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更新日:2024.09.12
登録日:2024.03.21
住宅ローン審査に通らないのはなぜ?原因と対策をくわしく解説

住宅ローンの審査に落ちても、理由が通知されることはありません。
どうして審査に落ちたのか、審査に通るためには何をすればいいのか、迷っている人も多いでしょう。
そこで、本記事では、住宅ローン審査に通らない原因や審査に通るための対策を解説します。住宅ローンの審査に通って希望の金額で借り入れするために、参考にしてください。
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住宅ローンの審査とは

住宅ローンの審査とは
住宅ローンの審査とは、金融機関が、利用者に十分な返済能力があるかどうかを審査することです。
・希望の融資額を返済する力があるか
・住宅ローンを組むための基準を満たしているか
返済能力があるかどうかは、申し込み者の年齢・年収・健康状態など、多数の項目で判断します。
審査は、事前審査と本審査の2つがあり、どちらの審査にも通ると融資を受けられます。住宅ローンの事前審査については、以下の記事でくわしく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローンの事前審査は本審査とどこが違う?特徴や複数申し込むメリットを確認
住宅ローンの審査基準

住宅ローンの審査基準
令和4年度の「民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、住宅ローンの審査の際に重視される項目は、以下のとおり(※)です。
多くの金融機関で、以上の項目を審査しています。
それぞれの項目についてくわしく見ていきましょう。
※参照:国土交通省 住宅局
年齢
住宅ローンの審査では、年齢が重要な項目の一つです。
金融機関の多くは、住宅ローンの年齢に関して、以下のように定めています。
・申し込み時の年齢が20歳以上70歳以下
・完済時の年齢が80歳未満
住宅ローン利用者が完済できるかが重要であるため、金融機関は審査時に完済時の年齢を重要視します。
上記の基準を満たしていても、完済時の年齢が80歳に近いと審査に落ちる可能性が高いため注意しましょう。
健康状態
住宅ローンを利用する際には、団体信用生命保険(団信)への加入が必要です。
団信の審査時には、告知書を提出し、直近3年以内の健康状態を保険会社に告げる必要があります。
病気の発見が3年以上前でも、治療が3年以内に完了していなければ、告知義務が発生します。
虚偽の報告はせず、正直に病歴を記入しましょう。
担保評価

担保評価
住宅ローンの審査では、物件の担保価値も重要となる項目です。
担保評価とは、その不動産を担保としたときの評価金額のことです。
購入する不動産の資産価値の高さが、審査に影響します。
年収・勤続年数
年収や勤続年数も、住宅ローンで重要視される項目の一つです。
年収が少ない場合は、住宅ローンの返済が滞る可能性があるため、審査に通りづらくなるでしょう。
2022年のフラット35利用者調査によると、住宅ローンの利用者は、世帯年収400万円以上600万円未満の割合が39.2%(※1)と最も多いです。
年収が400万円以上あれば、住宅ローンの審査基準を十分に満たしていると考えられます。
勤続年数も、返済能力を把握するうえで重要です。
民間住宅ローンの実態に関する調査によると、勤続年数が「1年以上」と回答した金融機関が約6割(※2)と最も多かったです。
勤続年数が最低でも1年以上あれば、審査に不利にはならないでしょう。
※1 参照:フラット35利用者調査
※2 参照:民間住宅ローンの実態に関する調査
連帯保証
住宅ローンは、保証会社を利用するケースが多いため、通常は連帯保証人が不要です。
収入を合算して住宅ローンに申し込む場合や、ペアローンを利用する場合は、連帯保証人が必要になります。
親や配偶者などの身内が、連帯保証人になるケースが多いです。
審査に通るためには、連帯保証人の返済能力が重要となるため、保証人の信用情報を確認しておきましょう。
住宅ローン審査の流れ

住宅ローン審査の流れ
住宅ローンの審査の流れは、次のとおりです。
・事前審査申し込み
・正式申し込み
・本審査
・借り入れ
事前審査申し込み
本審査の前に、申し込み者の返済能力をおおまかに把握するために、事前審査が必要です。事前審査は、「仮審査」とも呼ばれます。
入力した自己申告情報をもとに審査が行われ、事前審査に通れば、本審査を受けられます。金融機関の公式サイトにアクセスし、申し込み手続きを行いましょう。
申し込み者の収入状況によっては、源泉徴収票の提出が求められます。
審査に時間がかかったとしても、申し込みから1週間後には審査の結果が届きます。
正式申し込み
事前審査に通れば、正式な住宅ローンの審査に移ります。
本審査では、申し込み者の返済能力を正確に知るために、さまざまな書類の提出が求められます。
必要な書類は、以下のとおりです。
・住宅ローンの借り入れ申し込み書
・個人情報に関する同意書
・団体信用生命保険申し込み書兼告知書
・本人確認書類(運転免許証・健康保険証・住民票)
・源泉徴収票
・住民税決定通知書(または課税証明書)
・物件の確認資料
金融機関によって必要な書類は異なるので、事前に確認しましょう。
本審査

本審査
金融機関や住宅ローンの保証会社などが、本審査を行います。
本審査では、提出された書類をもとに、申し込み者の返済能力や購入予定の物件の担保価値を確認します。
本審査は事前審査より時間がかかるため、審査の結果を待ちましょう。
審査に通ると、借り入れ可能な金額やローンの金利、返済シミュレーションが提示されます。
借り入れ
本審査に通れば、金融機関と住宅ローン契約を結びます。契約時に、住宅ローンの金利や返済期間などが決定します。
住宅ローン契約時には、実印や届出印が必要です。
契約を結んだあと、融資が実行され、指定した口座にお金が振り込まれます。
住宅ローンの審査にかかる期間をくわしく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
住宅ローンの審査期間はどれくらい?長引く理由と短くするポイントを紹介
鑑定士コメント
住宅ローンの事前審査が通っても、本審査で落ちることはあるのでしょうか?通常の銀行の住宅ローンでは、事前審査に通れば、本審査にも通る可能性が高いと思ってよいでしょう。しかしフラット35の場合は要件が厳しく、事前審査に通っても利用基準に満たなかったり、物件の担保価値が低かったりして本審査に落ちる場合があります。
住宅ローン審査に落ちる理由

住宅ローン審査に落ちる理由
住宅ローンの審査に落ちる理由は、次の5つです。
・年齢が高い
・健康状態に問題がある
・物件の価値が低すぎる
・信用情報に問題がある
・返済負担率が高い
それぞれの理由について解説します。
年齢が高い
住宅ローンに落ちる理由として、申し込み時や完済時の年齢が高いことが挙げられます。
完済時の年齢は、80歳未満と定められています。
つまり、申し込み時の年齢が高いほどローンを組める期間が短くなり、審査に落ちやすくなるのです。
令和4年度の住宅市場動向調査によると、住宅ローン完済までの返済期間の平均は32.8年(※)でした。
返済期間35年以上が72.7%(※)と最も多いことから、遅くても40歳で住宅ローンを組むほうがいいでしょう。
※参照:令和4年度 住宅市場動向調査
健康状態に問題がある
健康状態に問題があると、住宅ローンの審査に落ちる可能性があります。
以下に当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。
・過去3か月で医師の治療や投薬を受けた
・過去3年以内に特定の病気にかかり、手術を受けた
・過去3年以内に特定の病気にかかり、2週間以上の治療や投薬を続けた
上記に当てはまると、即審査に落ちるわけではありません。
たとえ病歴や持病があっても、適切な治療が行われており、仕事に支障がないと判断できれば審査に不利にはなりません。
物件の価値が低すぎる

物件の価値が低すぎる
金融機関は、購入する物件を担保に融資を行うため、物件の価値が低いと審査に通らない可能性が高いです。
物件の価値は、販売価格や不動産鑑定会社の評価、路線価をもとにした担保評価額などで決定します。
物件の価値が低すぎる場合は、そもそも住宅として問題があるかもしれません。その物件を購入しても大丈夫か、一度確認したほうがいいでしょう。
信用情報に問題がある
信用情報にキズがあると、住宅ローンの審査に通りづらいです。
過去に支払いの遅れや滞納があった人は、住宅ローンの返済が滞る可能性があると判断されるからです。
・クレジットカードの支払い遅延
・携帯料金の滞納
・任意整理や自己破産
上記のように、支払いに関する問題がある場合は、信用情報が傷ついているかもしれません。
住宅ローンに申し込む前に、信用情報機関に問い合わせて、情報の開示を行いましょう。
返済負担率が高い
返済負担率とは、年収のうち年間返済額が占める割合のことです。
一般的には、返済負担率の上限は約3割といわれています。
年収400万円であれば、年間の返済額は多くても120万円程度とわかります。つまり、月10万円の返済です。
返済負担率が高いほど、住宅ローン利用者の返済が厳しくなり、審査に落ちる確率も上がります。
余裕をもって返済するために、返済負担率は20%〜25%にとどめておきましょう。
住宅ローン審査に通るためのコツ

住宅ローン審査に通るためのコツ
住宅ローン審査に通るために、どのようなことをすればいいのでしょうか。審査に通るためのコツは、次の5つです。
・住宅ローン以外の借り入れを見直す
・カードのリボ払いを控える
・カードのキャッシング枠を整理する
・ペアローンを活用する
・信用情報にキズをつけない
住宅ローン以外の借り入れを見直す
自動車ローンやカードローンなど、住宅ローン以外にもローンを利用している人は、ローンの見直しを行いましょう。
なぜなら、住宅ローンの審査では、他のローンの借り入れや返済状況を確認されるからです。
他のローンの返済額が多いと、住宅ローンの返済が滞る可能性が高いと判断されます。
住宅ローンに申し込む前に、追加返済や一括返済を行い、返済額の負担を減らしましょう。
返済額の負担が減ると、毎月の支払いが楽になり、住宅ローンに通る可能性が高まります。
カードのリボ払いを控える
審査では、クレジットカードの利用状況も確認されるため、リボ払いはできるかぎり避けてください。
リボ払いは、毎月の支払いを安く抑えられますが、利用しすぎると支払い残高が高額になりやすいです。
支払い残高が多いと、リボ払いを返済する負担が大きいと判断されて住宅ローンの審査に悪影響が出ます。
住宅ローンの申し込み前に、支払い残高は減らしておきましょう。
カードのキャッシング枠を整理する

カードのキャッシング枠を整理する
複数のクレジットカードをもっている人は、キャッシング枠を整理しましょう。
クレジットカードには、キャッシング機能がついていますが、キャッシングも借り入れに含まれます。
自動車ローンやカードローンと同様に、キャッシング枠を見直してみてください。
たとえ、キャッシングを利用していなくても、金融機関によってはキャッシング枠の金額分を借り入れているとみなされます。
住宅ローンで借り入れる金額にも影響するので、不要なクレジットカードは解約しておきましょう。
ペアローンを活用する
ペアローンとは、自身と同居する親族が債務者となり、住宅ローンを組む方法です。
ペアローンでは、対象である物件を共有名義で所有し、お互いが連帯保証人となります。
収入のある2人がローンを組むため、返済能力が高いと判断されやすく大きな金額の借り入れが可能です。
ただし、契約時の諸費用は2人分かかります。
また、一人が退職した場合でも支払いが必要になるため、返済計画をしっかり立てておきましょう。
信用情報にキズをつけない
住宅ローンの審査に通るために、信用情報にキズをつけないことが大切です。
自動車ローンやクレジットカード、携帯料金の支払いなど、支払いの遅延や滞納がないように注意しましょう。
すでに支払いの滞納や遅延がある場合は、今すぐ支払いを済ませてください。
お金がすぐに用意できない場合でも、連絡して支払いの意思を示しておけば、信用情報にキズがつくことを回避できます。
奨学金の支払いを忘れて、信用情報が傷ついているケースもあります。
申し込み前に、支払いはすべて済ませているかを確認しましょう。
住宅ローン審査に通らなかったときの対処法

住宅ローン審査に通らなかったときの対処法
一度、住宅ローン審査に通らなかった場合でも、諦める必要はありません。
住宅ローンの審査に落ちたら、次の対処法を試してみましょう。
・他の金融機関に申し込む
・条件を変更して再度申し込む
他の金融機関に申し込む
金融機関によって、住宅ローンの審査基準は異なります。
たとえ、一社の審査に落ちても、他の金融機関であれば審査に通る可能性があります。
手続きの手間はかかりますが、複数の金融機関で住宅ローンの申し込みを行うことも可能です。
審査に通る自信がない人は、複数の金融機関で申請しましょう。
条件を変更して再度申し込む
住宅ローンの審査に落ちたら、条件を整えて再度申し込みをしましょう。
審査に通るためにできることは、次のとおりです。
・現在、返済中のローンを完済する
・親族の資金援助を受け、自己資金を増やす
・将来のための貯蓄を崩し、頭金の支払いを増やす
上記のことを実践してみれば、再審査に通る可能性が高まります。
鑑定士コメント
もし1社の住宅ローンの審査に落ちても、他の何社でも申し込みして良いのでしょうか?
住宅ローンの審査は、複数社に申し込みをしても問題ありません。ただし、信用情報機関に、他の金融機関で審査に落ちた記録が残ります。申し込みのタイミングによっては、審査に悪影響が出るため、注意しましょう。
まとめ:住宅ローン審査は事前にしっかりと準備をしておこう

まとめ:住宅ローン審査は事前にしっかりと準備をしておこう
住宅ローンの審査では、申し込み時や完済時の年齢・健康状態・年収・勤続年数など、多数の項目で判断されます。
自動車ローン・カードローン・クレジットカードの利用状況も審査に影響します。支払いの遅延や滞納がないようにしましょう。
複数の金融機関で申し込み可能であるため、一社で審査に落ちても、他の金融機関で申し込んでみてください。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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