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更新日:2023.08.22
登録日:2023.04.24
マンション購入時に知っておきたい住宅ローンの基礎知識
「住宅ローンの手続き方法がわからない」
「住宅ローンって金利タイプや返済方法など内容が難しそう…」
マンションを購入して住宅ローンを借り入れようとする際には、このように悩む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、住宅ローンを利用するための手続きの流れや審査内容のほか、金利のタイプや返済方法についても詳しく解説しています。最後まで読めば、住宅ローンの手続きをスムーズに進められますよ。ぜひ参考にして、納得のいくプランでマイホームを購入してくださいね。
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マンション購入時も住宅ローンを利用できる
マンション購入時も住宅ローンを利用できる
住宅ローンは、購入した家や土地を担保として、金融機関からお金を借りられるサービスです。自分が住むための住宅や土地なら、一戸建てはもちろん、マンションを購入する場合にも利用できます。また、新築や中古に関わらず対象となるのもポイントです。
住宅ローンを利用するためにはいくつか条件が決まっているため、自分が条件を満たしているかを確認しておく必要があります。住宅ローンの利用条件と手続きの流れを紹介するので、マンションの購入を考えている人はぜひ参考にしてください。
住宅ローンを利用する条件
マンションを購入する際、住宅ローンを利用する条件は金融機関によって異なりますが、主に以下の3点が挙げられます。
・購入するマンションは、住宅ローンの利用者本人が住むためのものであること
・中古マンションの場合、金融機関が定める期間内に返済を終えること
・店舗や事務所を兼ねている住宅は、居住スペースが床面積の半分以上であること
住宅ローンはマイホームを購入するために組むローンなので、賃貸に出すための購入や、別荘として購入する場合には利用できません。また中古マンションを購入する場合は、物件の築年数などによって借り入れ期間に制限があることが多いので、注意が必要です。
マイホームを店舗や事務所としても利用する場合は、居住スペースが床面積の半分以上と定められているのが一般的。そのほかにも、金融機関によって条件が異なる場合があるので、利用したい住宅ローンの利用条件を確認してください。
住宅ローン手続きの流れ
住宅ローンの手続きは、マンションを購入する手続きと同時並行で進める場合がほとんどです。住宅ローンを組むまでの流れを、マンション購入の流れと照らし合わせて確認しておきましょう。
※横にスクロールできます。
以上のとおり住宅ローンの手続きは、多くの場合でマンションの引き渡しと同時に融資が開始されるように進められます。やるべきことが多く大変な面もありますが、マイホーム購入に向けて着実に手続きを進めましょう。
注意すべき点は、マンション購入の契約を結んだときに支払う手付金です。手付金を支払う際にはまだ融資が開始されていないため、手持ちのお金から支払う必要があります。手付金は、住宅の購入金額の5~10%程度が相場です(※)。
たとえば3,000万円のマンションを購入したら、150万円を先に支払わなければなりません。手付金とはいえまとまったお金が必要なので、マンション購入の際には事前に準備しておきましょう。
住宅ローンの金利のタイプ
住宅ローンの金利のタイプ
住宅ローンを借り入れると、借りた金額以外に利息が発生します。住宅ローンの金利タイプは、主に以下の3点です。
・固定金利
・変動金利
・固定金利期間選択
それぞれの内容について詳しく説明しますので、金利タイプを選ぶ際の参考にしてください。
固定金利
固定金利タイプの住宅ローンは、返済を終えるまでの間金利が変わらないのが特徴です。金利が一定のまま固定されるので、住宅ローンの月々の返済額も変わらず、返済が計画的に進められます。
住宅ローンの返済に毎月いくら必要なのかが明確な固定金利を選べば、ライフプランが立てやすいこともメリット。妊娠・出産や子どもの学費などでまとまったお金が必要になった場合にも、慌てずに準備しやすいでしょう。
固定金利のデメリットとしては、変動金利に比べると金利の総額が高くなる場合が多いことが挙げられます。全体を通して見れば支出の総額が高くなりやすいため、少しでも総支出額を抑えたい場合は要注意です。
変動金利
住宅ローンで変動金利タイプを選べば、5年に一度のペースで金利の見直しが行われます。見直しによって金利が上がれば返済額が増え、金利が下がれば返済額も減少します。
変動金利は、固定金利と比べると低い金利で返済がスタートします。そのため返済期間が短い人は、変動金利を選んだほうがメリットが大きいでしょう。低金利の状況が続いているうちは返済額も少ないので、固定金利と比べると総支出額を抑えやすいといえます。
ただし、見直しによって金利が上がった場合は、返済額も増えるため注意しましょう。増える割合は前年の125%までと上限が決まっていますが、増えた金額に対応できるだけの資金力が必要です。変動金利を選ぶなら、金利が増えたときを見据えての貯蓄が大切です。
固定金利期間選択
固定金利期間選択
固定金利期間選択タイプは、最初の数年は固定金利で返済し、残りは変動金利で返済するものです。固定金利で返済する年数は、多くの金融機関で3年・5年・10年などから選べます。
たとえばマイホームを購入してから10年を固定金利期間にすれば、月々の返済額が固定され、子どもが生まれたり進学したりといったライフイベントにも対応しやすくなります。そのあと変動金利に切り替えれば、固定金利で返済し続けるより支出を抑えやすいでしょう。
ただし、途中から変動金利に切り替えた場合は、金利の上昇率の上限が設けられないのが一般的。また、変動金利タイプのように5年ごとに金利が見直されるのではなく、金利の上昇に応じてその都度返済額が変わる点にも注意が必要です。
鑑定士コメント
おすすめの金利タイプは、住宅ローンを利用する人の状況によっても変わります。夫婦共働きなどで、資金に余裕があり、1年目からどんどん繰り上げ返済をしていきたい人なら、しばらく低金利が続くと思われる変動金利タイプがおすすめです。反対に、家族構成により長期的なライフプランが見えていて、教育費などまとまったお金が必要なことが予想されるなら、固定金利や固定金利期間選択タイプが適していることもあります。
住宅ローンの返済方法
住宅ローンの返済方法
住宅ローンの返済方法には、元金利等返済と元金均等返済の2つがあります。それぞれ、元金と利息の割合に違いがあり、返済期間にも差が出ることを覚えておきましょう。それぞれのメリット・デメリットを説明しますので、どちらか自分に合っている方法を選んでください。
元利均等返済
元利均等返済は、元金と利息を合わせた返済額が毎月一定になる返済方法。住宅ローンの返済時には主流の方法で、月々決まった金額が引き落とされるため、資金繰りがスムーズにいきやすい点がメリットです。
また、元利均等返済にすれば、返済スタート時の支払い額を抑えられます。マイホームの購入前後は、引っ越し代や家具家電の購入など、まとまったお金が必要になる時期です。そのようなときに住宅ローンの返済額を抑えられる点は、魅力のひとつといえるでしょう。
元利均等返済は、最初は元金より利息の割合のほうが高く、徐々に元金の割合が増えていく返済方法です。そのため、返済が終わるまでの期間が長くなりやすい点には要注意。返済期間が長くなるぶん、利息の支払い総額は高くなります。
元金均等返済
元金均等返済は、一定金額の元金に、ローン残高に応じた利息がプラスされる返済方法です。月々返済する元金の額は固定されるので、元利均等返済より早くローンの返済を終えられるのがメリット。返済にかかる期間が短いため、利息の総支払額も抑えられます。
元金均等返済は、ローン残高が減るとともに金利も減少します。最初の負担は大きくなりますが、後々楽になる返済方法といえるでしょう。全体を通して支出を抑えたい人は、元金均等返済を選ぶのがおすすめです。
ただし、返済スタート時の支払い金額が最も多くなることには留意する必要があります。マイホームの購入前後は支出が増えやすいので、最初の返済額が無理なく支払えるかどうか、十分検討してから決めましょう。
住宅ローンの審査
住宅ローンの審査
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2段階で行われるのが一般的です。それぞれの細かい内容は金融機関によって異なりますが、いずれも融資を受ける人に返済能力があるかどうかを調査する目的で行われます。
自分が住宅ローンを利用する際に、審査に落ちてしまったらどうしようと不安になる人もいるでしょう。事前審査と本審査の内容とポイントを紹介しますので、住宅ローンの利用を検討する際には参考にしてください。
事前審査の内容とポイント
事前審査では、申請者の返済能力や購入した物件の担保価値がチェックされます。事前審査に必要な書類は、本人確認書類・源泉徴収票などの収入を証明できる書類・購入した物件の面積や金額がわかる書類などです。
事前審査でチェックされる主なポイントは、以下の3点が挙げられます。
・購入した物件の金額が申請者の年収に見合っているか
・住宅ローンの借り入れ額は安定して返済できそうか
・ローンを返済できなくなった場合購入物件は担保としての価値があるか
事前審査ではあくまでも簡易的なチェックで、大きな問題がなければ通過する場合が多いでしょう。事前審査の結果は、数日〜1週間程度でわかります。
本審査の内容とポイント
事前審査に通ると、次に本審査が行われます。本審査でも事前審査と同様に、申請者の返済能力や購入物件の担保価値がチェックされますが、さらに細かく内容が精査される場合がほとんどです。そのため、事前審査に通っても本審査に通らない場合があることを覚えておきましょう。
国土交通省では令和3年度の住宅ローンの実態調査において、9割以上の金融機関が主に以下の8項目を重視していると発表しています(※)。
・住宅ローン完済時の年齢
・申請者の健康状態
・購入物件の担保評価
・住宅ローン借入時の申請者の年齢
・申請者の年収
・申請者の返済負担率
・申請者の勤続年数
・連帯保証
そのほか、家族構成やほかの金融機関での借り入れ状況なども、調査される場合が多い項目です。本審査は、2週間~1カ月ほどで結果がわかります。事前審査のときと本審査のときで申請した内容が違ったり、書類不備があったりすると審査に通らない場合が多いため、申請する際には内容をよく確認しましょう。
※参照:国土交通省
鑑定士コメント
住宅ローンの頭金は多ければ多い方がいいのでしょうか。頭金を多く設定すれば、利息負担が減ることで総支出額を抑えられたり、毎月の返済額を抑えられたりするメリットがあります。しかし、今のところ住宅ローンはとても低金利で、税制の優遇もあります。今、頭金を多く支払うために将来必要な預貯金を取り崩してしまうと、その時点で別のローンを組む可能性も出てきます(教育ローンやオートローンなど)。また、高額な頭金を準備するために時間がかかって物件の買い時を逃したりと、デメリットがある点も気に留めておきましょう。住宅ローンの頭金は、中長期的な目線も持ちながら、自分の資金状況に合わせて無理なく支払えるような金額を設定することが大切です。
マンション購入でかかる費用
マンション購入でかかる費用
マンションを購入する際に支払う金額は、物件の本体価格だけではありません。そのほかにも、契約や住宅ローンに関する諸費用がプラスでかかります。諸費用の金額の目安は、新築マンションで本体価格の3~5%、中古マンションで6~10%程度です(※)。
つまり物件の購入金額が4,000万円だった場合、その物件が新築マンションなら120万~200万円、中古マンションなら240万~400万円が諸費用として別途かかることになります。物件の本体価格以外にかかる諸費用の内容については、以下の表をご覧ください。
※横にスクロールできます。
以上のようにマンションを購入する際には、物件の本体価格以外にもさまざまな費用がかかります。購入を検討している物件の状況に合わせて、諸費用にどのくらいの金額が必要なのかを確認し、事前に準備しておくことが大切です。
※参照:オリックス銀行
住宅ローン控除を利用して節税対策
住宅ローン控除を利用して節税対策
住宅ローンを利用する際には、一定の条件を満たせば「住宅ローン控除」を受けられます。住宅ローン控除とは、個人が住宅ローンを利用するときに、所得税や住民税の控除が受けられる制度です。
控除額は、引っ越し後の年末のローン残高に対して0.7%と定められています。控除される期間は、新築マンションの購入の場合は13年間、中古マンションの購入や増築・リフォームの場合は10年間です(※)。
住宅ローン控除を受けるためには、申請者の所得金額や購入物件の広さ、住宅ローンの借り入れ状況などに、さまざまな条件が定められています。条件を満たして控除を受けられれば、節税対策になりメリットの大きい制度なので、住宅ローンを利用する際にはぜひチェックしてください。
※参照:国土交通省
住宅ローン控除については、以下の記事で詳しく解説しています。適用条件や計算方法も紹介していますので、気になる人は参考にしてください。
まとめ:マンションを購入に向けてローンの知識をしっかりつけておこう
まとめ:マンションを購入に向けてローンの知識をしっかりつけておこう
マンションを購入する際には、ほとんどの人が利用する住宅ローン。金利のタイプや返済方法など難しく感じるかもしれませんが、しっかり内容を理解して、家族構成や生活環境に合ったプランを立てることが大切です。
住宅ローンを受けるためには、事前審査や本審査の内容について理解しておくことも重要なポイント。事前に住宅ローンに関する知識をつけて対策すれば、スムーズに手続きが進められます。自分に合ったプランでマンションを購入して、新居での快適な生活をスタートさせてくださいね。
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