記事検索

  • HOME
  • 学ぶ
  • 管理会社
  • 【専門家解説】管理会社がトラブルに対応してくれない理由は?実態や対処方法をお伝え

学ぶ

更新日:2026.01.30
登録日:2023.10.22

【専門家解説】管理会社がトラブルに対応してくれない理由は?実態や対処方法をお伝え

【専門家解説】管理会社がトラブルに対応してくれない理由は?実態や対処方法をお伝え

多くのマンションでは、管理会社に建物の維持管理を委託しています。そのため、マンションで発生したトラブルなどは、管理会社に相談して対応してもらうのが一般的です。

設備トラブルや近隣問題が発生した際、頼りになるはずの管理会社ですが、

「連絡したのに対応してくれない」
「後回しにされている気がする」

といった不満を抱くケースは少なくありません。

では、なぜ管理会社はすぐに動いてくれないのでしょうか。

本記事では、東京カンテイのマンション専門調査員で、管理会社での勤務経験も持つ今村の解説を交えながら、管理会社が対応できない理由や、スムーズに動いてもらうための具体的な伝え方など、業界の「現場の実情」もふまえてお伝えします。

賃貸オーナーの方や、分譲マンションの管理組合員の方が、管理会社と良好な関係を築き、トラブルを早期解決するためのヒントとしてぜひ参考にしてください。

マンション図書館の物件検索のここがすごい!

img
  • 個々のマンションの詳細データ
    (中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧
  • 不動産鑑定士等の専門家によるコメント
    表示&依頼
  • 物件ごとの「マンション管理適正評価
    が見れる!
  • 新築物件速報など
    今後拡張予定の機能も!

管理会社がトラブルに対応してくれない理由

管理会社がトラブルに対応してくれない理由

管理会社がトラブルに対応してくれない理由

管理会社がトラブルに対応してくれない背景は、下記のようなケースが考えられます。

 

・担当者の対応が遅い

・人員不足になっている

・契約外または規約外の要求である

・事実関係の確認や許可が必要なため、判断に時間がかかっている

・カスタマーハラスメントで契約更新を断られている

 

なお、管理会社の対応スピードは賃貸物件と分譲マンションによって異なる場合があります。これは管理会社の対応が悪いわけではなく、そもそも「契約相手」と「守備範囲」に違いがあるためです。

 

種別

特徴

賃貸

・管理範囲は専有部分(室内)も含むのが一般的

・室内のエアコンや給湯器などの設備も、オーナーの所有物として管理会社が管理・修繕手配を行う

分譲マンション

管理範囲は基本的に「共用部分」のみ

対応スピードは合意形成が必要な場合「遅くなる傾向」にある

 

上記の違いを理解しながら、対応してくれないケースの詳細を見ていきましょう。

担当者の対応が遅い

担当者の経験不足や多忙による確認漏れだけでなく、担当者の心理的な要因や物理的な事情が影響しているケースが考えられます。

 

対応が難しい相談や厳しい指摘が重なる案件に対し、心理的な負担から対応に慎重になってしまい、時間がかかってしまう可能性もあります。とはいえ、基本的には特定のマンションを意図的に後回しにすることはまれでしょう。

 

ただし、以下のような「やむを得ない事情」により、結果的に対応の優先度が下がってしまう可能性はあります。

 

他物件での緊急対応: 人命に関わる事故や災害などが発生した場合

契約内容の制約: 巡回頻度が低い契約になっている場合など

物理的な距離: 管理会社から遠方の物件である場合など

 

対応の優先順位は担当者の業務姿勢にもよる(今村談)

規約等の関係で実現が難しい要望が多いマンションの場合、担当者も人間なので対応に迷いが生じ、結果として時間がかかってしまうことはあるかもしれません。逆に「早めに対応を進めよう」と考える担当者もいるので、一概には言えず、担当者の考え方によるところが大きいです。

人員不足になっている

昨今のマンション管理業界は深刻な人手不足に直面しており、フロント担当者(マンション担当者)1人が抱える物件数が10〜15棟、多い場合では20棟近くに達することも珍しくありません。

 

担当者は日々のさまざまな業務に忙殺されており、物理的に「業務過多」で手が回らない状態です。また、業務が特定のフロント担当者に依存しがちで、担当者不在時に十分に機能するサブ担当やバックアップ体制が整っていないケースも少なくありません。

 

その結果、担当者と連絡が取れない間は案件が停滞し、緊急性の低い案件ほど後回しになりやすいのが実情です。

契約外または規約外の要求である

管理会社は「マンションの何でも屋さん」ではなく、あくまで管理組合との間で交わされた「管理委託契約」や「管理規約」に基づいて業務を行っています。

 

そのため、契約に含まれていない業務や、規約に反する対応はできません。とくに分譲マンションの場合、個人の資産である「専有部分」に関するトラブルには、原則として対応できないのが特徴です

 

住民側は「管理費を払っているのだから対応してもらえる」と思いがちですが、契約外や規約外の場合、管理会社は対応できないため、認識のギャップが生まれます。

 

【管理会社が対応できない・動けない例】

分譲マンションの専有部分の設備トラブル:給湯器、エアコン、室内の電球、建具(ドア・網戸など)の故障

個人間のトラブル:騒音の直接的な仲裁(当事者への説得)、居住者同士の喧嘩

契約範囲外の業務:契約に含まれていない場所の清掃指示、植栽の剪定など

個人的な依頼:管理人への荷物預かり依頼、ゴミ出しの個別代行など

規約違反の依頼:規約に反するリフォームの申請受付など

 

現場でよくあるリアルな事情(今村談)

本来は契約範囲外だが、柔軟に対応しているケースもあります。例えば「ドアの建て付けが悪い」といった相談に対し、担当者が専用工具(丁番起こし)で調整することもありますが、本来は有償対応や専門業者の領域であり、契約外の対応となります。これは、あくまで担当者の判断による「できる範囲」でのサービスであり、必ず対応してもらえるとは限りません。

 

マンションの管理規約とは?規定されている内容や基本知識をくわしく解説

事実関係の確認や許可が必要なため、判断に時間がかかっている

トラブルの内容によっては、管理会社の担当者の一存では動けず、関係各所への確認や承認プロセスに時間がかかっているケースがあります。住民からは「対応が進んでいない」ように見えても、実際は「調整中」「承認待ち」の状態であることが多いのです。

 

特に分譲マンションと賃貸マンションでは、「誰の許可が必要か」が異なるため、事情が少し変わってきます。

【分譲・賃貸共通】物理的な調査や業者手配の壁

夜間・休日のトラブルや建物の構造に関わるトラブルでは、管理会社の判断以前に物理的な理由で時間がかかることがあります。

 

夜間・休日・専門業者の都合

契約内容にもよりますが、夜間や休日に緊急対応を求めても、管理会社単独での対応が難しく「専門業者の手配は翌営業日」となることがあります。また、特殊な修理で部品取り寄せや業者のスケジュール調整に時間を要する場合もあります。

 

全戸調査のスケジュール調整

漏水や配管詰まりなど、原因を特定するために「上下階」や「同じ配管系統の部屋すべて」に立ち入り調査が必要な場合があります。居住者全員の日程調整が必要になるため、着手までに数週間かかることも少なくありません。

 

配管トラブルで全戸調整が必要に|賃貸物件の例

築28年の賃貸マンションで、建物全体の排水管に不具合が起きたことがあります。1階に住んでいて、お風呂を流すとボコボコと音がする状態で困っていたのです。原因特定のために全入居者の部屋に入って調査をする必要があり、全員のスケジュール調整や許可取りにかなりの時間がかかりました。自分の部屋の問題だけでなく全体に関わることだと、解決までが長いと感じました。

専門家コメント(今村談)

これは賃貸に限らず分譲でもよくある話です。配管のピンホールや詰まりの原因箇所を特定するには、同じ系統の部屋を一気に調べないとわからない場合があるため、どうしても調整に時間がかかってしまいます。

【分譲の場合】「理事会・総会」などの承認が必要

分譲マンションの場合、管理会社はあくまで「管理組合の補佐」であり、決定権は管理組合にあります。そのため、以下の理由で時間がかかります。

 

理事長やそのほか利害関係者の承認待ち

管理会社が動くには組合の承認が必要になります。組合を代表する理事長と連絡がつかない、理事会の意見がまとまらないといった場合には時間を要する場合もあります。

 

「総会決議」が必要な場合

「ルールを変えてほしい」「新たな設備を入れてほしい」といった要望が規約外である場合、理事会での審議だけでなく、住民総会での決議が必要になります。これが「後回し」と感じられがちですが、正式なプロセス上、時間がかかります。

 

住民が「後回し」だと感じてしまう理由(今村談)

緊急性が高いものと違い、規約変更を伴うご要望などは「すぐに対応することが難しい」案件です。理事会への報告・開催準備で約1ヶ月、そこから総会の招集通知・開催でさらに1ヶ月、最短でも2ヶ月はかかります。


さらに、わざわざ臨時総会を開くコストを避けるため、「次の定時総会(年に1回)まで待つ」という判断になれば、解決まで1年近く期間を置くことになります。これが住民には「対応してくれない、後回しにされた」と感じられてしまう原因です。

【賃貸の場合】オーナー(貸主)の意向確認

賃貸物件の場合、修理費用の負担者はオーナー(大家)です。

管理会社が「修理が必要」と判断しても、オーナーと連絡がつかなかったり、オーナーが費用負担について検討した結果「もう少し様子を見て」と判断したりすれば、管理会社は独断で工事を発注できません。

カスタマーハラスメントで契約更新を断られている

近年、管理会社側から「契約更新の終了」を申し入れられるケースもあります。その背景の一つとして、居住者によるカスタマーハラスメントが挙げられます。

 

実現が難しい要望の繰り返し、長時間の拘束、担当者への厳しい言動などが続くと、管理会社は「従業員を守るため」に契約の継続が困難だと判断することがあります。特に人手不足の昨今、管理会社は受託環境を重視する傾向にあり、ハラスメント行為が見受けられるマンションでは、新しい管理会社が見つかりにくいという状況も生まれています

 

また、2023年9月に国土交通省が「マンション標準管理委託契約書」(※)を改定し、カスタマーハラスメントへの対応条項が新たに追加されました。これにより、管理組合(居住者)によるハラスメント行為があり、改善の求めに応じない場合、管理会社側から契約を解除できる根拠が明確化されました。

 

「対価を支払っているのだから」という一方的な姿勢は見直されつつあります。管理会社に対応を求める際は、要望の内容や伝え方が社会通念上妥当な範囲内か、配慮を持って伝えることが大切です。

 

※参照:国土交通省

管理会社が対応してくれないとトラブルに発展するケース

管理会社が対応してくれないとトラブルに発展するケース

管理会社が対応してくれないとトラブルに発展するケース

管理会社が対応してくれないとトラブルに発展するケースとして、下記のことが考えられます。

・専有部分の設備の不具合や故障につながる

・隣人トラブルが発生・深刻化する可能性がある

・清掃などの共用部分の管理不足につながる

・賃貸の場合はクレームや入居者の退去につながる

・分譲マンションの場合は資産価値に影響が出る可能性がある

 

それぞれのケースについて、詳しく解説します。

専有部分の設備の不具合や故障につながる

前述通り、専有部分の設備トラブルは、賃貸か分譲かで対応が大きく異なります

【賃貸マンションの場合】管理会社が対応するのが一般的

あらかじめ備え付けられている設備(エアコンや給湯器など)はオーナーの所有物です。故障した場合は、管理会社が修理・交換の手配を行います。管理会社の対応が遅れると、夏場にエアコンが使えないなど生活に直結する影響が出ます。

【分譲マンションの場合】原則は「自分で手配」

分譲マンションの専有部分にある設備は、区分所有者の私物です。管理会社は主に共用部分の管理を行っているため、専有部分のトラブルには原則として関与できません

 

「管理会社が直してくれるはず」と待っていても、状況が進まない可能性があります。そのままにしておくと設備が故障してしまうことがあるので、自分でメーカーや修理業者を手配する必要があります。

 

管理会社が「わかる」範囲と「わからない」範囲(今村談)

給湯器が壊れた場合、新築時から付いているものであれば管理会社に品番の記録が残っていることもあります。その場合は「ここに連絡してください」とメーカーの連絡先を伝えることは可能です。


しかし、前の所有者がリフォームしていたり、記録がなかったりすると「詳細が不明」とお答えせざるを得ない場合もあります。決して対応を拒否しているわけではなく、情報がないために自分で調べていただく必要があるのです。

隣人トラブルが発生・深刻化する可能性がある

騒音や水漏れといった隣人トラブルにおいて、「管理会社が間に入って解決してくれるはず」と全てをお任せにしてしまうと、その間に事態が悪化し、解決が難しいご近所トラブルに発展するリスクがあります。

 

管理会社ができることの「範囲」を正しく理解しておくことが重要です。

【騒音】「直接注意してほしい」は対応が難しいことが多い

騒音問題について、管理会社は「掲示板での注意喚起」や「全戸へのビラ投函」など、マンション全体への広報までは対応してくれます。

 

しかし、「上の階の〇〇さんに直接電話して注意してほしい」「間に入って話し合いをさせてほしい」といった個別の仲裁は、お断りする場合もあります

 

管理会社の対応を待つ間にも騒音は続くため、被害を受けている方の負担が大きくなり、結果として当事者間でトラブルに発展してしまうことも考えられます。

【水漏れ(分譲マンションの場合)】「原因特定」までは管理会社、その先はケースバイケース

上階からの水漏れや、自室での漏水が発生した場合、判断が非常に難しいのが「専有部分(個人の責任)」か「共用部分(組合の責任)」かの切り分けです。

 

漏水対応の境界線と意外なサポート(今村談)

住戸内で発生した漏水で、原因の特定が難しいケースは判断が悩みどころです。

この場合、まずは原因調査までを管理会社が一次対応として行うことが多いです。調査の結果、共用配管が原因なら管理組合の負担で修繕を行いますが、もし専有部分の配管が原因だと判明すれば、その後の修理は所有者(個人)で対応していただくことになります。


ただし、専有部分が原因で管理会社の業務範囲外となった場合でも、管理会社が一切関与しないわけではありません。修理業者の手配をそのまま進めてくれたり(費用は個人負担)、「管理組合の保険が適用できるか」を確認して申請の誘導をしてくれたりと、保険周りのサポートは意外と手厚く行ってくれる場合が多いです。

 

つまり、管理会社が「対応できない(工事費を出せない)」のは、区分所有法の原則に基づいているためです。しかし、保険の相談などを仰いだ場合、サポートを受けられる可能性があります。

清掃などの共用部分の管理不足につながる

管理会社の対応が不十分だと、影響が出やすいのが共用部分の管理状態です。これは単に美観が損なわれるという問題だけでなく、重大な事故や生活インフラ停止のリスクにつながります。

生活環境の悪化

エントランスの清掃が行き届かない、ゴミ置き場から悪臭がする、植栽が伸び放題で虫が発生するなど、居住快適性が著しく低下します。

設備故障・事故のリスク

特にリスクが高いのが、エレベーター、機械式駐車場、自動ドアなどの設備機器です。管理会社の対応が遅れると、異音や不具合の報告があっても業者の手配に時間がかかり、結果として長期間の故障停止や、場合によっては事故につながる恐れがあります。

賃貸の場合はクレームや入居者の退去につながる

賃貸物件において、管理会社の対応品質はオーナーにとっての経営リスクに直結します。

 

入居者は「家賃には管理サービス料も含まれている」と考えがちです。設備トラブルや騒音問題に対する対応が遅いと、入居者の満足度は低下しやすくなり、以下のような影響が生じる可能性があります。

退去の引き金になる(空室リスク)

「更新のタイミングで引っ越そう」と判断される理由の一つに、管理対応への不満が挙げられます。一度退去されると、クリーニング費用や次の入居者募集のための広告費などが発生し、収益に影響を及ぼします。

評判への影響

現代はSNSや不動産口コミサイトで「この管理会社の物件は対応がよくない」といった情報が共有されやすい時代です。管理会社の評判が影響し、どれだけよい部屋でも次の入居者が決まりにくくなり、空室期間が長期化する恐れがあります。

 

オーナーは管理会社任せにするのではなく、「入居者からのクレーム対応履歴」を定期的にチェックしたり、物件の清掃状況をご自身の目で確認したりするなど、管理会社が適切に動いているかを把握しておくことが大切です。

分譲マンションの場合は資産価値に影響が出る可能性がある

「マンションは管理を買え」と言われる通り、管理会社の対応品質は資産価値(売却価格)に大きく関わってきます。清掃や修繕が十分でないと、マンションの見た目の印象が損なわれ、売却時に買い手がつきにくくなったり、希望する価格での売却が難しくなることも考えられます。

見た目の印象が悪くなる

エントランスの汚れ、自転車置き場の乱れ、掲示板の掲示物が古いまま放置されているといった状態は、内覧に来た購入検討者に「管理が行き届いていないマンション」というマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。

「重要事項調査報告書」で管理状況がわかる

売買契約の際、不動産会社は管理会社から「重要事項調査報告書」を取り寄せます。ここに修繕積立金の滞納状況や、修繕履歴などが記載されますが、管理会社がずさんだと、これらの書類作成が遅かったり、内容が不透明だったりして、取引の信頼性を損なうことがあります。

 

内覧時は掲示板をチェックしよう(今村談)

購入を検討する際は、共用部の状態をよく確認してください。清掃状態はもちろんですが、特にチェックして欲しいのは掲示板です。掲示板がきれいに整理されているマンションはトラブルが少ない傾向にあります。一方で、古い掲示物が破れたまま貼ってあったりする場合は、少し注意して見たほうがよいでしょう。こうした小さな綻びが、マンション全体の資産価値に影響してしまうこともあるのです。

 

マンションの共用部分が適切に管理されているか、資産価値を維持できる状態にあるかを確認したい方は、以下のホワイトペーパーのチェックポイントもぜひ参考にしてください。

中古マンションのCHECKPONT(一棟:共有部編)

管理会社に対応してもらうためのコツ・押さえておきたいポイント

管理会社に対応してもらうためのコツ・押さえておきたいポイント

管理会社に対応してもらうためのコツ・押さえておきたいポイント

管理会社に動いてもらうためには、こちらの要望をただ伝えるだけでなく、「担当者が動きやすい状況を作る」ことが大切です。賃貸と分譲、それぞれの特性に合わせた効果的な依頼のコツを紹介します。

 

・賃貸の場合|具体的かつ簡潔にどのような対応をしてほしいか伝える

・分譲マンションの場合|対応スピードを高めるために理事会に根回しをする

賃貸の場合|具体的かつ簡潔にどのような対応をしてほしいか伝える

賃貸の場合、管理会社は入居者からの要望をオーナー(大家)に伝え、修繕や対応の許可をもらう必要があります。つまり、担当者がオーナーに状況を説明しやすい材料を提供することが、スムーズな解決につながります。

 

以下の3点を意識して伝えてみましょう。

 

5W1Hで「客観的な事実」を伝える

「いつ・どこで・何が・どうなったか」を明確にする

感情的にならず事実を淡々と伝える

証拠(写真・動画・録音)を活用する

口頭で説明するよりも、写真や動画の方が状況が正確に伝わる

騒音トラブルなら日時や音の種類の記録も有効

「どうしてほしいか(ゴール)」を明確にする

修理の手配をお願いしたいのか、まずは注意喚起をしてほしいのかなど、具体的な要望を伝える

 

また、「言った言わない」の認識違いを防ぐため、可能な限りメールや問い合わせフォームなど記録に残る手段で連絡することをおすすめします。緊急で電話をした場合も、後から内容を確認するメールを送っておくと確実です。

分譲マンションの場合|対応スピードを高めるために理事会に根回しをする

管理会社が比較的動きやすいのは、「理事会で話が通りやすい状態」です。

 

分譲マンションでは、「理事会を通す」というプロセスが必須なため、ここをスムーズに通過させることが解決への近道となります。

 

管理会社任せにせず事前に相談する

理事長や役員に事前に相談し、味方につけておく

担当者が理事会で説得する必要がなくなり、「決定事項の手配」に専念できるため、対応が早くなりやすい

総会では「主体的に」発言する

管理会社は中立の立場であるため、特定の提案を強く推せない

提案者本人が主体的に発言しないと、反対意見に押されて否決されてしまうリスクがある

 

管理会社は「手配するだけ」の状態だと対応が早い(今村談)

あらかじめ理事会などに相談をして、話を通しておいてもらえると管理会社は非常に助かります。「話はついているから、あとは手配をお願い」という状態だと、管理会社はすぐに動けます

逆に、要望があいまいだったり、全てお任せだったりすると、何度も確認のやり取りが発生して時間がかかってしまいます。スムーズに進めたいなら、管理会社任せにせず、理事会の方などに事前に話を通しておくのがよい方法だと思います。

管理会社が対応してくれないときの対処法

管理会社が対応してくれないときの対処法

管理会社が対応してくれないときの対処法

管理会社が対応してくれないときは、下記のような対処法を検討しましょう。

・担当者を変更する

・管理会社をほかの会社に変更する

・第三者機関に相談する

 

それぞれの対処法について、詳しく解説します。

担当者を変更する

管理会社が対応してくれない原因が担当者である場合は、担当者を変更してもらうように管理会社に依頼しましょう。担当者が不誠実なせいで対応が遅くなっている場合は、担当者を変更してもらうことで解決できます。

 

しかし、人手不足など管理会社そのものに問題があって担当者の手が回っていない場合は、担当者を変えても同じように対応が遅れてしまう可能性はあります。事前に、管理会社が対応してくれない原因を把握しておきましょう

管理会社をほかの会社に変更する

何度改善を求めても状況が変わらない場合、最終的な手段として「管理会社の変更」があります。ただし、単に安い会社に変えればよいというわけではありません。

 

価格だけで選んでしまい、結果としてサービスの質が低下するリスクを避けるため、プロが実践している見極めポイントについて解説します。

1.レスポンスの速さと資料の透明性

契約前の段階で「質問に対する回答が遅い」「見積もりの内訳が大まかすぎる」といった会社は、契約後の対応にも懸念が残ります。

 

特に長期修繕計画や資金管理の資料がわかりやすく整理されているかは、会社の透明性を判断する重要な指標です。

2.共用部の管理状態を見る

候補となっている管理会社が管理している近隣のマンションを見に行ってみるのも有効です。特に担当者の質は細かい部分に表れます。

・掲示板:チラシが乱雑に貼られていないか、期限切れの掲示物が残っていないか

・共用灯:電球がチカチカしたまま放置されていないか

・清掃状況:エントランスやゴミ置き場が清潔に保たれているか

 

電球ひとつに「管理の質」が出る(今村談)

共用廊下の電球が点滅したままになっているようなマンションは注意が必要です。

電気代節約のためにあえて間引いている場合もありますが、明らかに「切れているのに長期間交換されていない」場合、管理員や担当者の巡回点検が十分に機能していないのかもしれません。そういったマンションは、その他の重要な設備点検もおろそかになっている可能性があります

3.重要事項調査報告書などの開示対応

中古売買の際に仲介業者が取得する「重要事項調査報告書」などの発行がスムーズかどうかも判断材料になります。内部情報をきちんと整理して外部に出せる会社は、管理体制もしっかりしていることが多いです。

4.主体的に関わる意識を持つ

最も重要なのは、管理会社からの提案を「それでいいよ」と任せきりにせず、自分たちで考えて向き合うことです。主体的に関わることで初めて、「この提案は的確だ」「この担当者は少し頼りないかもしれない」といった点に気づけるようになります。

 

管理会社の質と管理組合の意識(今村談)

判断基準として、契約前のやり取りでスピード感があるかどうかは重要な確認ポイントです。また、いくら管理会社がしっかりしていても、ゴミ置き場が乱れていたり自転車が放置されていたりするのは、管理会社だけでなく管理組合(住民)の意識や運営状況の問題でもあります。


管理会社任せにして自分たちの意思決定が行われない組合の場合、いくら管理会社を変えても根本的な状況は改善しません。管理会社の変更を検討することは、自分たちの管理組合が正常に機能しているかを見直すよい機会であるともいえるでしょう。

鑑定士コメント

管理会社を選ぶ際は、比較するために、複数の管理会社から提案をもらうのが必須です。その際は、費用と業務範囲を確認しましょう。基本的には費用の高低は業務範囲の広狭によります。安い金額で選んだものの、結果的に業務範囲が限定され、管理組合の負担が大きくなる失敗例もあります。ご自分のマンションに必要な業務範囲をはっきりと提示し、その費用を提案してもらうのが一番誤解がない進め方でしょう。

第三者機関に相談する

管理会社を変更するまではなくとも、一時的に早急に対応してもらいたい場合もあるでしょう。その場合は、第三者機関に相談することも選択肢の1つです

 

相談することで、中立の立場からアドバイスを得られます。第三者機関は複数あるため、トラブルの内容などによって相談する機関を選ぶと良いでしょう。

マンション管理会社を変更するには?手順をステップで解説

管理会社が対応してくれないときはどこに相談?

管理会社が対応してくれないときはどこに相談?

管理会社が対応してくれないときはどこに相談?

管理会社が対応してくれないときの相談窓口として、下記のような機関があります。

 

・マンション管理業協会

・マンション管理センター

・東京都マンション管理士会

 

それぞれについて、詳しく解説します。

マンション管理業協会

マンション管理業協会とは、マンションの健全な管理体制の確立のために、管理や保全技術の調査・研究を行う機関です。また、管理者の育成などにも取り組んでいます。

 

マンション管理業協会は、協会に登録している管理会社や管理組合でのトラブルの相談窓口を設置しています。そのため、管理会社が対応してくれない場合は、マンション管理業協会への相談も検討しましょう。

マンション管理センター

マンション管理センターとは、管理組合や管理関係者を支援するための機関であり、国から指定を受けた公益財団法人です。マンション管理センターはトラブルの仲裁をする機関ではないため、最終的には自分たちでトラブルを解決しなければなりません。

 

しかし、マンション管理に関する法律を熟知しているため、相談することで法律に照らし合わせてトラブル解決に向けた助言を受けられます。マンションに関する法律は複雑なため、知識を持った機関に相談することでスムーズに解決できるでしょう。

東京都マンション管理士会

東京都マンション管理士会とは、東京都を拠点とするマンション管理士の団体であり、東京都全域のマンション管理をカバーしています。電話で相談でき、トラブルに対する助言などを受けられるでしょう。マンションに関する多くの知識を持つ団体であるため、さまざまな観点からトラブル解決の助言を受けられるでしょう。

 

これらの相談窓口を利用する際の注意点について、不動産鑑定士からのコメントも紹介します。

鑑定士コメント

各機関のサービスは便利なものですが、あくまでもトラブルに対する助言に留まります。最終的には自分たちで解決する必要があり、解決できない場合は弁護士等専門家への相談も検討しなければなりません。

まとめ:管理会社が対応してくれないときは状況をよく確認しよう

まとめ:管理会社が対応してくれないときは状況をよく確認しよう

まとめ:管理会社が対応してくれないときは状況をよく確認しよう

「管理会社が対応してくれない」と感じたとき、その背景には担当者の事情だけでなく、「契約範囲外」や「理事会承認などのプロセス待ち」という構造的な理由が隠れていることが多々あります。

 

まずは一度立ち止まって、要望が契約の範囲内か、分譲マンションの場合は理事会の承認が必要な案件か、伝え方は適切だったかといった点を整理してみましょう。それでも改善が見られない場合は、担当者の変更や管理会社のリプレイスを検討する必要がありますが、その際も重要なのは「管理組合(住民)が主体的に関わること」です。

 

「管理会社任せにせず、資産を自分たちで守る」という姿勢を持つことが、結果として管理会社をよきパートナーへと育て、マンションの資産価値を高めることにつながるでしょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

「管理組合の組合員」に関する説明のうち、正しいのは次のうちどれですか?

答えは 3

所有者の意思に関わらず、必ず管理組合の組合員にならなければなりません

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…

学ぼう!
マンションのこと

学習コンテンツ

あなたにとって一生で一番高い買い物なのかもしれないのに、
今の知識のままマンションを買いますか??
後悔しないマンション選びをするためにも正しい知識を身につけましょう。

自分に送る / みんなに教える

あなたのマンションの知識を確かめよう!

マンションドリル初級

マンションドリル初級

あなたにとって一生で一番高い買い物なのかもしれないのに、今の知識のままマンションを買いますか??後悔しないマンション選びをするためにも正しい知識を身につけましょう。

おすすめ資料 (資料ダウンロード)

マンション図書館の
物件検索のここがすごい!

img
  • 個々のマンションの詳細データ
    (中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧
  • 不動産鑑定士等の専門家による
    コメント表示&依頼
  • 物件ごとの「マンション管理適正
    評価
    」が見れる!
  • 新築物件速報など
    今後拡張予定の機能も!

会員登録してマンションの
知識を身につけよう!

  • 全国の
    マンションデータが
    検索できる

  • すべての
    学習コンテンツが
    利用ができる

  • お気に入り機能で
    記事や物件を
    管理できる

  • 情報満載の
    お役立ち資料を
    ダウンロードできる

関連記事

フローリングの耐用年数は?張り替え時期の見極め方を徹底解説

フローリングの耐用年数は?張り替え時期の見極め方を徹底解説

【管理会社経験者が回答!】マンション管理組合はトラブルが起きたらどうすべき?詳しい事例と対処法を紹介

【管理会社経験者が回答!】マンション管理組合はトラブルが起きたらどうすべき?詳しい事例と対処法を紹介

玄関の鍵は何がおすすめ?後付けできるタイプや交換費用の目安も解説

玄関の鍵は何がおすすめ?後付けできるタイプや交換費用の目安も解説

エレベーターがあるのは何階建てのマンションから?設置義務を解説

エレベーターがあるのは何階建てのマンションから?設置義務を解説

洪積層とは?よい地盤と悪い地盤を見分ける方法を紹介

洪積層とは?よい地盤と悪い地盤を見分ける方法を紹介

部屋がカビ臭い原因は?今すぐできる効果的な匂い取り方法を徹底解説

部屋がカビ臭い原因は?今すぐできる効果的な匂い取り方法を徹底解説

小津映画「東京物語」・紀子のアパートを探せ!!:検証編①「“URまちとくらしのミュージアム”で「外観」の検証」

小津映画「東京物語」・紀子のアパートを探せ!!:検証編①「“URまちとくらしのミュージアム”で「外観...

マンション管理会社の変更手順7ステップ!失敗しない進め方と注意点を解説

マンション管理会社の変更手順7ステップ!失敗しない進め方と注意点を解説

キッチンの吊り戸棚は後付けできるの?設置するときの注意点をわかりやすく解説

キッチンの吊り戸棚は後付けできるの?設置するときの注意点をわかりやすく解説

低層マンションとは?新築・中古別に選び方や購入方法を徹底解説

低層マンションとは?新築・中古別に選び方や購入方法を徹底解説

不動産取引の電子契約とは?メリットや具体的な方法をわかりやすく解説

不動産取引の電子契約とは?メリットや具体的な方法をわかりやすく解説

住宅ローン控除の初年度に必要な手続きとは?確定申告の流れを解説

住宅ローン控除の初年度に必要な手続きとは?確定申告の流れを解説

関連キーワード

カテゴリ

学べるマンションメディア

マンション図書館

マンションを”住まい”として選んだ時に知っておくべきこと
国内最大のマンションデータベースを持つ東京カンテイがサポートします

株式会社東京カンテイ

当サイトの運営会社である東京カンテイは
「不動産データバンク」であり、「不動産専門家集団」です。
1979年の創業から不動産情報サービスを提供しています。
不動産会社、金融機関、公的機関、鑑定事務所など
3,500社以上の会員企業様にご利用いただいています。

星形のアイコン マンション図書館 AIのアイコン β版

注意のアイコン

※個人情報を入力しないでください。
※本サービスはβ版にて提供しているため通達なしにサービスを停止させていただくことがございます。
※このサービスは、国土交通省の不動産情報ライブラリのAPI機能を使用していますが、提供情報の最新性、正確性、完全性等が保証されたものではありません。

当サービスはChatGPT API・不動産情報ライブラリを活用しています。
利用規約・プライバシーポリシーはこちら