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2023.08.23

大規模マンションは何部屋から?新築の選び方や購入手順も解説

大規模マンションは何部屋から?新築の選び方や購入手順も解説

「大規模マンションってどんなマンション?」
「小規模マンションとの違いは?」
大規模マンションを購入しようと検討している人の多くは、このような疑問を抱えているのではないでしょうか。この記事では、大規模マンションの意味や選び方、小規模マンションとの違いを解説します。新築のマンションを購入する手順も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

大規模マンションとは一棟に100戸以上ある物件のこと

大規模マンションとは一棟に100戸以上ある物件のこと

大規模マンションとは一棟に100戸以上ある物件のこと

大規模マンションの定義は、以下の3点です。

・一棟に100戸以上ある複数の棟から構成されている

・広大な敷地で公園などの施設が充実している

・エリアのランドマークとして機能している

大規模マンションの建設には、広大な土地の確保が必要です。そのため、多くは都心の中心部から、少し離れたエリアに建設されます。具体的には、工場・倉庫跡地など準工業エリアや湾岸エリアがメインの建設地です。

 

大規模マンションには、多棟型の他に数百戸、千戸単位のタワー型も含まれます。同一マンション内での住み替えが比較的多い点も特徴で、より広い部屋や、日当たり・眺望のよい部屋に移るケースが見られます。

 

また、大規模マンションは売買件数が比較的多く、取引価格も安定傾向です。今後は土地供給が限られていく見通しなので、中古を含めて検討する方が、良い条件の物件に出会える可能性が高いでしょう。

 

鑑定士コメント

大規模マンションとタワーマンションの違いに明確な定義はありませんが、一般的な呼称では、総戸数が多く、かつ、複数棟で構成されるものを大規模マンションと呼ばれることが多いです。タワーマンションも総戸数100戸を超えるものがほとんどで大規模と言えますが、1棟のものは「タワーマンション」、高層・中層・低層など複数棟で構成されているものは「大規模マンション」というくくりで考えると分かりやすいと思います。

大規模マンションの選び方4選

大規模マンションの選び方4選

大規模マンションの選び方4選

大規模マンションは売買件数が多く、人気が高い物件です。しかし、本当に満足のいく物件を購入するためには、いくつかポイントを押さえる必要があります。物件選びで注意したいことは、下記の4つです。

・安全面の対策は十分か

・居住性は満足できる水準か

・耐久性が高いか

・資産性が高いか

大規模マンションの購入で後悔しないためにも、これら4点の確認は欠かせません。以下では、詳細を順に解説します。

 

①安全面の対策は十分か

東日本大震災以降、建物に対してより一層の安全性が求められるようになりました。マンションを選ぶときは、まず安全性の対策が十分かを確認しましょう。安全性とは、自然災害からどれだけ住人を守れるかだけではありません。防犯やセキュリティによる、人的被害の面からの安全性も重要です。

 

マンションの安全性については、生活する上で想定される危険を考えるとよいでしょう。つまり、下記の3つをチェックすることがおすすめです。

・対地震安全性

・対火災・水害安全性

・対防犯安全性

これら3つに問題がなければ、安全面の対策が十分な物件と言えるでしょう。

 

②居住性は満足できる水準か

次に確認したいことは居住性です。居住性とは、下記を実現してくれる物件であるかを指します。

・毎日を快適に暮らせる

・毎日を豊かな気持ちで暮らせる

上記条件を叶えるために、建物の仕様へ求められるものは下記3つです。

設計・設備の良否

快適に暮らせる設計と設備が備わっているか

眺望・気候の快適性

快適に暮らせる眺望や気候か

遮音性

静かな空間を維持できるか

これら3つへの満足度は、設計段階で決定されます。検討にあたっては設計図や写真だけでなく、実際に訪問して満足できるかの確認が必須です。その際はコミュニティスペース・共用部分の確認も欠かさないようにしましょう。

③耐久性が高いか

③耐久性が高いか

③耐久性が高いか

耐久性も確認しておきましょう。大規模マンションは建て替えがきかないため、戸建てよりも長い耐久年数が求められます。具体的には、下記の2点に問題がないかを確認してください。

物理的耐久性

どれだけ長く安全に使える期間を継続できるか

機能的・社会的耐久性

時代遅れでないか

それぞれの耐久性を確認する際は、下記3点に注目しましょう。

表面劣化への影響

目に見える部分に問題がないか

構造劣化への影響

目に見えない構造面に問題がないか

機能的・社会的側面への影響

生活様式やエリアの人口動態が変わったことで、時代遅れになっていないか

 

表面劣化・構造劣化に問題がないかの確認はもちろん、忘れてならない点は機能的・社会的側面に対する影響です。また、人口動態の変化に取り残された時代遅れ感のある仕様では、社会的な機能が劣る可能性があります。建物単体ではなく、マクロな視点でエリアを分析することも重要です。

④資産性が高いか

資産性も、確認すべき要素です。新築時の資産価値が、10年後、20年後も同じとは限りません。むしろ、資産価値は大きく変わっていくことが予想されます。そのため、将来的に資産価値を保てる要素を備えているかの確認は必須です。

 

具体的には、下記の3つが挙げられます。

品等

居住する物件としての利用価値が下がりにくいか

市場性

人口の流入やアクセスの良さ、エリアの人気度など需要が衰えないか

メンテナンス性

自治体や地域のコミュニティによって、物件や街並みの維持がなされているか

未来を正確に予測することはできませんが、この3つの条件をクリアしていれば、資産価値を維持できる可能性が高くなります。10年後、20年後の資産価値を維持するためにも、確認を怠らないようにしましょう。

鑑定士コメント

中古の大規模マンションは地域のランドマークになっている場合が多く、根強い需要がありお勧めです。また、同一マンション内の住み替えもよく見られます。売却の際にオープンルームをすると、マンション外の新規のお客さんはもちろんですが、同一マンション内に住む方がより広い部屋・コンパクトな部屋、眺望の良い部屋を求めて見学にくることもよくあり、引き手が見つかりやすいため、いざ売るときもある程度の価格で売却しやすいです。

大規模マンションと小規模マンションとの違い3選

大規模マンションと小規模マンションとの違い3選

大規模マンションと小規模マンションとの違い3選

小規模マンションとは、戸数が50未満のマンションのことです。マンションの購入を検討する際に、大規模マンションと対をなす存在として候補に上げるケースがあるでしょう。ここでは、両者の主な違いを3つ紹介します。

・立地の利便性

・共用部分の充実度

・管理組合の性格

それぞれ詳しく解説します。

 

①立地の利便性

両者の違いとしてまず挙げられることは、立地の利便性です。大規模マンションの建設には広大な敷地が必要なため、敷地を確保しやすい郊外に建てられるケースが多く見られます。これに対して、小規模マンションが建てられるのは、都心の商業エリアが中心です。

 

そのため、立地の利便性においては、小規模マンションの方が優れているでしょう。立地の利便性を求める人や、下記に該当する人には小規模マンションの方が向いています。

・30・40代のシングル層

・DINKS(共働き・子供を持たない夫婦)層

・子供が巣立った後の夫婦層

子供がいない場合は、公園などの共用部分にはあまり必要性を感じないでしょう。そのため、もっぱら利便性を重視して物件を選ぶことができます。

 

②共用部分の充実度

共用部分の充実度も両者では大きく異なります。大規模マンションは居住者が多いため、公園や集会場などの共用部分が充実していることが特徴です。高級志向の強いタワー型では、下記のようなゴージャスな共用施設も設けられています。

・スカイラウンジ

・ゲストハウス

・ジム

また、多棟型では住民コミュニティとして趣味サークルがあったり、下記のようなイベントが定期的に開催されていたりします。

・夏祭り

・クリスマス会

しかし、戸数が少ない小規模マンションでは、共用部分の充実度は望めません。しかし、地域のつながりをあまり求めない人にとっては、小規模マンションも十分住みやすい物件ではあります。

 

③管理組合の性格

③管理組合の性格

③管理組合の性格

大規模マンションと小規模マンションでは、管理組合の性格も異なります。大規模マンションの場合は、管理組合というより、自治会に近い性格と言えるでしょう。住民コミュニティの交流が活発で規模も大きいため、自治会レベルの近所付き合いが形成されるケースが多く見られます。

 

対して、小規模マンションの管理組合は、運営に支障をきたす可能性があるので注意が必要です。小規模マンションは立地条件が良いため、投資対象として購入する人も存在します。そのため、賃貸用の住戸が多くなると、組合運営が円滑に進まないことが懸念されます。

 

マンションの管理組合については、以下記事で説明しています。

マンションの管理組合とは?役員の役割やよくあるトラブルも紹介

新築の大規模マンションを購入する手順

新築の大規模マンションを購入する手順

新築の大規模マンションを購入する手順

新築の大規模マンションを購入する手順を紹介します。具体的には、下記の4ステップです。

1.分譲情報を収集して申し込む

2.住宅ローン事前審査を受ける

3.重要事項説明を受け売買契約を締結する

4.マンションが引き渡され、住宅ローンが開始する

それぞれ詳細を解説するので、参考にしてください。

①分譲情報を収集して申し込む

まずは物件の情報収集をしましょう。多くの場合、新築のマンションは竣工前に販売が開始されます。その場合はモデルルームや模型などを元に物件のイメージをつかむ必要があります。

 

後悔しない物件選びをするためには、できるだけ多くの分譲情報を収集することがポイントです。気に入ったマンションが見つかったら、申し込みをします。人気物件は申し込み後に抽選となる可能性が高くなる点に留意しましょう。

②住宅ローン事前審査を受ける

物件の申し込み後は、金融機関で住宅ローンが組めるかの事前審査を受けます。事前審査とは、本審査の申し込み前に実施される簡易的なチェックです。主には申請者の年収や自己資金割合の提出が求められますが、確認事項は金融機関によって異なります。

 

また、多くの分譲会社は事前審査の通過を売買契約の条件としています。事前審査に通らなければ、マンションの購入はできません。なお、事前審査を通過しても、必ず本審査を通過できるとは限らないことも併せて覚えておきましょう。

③重要事項説明を受け売買契約を締結する

③重要事項説明を受け売買契約を締結する

③重要事項説明を受け売買契約を締結する

分譲会社との売買契約前には、重要事項説明書を元に、物件の内容や取引条件の説明が実施されます。売買契約時には、手付金の支払いが発生するので注意が必要です。

 

手付金の支払いは住宅ローンの実行前に行うため、自己資金から賄わなければなりません。手付金の金額は分譲会社によって異なりますが、事前に確認した上で支払えるように準備しましょう。

④マンションが引き渡され、住宅ローンが開始する

マンションが竣工すれば、晴れて物件の引き渡しです。しかし、引き渡しには住宅ローンの本審査を通過しなければなりません。本審査の申込時期は、売買契約の締結後です。本審査に落ちた場合は、早急に他の金融機関へ再申し込みして融資先を決定してください。

 

大規模マンションの竣工後から引き渡しまでの流れは、下記の通りです。

1.物件が区分所有として不動産登記される

2.購入者が所有者として登記される

3.金融機関から分譲会社へ物件代金が支払われる

4.購入者へ物件が引き渡される

5.住宅ローンの返済が開始する

住宅ローンの返済開始月は、物件引渡後の翌月または翌々月が一般的です。

まとめ:大規模マンションは郊外の広大な土地に建つことが多い

まとめ:大規模マンションは郊外の広大な土地に建つことが多い

まとめ:大規模マンションは郊外の広大な土地に建つことが多い

大規模マンションは郊外の広大な敷地に建てられることが多く、共用部分が充実しており、自治会も活発に機能する傾向にあります。特に子供がいる家族や住民同士の活発な交流を求める人にとっては、うってつけの物件と言えるでしょう。また、需給バランスが良く資産性が高いため、安定した資産価値を求める人にもおすすめです。

 

しかし、立地の利便性は小規模なマンションに軍配が上がります。マンションの購入を検討している人は、今回の記事を参考に、後悔しない物件選びを成功させましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

次のマンション購入に関する流れの文章の中から、正しいものを選びなさい。

答えは 3

手付金とは、マンション購入希望者が売買契約を結ぶ際に支払う金銭です。ローン返済時にはこの手付金を差し引いた残りの代金を支払うことになります。

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