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更新日:2023.06.26
登録日:2023.06.26
マンションの資産価値が上がるポイント10選!調べ方もやさしく解説
マンションの資産価値は、マンションの購入や売却などマンションにかかわるさまざまなことに関係する重要な要素です。「マンションの資産性はどうやって決まっているの?」と、疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。マンションの資産性はさまざまな要因で決まっており、確認を怠るとマンション購入後に後悔してしまうことも考えられます。
本記事では、マンションの資産価値を形成する要因や、資産価値が上がるポイントについて詳しく解説します。資産価値の調べ方についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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マンションの資産価値を形成する要因とは
マンションの資産価値を形成する要因とは
マンションの資産価値を形成する要因には、下記のようなものがあります。それぞれの要因について、詳しく解説します。
・安全性
・居住性
・耐久性
・資産性
マンションの価値「安全性」
安全性は、マンションの価値を形成する大きな要因です。日本では、地震をはじめとするさまざまな自然災害が発生します。いかに質の高いマンションでも、地震によって倒壊してしまえば意味がありません。地震や地盤沈下、洪水などの自然災害からどれだけ住人を守れるかがマンションの価値に直結します。
また、自然災害以外にも犯罪やセキュリティなどの人的被害に関する安全性も重要です。「安全」を重視する際、どのように整理するかは「何が危険か」を考えるとわかりやすいでしょう。マンションで危険だと感じるのは地震や火災、水害、犯罪です。つまり、マンションの安全性は、下記3つの項目で決まります。
・対地震安全性
・対火災・水害安全性
・対防災安全性
マンションの価値「居住性」
居住性は、いかに日々の生活を快適にできるかに関わる重要な要素です。居住性は、マンションを選ぶ際に重要視する人も多いでしょう。居住性が高いマンションに住むと、快適で健康的な生活がおくれるだけではなく、気持ちの豊かさにも影響します。居住性は、間取りや向き、設備・素材の良さなどで決まりますが、同じマンションでも住戸によって差がでるでしょう。
マンションの居住性を決める主なポイントは、次の3つです。
・設計・設備の良否
・眺望・気候の快適性
・遮音性
「設計・設備の良否」は、マンションの設計段階で居住性を考えて間取りや設備が決められているかという点です。設計時に居住性を考えていない場合、無理な間取りになっている可能性があります。
「眺望・気候の快適性」は、自然の恵みをうまく取り入れて快適に過ごせる間取りになっているかという点です。眺望や気候を最大限に取り入れられているかという点に注目しましょう。
「遮音性」は、周囲の音の影響を受けない空間かという点です。落ち着いた暮らしを実現するために重要な要素であり、静かな空間を生み出せるスペックを有しているかを確認する必要があります。
マンションの価値「耐久性」
マンションは戸建てと比べて耐用年数が長く、建て替えも容易ではありません。そのため、いかに長く維持できるかが重要であり、そのためには耐久性が重要になります。マンションの耐久性には「物理的耐久性」と「機能的・社会的耐久性」があります。
物理的耐久性とは、経年劣化などの物理的な原因による劣化に対して、マンションがどれだけ長い期間安全に使える状態を維持できるかという概念です。また、機能的・社会的耐久性とは、生活様式や選好性の変化によるニーズにどれだけついていけるかということです。
物理的耐久性によって安全に使える状態ではあるものの、ニーズが弱まりいわゆる「時代遅れ」な建物になってしまうと使われなくなってしまいます。以上のことから、マンションの耐久性は下記3つの項目で決まります。
・表面劣化への影響
・構造劣化への影響
・機能的・社会的影響
マンションの価値「資産性」
資産性は、マンションの価値を左右する重要な要因です。安全性や居住性、耐久性の価値が同じマンションであっても、10年後や2年後にどちらもマンションも同じ資産価値を持つとは限りません。資産価値に大きな差があることも珍しくなく、将来にわたって資産価値を保つことを「資産性がある」「資産性を高める」と言います。
マンションの資産性は下記の3つで決まります。
・品等
・市場性
・メンテナンス性
マンションの資産性は、マンションそのもののグレードや品等の高さに比例します。また、いかに需要があるかということも重要です。需要が供給を上回っていれば、自然と資産性は上昇するでしょう。いかに保守やメンテナンスが行われているかということもポイントです。
マンションを常に良い状態に保つため、機能を維持するためには相応の頻度で保守やメンテナンスを行う必要があります。
なお、中古マンションを選ぶ際にチェックしたいポイントについては下記で紹介しているので、ぜひ一度ご覧ください。
中古マンションのCHECKPOINT(専有部分/住宅設備編)
マンションの資産価値が下がる要因
マンションの資産価値が下がる要因
マンションの資産価値が下がる要因の1つは、築年数の経過です。一般的に、築年数が経過するほどマンションの資産価値は下がります。とはいえ、必ずしも下がるとは限りません。先述した通り、保守やメンテナンスを適切に行うことで、資産価値を保っているマンションも多くあります。
また、需要によって資産価値が上昇することもあるでしょう。現在の環境では供給するのが難しいマンションは、資産価値が上がります。いわゆる「ヴィンテージマンション」などの中には、販売当初の価格よりも高い価格で取引されるマンションがあるのも事実です。
マンションの資産価値が落ちにくくなるポイント
マンションの資産価値が落ちにくくなるポイント
資産価値が落ちにくいマンションの特徴として、下記のようなポイントがあります。それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
・人気のエリア
・交通の便がよい
・周辺環境がよい
・安全性が高い
・日当たりがよい
・高層階でながめがよい
・管理体制がしっかりしている
・築年数が比較的浅い
・間取りの需要が高い
・ブランド力が高い
人気のエリア
資産価値が落ちにくいマンションの重要な要素として、人気のエリアに建っているかというのがあります。マンションの資産価値は、マンションそのものの価値と土地の価値で決まります。マンションそのものの価値は、築年数が経過するとどうしても落ちてしまうでしょう。しかし、土地の価値はマンションほど早く変化することはあまりありません。
多くの人が住みたいと思っている人気のエリアは、需要が高いためマンションの資産価値が落ちにくいという特徴があります。マンションそのものは、リフォームや設備の交換などである程度新しくしたり自分の好みに合わせたりすることはできますが、マンションが建っている土地は変えることができません。そのため、人気のエリアに建っているマンションは、常に需要が高く資産価値が落ちにくいでしょう。
交通の利便性がよい
交通の利便性がよいというのも、マンションの資産価値が落ちにくくなるポイントの1つです。駅とマンション間の距離の近さや、学校や職場があるエリアまでの近さなど、交通の利便性がよいマンションは需要が高い傾向にあります。
駅などの交通機関は無くなるなどの可能性が低いため、土地の価値も下がりにくいでしょう。反対に、交通の利便性が悪いマンションは、マンションそのものの価値が下がるとともに資産価値も落ちてしまう可能性が高いです。
テレワークが主だったり、移動に自転車を利用するため交通機関に近くなくてよいなどの理由でマンションを選ぶと、資産価値が落ちてしまいマンションを売却する際に理想の売却額で取引できない可能性があるため注意しましょう。
周辺環境がよい
交通の利便性を含め、生活する上で必要なものが周辺に揃っていることは、マンションの資産価値に関わります。日用品の買い物ができるスーパーなどが揃っているか、病院が近くにあるかなどをチェックしましょう。また、子供がいる家庭の場合は近くに保育所や学校、子どもが遊べる公園などがあるかもポイントです。
周辺環境は、間取りとも関係があります。例えば、1LDKなどの単身世帯を想定した間取りで保育所や学校が近くに揃っていても、住む人の需要とマッチするとは限りません。
また、3LDKなど家族世帯が暮らす間取りのマンションは、保育所や学校、子どもが遊べる公園などの周辺環境が整っている場所のほうがよいでしょう。このように、周辺環境がよいだけではなく、周辺環境と間取りの整合性も重要です。
安全性が高い
安心して暮らすためには、安全性が欠かせません。家は生活の基盤であり、安全であるということはマンションの資産価値にもつながります。先述した通り、マンションは地震や洪水などの自然災害のほか、火災や犯罪などに対する安全性があります。
例えば、犯罪が多かったり洪水が発生しやすかったりするエリアに住みたいと思う人は少ないでしょう。住みたいと思う人が少ないと、マンションの資産価値は落ちていきます。反対に、周辺の治安が良く自然災害のリスクも少ないマンションには、多くの人が住みたいと思うため資産価値も落ちにくいです。
日当たりがよい
マンションの日当たりも、資産価値に関係するポイントです。日当たりがよいマンションは、生活する上でさまざまなメリットがあり、住む人の気持ちを晴れやかにしてくれるポイントでもあるでしょう。
マンションに関わらず、住居の日当たりは一般的に「南向き→東向き→西向き→北向き」の順でよいとされています。そのため、マンションの資産価値も南向きから順に下がっていく傾向にあります。
同じマンションでも向きが違う住戸はありますが、南向きや角部屋などで2面採光できる住戸であれば、資産価値は落ちにくいでしょう。
高層階でながめがよい
マンションには階層があり、高層階であればあるほどながめがよくなります。ながめがよいということは、周りの建物に視界を邪魔されないということでもあるため、必然的に日当たりもよくなるでしょう。
鑑定士コメント
マンションの階数は、資産価値に影響します。居住性や快適性が高くなるほど、資産価値も上がると言えます。同じ間取りの住戸でも階数によって資産価値は異なり、一般的に高層階であるほど、眺望や日照・通風が優り、資産価値が高くなる傾向にあります。とくに、タワーマンションなどの高さを売りにしているマンションでは、その傾向が顕著です。一方で閑静な住宅地にある低層マンションなど、あまり階数で居住性に影響が無い場合、さほど階層格差が生じない傾向があります。
管理体制がしっかりしている
先述した通り、マンションの資産性には保守やメンテナンスが欠かせません。同じようなマンションでも、管理体制次第では資産価値に差がでます。管理体制がしっかりしているマンションだと、保守やメンテナンスが適切に行われている可能性が高く、資産価値が落ちにくいでしょう。
マンションの管理体制がしっかりしているかは、下記のような場所の保守やメンテナンス、清掃状況を見ることである程度わかります。マンションの購入を検討する際、内見時に確認しておきましょう。
・エントランスやポスト周辺
・駐車場や駐輪場
・外壁やタイル
・設備
築年数が比較的浅い
マンションの築年数は、資産価値に大きく影響します。築年数が比較的浅いマンションの方が、築年数が古いマンションに比べて資産価値は高いです。しかし、マンションを購入する時点では、いつまでそのマンションに住むのかはわかりません。数年後には売却する可能性もあれば、数十年住み続けることもあるでしょう。
長く住んだ場合、築年数が浅い状態で購入すると、購入額と売却額に大きな差が出る可能性があります。築年数によるマンションの資産価値の減少は、築20〜30年程度で落ち着いていきます。そのため、購入額と売却額の差を少しでも小さくしたい場合は、ある程度築年数が経って資産価値が安定したマンションを購入するのも1つの選択肢でしょう。
間取りの需要が高い
需要が高い間取りは、資産価値が落ちにくくなるポイントです。人気のエリアであったり交通の利便性がよい立地だったりした場合でも、実用性に欠ける間取りだと買い手がつかず資産価値が落ちかねません。需要が高い間取りであれば、資産価値は落ちにくいでしょう。
とはいえ、立地と間取りの関係性も重要です。先述した通り、周辺環境が家族世帯寄りの場所に建つマンションで、1LDKなどの単身世帯をメインターゲットにした住戸があってもあまり需要がありません。周辺環境と間取りが一致しているマンションであれば、資産価値は保たれます。
ブランド力が高い
ブランド力が高い不動産会社が新築時の売主だった場合、ブランド力で資産価値が落ちにくくなります。マンションを選ぶ上で機能性を重視する人は多いですが、中にはブランドを重視する人もいます。とくに、下記7社のような大手デベロッパーが手掛けるマンションであれば、大きく資産価値が落ちることは少ないでしょう。
・住友不動産
・大京
・東急不動産
・東京建物
・野村不動産
・三井不動産レジデンシャル
・三菱地所レジデンス
マンションの資産価値の調べ方
マンションの資産価値の調べ方
マンションの資産価値を調べるには、主に下記の2つを調べる必要があります。それぞれの調べ方について、詳しく解説します。
・マンションの価値を調べる
・土地の価値を調べる
マンションの価値を調べる
マンションの価値は、固定資産税評価額と同じ金額です。そのため、固定資産税評価額を確認すればマンションの価値がわかります。固定資産税評価額を確認する方法には、下記の方法があります。
・固定資産税評価証明書
・課税明細書
また、周辺にある同等のマンションの取引価格を参考にすることもできます。確実な金額ではありませんが、ある程度の目安を知ることはできるでしょう。
土地の価値を調べる
土地の価値を調べるには、国税庁が公表している「路線価」を確認するのが効果的です。路線価とは、その地域の主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を定めたものです。毎年7〜8月に公表されており、課税価格を計算する基準となる価格でもあります。
マンションが立っている土地の価値を算出するには、まずその土地の路線価を調べます。路線価を元に、マンション全体の土地の価格を算出し、さらに持分割合をかけることで住戸あたりの土地の価値を算出することが可能です。
鑑定士コメント
資産価値の安定という目線では、マンションと戸建で違いがあるでしょうか。資産価値が安定しているかは、マンションと戸建てでも条件によって違います。一般的ということであれば、マンションの方が中長期で資産価値は安定していると言えるでしょう。木造など非堅固の構造が多い戸建てと比べ、マンションは鉄筋コンクリート造など堅固な構造です。耐用年数も長く、築年数という要因では、マンションは戸建に比べて資産価値が急落する心配は少ない、と言えます。
まとめ:資産価値のポイントを押さえて後悔しないマンション選びをしよう
まとめ:資産価値のポイントを押さえて後悔しないマンション選びをしよう
マンション選びにおいて、将来マンションの資産価値がどのように変化するかは考慮すべきポイントの1つです。マンションの資産価値はさまざまな要因によって決まるため、確認しなければならないポイントはたくさんあります。
将来売却する際の売却額にも影響するため、できるだけ資産価値が高いマンションを選ぶことが重要です。今回解説したポイントに注目して、資産価値が落ちにくいマンションを選びましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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