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更新日:2024.09.12
登録日:2024.04.23
住宅ローンが払えない!手遅れになる前に行っておきたい5つの対処方法
給与の減少、ケガ・病気による入院や子どもの教育費などで支出が増え、住宅ローンが払えなくなることは珍しくありません。
ローンの滞納が続くと、最悪の場合、自宅を競売にかけられて住む家から強制的に追い出されます。ただし、たとえ返済が困難であっても適切に対処することで、今の家に住み続けられます。
本記事では、住宅ローンが払えないときの対処方法をわかりやすく解説します。すでに滞納した方でも、早めに対応すれば、競売を避けられるのでぜひ参考にしてみてください。
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住宅ローンが払えない原因
住宅ローンが払えない原因
住宅ローンは返済負担が大きいため、現在は問題なく返済できていても将来的に返済が滞る可能性もあります。無事にローンを完済できるように、ローンが払えなくなる3つの原因について知っておきましょう。
・収入が減った
・予定外の支出が増加した
・無理な返済計画を組んでいた
住宅ローンを払えなくなることは、珍しいことではありません。それぞれの原因について解説します。
収入が減った
真っ先に考えられる原因が、収入の減少です。手元に残る資金が少なくなることで、返済が追いつかなくなります。
収入が減少するきっかけは、次の通りです。
・病気やケガ
・リストラや失業
・転職
・離婚
・介護
今までは夫婦の収入から返済に充てていたものの、離婚によって返済が困難になるケースも存在します。たとえ、真面目に勤務先で働いていても、業績の悪化によって給料や賞与が減るかもしれません。
基本的に、住宅ローンでは契約当初の収入が継続することを前提にしています。完済まで安定した収入が続くとして、ローンが組まれています。
残念ながら、住宅ローンでは、病気・ケガ・親の介護による休職は想定されていません。まだ住宅ローンが支払えているなら、失業リスクに備えて、保険の加入や見直しを検討しましょう。
予定外の支出が増加した
収入に変化がなくても、以下のような突然の出費によってローンの返済が困難になることがあります。
・ケガや病気による入院費用
・冠婚葬祭
・車の修理
・家のリフォーム費用
・子どもの教育費
・離婚による養育費
特に子どもがいる家庭では、子どもの成長に合わせて、教育費の負担が増えます。受験に向けて学習塾に通うことや、進学先の選択によって想定以上の出費になることもあるでしょう。
いくら適切な計画を立てていても、予期せぬ出費は避けられません。突然の出費にも対応できるように、ローンの返済額とは別に手元に資金を残しておきましょう。
無理な返済計画を組んでいる
無理な返済計画を組んでいる
一般的に、年収に占める住宅ローンの返済額の割合は、20%〜25%が理想(※)といわれています。
基準を上回っていると、途中で返済できなくなる可能性が高いです。この機会に、住宅ローンのプランや返済額を見直しましょう。
・金利の変動によって返済額が増えた
・働き方改革による残業制度の廃止やボーナスカットによる収入が減った
・頼りにしていた退職金が少なかった
「これで大丈夫だろう」と思って組んだ返済計画でも、いざ返済がはじまり、予想以上に苦しいと感じているかもしれません。
住宅ローンの返済を少しでも早く終わらせるために、無理な返済計画を立てていると返済が滞る可能性が高いです。想定外の事態が起こっても対応できるように、適切な返済計画を立てることが重要です。
※参照:みずほ銀行
住宅ローンが払えないとどうなるか
住宅ローンを払えないとどうなるか
返済を滞納すると、金融機関から返済の督促が来ます。督促とは、ローンの支払いを促すことです。
金融機関からの督促を無視し続けると、最悪の場合、自宅が競売にかけられて強制退去に追い込まれます。
住宅ローンの滞納から競売までの流れは、次の通りです。
※上記の滞納期間はあくまで目安です。実際には、借り入れ先の金融機関によってタイミングが異なります。
滞納したとしても、できるかぎり早く対処することで自宅からの強制退去を避けられます。すでに滞納している方は、自身が現状どの状態にいるかを確認しましょう。
※参照:一般社団法人 全国任意売却協会
督促状や催告書が届く
ローンを滞納すると、督促状が届きます。借入先の金融機関の担当者から、電話連絡による督促も来るようになります。
督促を無視し続けていると、次に届くのが催告書です。督促状は、ローン滞納の支払いを促す文書ですが、催告書は支払いを促す最後通告です。催告書にある最終支払い期限までに支払いがないと、法的手続きに移行することが記載されています。
催告書は内容証明郵便で送付されるため、書類が届いていないという言い訳は通用しません。住宅ローンの催告書が届いたら、速やかに請求額の支払いをしましょう。
一括返済の請求が届く
催告書にも応じず、支払い期限が過ぎると、期限の利益喪失通知が届きます。
期限の利益喪失とは、住宅ローンを分割して支払う権利を失うことです。期限の利益喪失によって、金融機関から住宅ローン残高の一括返済を求められます。
一括返済分の金額に加えて、利息や遅延損害金も加算されます。
当然、月々の返済ができない債務者に、住宅ローンの一括返済は難しいです。そのため、住宅ローンの保証会社が全額を立て替えます。(代位弁済)
代位弁済が行われる時点で、滞納による金融事故情報は、個人の信用情報に記録されます。金融事故として、最低5年は信用情報機関に記録が残るでしょう。
信用情報から記録が消去されないかぎり、住宅ローンの借り入れだけでなく、クレジットカードやカードローンの利用も難しくなります。代位弁済の後、住宅が競売にかけられます。
最終的に競売にかけられる
最終的に競売にかけられる
競売とは、裁判所による強制的な売却手続きのことです。保証会社が裁判所に競売の申し立てを行い、競売開始が決定します。住宅ローン契約時に担保として入れた住宅が差し押さえになり、通知書が届いた後、競売が開始します。
競売では、新聞やインターネットで住宅の住所や写真が公開されるため、近所の人や知人に知られる恐れがあるでしょう。債務者の事情に関係なく、自宅が売りに出されるため、拒否できません。
住宅が落札されるまでは、その住宅に住み続けることはできますが、競売が完了した時点で強制的に追い出されます。競売の売却益を返済に充てても、ローンを返しきれない場合は、自己破産になるでしょう。
住宅ローンの契約で、連帯保証人を立てていた場合、連帯保証人にローンの督促が届きます。最悪の場合、連帯保証人の家まで競売にかけられる可能性があります。
この事態を避けるために、ローンの返済が難しいと感じたら、速やかに対処することが大切です。
鑑定士コメント
住宅ローンを子どもに払ってもらったり、子どもに家を売ったりすることは可能でしょうか?住宅ローンを子どもに負担してもらうことは可能ですが、親への資金援助であるため、贈与とみなされます。基礎控除額である110万円を超えると、贈与税が発生します。また親子間売買では、住宅ローンが組みにくく、基本的に現金での支払いになるため注意してください。
住宅ローンが払えない場合の対処方法5選
住宅ローンが払えない場合の対処方法5選
住宅ローンの返済が滞ると最終的には家を失うことになります。住宅ローンが払えない場合は、次の対処方法を実践してください。
・金融機関相談する
・住宅ローンの借り換えで返済額を軽減する
・保険金で対応できるか確認する
・リバースモーゲージを利用する
・物件の売却を検討する
それぞれの対処方法について、くわしく解説します。金融機関からの督促を無視や放置することは避け、早急に対応しましょう。
金融機関に相談する
ローンの返済が難しいと感じたら、早めに金融機関に相談しましょう。
返済できなくなってから相談するのではなく、この先の返済が少しでも難しそうと感じた時点で相談することが重要です。担当者が、返済条件の見直しに応じてくれる可能性があります。
具体的な条件の変更点は、次の通りです。
・借り入れ期間を延長し、月々の返済額を減らす
・ボーナス払いの停止
・一定期間、元金の返済を据え置く
元金の返済の据え置きとは、一定期間元金の支払いを停止し、月々の返済では利息のみを支払うことです。ただし、据え置き期間が終了した後は、月々の返済額が増えるため注意しましょう。
条件変更と同時に、家計の見直しをすることも大切です。どの家庭でも無駄な出費は、意外と多くあります。すでに一度滞納した場合でも、正直に事情を伝えることで、条件の変更を受け入れてくれるかもしれません。
住宅ローンの借り換えで返済額を軽減する
返済ができない場合は、新しく住宅ローンを借り入れて、現在利用している住宅ローンを一括返済する方法を検討しましょう。金利の低い住宅ローンに移行することで月々の返済額を減らせる可能性があります。
ただし借り換えの際にはローンの返済履歴を確認されるため、すでに滞納している場合は借り換えを断られるかもしれません。
次のケースに当てはまる場合、借り換えによる返済の負担を減らせるといわれています。(※)
・現在の住宅ローンと借り換え先の住宅ローンの金利差が年利1%以上
・借り入れ残高が1,000万円以上
・残りの返済期間が10年以上
上記はあくまで目安であるため、一度金融機関のローン相談会に行き、月々の返済額に差があるかを確認してもらいましょう。
借り換え手続きでは、一括返済手数料や事務手数料も発生します。手続きにかかる費用を支払ったうえで、十分な返済軽減効果が得られると判断できた場合にのみ借り換えを検討してください。
※参照:三菱UFJ銀行
保険金で対応できるか確認する
保険金で対応できるか確認する
病気やケガによる影響で返済が難しくなった場合は、保険が適用されないかを確認してみましょう。住宅ローンの契約時には、団体信用生命保険(団信)に加入することが多いです。
団信は、住宅ローンの返済中に加入者が死亡または高度障害状態になった場合、住宅ローン全額が弁済される制度です。
団信には「八大疾病保障付団信」や「がん保証付団信」など複数の種類があり、一定の要件に当てはまれば、住宅ローンの支払いが免除されます。
ほかにも収入保障保険や就業不能保険など、病気やケガの影響で収入が減少した場合に適用される保険があります。自らが加入している保険を一通り確認しましょう。
以上の保険が適用されない場合でも、労災保険や傷病手当金などの公的制度を利用できるケースもあります。
リバースモーゲージを利用する
返済条件の見直しや借り換えが難しく、保険も下りない場合は、リバースモーゲージの利用を検討してみてください。
リバースモーゲージとは、金融機関に自宅を担保として提供して融資を受ける高齢者向けの制度です。債務者が死亡した後に、担保に入れた土地や建物を売却し、債務の一括返済に充てます。
リバースモーゲージでは、元金と利息の返済から利息のみの返済に変わり、月々の返済負担を大きく減らせます。ただし、遺族に家を残せないことや、利息が通常の住宅ローンより高いことがデメリットです。
子どもに自宅を残す予定がなく、現在の家に住み続けたい方は、金融機関に問い合わせてみましょう。
物件の売却を検討する
どうしても返済の目処が立たない場合は、自宅の売却を検討しましょう。せっかく購入した住宅を売るのは辛いですが、返済に追われている状況はストレスが溜まり、仕事やプライベートにも影響してしまいます。
まずは、売却価格を確認するために、不動産会社に住宅の査定を依頼してください。住宅ローンの返済が難しい状況では、時間に余裕がなく、早く手続きを済まさなければいけません。
早く買い手を見つけるために、価格を安く設定する必要があります。
注意すべきは、住宅の売却価格がローン残高を下回った場合です。残った債務は、手元にある資金で一括返済しなければいけません。すでに滞納している状況であっても、金融機関の合意を得られれば、売却を認められる場合があります。
これを任意売却といい、家の抵当権を解除してもらい、家を売却できます。ただし、任意売却後もローンが残る点には注意しましょう。
鑑定士コメント
住宅ローンが払えないときにしてはいけないことは何でしょうか?住宅ローンが払えないとき、金融機関からの督促に応じず、無視や放置をしてはいけません。また、返済のためにキャッシングやカードローンでお金を借りることはやめましょう。一時的に返済はできますが、金利が高いため、返済の負担が大きくなります。まずは、金融機関に返済条件の見直し等が出来るか相談しましょう。
まとめ:住宅ローンが払えないときは、早いうちに金融機関に相談して対策しよう
まとめ:住宅ローンが払えないときは、早いうちに金融機関に相談して対策しよう
住宅ローンの返済が少しでも難しいと感じたら、早めに金融機関に相談しましょう。
家計や返済条件の見直し、ローンの借り換えや保険による給付金などの対処法はいくつもあります。
ローンを滞納し、督促を無視し続けていると、自宅が売りに出されてしまいます。
たとえ滞納したとしても、早めに対処することで状況は改善されるので、まずは借り入れ先の金融機関に問い合わせてください。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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