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更新日:2023.11.22
登録日:2023.11.22

長期修繕計画の見直しは必要?タイミングや注意しておきたいポイントを紹介

長期修繕計画の見直しは必要?タイミングや注意しておきたいポイントを紹介

マンションの寿命は、どれだけ最適に修繕が行われているかによって大きく変わります。そこで、マンションを最適に修繕するために作成されるのが「長期修繕計画」です。

しかし、マンションが新築されたタイミングで作成された長期修繕計画が、ずっと最適な修繕計画であるとは限りません。そのため、長期修繕計画は定期的に見直しをする必要があります。

本記事では、長期修繕の見直しは必要なのか、見直しを行うタイミングや誰が行うのかについて詳しく解説します。長期修繕計画を見直す際に注意しておきたいポイントについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

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長期修繕計画を見直しする理由

長期修繕計画を見直しする理由

長期修繕計画を見直しする理由

長期修繕計画とは10~30年程度の長期的な修繕計画や収支をまとめた計画表のことです。マンションを利用していると、外壁や設備をはじめとするさまざまな箇所に劣化や不具合が発生します。

 

そのため、マンションを長く利用するためには、定期的な修繕が欠かせません。長期修繕計画の作成はマンションの管理組合の義務であるため、すべてのマンションに存在します。

 

基本的には長期修繕計画に沿って修繕を行っていきますが、かならずしも計画通りに修繕を行えるとは限りません。というのも、長期修繕計画はあくまで計画を作成した時点での予測であるため、状況によって計画が変わる可能性があるからです。

 

例えば、修繕の範囲が広くなったり修繕積立金が不足したりなど、さまざまな問題が発生する可能性があります。そのため、定期的に長期修繕計画を見直しして適切なマンション管理が必要です。

 

なお、長期修繕計画の作成ガイドラインについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ1度ご覧ください。

長期修繕計画作成ガイドラインとは?基本的な内容や改正点について簡潔に解説

長期修繕計画の見直しを行うタイミング

長期修繕計画の見直しを行うタイミング

長期修繕計画の見直しを行うタイミング

長期修繕計画の見直しを行うタイミングとしては、主に下記のようなタイミングがあります。

 

・長期修繕計画作成ガイドラインでは5年を推奨

・大規模修繕を行った後

・その他の修繕周期に合わせて

 

それぞれのタイミングについて、なぜそのタイミングなのか理由も踏まえて詳しく解説します。

長期修繕計画作成ガイドラインでは5年を推奨

国土交通省が公表している「長期修繕計画作成ガイドライン」では、長期修繕計画の見直しを行うタイミングは5年(※)を推奨しています。5年で見直す理由については、主に下記の3つがあります。

 

・作成時点と工事実施時の仕様が技術開発などで異なることがある

・立地条件によって修繕周期が異なる

・借入金の金利や物価、工事費用、消費税率などの不確定要素がある

 

参照:国土交通省

大規模修繕を行った後

マンションの大規模修繕は、一般的に十数年に1度の周期で行います。大規模修繕の修繕箇所は、主に外壁や設備などです。長期修繕計画の見直しを行う場合、さまざまな調査・検査を行わなければなりません。

 

大規模修繕と合わせて調査・検査を行うことで、効率的に見直しを行えます。ある程度長い周期で行われるため、マンションの状況にも変化が現れる大規模修繕後は見直しを行うタイミングの1つでしょう。

その他の修繕周期に合わせて

マンションでは、大規模修繕のほかにも鉄部の錆防止の塗装や部分的な補修など、5年程度の周期で定期的に修繕を行います。これらの修繕に合わせて長期修繕計画の見直しを行うのも良いでしょう。

 

修繕に合わせて見直しを行うことで、費用感などを把握することもできます。定期的に長期修繕計画に工事費用を反映させることで、より正確な長期修繕計画を立てることができるでしょう。

長期修繕計画の見直しは誰が行うのか

長期修繕計画の見直しは誰が行うのか

長期修繕計画の見直しは誰が行うのか

長期修繕計画を見直しするには、ある程度の知識が欠かせません。見直しを誰が行うかについては、主に下記のような選択肢があります。

 

・管理組合で見直しを行う

・管理会社に依頼する

・外部の専門家に依頼する

 

それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。

管理組合で見直しを行う

長期修繕計画は、管理組合で直接見直しを行うことがあります。管理組合で行うメリットとしては、「費用を抑えられる」「最適な修繕計画を立てられる」などが挙げられます

 

管理組合で直接見直しを行う場合、外部に依頼しないため依頼費用がかかりません。そのため、費用を抑えることができるでしょう。また、実際にマンションに住む居住者が見直しを行うことで修繕しなければならない場所が明確にわかるため、最適な修繕計画を立てられます。

 

一方、専門的な知識がないため現実的な修繕計画を立てられないというデメリットもあります。知識がある人がいれば良いですが、いない場合は見直しに時間がかかったり実現不可能な計画を立ててしまったりする可能性もあるでしょう。

管理会社に依頼する

長期修繕計画は、管理会社に依頼して見直しを行ってもらうことも可能です。管理会社は、多くのマンションを管理していることから管理業務について専門的な知識を有しています。そのため、マンション管理のプロとして適切なアドバイスを受けられるでしょう

 

ただし、管理会社に依頼する場合はある程度の費用が発生します。また、管理会社は多くのマンションを管理しているため、1つのマンションに多くの時間はかけられません。そのため、重要な変更点以外はほとんど見直しを行ってもらえない可能性があります。

外部の専門家に依頼する

外部の専門家に依頼するのも、長期修繕計画の見直しを行う方法の1つです。外部の専門家に依頼することで、管理会社よりもさらに最適な長期修繕計画を立てられるでしょう

 

居住者が感じている問題や不安要素も、管理会社に比べて反映されやすいというメリットもあります。一方で、依頼費用が高額になるというデメリットもあります。外部の専門家に依頼する必要があるのか、メリットとデメリットを踏まえて慎重に判断する必要があります。

鑑定士コメント

長期修繕計画がないマンションは、どうすべきでしょうか?長期修繕計画がないマンションは、その場その場で修繕するほかなく、都度修繕費を区分所有者から徴収する必要があります。資金不足で修繕できなかったり、できても資金繰りで大幅に遅れたり、長期的に資産価値を維持することが難しくなってしまいます。そのため、新たに作成する必要があるでしょう。作成する方法としては、管理組合で作成するほか、管理会社や専門家に依頼する方法があります。

長期修繕計画を見直しするときに注意すべきポイント

長期修繕計画を見直しするときに注意すべきポイント

長期修繕計画を見直しするときに注意すべきポイント

長期修繕計画を見直しする際は、下記のようなポイントに注意する必要があります。

 

・同時期に修繕積立金の見直しを行う

・修繕費用も検証する

・不足していれば修繕積立金の値上げを検討する

 

それぞれの注意するべきポイントについて、詳しく解説します。

同時期に修繕積立金の見直しを行う

長期修繕計画に大きく左右される要素として、修繕積立金があります。修繕積立金とは、長期修繕計画で計画された大規模修繕に必要な資金として、毎月居住者から徴収する積立金のことです。

 

修繕積立金は、長期修繕計画を作成した時点の修繕内容に沿って決められます。長期修繕計画を見直した結果、計画通りの修繕であれば修繕積立金を変更する必要はありません。

 

しかし、マンションの劣化具合などの内部要因だけではなく物価の上昇などの外部要因も踏まえると、修繕積立金を見直ししなければならなくなることが多いです。基本的には、長期修繕計画の見直しと同時に修繕積立金の見直しも行う必要があります

修繕費用も検証する

長期修繕計画を見直す際は、修繕費用が適正かについても検証しましょう。マンションの修繕にかかる費用の相場は、近隣マンションの修繕費用や市場価格などを調べることでわかります。

 

修繕費用を低く設定してしまうと、実際に修繕する際に不足分を補わなければならなくなったり、修繕積立金の増額をしなければならなくなったりする可能性があります。これらの変更には居住者の合意が必要であり、大幅な変更は合意を得にくいです。

 

ただし、修繕費用を検証する際は正確に計算しすぎることも避けたほうが良いでしょう。長期修繕計画の見直しの時点でどれだけ正確に計算しても、将来の技術開発や物価変動などによってどれだけ修繕費用が上下するかはわかりません。

 

正確に計算するにはある程度コストもかかってしまうため、あくまでも概算で予測を立てて定期的に見直しを行うことが重要です。

不足していれば修繕積立金の値上げを検討する

修繕積立金の見直しや修繕費用の検証の結果、どうしても修繕積立金が不足してしまうということも考えられます。修繕積立金が不足している場合は、修繕積立金の値上げも検討しましょう。

 

値上げする際は管理組合で会合を開き、決議で可決されなければなりません。居住者から反対される可能性もあるため、長期修繕計画の見直した際の内容などをもとに居住者が納得するまで説明をする必要があります。

 

なお、修繕積立金の値上げについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ1度ご覧ください。

修繕積立金が値上げされた!相場や理由についてわかりやすく解説

鑑定士コメント

長期修繕計画の見直しにかかる費用はどれくらいでしょうか?長期修繕計画の見直し費用は、誰が行うかによって異なります。管理組合のみで行う場合は、少ない費用で行うことができるでしょう。一方、管理会社や専門家に依頼する場合は、数万~数十万円の費用が発生することもあります。見直しの規模や依頼する内容によっても費用は異なるため、事前に見積もりを依頼しましょう。

まとめ:長期修繕計画の見直しは総合的な観点から行うのが大切

まとめ:長期修繕計画の見直しは総合的な観点から行うのが大切

まとめ:長期修繕計画の見直しは総合的な観点から行うのが大切

長期修繕計画は、マンションを最適に修繕するために欠かせない計画です。マンションを取り巻く環境は常に変化しているため、定期的に見直しを行う必要があります。

 

長期修繕計画の見直しのタイミングは、5年や修繕の周期などさまざまなタイミングがあります。また、見直す方法も管理組合で行う方法や管理会社、専門家に依頼する方法などがあります。マンションの状況に合わせて、総合的な観点から行いましょう

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

「管理組合の組合員」に関する説明のうち、正しいのは次のうちどれですか?

答えは 3

所有者の意思に関わらず、必ず管理組合の組合員にならなければなりません

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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