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更新日:2023.08.22
登録日:2022.10.09
マンション購入にどれくらい費用がかかる?後悔しないための選び方も解説
「マンション購入にはいくらかかるの?」
「そもそもマンションはどうやって選べばよいの?」
初めてマンションを購入する人にとっては、わからないことばかりではないでしょうか。
マンション購入にかかる費用は頭金や税金、手数料といった諸費用です。この記事では、マンション購入にかかる費用やマンション選びのポイントを解説します。実際に住んでから後悔しないように住みやすさだけでなく、マンションの資産価値や災害リスクにも注目してください。
マンション図書館の物件検索のここがすごい!
- 個々のマンションの詳細データ
(中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧 - 不動産鑑定士等の専門家によるコメント
表示&依頼 - 物件ごとの「マンション管理適正評価」
が見れる! - 新築物件速報など
今後拡張予定の機能も!
マンション購入者の平均年齢はいくつ?
マンション購入者の平均年齢はいくつ?
国土交通省の「住宅市場動向調査報告(令和3年度)」によると分譲マンション購入者の平均年齢は44.3歳、中古マンション購入者の平均年齢は46.4歳です。
一次取得者(初めて購入)と二次取得者(2回目以上の購入)に分けた購入者の年齢を、以下の表で比較してみましょう。(※)
※横にスクロールできます。
マンションを一次取得者した人の年齢は30代〜40代が多く、二次取得した人の年齢は60歳以上が最多となりました。
20代は転職を考えていたり、未婚であったりとライフプランが定まっておらず、マンション購入の目途が立たない年代です。30〜40代になると結婚や子どもの出産によって、ライフプランが明確になってきます。長期ローンを組みやすい年齢でもあるので、マンション購入に踏み切る人が多くなるのだと考えられます。
マンションの二次取得者に60歳以上が多い理由は、定年で仕事を終えて新たな生活を始めるタイミングであるためと予想できるでしょう。
※参照:国土交通省
なお分譲マンションとは何かについては、こちらの記事で紹介しています。
マンション購入者の気になる平均年収は?
マンション購入者の気になる平均年収は?
マンション購入者の平均的な年収はどれくらいでしょうか。実際のデータを元に目安を知っておきましょう。
マンションの一次取得者と二次取得者の平均世帯年収を、以下の表にまとめました。(※1)
※横にスクロールできます。
マンションの一次取得者の中では、分譲マンションと中古マンションともに年収600〜800万の世帯が最も多い結果となりました。目安として年収が600〜800万円あれば、長期の住宅ローンを組むことでマンションを購入できます。
また、どちらも二次取得者のほうが一次取得者より平均世帯年収が高いのも特徴です。金融機関の多くは、住宅ローンの完済時の年齢を80歳未満(※2)と定めており、60歳を超えると長期の住宅ローンを組むのが難しくなります。そのため、退職金を使用して物件を購入する世帯が多いと考えられます。
※1参照:国土交通省
※2参照:りそなグループ
住宅ローンでどれくらい借り入れている?
住宅ローンでどれくらい借り入れている?
住宅ローンの利用率は分譲マンションで63.2%、中古マンションでは53.5%と、過半数のマンション購入者がローンを利用しています。住宅ローンの平均借入額は、以下のとおりです。(※)
※横にスクロールできます。
※上記のデータには、リフォーム資金としてのローンの借入額が含まれています。
分譲マンションを購入するなら3,000万円、中古マンションなら2,000万円弱は住宅ローンでの借り入れが必要です。
マンションの一次取得者は長期のローンを組める30〜40代が多く、およそ3分の2を住宅ローンで支払っています。平均の返済期間を見ると分譲マンションでは32年、中古マンションでは29.9年と約30年で住宅ローンを完済する計算です。(※)
マンションの二次取得者は一次取得者よりも貯蓄が多い年齢(60歳以上)であるため、およそ3分の2を自己資金で賄っています。
※参照:国土交通省
マンション購入に必要な費用はどれくらい?
マンション購入に必要な費用はどれくらい?
大まかにまとめると、マンションの購入費用は以下の計算式で算出できます。
マンションの購入費用=頭金+住宅ローン+(手数料や税金などの)諸費用
住宅購入時には頭金を払うことで総返済額が減り、返済時の金利が下がったり住宅ローンの審査に通りやすくなったりします。
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2021年度)によると、物件価格の中で頭金の割合は新築マンションが17.8%なのに対して中古マンションが13.8%です。マンション購入時には、物件価格の10〜20%の頭金が必要になります(※)。
※参照:住宅金融支援機構
マンション購入時に必要初期費用とは
一般的な諸費用の目安は新築マンションで物件価格の3〜6%、中古マンションで物件価格の6〜10%です。(※1)5,000万円の新築マンションを購入すると、諸費用が150〜300万円かかります。3,000万円の中古マンションの購入時にかかる諸費用は、180〜300万円です。(※2)
多めに見積もっても、諸費用で300万円程度は必要だと覚悟しておきましょう。
マンション購入時にかかる諸費用の詳しい内訳は、下の表にまとめました。各費用の相場や計算方法を書いているので、おおよその見積もりに使用してください。
※横にスクロールできます。
購入時に必要な頭金は、自分で金額を決めることのできるお金です。支払う金額を増やすほど返済総額を減らせますが、急な出費には対応できるように一定の預金を残しておきましょう。
※1参照:三菱UFJ銀行
※2参照:国土交通省
※3参照:国土交通省
※4参照:国土交通省
仲介手数料については、以下の記事で詳しく紹介しています。
修繕積立金に注意
修繕積立金は10〜15年単位の大規模な修繕工事のために、マンションの所有者から徴収して積み立てておくお金です。マンションの外壁や屋根、エントランスやエレベーターなどの共有部分の修繕に使われます。
当初は修繕積立金が安く設定されていても、積立金の不足や当初は予定していなかった追加工事によって途中から値上がりする場合があります。修繕積立金の平均額は以下の式で計算可能です。
修繕積立金=1㎡あたりの修繕積立金の平均額×専用床面積
下の表を目安に、購入予定のマンションの修繕積立金がいくらかかるか事前に把握しておきましょう。(※)
※横にスクロールできます。
機械式駐車場があるマンションでは、以下の式で算出された分が修繕積立金に加算されます。
機械式駐車場の一台あたりの修繕工事費×台数÷マンションの総占有床面積
※参照:国土交通省
修繕積立金とは何かは、こちらの記事も読んでみてください。
管理費も要確認
管理費とは、マンション管理にかかる人件費や共有部分で使用される備品などの維持管理に使われる費用です。国土交通省の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、一戸あたりの平均管理費は15,956円です。(※1)
管理費は各戸の専有面積に応じて決まる場合がほとんどで、住んでいる人(戸数)が多いほど負担額が少ない傾向にあります。
目安として、家族4人で3LDKのマンションに住む場合の管理費を算出します。管理費は月/㎡あたり平均217円かかるため、専有面積を65㎡程度とすると管理費は217円×65㎡=14,105円です。(※2)
管理費の滞納者への措置は文書による督促が主ですが、支払い請求等の訴訟や少額訴訟を起こす事例もあるので支払いを滞納しないように注意してください。
※1参照:国土交通省
※2参照:国土交通省
マンションを購入するときのチェックポイント4選
マンションを購入するときのチェックポイント4選
マンションの購入時には、以下の4つのポイントを確認してください。
・災害のリスクがあるかどうか
・資産価値が下りにくいかどうか
・マンションに適した不動産業者を選んでいるか
・周辺環境や管理体制がよいかどうか
マンションの売買契約後にキャンセルしても、キャンセル費用は発生しません。しかし、本来返ってくるはずの手付金(物件価格の5〜10%の金額)を放棄しなければいけなくなります。(※)
結果的に数百万円の出費になるので、ここで紹介するポイントに気をつけてマンション選びをしていきましょう。
※参照:LIFULL HOME'S
災害のリスクがあるかどうか
はじめに、「ハザードマップポータルサイト」から災害リスクをチェックしてください。ハザードマップでは、洪水・土砂災害・高潮・津波といった自然災害のリスクを地域ごとに把握できます。
ほかにも台風による浸水・地震・火災といった災害の被害を最小限に抑えるために、以下の点をチェックしましょう。(※)
※横にスクロールできます。
すべての基準を満たすマンションはなかなかありませんが、できるだけ災害リスクの低いマンションを探しましょう。
※参照:幸せな暮らし
資産価値が下りにくいかどうか
万が一の場合に備えて、資産価値の下がりにくいマンションを選びましょう。たとえ将来的にマンションを売る(もしくは貸す)予定がなくても、売却して多くのお金を手元に残せるからです。
最初に、マンションの立地条件に注目してください。人気のエリアや人口の多い地域なら、売却時に買い手がつきやすくなります。駅から徒歩で10分圏内やスーパーやコンビニなどにアクセスしやすいマンションは、比較的需要が高いです。
また、マンションのメンテナンス状況も確認しましょう。見るべきポイントはエントランスや駐車場のような共有スペースの清掃、外壁のひび割れやタイルの剥がれ落ちがないかどうかです。日当たりの良さや部屋からの眺めの良さも、資産価値に影響するポイントです。
鑑定士コメント
新築・中古の区分というよりも、立地の良さやグレードの高さの維持で、どれだけ資産価値を保てる要件を備えているか、という事につきます。マンションは築年数が経過したからといって、そのまま価値が逓減していくわけではありません。特に都心では昨今新築分譲単価が上昇傾向にあり、当初の新築分譲価格よりも中古流通価格の方が高くなることもよくあります。一方、都心から離れ立地条件の悪いマンションは競争力を失い、新築も中古も築年が経つと急激に価格が下落することもあります。
新築マンションは一度住むと資産価値が下がってしまうので、中古マンションのほうが資産価値が下がりにくいです。中古マンションを選ぶなら、資産価値が下がりにくい築20年超えの物件を選びましょう。(※)
※参照:SUUMO
マンションに適した不動産業者を選んでいるか
マンションに適した不動産業者を選んでいるか
多くの不動産業者は、「レインズ」という物件情報を閲覧できるシステムを使用しており、
紹介してもらえる物件に大きな差はありません。ただし、不動産業者によっても得意とする分野は異なります。
マンションの売買を得意とする不動産業者であれば、売りに出されたばかりの新しい物件の情報や未公開物件の情報を得られるのです。
マンションに強い不動産業者かどうか知るために、広告や店頭の掲載物件を確認しましょう。掲載する物件のほとんどがマンションであれば、マンションの売買を得意としている可能性が高いです。
専門エリアは業者によって異なるので、住みたいエリアにある不動産業者から選びましょう。ホームページにある会社の実績も、業者選びの判断材料になります。
新築マンションを購入する場合
新築マンションを購入するなら、大手よりも地域密着型の不動産業者がおすすめです。地域密着型の不動産業者は特定のエリアで営業をしているので、地域の特色をよく理解しています。
通勤や通学時の交通量や学区ごとの特徴、治安の良し悪しなど住むうえで重要な情報を提供してくれるので物件を探しやすいです。また独自のネットワークを持っており、他では紹介されない新しい物件が見つかる可能性もあります。
中古マンションを購入する場合
中古マンションを購入する場合は、大手の不動産業者がおすすめです。大手は顧客を多く抱えているため、マンションの売却依頼が集まりやすくなります。販売開始直後の物件情報も手に入れやすいです。
全国展開の不動産業者なら、特定のエリアに限らず広いエリアの物件探しにも対応してもらえます。レスポンスが早い担当者や丁寧なヒアリングを行ってくれる担当者がつけば、安心してマンションを購入できます。
周辺環境と管理体制がよいかどうか
住みたいマンションが見つかったら、周辺環境やマンションの管理体制をチェックしてください。周辺環境で確認するのは、以下のポイントです。
・周囲の住人はどんな人たちか
・騒音やにおいはないか
・治安の良し悪し
・電車やバスの本数
・病院や銀行、スーパーや学校までの距離
マンションの管理状況を知るために、エントランス・駐車場・ゴミ置き場などの共有部分の清掃が行き届いているかを確認しましょう。修繕工事に備えて長期修繕計画が立てられているかや、修繕費用がどれくらい積み立てられているかを調べるのも大事なポイントです。
鑑定士コメント
公園がゴミが散乱して荒れていたり落書きが多い、道路に指定日以外に家庭ごみが捨てられている、路上駐車が多いなど、街の雰囲気はネット上の情報だけでは分かりません。最寄り駅から住まいの場所、その周辺を実際に歩いて確認してみましょう。また、朝・昼・夜と時間を変えて見てみるのも良いでしょう。地域の治安に関する情報は、地域コミュニティサイトや、口コミサイトなどインターネット上でも確認することもできます。
平日は閑散としている地域でも、休日には子どもの声で騒がしい場合もあります。実際に生活することを想像しながら、曜日や時間帯を変えて何度も見学することが大事です。
マンション購入で後悔しないために事前にしっかり検討しよう
マンション購入で後悔しないために事前にしっかり検討しよう
マンションの購入に必要な費用は、頭金や住宅ローン、物件価格の3〜10%の諸費用がかかります。
マンションを選ぶ際には立地の良さだけでなく、ハザードマップやマンションの耐震基準を確認して災害のリスクを事前に把握しましょう。
マンションの見学は、できれば曜日や時間帯を変えて複数回行ってください。マンションの劣化具合や清掃状況を見ることも重要です。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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