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更新日:2023.02.09
登録日:2022.08.25

タワーマンションとは?選び方や購入の流れ・費用を徹底解説

タワーマンションとは?選び方や購入の流れ・費用を徹底解説

タワーマンションは「リッチな暮らし」の代名詞とされることもあり、憧れを持つ人も多いことでしょう。しかし、下記のような疑問や悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。

「何階からタワーマンションって呼ぶの?」
「タワーマンションを買って後悔したくない」
この記事では、タワーマンションの特徴や選び方、新築/中古ごとの購入の仕方などを解説します。購入する上で知っておくべきことも紹介するので、タワーマンションの購入を考えている人はぜひ参考にしてください。

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タワーマンションとは?

タワーマンションとは?

タワーマンションとは?

タワーマンションは、その名の通りタワーの形状をした超高層マンションです。具体的な特徴は以下の5つです。

・高さ60m以上、20階建以上の超高層タワー型の外観をしている

・共用部が中心に集まることで、東西南北それぞれに向いた住戸がある

・1~2階は吹き抜けの豪華なエントランスで、住戸は3階以上にあることが多い

・多彩かつゴージャスな共用部分をもつ

・高度な耐震技術が使われている

「超高層」に明確な規定はありませんが、60m以上、階数にすると20階以上が目安とされています。これは、60mが建築基準法や消防法の規制が変わる一つの基準であるためです。タワーマンションは技術の進歩やスケール面のメリットから、より高層化、大型化する傾向にあります。

鑑定士コメント

タワーマンションは住戸数が多く、共用部分にコストをかけることが可能となり、分譲会社は競って様々な設備を備えたものを提供し、消費者にアピールしています。スカイラウンジ、宿泊出来るゲストルーム、キッズルーム、ジム、屋内プールなどは定番ですが、珍しいものでは茶室や天体観測ドーム、ドッグランなどユニークなものを揃えたマンションもあります。

但し、これらの施設維持費や修繕費は管理費・修繕積立金などコストに反映されますので、購入時は物珍しさで選ぶのではなく、本当に自分がその設備が必要かを吟味する必要があるでしょう。

タワーマンションの選び方4選

タワーマンションの選び方4選

タワーマンションの選び方4選

タワーマンションは高額な買い物になるため、十分検討してから購入したいものです。「何に気を付けたらいいのだろう?」と気になる人のために、タワーマンションの選び方を4つ紹介します。

・安全性をチェックする

・住みやすさをチェックする

・耐久性と立地をチェックする

・資産性をチェックする

選ぶ際は、どれか1つだけを見るのではなく、上記の要素を複合的にチェックしましょう。それぞれ詳しく解説します。

 

①安全性をチェックする

マンションを安全性から選ぶ際は、以下3つの項目が重要です。

・地震への対策

・火災や水害への対策

・防犯対策

タワーマンションは高層階ほど、地震の際に揺れが大きくなります。東日本大震災以降、地震への安全性は特に重視されています。地震への対策としては、安全な避難経路が確保されているかを確認しましょう。また、台風や洪水被害も想定しなければなりません。台風の大雨で排水が逆流し、タワーマンションが浸水する事件も発生しています。

 

自然災害だけでなく、防犯やセキュリティ面も見逃せません。特にタワーマンションの低層階は、窃盗に入られるリスクがあります。安全に暮らすためには、防犯カメラなどの防犯対策もチェックしておきましょう。

 

鑑定士コメント

東日本大震災以降、タワーマンションが先駆を切って、免震構造、制震構造、ハイブリッド構造
などの地震に強い新技術を採用してきました。特に湾岸エリアの埋立地は地盤が弱く、これらの技術を採用していると安心材料になるでしょう。

但し、建物自体は倒壊の心配はなくても、室内は大きな揺れがあったり、EVが止まったり水道が止まったりといったインフラの影響が想定されます。室内は家具を固定する、避難グッズなどの対策は必要でしょう。また、共用部分の防災備蓄倉庫の有無なども確認しましょう。

②住みやすさをチェックする

建物や周囲の環境を観察し、住みやすさもチェックしておくべきです。具体的には、以下の3点をチェックしましょう。

・建物の設備や周囲の環境となじんでいるか

・眺望や気温の変化への対策が取られているか

・遮音性と騒音対策が取られているか

タワーマンションといえば、高層階の展望に憧れる人も多いでしょう。スカイラウンジの見晴らしは、ぜひともチェックしたいところです。また、四方に住戸を持つタワーマンションの場合、西日対策と断熱性が重要になります。

 

快適な暮らしをするには、静かさの確保も欠かせません。特に低層階は、周囲の音が部屋の中まで聞こえる可能性があります。タワーマンションはビジネス街や駅近に多いので、大きな道路の有無や壁材、窓の材質などをチェックしましょう。

③耐久性と立地をチェックする

③耐久性と立地をチェックする

③耐久性と立地をチェックする

耐久性とは、建物がどれだけ長く使えるかを意味します。具体的には、以下の3点から判断できます。

・外壁や屋根などの表面を劣化させる要因

・自然災害の有無

・近隣の世帯数や人口動態の変化

オーシャンビューが楽しめる湾岸のタワーマンションは人気です。しかし、潮風によって外壁や電気設備、内部の構造が劣化するおそれがあります。海からの距離や風向きを考慮しましょう。

 

また、埋立地に建っているタワーマンションの場合、液状化が懸念されます。液状化は建物の内部構造をゆがませ、寿命を縮める原因になります。ハザードマップをチェックすることで、自然災害に対する被害が予測可能です。

 

竣工当時と比べ、街の人口や住民の年齢層が大きく変わっている場合は、マンションが時代のニーズに合っていない可能性があります。各市区町村の人口や世帯数の動向については、総務省HPから資料をダウンロードできます。

④資産性をチェックする

資産性とは、長期に渡って建物の資産価値を維持できるかを意味し、以下の3点がチェック項目です。

・建物や立地の品格(グレード)

・駅直結など立地の人気

・メンテナンス性

タワーマンションは階層によって価値が変わり、高層部ほど高級な住戸が多いことが特徴です。また、ゲストハウスや天体観測ドームなど、共用部分が豪華な物件には付加価値が付きます。そのため、ほかのマンションと比べ投資用として買われることが高く、将来的には高く転売することもできます。

 

マンションの資産性を測る指標が「リセールバリュー(価格維持率)」です。これは、新築物件が10年後にどれだけ価値がついたかを表す指標です。リセールバリューが100%の物件は、買い値以上で売却できたことを表します。リセールバリューから人気のエリアを調べたい場合は、「人気エリアの探し方 リセールバリューからわかるHOTな駅」をご覧ください。

新築のタワーマンションの買い方と購入費用

新築のタワーマンションの買い方と購入費用

新築のタワーマンションの買い方と購入費用

新築のタワーマンションを買うまでの流れと購入費用を解説します。以下では、それぞれ詳しく解説します。

買うまでの流れ

新築のタワーマンションを買うまでの流れは、以下の7ステップです。

1.物件の情報収集

2.分譲会社に購入申し込み

3.住宅ローンの事前審査

4.分譲会社からの重要事項の説明

5.売買契約と手付金の支払い

6.住宅ローン申し込み(本審査)

7.引き渡し、居住開始(ローン本実行)

新築のタワーマンションは、完成前に分譲を開始することが多く、購入者はモデルルームを見て購入するかを判断します。

 

住宅ローンの事前審査が通ると、分譲会社と売買契約を結びます。このとき、建物全体の代金の一部に当たる手付金を支払わなければなりません。手付金の支払いは住宅ローンの実行前にするので、購入者が代金を用意する必要があります。金額は分譲会社によって違うので、事前に確認しましょう。マンションが完成し、物件が引き渡されると住宅ローンが実行されます。

 

タワーマンション以外も含めた、新築マンション購入の流れは、こちらの記事で解説しています。

新築マンションの購入の流れを徹底解説|諸費用や内覧時の注意点も紹介

購入時の諸費用

物件の価格は幅広いため、ここでは、物件価格を除いた諸費用を以下の表にまとめました。そのタワーマンションを購入する際にも発生する費用なので、資金計画を立てる際の参考にしてください。

名目

内容

売買契約書に添付する印紙税

5,000万円以下:1万円

5,000万円超1億円以下:3万円

登録免許税

登記費用など

登録免許税+司法書士手数料

土地:固定資産税評価額×2.0%+司法書士手数料

建物:固定資産税評価額×2.0%+司法書士手数料

抵当権の設定:借入額×0.4%+司法書士手数料

住宅ローン申し込み費用

金銭消費貸借契約書に添付する印紙税

融資手数料

保証料

火災保険料

地震保険料

団体信用生命保険料

その他

印鑑登録証明書など役所や銀行に支払う手数料(数百円)

修繕積立基金など

上記の諸費用は、分譲価格の3~7%を目安にしましょう。なお、物件の購入後には、不動産取得税がかかります。

中古のタワーマンションの買い方と購入費用

中古のタワーマンションの買い方と購入費用

中古のタワーマンションの買い方と購入費用

以下では、中古でタワーマンションを購入しようとしている人に向けて、購入の流れと購入費用を解説します。新築を購入する場合と異なる部分があるので、中古での購入を検討の人は要チェックです。

買うまでの流れ

中古でタワーマンションを買う流れは、以下の9ステップです。

1.物件の情報収集

2.不動産仲介業者に相談

3.内覧

4.不動産仲介会社に購入の申し込み

5.住宅ローンの事前審査

6.不動産仲介会社から重要事項の説明

7.媒介契約と売買契約の締結

8.住宅ローン申し込み(本審査)

9.決済、引き渡し

新築マンションの購入は分譲会社に依頼しますが、中古マンションの場合は不動産仲介業者に斡旋してもらうことが一般的です。購入者は、売買契約の前に不動産仲介会社と媒介契約を結びます。媒介契約は、購入の意思決定をし、売買契約をする直前に締結することが主流です。

 

なお、物件の情報収集にはインターネットの活用がおすすめです。現在では、さまざまな不動産ポータルサイトからタワーマンションの情報が集められます。エリア別の検索や口コミ機能もあるので、物件探しに役立ててください。

 

中古マンション購入の流れは、以下の記事でも紹介しています。

 

中古マンションの購入流れを詳しく解説|契約方法や期間も紹介

購入時の諸費用

中古物件の物件価格以外にかかる諸費用は、以下の通りです。

名目

内容

仲介手数料

売買価格×3%+6万円

売買契約書に添付する印紙税

5,000万円超1億円以下:3万円

登記費用(売買による所有権移転の場合)

司法書士手数料+登録免許税

土地/固定資産税評価額×2%

建物/固定資産税評価額×2%

抵当権の設定:借入額×0.4%

住宅ローン申し込み費用

金銭消費貸借契約書に添付する印紙税

融資手数料

保証料

火災保険料

地震保険料

団体信用生命保険料

その他

印鑑登録証明書など、役所や銀行に支払う手数料

売主との清算費

公租税課、管理費、修繕積立金等の清算

引き渡し日以降で日割り清算

諸費用については、分譲価格の6~10%を目安にしましょう。新築と同様、購入後には不動産取得税がかかります。

タワーマンションを購入するうえで知っておくべきこと

タワーマンションを購入するうえで知っておくべきこと

タワーマンションを購入するうえで知っておくべきこと

タワーマンションの特徴は、住戸以外のスペースや住民が多いことです。そのため、暮らしの中で気を付けなければならないことがあります。ここでは、タワーマンションを購入する上で知っておくべきことを2つ紹介します。

・共用部分と敷地利用権

・管理規約と管理組合

それぞれ詳しく解説します。

共用部分と敷地利用権とは?

不動産登記上では、マンションを購入すると「共用部分の共有持分」と「敷地利用権」を所有できます。共用部分とは、建物の中で住戸を除いた全ての部分で、具体的には以下の9ヶ所です。

・エントランス

・エレベーター

・管理人室

・集会所

・ゲストスペース

・ラウンジスペース

・建物内の駐車場

・ゴミ置き場

・各部屋のバルコニー

共用部分の共有持分があるからといって、これらのスペースを独占的に使えるわけではありません。使い方については、マンションの管理規約に従う必要があります。

 

敷地利用権とは、マンション全体の土地を利用できる権利のことです。こちらも全て自由に使えるわけではなく、駐車場や専用庭、管理規約によって定められた部分を利用できます。

 

共用部分や敷地利用権については、以下の記事でそれぞれ紹介しています。

敷地利用権とは?敷地権や借地権との違いもわかりやすく解説

マンションの共用部分とは?トラブル防止のために理解しておくべきこと

管理規約と管理組合とは?

管理規約とは、マンションで共同生活を円滑に行うためのルールです。国土交通省の「マンション標準規約」に、それぞれのマンションに必要な事項を付け加えたものになります。マンションに住む上では、管理規約が最上位のルールです。社会的には正当なこと、たとえば「ベランダに洗濯物を干す」なども管理規約で禁止されていれば、住人は守らなければなりません。

 

管理組合とは、共同でマンションを管理する団体のことです。マンションに関する法律「区分所有法」の第3条によって、マンションの住人は自動的に管理組合員となります。管理組合の役目は、管理規約を定めることです。管理組合がルールをつくり、住人は組員として管理規約を守ります。

まとめ:タワーマンションは長期的な目線で選ぼう

タワーマンションを詳しく解説しました。タワーマンションは超高層マンションであり、60mかつ20階以上が一般的な高級マンションです。タワーマンションは人気があり、投機性の高い物件でもあります。居住目的であれ、投資目的であれ、長期的な目線で選ぶことがポイントです。

 

また、多くの住人と住空間を共にするため、管理規約も把握しなければなりません。今回紹介した選び方を参考にして、賢く住宅選びをしてください。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

知人からタワーマンションの購入相談を受けた。建物のスペックは満足しているが、コミュニティが心配とのこと。注意するポイントとして間違った説明はどれか。

答えは 3

「投資目的の購入者が多いマンションは、資産性の意識が高く、通常よりも健全な管理組合の運営が期待出来る。」とありましたがそうとも限りません。中古マンションであれば総会議事録などをあらかじめ見せてもらうようお願いをし、管理組合の運営について確認をしていただくと良いでしょう。

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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