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更新日:2025.06.25
登録日:2024.06.24

住宅ローンを10年固定金利するメリット・デメリットは?向いている・向いていない人も解説!

住宅ローンを10年固定金利するメリット・デメリットは?向いている・向いていない人も解説!

「10年固定金利を選ぶメリットは?」
「固定期間の10年が終わったあと11年目以降はどうなるの?」

住宅ローンの10年固定金利を検討している人は、上記のように悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。

10年固定金利は、住宅ローンの金利タイプの一種です。メリット・デメリットや向き・不向きがあるため、内容を理解し、自分に合っているかを慎重に判断しなければなりません。

本記事では、10年固定金利とほかの金利タイプとの違いや、11年目以降はどうなるのかなどをわかりやすく解説しています。

知っておきたい注意点も説明するので、ぜひ参考にして、10年固定金利が自分に合っているか判断しましょう。

【この記事でわかること】
・住宅ローンの10年固定金利は、借入から10年間金利が変わらないため返済計画を立てやすい
・固定期間終了後に金利が上昇する可能性があり、変動金利への切り替え時に125%ルールが適用されないなど、注意すべきリスクもある
・10年固定金利は、将来的に収入が増える見込みがある人や、一定期間家計の安定を求める人に向いている

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住宅ローンの10年固定金利とは

住宅ローンの10年固定金利とは

住宅ローンの10年固定金利とは

住宅ローンの金利タイプの種類は、固定金利・変動金利の2種類です。10年固定金利は、固定金利のうちの固定金利期間選択型に含まれます。固定金利期間選択型とは、3年・5年・10年など、金利を固定する期間を選べる金利タイプです。

 

10年固定金利について、全期間固定金利・変動金利との違いを解説します。

全期間固定金利との違い

全期間固定金利と10年固定金利はどちらも固定金利のため、金利が変わらない期間がある点では同じです。しかし、金利の固定期間が異なります。それぞれの内容は、以下のとおりです。

 

全期間固定金利

住宅ローンの返済中に金利が変わらない

10年固定金利

住宅ローン借入時から最初の10年間は金利が変わらない

 

全期間固定金利は、住宅ローンの借り入れ時から完済するまで金利が一定です。フラット35のように金利が完全に固定されているため、毎月の返済額が変わらず支出が把握しやすいメリットがあります。

変動金利との違い

変動金利が10年固定金利と違う点は、金利が固定される期間が無いことです。変動金利では、市場金利に応じて金利が常時変動する可能性があります。

 

変動金利は、金利が下がれば返済額も安くなる点がメリットです。また、ほかの金利タイプに比べて借り入れ時の金利が低くなります。10年固定金利では、金利の固定期間が終われば変動金利に変えることも可能です。

 

ただし変動金利が適用されると、市場金利の上昇とともに返済額も高くなるため、金利水準をこまめにチェックし慎重に判断する必要があります。

 

変動金利については以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてください。

住宅ローン金利は変動金利と固定金利どちらを選ぶ?選び方のポイントを解説

鑑定士コメント

10年固定金利を選択する人の割合はどれくらいでしょうか?国土交通省の調査では、令和3年度に固定金利期間選択型を選んだ人の割合が、調査対象となった民間住宅ローン利用者の13.5%であることがわかります。そのうち10年固定金利を選んだ人は、47.3%です。固定金利期間選択型を選んだ場合、金利を固定する期間を10年に設定する人が最も多いといえます。

住宅ローンを10年固定金利にした人が得られるメリット

住宅ローンの10年固定金利のメリット

住宅ローンの10年固定金利のメリット

10年固定金利には、以下のようなメリットがあります。

 

・10年間金利が変動しない

・全期間固定金利型より金利が低い

・10年目以降に金利を自由に選択できる

 

それぞれの内容について、詳しく解説します。

10年間金利が変動しない

前述のとおり、10年固定金利を選ぶと借り入れ時から10年間は金利が変わりません。返済途中で市場金利が上昇しても、毎月の支出への影響はないのが利点です。

 

また、最初の10年間は返済額が変わらず支出額が想定しやすいため、返済計画も立てやすい利点があります。

 

マイホームの購入後10年間は、家族が増えたり子どもが進学したりする家庭が多い時期です。毎月の出費がはっきりわかっていると、家計もやりくりしやすいでしょう。

全期間固定金利型より金利が低い

通常10年固定金利では、最初の金利が全期間固定金利型より低く設定されています。住宅ローンの金利は、ほかの条件が同じでも固定期間が長いほど高くなるのが一般的です。

 

低い金利で返済を進めれば、金利が高いときより早く元金を減らせる点はメリットといえます。市場金利の動向によっては、全期間固定金利型を選んだときより総返済額が安く済む可能性があるでしょう。

11年目以降に金利を自由に選択できる

10年固定金利は、固定期間が終わった時点で金利タイプを自由に選択できる点も魅力です。10年後に金利が下がった場合、もう一度10年固定金利を選べば次の10年間の返済額を抑えられるでしょう。

 

固定期間満了後は、変動金利への切り替えも可能です。多くの場合、変動金利を選ぶと固定金利より金利が低くなるため、返済額も減らしやすくなります。

 

全期間固定金利に比べると、10年固定金利は完済までの期間をより縮めやすい点がポイントです。

住宅ローンを10年固定金利にした場合のデメリット

住宅ローンを10年固定金利にした場合のデメリット

住宅ローンを10年固定金利にした場合のデメリット

10年固定金利のデメリットは、主に以下の4つです。

 

・変動金利型より金利が高い

・固定期間中の金利を変更できない場合が多い

・固定金利の再選択には手数料が発生する場合がある

・固定期間の終了後に金利が高くなる可能性がある

 

デメリットの内容について、詳しく解説します。

変動金利より金利が高い

借り入れ時の金利が最も低く設定されている場合が多いのが、変動金利です。そのため10年固定金利は、変動金利より借り入れ時の利息が高くなりやすいでしょう。

 

2025年6月時点の主要銀行の金利は、それぞれ以下のとおりです。

 

変動金利

10年固定金利

三菱UFJ銀行

年0.595%~

年1.830%~

三井住友銀行

年0.595%~

年1.950%~

三井住友信託銀行

年0.730%~

年1.945%~

みずほ銀行

年0.525%~

年1.800%~

りそな銀行

年0.640%~

年2.235%~

SBI新生銀行

年0.660%〜

年1.550%〜

イオン銀行

年0.780%〜

年1.560%〜

PayPay銀行

年0.780%〜

年1.370%〜

※プランなどによって詳細な金利は異なる。

 

ただし、変動金利は借り入れ以降の金利が上下する可能性があり、毎月の返済額が不安定です。10年固定金利なら、10年間は返済額が変わらない安心感があります。自分のライフプランや好みに合わせて、重視するポイントを決めましょう。

 

なお、2025年3月には大手銀行5行が固定金利型の基準金利を一斉に引き上げました。固定金利型の住宅ローンの契約を検討している人は、今後の金利変動に注目しておく必要があるでしょう。

固定期間中の金利を変更できない場合が多い

一度金利の固定期間を設定すると、金利タイプは途中で変えられない場合が多いものです。市場金利が大幅に下がっても、固定期間を終えるまでは恩恵を得られない点に注意しましょう。

 

途中で金利タイプが変えられないことを踏まえ、住宅ローン借り入れ時点で市場金利の動向をよくチェックしておくことが大切です。

 

固定金利の再選択には手数料が発生する場合がある

固定期間終了時に金利タイプを選択する際、プランによっては手続きや手数料が発生する場合があります

 

例えば、北陸銀行の住宅ローンでは書類による再設定手続きを行うと11,200円の手数料が発生します(※)。一方、インターネットバンキングでの手続きは手数料がかかりません。

 

このように、金融機関や手続き方法によって固定金利の再設定手数料は異なる場合があります。借り入れ先の金融機関の手続き方法やそれぞれの手数料について、事前に確認しておきましょう。

 

※参照:北陸銀行

固定期間の終了後に金利が高くなる可能性がある

10年固定金利では、固定期間が終わったときに市場金利が住宅ローン借り入れ時より上がっていれば、その後の適用金利も上がります。

 

11年目以降、これまでより返済額が高くなる可能性がある点には注意が必要です。固定期間の満了が近づいたときは、市場金利の動向を見極めて今後の金利タイプを検討しましょう。

 

また、固定期間のうちに余裕ができれば繰り上げ返済をしたり貯蓄を増やしておいたりするなど、11年目以降の金利変動に備えておくことも重要です。

住宅ローンの固定金利の選び方で損をしないポイント

住宅ローンの固定金利の選び方で損をしないポイント

住宅ローンの固定金利の選び方で損をしないポイント

ここでは、住宅ローンの固定金利の選び方で損をしないポイントについて、下記の4つを解説します。

 

・ライフプランを考慮して選ぶ

・目先の低金利だけで判断しない

・返済負担率を適切に設定する

・固定期間終了後の対策を考える

 

ライフプランを考慮して選ぶ

住宅ローンの固定金利は、ライフプランに合わせて選ぶことが大切です。出産や子供の進学など、住宅購入後もライフイベントは数多くあります。

 

将来のライフプランを考慮することで、いつまで固定金利であれば安心か、いつから返済に余裕が出てくるかなどの検討がつきます。

 

固定金利のメリットは、金利の変動による返済額の増減がないということです。しかし、「返済額を一定にしたいからとりあえず固定金利にしておく」と言うような考え方で固定金利を選んでしまうと、返済総額は高くなってしまう恐れがあります。

 

ライフプランに合わせて固定金利を選ぶことで、返済総額を抑えることができるでしょう。

目先の低金利だけで判断しない

固定金利を選ぶ際は、目先の低金利だけで判断しないようにしましょう。とりあえず低金利のローンを探そうとする人もいますが、金利だけではなく住宅ローンのトータルで返済額が抑えられるかを考えることが重要です。

 

低金利の住宅ローンには、金利が低い代わりに諸費用が高かったり審査が厳しかったりするものがあります。目先の低金利だけで判断すると、諸費用のせいでかえって返済額が高くなったり、そもそも借りられなかったりすることがあります。

 

そのため、目先の低金利だけで判断するのではなく、全期間で見てトータルで返済額を抑えられる住宅ローンを選びましょう。

 

返済負担率を適切に設定する

住宅ローンの固定金利では、適切な返済負担率を設定することが大切です。返済負担率が適切であれば、収入に対して可能な限り返済総額を抑えられます。

 

返済負担率は収入に占める返済額です。返済負担率が高すぎると、返済期間は短くなりますが日々の生活が苦しくなってしまいます。一方で返済負担率が低いと、生活に余裕は生まれますが借入期間が長くなるため支払う金利も高くなるでしょう

 

そのため、収入から適切な返済負担率を設定して、無理のない範囲で返済することが重要です。

 

固定期間終了後の対策を考える

住宅ローンの固定金利を選ぶ際は、固定期間終了後の返済プランにも注目しましょう。10年固定金利の住宅ローンは、固定期間終了後に下記のような選択肢があります。

 

・変動金利に切り替える

・期間選択型金利を再考する

・他の金融機関に乗り換える

 

どの選択肢にもメリット・デメリットがあるため、自分の返済状況や家庭状況などを踏まえてしっかりと対策を立てることが重要です。固定期間が終了するタイミングで考え始めてしまうと遅いため、事前にどの選択肢が一番良いかを考えておきましょう。

住宅ローンの10年固定金利はどんな人におすすめ?

住宅ローンの10年固定金利はどんな人におすすめ?

住宅ローンの10年固定金利はどんな人におすすめ?

住宅ローン利用時は、自分に合った金利タイプを選ぶことで、完済までよりスムーズに進めやすくなります。10年固定金利が向いている人と、向いていない人の特徴を紹介するので、検討する際の参考にしてください。

住宅ローンの10年固定金利が向いている人の特徴

10年固定金利は、以下のような人に向いています。

 

・着実に貯蓄を増やせる人

・近い将来に大きな出費を控えている人

・11年目以降に繰上返済を予定している人

・将来収入が増える見込みがある人

・将来の金融情勢に応じて柔軟に対応できる人

 

それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。

着実に貯蓄を増やせる人

10年固定金利は、着実に貯蓄を増やせる人に向いています。というのも、10年後の支払いがどうなるかが読めないからです。

 

10年後には、変動金利に切り替えたり再度固定金利を契約したりすることになることが多いです。しかし、10年後の金利がどうなっているかを把握することは難しいでしょう。

 

もし金利が上昇して月々の返済額が苦しくなってしまうと、生活にも影響が出てしまいます。そのため、金利上昇などのリスクを見越して着実に貯金できる人に向いています

 

近い将来に大きな出費を控えている人

住宅ローンの借り入れから10年以内に、子どもの進学やマイカーの購入などを想定している人は、10年固定金利がぴったりです。大きな出費が続く間は、返済額が固定されているほうが家計を把握しやすいでしょう。

 

10年間は金利が変わらないため、返済額が明確です。返済額が決まっているため、出費が多いタイミングで返済を安定させられます。

 

11年目以降に繰上返済を予定している人

11年目以降に繰り上げ返済を予定している人は、住宅ローン控除の利用と合わせて10年固定金利が向いているでしょう。

 

個人が住宅ローンを利用する場合、新築住宅で最大13年、中古住宅で最大10年間、年末時点の住宅ローン残高の0.7%が所得税から控除されます。そのため、10年間は固定金利で安定した返済を行いつつ控除を受け、11年目で繰り上げ返済を行うという選択が可能です。

 

また、そのほかにも11年目に退職金が入るため退職金で繰上返済をするというような場合もあります。

将来収入が増える見込みがある人

今後昇給する見込みのある人や市場金利の動きを追える人にも、10年固定金利が向いています。固定期間が終わったときに市場金利が上がっていても、対応しやすくなるためです。

 

10年固定金利は、期間中は返済額が安定するものの期間を過ぎると返済額がどのように変動するかわかりません。将来収入が増える見込みがあれば、返済額が増えてしまっても対応できるでしょう。

 

将来の金融情勢に応じて柔軟に対応できる人

10年固定金利は、将来の金融情勢に応じて柔軟に対応できる人に向いています。なぜなら、10年固定金利期間が終わってからどのような契約に切り替えるべきかが金融情勢によって異なるからです。

 

自分の状況や金融情勢をきちんと把握して、柔軟に自分に合った選択を選べると10年固定金利のメリットを最大限活用できます。

 

住宅ローンの10年固定金利が向いていない人の特徴

10年固定金利は、以下のような人には向いていないでしょう。

 

・細かい返済計画を立てるのが苦手な人

・金利変動のリスクを避けたい人

・返済額をできるかぎり安くしたい人

・市場金利が下がった場合の恩恵を受けたい人

 

なぜ10年固定金利に向いていないのか、それぞれの特徴について解説します。

細かい返済計画を立てるのが苦手な人

10年固定金利は、細かい返済計画を立てるのが苦手な人にはあまり向いていません。というのも、綿密に計画しなければ10年固定金利のメリットを十分に受けられないからです。

 

10年固定金利は、変動金利と比べて返済額が安定する代わりに金利が高い傾向にあります。金利が高いというデメリットはありますが、返済を安定させて他の出費に合わせて細かい返済計画を立てられるのは人生設計においてアドバンテージです。

 

そのため、10年固定金利を選ぶのであれば最初の10年間のライフプランや11年目からの金利タイプについて、ある程度計画を立てておく必要があります。計画を立てられないのであれば、返済額が安定するというメリットをあまり享受できないでしょう。

 

金利変動のリスクを避けたい人

10年固定金利は、金利変動のリスクを避けたい人には向いていません。たしかに、変動金利に比べると10年は金利変動のリスクはないですが、それでも11年目からは金利変動のリスクを負う必要があります。

 

返済計画を立てたりリスクを負ったりするのを避けたい人は、全期間固定金利型を選ぶとよいでしょう。

 

返済額をできるかぎり安くしたい人

返済額をできるかぎり安くしたい人は、10年固定金利にはあまり向いていません。というのも、返済額を安くしたいのであれば、より金利が低い変動金利を選んだほうが良いからです。

 

10年固定金利は、10年間金利変動のリスクを抑える代わりに金利が高い傾向にあります。リスクをとってでも返済額を安くしたい場合は、10年固定金利ではなく変動金利を選択しましょう

 

市場金利が下がった場合の恩恵を受けたい人

10年固定金利は、金利変動による恩恵を受けたい人にはあまり向いていないといえるでしょう。金利変動は必ずしもマイナスに働くとは限りません。金利が下がれば返済額が下がることもあるでしょう。

 

しかし、10年固定金利は市場金利が下がっても恩恵を受けることはありません。変動金利より返済額が高くなる場合が多く、固定期間中の金利タイプの変更もできないというデメリットもあります。返済額を抑えたり市場金利が下がったときの恩恵を受けたりしたい人には、変動金利が向いているといえます。

 

住宅ローンの10年固定金利で知っておきたい注意点

住宅ローンの10年固定金利で知っておきたい注意点

住宅ローンの10年固定金利で知っておきたい注意点

住宅ローンの10年固定金利を選ぶ際の注意点は、以下の2つです。

 

・125%ルールが適用されない

・10年目以降のライフプランを見直す

 

それぞれの内容について、詳しく解説します。

125%ルールが適用されない

固定期間選択型で変動金利に切り替わったときは、通常の変動金利とは違い、125%ルールが適用されません。125%ルールとは、金利の変動によって返済額が増える場合、上昇幅を125%までとする決まりです(※)。

 

125%ルールは、多くの住宅ローン商品の変動金利プランで採用されています。返済額が急に高くなるリスクを軽減できるのがメリットです。

 

125%ルールが適用されない10年固定金利を利用するなら、11年目以降に返済額が上がるリスクも考慮して貯金しておくとよいでしょう。

 

※参照:SBI新生銀行

11年目以降のライフプランを見直す

10年固定金利を検討する際は、11年目以降のライフプランについても家族間で話し合っておきましょう。固定期間が終わったあとに住宅ローンの金利が上がった場合、ほかにも大きな出費があると、負担が急増することになりかねません。

 

もちろん、住宅ローンの借り入れ時点でライフプランを想定しても、そのとおりにはいかない場合もあるでしょう。返済途中で想定外の出費があれば、11年目以降のライフプランをその都度見直し、返済計画を練り直す必要があります。

鑑定士コメント

10年固定金利終了後、11年目以降はどうなるのでしょうか?10年の固定期間が終了すると、自動的に変動金利に切り替わる住宅ローン商品も多くあります。11年目以降に再度固定金利を選びたい場合は手続きが必要なこともあるため、金利タイプの切り替え時期には注意しましょう。また、固定期間終了後に変動金利・固定金利のどちらを選んでも、金利は借り入れ当初より上がる可能性が高いものです。11年目以降は月々の負担が増えることを想定し、貯蓄を増やすなどして備えておきましょう。

住宅ローンの固定金利期間終了後の返済計画の立て方

住宅ローンの固定金利期間終了後の返済計画の立て方

住宅ローンの固定金利期間終了後の返済計画の立て方

10年固定金利の住宅ローンは、固定金利期間の返済が終わっても返済は続きます。そのため、固定金利期間終了後の返済計画についても考えておかなければなりません。

 

返済計画を立てるためには、下記のようなポイントを押さえておくことが大切です。

 

・固定金利期間終了後の選択肢を理解する

・金融機関と交渉する

・注意すべきリスクを把握する

 

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

 

固定金利期間終了後の選択肢を理解する

固定金利期間終了後の返済計画を立てるには、まずどのような選択肢があるかを把握することが重要です。固定期間終了後は、一般的に下記の選択肢の中から選ぶことになります。

 

・変動金利に切り替える

・期間選択型金利を再考する

・他の金融機関に乗り換える

 

一般的に、固定金利期間が終了すると自動的に変動金利に切り替わります。また、住宅ローンによっては手続きを行うことで再度固定金利の契約を結ぶことも可能です。

 

しかし、金利プランによっては固定金利期間後の金利が高く設定されていることもあります。そのため、選択肢として他の金融機関に乗り換えると言う選択肢もあります。

 

それぞれの選択肢のメリット・デメリットをしっかりと理解して、固定金利期間終了の返済計画を立てましょう。

金融機関と交渉する

金融機関と交渉することも、今後の返済計画に大きく影響します。固定金利期間終了後に同じ金融機関で借入を継続する場合、金利が高くなってしまうことも珍しくありません。

 

事前に金融機関と交渉することで、金利を下げてもらうなどの自分に有利な条件を引き出せる可能性があります。金融機関と交渉するには、下記のような準備を行なっておくと効果的です。

 

・信用を高める

・他の金融機関で見積もりを取る

 

まずは、勤続年数のデータや収入を証明する書類などを準備しておき、返済能力が十分にあることを証明します。返済能力があれば、金利が低くても安全に貸付できると判断できます。

 

また、他の金融機関の見積もりを取っておくことで、金利交渉がスムーズに進む可能性があります。

注意すべきリスクを把握する

固定金利期間終了後の返済計画を立てる場合は、注意すべきリスクも把握しておきましょう。主なリスクには、下記のようなものがあります。

 

・金利が上がる

・住居の資産価値が下がっている

 

金利が上がってしまった場合、既存の返済計画通りに返済することが困難になる可能性があります。そのため、金利がどれくらい上がるのか、返済負担率にどれくらいの余裕があるかを把握しておき、金利が上がった場合にも返済を続けられる計画を立てましょう。

 

また、他の金融機関に乗り換える場合は再度住宅ローンを契約することになります。住宅ローンの借り入れには担保となる住宅の資産価値も重要になりますが、10年住んだ住宅は資産価値が下がっている恐れがあります。

 

資産価値が下がっていると、借入できる金額が下がってしまい乗り換えが難しくなる可能性もあるでしょう。資産価値が下がっていることも考慮して返済計画を立てる必要があります。

 

なお、マンションの資産性のあげ方をより詳しく知りたい場合は以下を確認してみてください。無料でダウンロード可能です。

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まとめ:10年固定金利の特徴を理解したうえで慎重に選択しよう

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10年固定金利は、住宅ローンの借り入れから10年間は金利が変わりません。金利の固定期間は返済計画が立てやすかったり、全期間固定金利型より総返済額を抑えやすかったりするのがメリットです。

 

また11年目以降は、変動金利か固定金利を選択できます。どちらを選んでも、最初より金利が高くなりやすい点には注意が必要です。変動金利より金利が高いことや、固定期間中に金利タイプを変えられないことも覚えておきましょう。

 

10年固定金利は、着実に貯金ができたり、繰り上げ返済を予定していたりする人におすすめです。メリット・デメリットを理解し、10年固定金利が自分に合っているか慎重に判断しましょう。

 

#金利、#借入、#時期、#固定金利、#変動金利

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

住宅ローンのメリットとして、正しいものを下記より選びなさい。

答えは 2

手持ち資金を確保し、別の運用や出費に備えることによりレバレッジ効果が期待できます

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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