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更新日:2024.09.12
登録日:2024.06.24
住宅ローンの10年固定金利が向いているのはどんな人?メリット・デメリットも解説
「10年固定金利を選ぶメリットは?」
「固定期間の10年が終わったあと11年目以降はどうなるの?」
住宅ローンの10年固定金利を検討している人は、上記のように悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
10年固定金利は、住宅ローンの金利タイプの一種です。メリット・デメリットや向き・不向きがあるため、内容を理解し、自分に合っているかを慎重に判断しなければなりません。
本記事では、10年固定金利とほかの金利タイプとの違いや、11年目以降はどうなるのかなどをわかりやすく解説しています。知っておきたい注意点も説明するので、ぜひ参考にして、10年固定金利が自分に合っているか判断しましょう。
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住宅ローンの10年固定金利とは
住宅ローンの10年固定金利とは
住宅ローンの金利タイプの種類は、固定金利・変動金利の2種類です。10年固定金利は、固定金利のうちの固定金利期間選択型に含まれます。固定金利期間選択型とは、3年・5年・10年など、金利を固定する期間を選べる金利タイプです。
10年固定金利について、全期間固定金利・変動金利との違いを解説します。
全期間固定金利との違い
全期間固定金利と10年固定金利はどちらも固定金利のため、金利が変わらない期間がある点では同じです。しかし、金利の固定期間が異なります。それぞれの内容は、以下のとおりです。
全期間固定金利は、住宅ローンの借り入れ時から完済するまで金利が一定です。フラット35のように金利が完全に固定されているため、毎月の返済額が変わらず支出が把握しやすいメリットがあります。
変動金利との違い
変動金利が10年固定金利と違う点は、金利が固定される期間が無いことです。変動金利では、市場金利に応じて金利が常時変動する可能性があります。
変動金利は、金利が下がれば返済額も安くなる点がメリットです。また、ほかの金利タイプに比べて借り入れ時の金利が低くなります。10年固定金利では、金利の固定期間が終われば変動金利に変えることも可能です。
ただし変動金利が適用されると、市場金利の上昇とともに返済額も高くなるため、金利水準をこまめにチェックし慎重に判断する必要があります。
変動金利については以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてください。
住宅ローン金利は変動金利と固定金利どちらを選ぶ?選び方のポイントを解説
鑑定士コメント
10年固定金利を選択する人の割合はどれくらいでしょうか?国土交通省の調査では、令和3年度に固定金利期間選択型を選んだ人の割合が、調査対象となった民間住宅ローン利用者の13.5%であることがわかります。そのうち10年固定金利を選んだ人は、47.3%です。固定金利期間選択型を選んだ場合、金利を固定する期間を10年に設定する人が最も多いといえます。
参照:国土交通省
住宅ローンの10年固定金利のメリット
住宅ローンの10年固定金利のメリット
10年固定金利には、以下のようなメリットがあります。
・10年間金利が変動しない
・全期間固定金利型より金利が低い
・10年目以降に金利を自由に選択できる
それぞれの内容について、詳しく解説します。
10年間金利が変動しない
前述のとおり、10年固定金利を選ぶと借り入れ時から10年間は金利が変わりません。返済途中で市場金利が上昇しても、毎月の支出への影響はないのが利点です。
また、最初の10年間は返済額が変わらず支出額が想定しやすいため、返済計画も立てやすい利点があります。
マイホームの購入後10年間は、家族が増えたり子どもが進学したりする家庭が多い時期です。毎月の出費がはっきりわかっていると、家計もやりくりしやすいでしょう。
全期間固定金利型より金利が低い
通常10年固定金利では、最初の金利が全期間固定金利型より低く設定されています。住宅ローンの金利は、ほかの条件が同じでも固定期間が長いほど高くなるのが一般的です。
低い金利で返済を進めれば、金利が高いときより早く元金を減らせる点はメリットといえます。市場金利の動向によっては、全期間固定金利型を選んだときより総返済額が安く済む可能性があるでしょう。
11年目以降に金利を自由に選択できる
11年目以降に金利を自由に選択できる
10年固定金利は、固定期間が終わった時点で金利タイプを自由に選択できる点も魅力です。10年後に金利が下がった場合、もう一度10年固定金利を選べば次の10年間の返済額を抑えられるでしょう。
固定期間満了後は、変動金利への切り替えも可能です。多くの場合、変動金利を選ぶと固定金利より金利が低くなるため、返済額も減らしやすくなります。
全期間固定金利に比べると、10年固定金利は完済までの期間をより縮めやすい点がポイントです。
住宅ローンの10年固定金利のデメリット
住宅ローンの10年固定金利のデメリット
10年固定金利のデメリットは、主に以下の3つです。
・変動金利より金利が高い
・固定期間中の金利を変更できない場合が多い
・固定期間の終了後に金利が高くなる可能性がある
デメリットの内容について、詳しく解説します。
変動金利より金利が高い
借り入れ時の金利が最も低く設定されている場合が多いのが、変動金利です。そのため10年固定金利は、変動金利より借り入れ時の利息が高くなりやすいでしょう。
2024年5月時点の主要銀行の金利は、それぞれ以下のとおりです。
※プランなどによって詳細な金利は異なる。
ただし、変動金利は借り入れ以降の金利が上下する可能性があり、毎月の返済額が不安定です。10年固定金利なら、10年間は返済額が変わらない安心感があります。自分のライフプランや好みに合わせて、重視するポイントを決めましょう。
固定期間中の金利を変更できない場合が多い
一度金利の固定期間を設定すると、金利タイプは途中で変えられない場合が多いものです。市場金利が大幅に下がっても、固定期間を終えるまでは恩恵を得られない点に注意しましょう。
途中で金利タイプが変えられないことを踏まえ、住宅ローン借り入れ時点で市場金利の動向をよくチェックしておくことが大切です。
なお、固定期間終了時に金利タイプを選択する際は、プランによって手続きや手数料が必要な商品もあります。借り入れ先の金融機関の申し込み条件などを、必ず確認しておきましょう。
固定期間の終了後に金利が高くなる可能性がある
固定期間の終了後に金利が高くなる可能性がある
10年固定金利では、固定期間が終わったときに市場金利が住宅ローン借り入れ時より上がっていれば、その後の適用金利も上がります。
11年目以降、これまでより返済額が高くなる可能性がある点には注意が必要です。固定期間の満了が近づいたときは、市場金利の動向を見極めて今後の金利タイプを検討しましょう。
また、固定期間のうちに余裕ができれば繰り上げ返済をしたり貯蓄を増やしておいたりするなど、11年目以降の金利変動に備えておくことも重要です。
住宅ローンの10年固定金利はどんな人におすすめ?
住宅ローンの10年固定金利はどんな人におすすめ?
住宅ローン利用時は、自分に合った金利タイプを選ぶことで、完済までよりスムーズに進めやすくなります。10年固定金利が向いている人と、向いていない人の特徴を紹介するので、検討する際の参考にしてください。
住宅ローンの10年固定金利が向いている人の特徴
10年固定金利は、以下のような人に向いています。
・近々出費が続くことが予想できる
・着実に貯蓄を増やせる
・11年目以降に繰り上げ返済をしたい
・将来収入が増える見込みがある
・市場金利の動向をチェックできる
住宅ローンの借り入れから10年以内に、子どもの進学やマイカーの購入などを想定している人は、10年固定金利がぴったりです。大きな出費が続く間は、返済額が固定されているほうが家計を把握しやすいでしょう。
また、着実に貯金ができる人にもおすすめです。固定金利のうちに貯蓄を増やしておけば、11年目以降に繰り上げ返済をするなどして、返済をスムーズに進めやすいためです。
今後昇給する見込みのある人や市場金利の動きを追える人にも、10年固定金利が向いています。固定期間が終わったときに市場金利が上がっていても、対応しやすくなるためです。
住宅ローンの10年固定金利が向いていない人の特徴
10年固定金利は、以下のような人には向いていないでしょう。
・細かい返済計画を立てるのが苦手
・なるべくリスクを負いたくない
・返済額をできるだけ安くしたい
・市場金利が下がった場合の恩恵を受けたい
10年固定金利を選ぶなら、最初の10年間のライフプランや11年目からの金利タイプについて、ある程度計画を立てておく必要があります。
11年目以降には、金利が上がるリスクがあることも考慮しなければなりません。返済計画を立てたりリスクを負ったりするのを避けたい人は、全期間固定金利型を選ぶとよいでしょう。
また前述のとおり、10年固定金利は変動金利より返済額が高くなる場合が多く、固定期間中の金利タイプの変更もできません。返済額を抑えたり市場金利が下がったときの恩恵を受けたりしたい人には、変動金利が向いているといえます。
住宅ローンの10年固定金利で知っておきたい注意点
住宅ローンの10年固定金利で知っておきたい注意点
住宅ローンの10年固定金利を選ぶ際の注意点は、以下の2つです。
・125%ルールが適用されない
・10年目以降のライフプランを見直す
それぞれの内容について、詳しく解説します。
125%ルールが適用されない
固定期間選択型で変動金利に切り替わったときは、通常の変動金利とは違い、125%ルールが適用されません。125%ルールとは、金利の変動によって返済額が増える場合、上昇幅を125%までとする決まりです(※)。
125%ルールは、多くの住宅ローン商品の変動金利プランで採用されています。返済額が急に高くなるリスクを軽減できるのがメリットです。
125%ルールが適用されない10年固定金利を利用するなら、11年目以降に返済額が上がるリスクも考慮して貯金しておくとよいでしょう。
※参照:SBI新生銀行
11年目以降のライフプランを見直す
10年固定金利を検討する際は、11年目以降のライフプランについても家族間で話し合っておきましょう。固定期間が終わったあとに住宅ローンの金利が上がった場合、ほかにも大きな出費があると、負担が急増することになりかねません。
もちろん、住宅ローンの借り入れ時点でライフプランを想定しても、そのとおりにはいかない場合もあるでしょう。返済途中で想定外の出費があれば、11年目以降のライフプランをその都度見直し、返済計画を練り直す必要があります。
鑑定士コメント
10年固定金利終了後、11年目以降はどうなるのでしょうか?10年の固定期間が終了すると、自動的に変動金利に切り替わる住宅ローン商品も多くあります。11年目以降に再度固定金利を選びたい場合は手続きが必要なこともあるため、金利タイプの切り替え時期には注意しましょう。また、固定期間終了後に変動金利・固定金利のどちらを選んでも、金利は借り入れ当初より上がる可能性が高いものです。11年目以降は月々の負担が増えることを想定し、貯蓄を増やすなどして備えておきましょう。
まとめ:10年固定金利の特徴を理解したうえで慎重に選択しよう
まとめ:10年固定金利の特徴を理解したうえで慎重に選択しよう
10年固定金利は、住宅ローンの借り入れから10年間は金利が変わりません。金利の固定期間は返済計画が立てやすかったり、全期間固定金利型より総返済額を抑えやすかったりするのがメリットです。
また11年目以降は、変動金利か固定金利を選択できます。どちらを選んでも、最初より金利が高くなりやすい点には注意が必要です。変動金利より金利が高いことや、固定期間中に金利タイプを変えられないことも覚えておきましょう。
10年固定金利は、着実に貯金ができたり、繰り上げ返済を予定していたりする人におすすめです。メリット・デメリットを理解し、10年固定金利が自分に合っているか慎重に判断しましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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