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2022.08.23

エレベーターがあるのは何階建てのマンションから?設置義務を解説

エレベーターがあるのは何階建てのマンションから?設置義務を解説

「エレベーターは何階建てのマンションからあるの?」
「マンションのエレベーターの台数は決まっているの?」
上記のような疑問を抱える人もいることでしょう。

この記事では、マンションのエレベーターの知識を徹底解説。何階から設置しなければならないのか、内覧でのチェックポイントやエレベーターの適切な台数・位置も詳しく紹介します。

加えて、エレベーターがないマンションのメリット・デメリットも説明します。マンションのエレベーターについて知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

マンションにエレベーターの設置義務があるのは何階から?

マンションにエレベーターの設置義務があるのは何階から?

マンションにエレベーターの設置義務があるのは何階から?

高層の建物になると、エレベーターの設置が建築基準法によって義務付けられています。ただし、高さが同じ建物が2つあったとして、その2つが同じ階数とは限りません。天井までの高さが低ければ、その分階数は増えます。そのため、エレベーターの設置義務は階数ではなく高さで決められており、31m以上がエレベーターを設置しなくてはならない高さとなります。

マンションの高さが同じでも階数が異なることもある

マンションの高さが同じでも階数が異なることもある

高さ31mは階数にして7階~10階ほどとなります。6階の場合エレベータがないマンションもありますが、6階をエレベーターなしで生活するのは想像するだけでもつらいですよね。買い物袋を抱えて6階まで階段を上る……それが毎日となると「健康的な生活だ」とは、なかなか思えません。もちろんエレベーターなしで生活する健康的な方も少なくありませんが、どうしてもニーズのあるのは、エレベーター付きの物件。そのため、6階より低くてもエレベーターが設置されているところは多いです。

 

第三十四条 建築物に設ける昇降機は、安全な構造で、かつ、その昇降路の周壁及び開口部は、防火上支障がない構造でなければならない。
2 高さ三十一メートルをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。(※)

 

(※)参考: 建築基準法 第34条第1項、第2項

サービス付き高齢者向け住宅では3階建て以上でエレベーター設置

サービス付き高齢者向け住宅では3階建て以上でエレベーター設置

サービス付き高齢者向け住宅では3階建て以上でエレベーター設置

マンションなどの建物であれば、高さ31m以上の建築物に対してエレベーターの設置が義務付けられています。しかし、高齢者向けの賃貸住宅や有料老人ホームなど、高齢者が住む共同住宅の場合には、より基準が厳しくなっていて、エレベーターの設置義務の対象は3階建て以上の建物です。

 

法第五十四条第一号の国土交通省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
一 床は、原則として段差のない構造のものであること。
二 主たる廊下の幅は、七十八センチメートル(柱の存する部分にあっては、七十五センチメートル)以上であること。
三 主たる居室の出入口の幅は七十五センチメートル以上とし、浴室の出入口の幅は六十センチメートル以上であること。
四 浴室の短辺は百三十センチメートル(一戸建ての住宅以外の住宅の用途に供する建築物内の住宅の浴室にあっては、百二十センチメートル)以上とし、その面積は二平方メートル(一戸建ての住宅以外の住宅の用途に供する建築物内の住宅の浴室にあっては、一・八平方メートル)以上であること。
五 住戸内の階段の各部の寸法は、次の各式に適合するものであること。
六 主たる共用の階段の各部の寸法は、次の各式に適合するものであること。
七 便所、浴室及び住戸内の階段には、手すりを設けること。
八 階数が三以上である共同住宅の用途に供する建築物には、原則として当該建築物の出入口のある階に停止するエレベーターを設置すること。
九 その他国土交通大臣の定める基準に適合すること。(※)

 

(※)引用元:高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則 第34条第1項

内覧でエレベーターをチェックするときのポイント3選

内覧でエレベーターをチェックするときのポイント3選

内覧でエレベーターをチェックするときのポイント3選

内覧でエレベーターを見るときは、以下のチェックポイントに沿って確認しましょう。

1.防犯面への配慮

2.緊急時の配慮

3.ニーズに合わせた利便性

それぞれ詳しく解説します。

 

①防犯面への配慮

エレベーターでは数分間密室になるため、少し怖いと感じる方もいるでしょう。そこで、防犯面で対策が取られているかもチェックポイントです。例えば、防犯カメラが設置されているかどうか、エレベーターの扉に窓が付いているかどうかなどがあります。窓があれば、エレベーターに乗る前に中の様子が確認できますし、エレベーターから降りる際には外側の様子を知ることができます。少しの違いではありますが、安心できるでしょう。

②緊急時の配慮

緊急時の配慮がなされているかどうかもチェックすべきポイントです。具体的には、エレベーターに担架やストレッチャーが乗るかどうかも確認しておくと良いでしょう。もちろん担架が乗らない場合には抱きかかえてエレベーターに乗せることもできますが、担架に乗せたまま移動できるに越したことはありませんよね。エレベーターによっては、奥の壁が観音開きできるようになっていて、開くと担架が乗るためのスペースができるものもあります。こうした配慮がなされているかも確認してみてください。

③ニーズに合わせた利便性

ニーズに合わせた利便性

ニーズに合わせた利便性

エレベーターの中には、車いすの方でも届く位置にボタンを用意しているものもあります。車いすの方や、その家族が一緒に住まわれるのであれば、そうしたボタンがあるかチェックしてみてください。また、ペットと一緒に暮らせるマンションの場合、「ペット」というボタンがあることもあります。これは外でエレベーターを待つ方に対してペットが乗っていることを伝えるためのボタンです。ペット同士を鉢合わせたくない場合に役立つボタンです。ニーズに合わせて必要な機能が備わっているかについても確認しておきましょう。

エレベーターがないマンションのメリット2選

エレベーターがないマンションのメリット2選

エレベーターがないマンションのメリット2選

実は、エレベーターがないマンションにも良い面があります。条件次第では、エレベーターなしの方が良いと感じるかもしれません。エレベーターがないマンションの意外なメリットは以下2つです。

1.購入・管理費が安い

2.騒音が少ない

それぞれ詳しく紹介します。

 

①購入・管理費が安い

エレベーターがない物件は、購入価格や管理費が安い傾向にあります。金銭面での負担が少ないため、メリットを感じる人もいるでしょう。

 

エレベーター付きの物件は移動が楽な反面、設置費用や維持費がかかります。人気のある物件なら購入価格も高く設定されがちです。便利さと安全を維持するための必要経費ですが、安く済ませたいと思う人にはデメリットです。

 

エレベーターがなくても、1・2階の低層階を選べば階段で十分な人もいるでしょう。条件次第では、コストパフォーマンスに優れた物件と言えます。

鑑定士コメント

結論をいうと、1階に住んでいてエレベーターを使わないからといって、管理費を値下げすることは事実上不可能です。1階の住民も、テレビアンテナや受水槽のメンテナンスで間接的にエレベーターのお世話になっているためです。また「宅配ボックスつきの物件だけど、自分は使っていない」など、同様の主張は言い出せばきりがありません。そのため、個別に管理費を設定するとかえって公平性の担保が難しくなるのです。
マンションは区分所有者の共同体です。管理費も修繕積立金も、マンションの資産価値を維持するために区分所有者全員で担っているという意識を持ちましょう。

②騒音が少ない

エレベーターや乗っている人から出る騒音が少ないことも、エレベーターなし物件のメリットです。エレベーターによっては、アナウンスがあるなど意外と音がするものもあります。作動時のモーター音や扉の開閉音などが、気になる人もいるかもしれません。乗っている人の話し声も意外と響くものです。エレベーターホールに近い部屋に住むと、騒音に悩まされる恐れがあります。

 

また、エレベーターが止まってしまったり、乗っている途中で他の住人とトラブルになったりする可能性も否定できません。エレベーターがないマンションは、このようなトラブルと無縁ですごせます。

 

エレベーターがないマンションのデメリット2選

エレベーターがないマンションのデメリット2選

エレベーターがないマンションのデメリット2選

エレベータがない物件には、それなりの欠点もあります。エレベーターなし物件の大きなデメリットは、以下2点です。

・市場価値が低く売却しにくい

・階段の上り下りの負担が大きい

それぞれ詳しく解説します。

 

①市場価値が低く売却しにくい

エレベーターのないマンションは、市場価値が低く売却しにくい可能性があります。エレベーターは、やはりあった方が便利なためです。日当たりや見晴らしの良さから、マンションの上層階ほど価格は高くなります。

 

しかし、エレベーターなし物件はそもそも低層階までしかないものがほとんどです。市場価値は階数のみで決まるものではありませんが、ステータス性や眺望の面でマイナス評価となる恐れがあります。仮にエレベーターなしの高層階の部屋があった場合、利便性の悪さから低層階よりも価格が下がるケースもあります。

②階段の上り下りの負担が大きい

エレベーターがないと階段で上り下りするしかなく、負担が大きいことは想像に難くないでしょう。階段での上り下りには、特に以下のデメリットが考えられます。

・足腰の弱い人には特に負担が大きい

・転んでけがをする恐れがある

・荷物を運ぶのに苦労する

・家具の運搬が大変である

お年寄りや体の不自由な人、赤ちゃんがいる家庭には不向きでしょう。また、階段では家具の搬入にも手間がかかります。大きな家具がある場合、引っ越し時に別途料金を請求される可能性もあります。

エレベーターがあるマンションにもデメリットはある

エレベーターがあるマンションにもデメリットはある

エレベーターがあるマンションにもデメリットはある

エレベーターがあるマンションにも、以下のデメリットがあります。

・管理費が高い

・朝は混み合うことがある

・住人同士のトラブルに発展する恐れがある

マンションに住むと共益費がかかります。エレベーターなど、住民が共通で使う部分を維持するためのお金です。しかし、エレベーターを使わない低層階の住人には不公平に感じるかもしれません。

 

また、平日朝の通勤時間帯には、エレベーターが混み合ってなかなか乗れない可能性も考えられます。エレベーターには誰が乗るか分からないため、乗った人同士でトラブルが発生する可能性も。密室なので怖さを感じる人もいるでしょう。

鑑定士コメント

エレベーターはマンションライフでは日常の一部であり、いつでも動いていて当たり前と思いがちです。しかし、災害時には長時間止まってしまうリスクもあります。このような時、特にタワーマンションの高層階の住民は外出もままならず、陸の孤島と化す場合もあります。災害時の備えには心掛けましょう。また、災害時でなくても定期的なメンテナンスで一定時間休止することがあります。管理組合からの通知には目を通しておきましょう。

エレベーターの適切な設置台数や位置とは

エレベーターの適切な設置台数や位置とは

エレベーターの適切な設置台数や位置とは

エレベーターの適切な設置台数は、50戸に対し1台が目安です。設置する位置はエレベータホールから玄関まで、50m以内が望ましいでしょう。

 

例えば、50戸以下なら1台、80戸なら2台が適切な台数です。マンションを建てる際には、エレベーターの性能や住民の利用頻度を加味し、設置台数が決められています。

 

エレベーターをどこに設置するかは、力の弱い人が重いものを運べる限界距離を基準にしています。一般的には50mが限界と言われているので、全戸の玄関から50m以内にエレベーターを設置することが主流です。物件の利便性を判断する際は、このことも覚えておくと便利でしょう。

 

エレベーターの設置義務があるのは高さ31mから

エレベーターの設置義務があるのは高さ31mから

エレベーターの設置義務があるのは高さ31mから

高さが31m以上あるマンションには、エレベーターの設置が義務付けられています。しかし、それ以下のマンションにも、住民の利便性のために設置してあるところが多いです。

 

エレベーターがあると便利な反面、管理費が高くなるなどのデメリットもあります。エレベーターの重要度は住みたい階層により変わるため、利便性を総合的に加味して物件を選ぶことがポイントです。

 

エレベーターの有無に迷ったら不動産ポータルサイトがおすすめです。豊富な物件情報から、ライフスタイルに合ったマンションを見つけられるでしょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

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