測定によって測定します。計測器具で大量の空気を屋外に排出して、室内の空気圧が戻るまでかかった時間を測るのが正しい方法です。

 

施工品質によってC値は左右されるため、実際に測ってみなければ正確な数値はわかりません。家が完成してしまうと気密性を上げられなくなるので、完成に近づいたタイミングで施工業者に測定を相談しましょう。

鑑定士コメント

隙間の少ない家はなぜ快適なのでしょうか?
気密性が高く隙間が少ない家は、外気の影響を受けにくく室内の温度差が少なくなります。冷暖房が効果を発揮しやすくなるため、冬は暖かく夏は涼しく過ごしやすくなるわけです。さらに換気効率がよく新鮮な空気を取り込みやすい、結露やカビが発生しにくいなど、さまざまな効果が期待できます。

まとめ:家を購入するときは気密性も考慮しよう

まとめ:家を購入するときは気密性も考慮しよう

まとめ:家を購入するときは気密性も考慮しよう

気密性の高い住宅は、隙間がなく空気の出入りが少ないところが魅力です。建物の老朽化を防げる、光熱費を削減できるなど、重視される理由はたくさんあります。

 

快適に過ごしたいなら住宅を建てるときやマンションを購入するときなどに気密性を考慮しましょう。気密性を高めるためのポイントをあわせて紹介したので、ぜひ参考にしてください。

 

一方でハウスダストが溜まりやすい、内部結露する可能性があるなど、デメリットもあるので注意が必要です。トラブルを防ぐためにあらかじめ確認しておきましょう。

 

#気密 #住宅 #断熱 #空気

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

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リフォームの種類として、表層リフォーム、部分リフォーム、全面がある。次のうち間違った説明はどれか。

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上限はないので、予算に応じ手にはなりますが、管理規約で認められる範囲内であれば設備等昨今のトレンドを反映することも可能です。

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