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更新日:2023.08.21
登録日:2023.08.21
抵当権設定の登録免許税とは? 計算方法や軽減措置などをわかりやすく解説
抵当権を設定する際には、「登録免許税」と呼ばれる税金がかかります。登録免許税の金額や納付方法について知らない人も多いのではないでしょうか。
登録免許税の支払いが遅れた場合には、遅延利息が発生するため、抵当権設定の際には忘れずに納付しましょう。
本記事では、抵当権設定の登録免許税の計算方法や軽減措置について解説します。本記事を参考に、住宅ローンを利用した際、登録免許税の支払い手続きがスムーズにできるようにしておきましょう。
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抵当権設定登録免許税とは
抵当権設定登録免許税とは
そもそも抵当権とは、住宅ローンを組んで融資を受ける際に、不動産を担保に設定する権利のことです。住宅ローン利用者(債務者)の返済が滞った場合、担保にした不動産を競売にかけ、売却益がローンの支払いにあてられる仕組みです。
抵当権設定の手続きを「抵当権設定登記」といいます。他にも、登記には所有権移転登記や相続登記などがあり、登記手続きを行う際には「登録免許税」と呼ばれる税金が発生します。
抵当権設定登記で発生する登録免許税が、「抵当権設定登録免許税」です。
抵当権について詳しく知ることで、住宅ローンを利用する際、スムーズに手続きできます。以下の記事で、抵当権について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
抵当権とは?根抵当権との違いや押さえておきたい基本知識をわかりやすく解説
登記免許税の計算方法
登記免許税の計算方法
登記の種類別・登録免許税の税率
登記の種類によって、適用される税率は異なります。不動産の取得や売買の際にも必要になるので、次の表(※1)で確認してみてください。
所有権移転登記のみ、土地と建物の登記で適用される税率が異なります。建物の所有権移転登記を行う際の税率は、次の表の通り(※2)です。
※1 参照:財務省
※2 参照:国税庁
抵当権にかかる登録免許税
抵当権設定登記では、債権金額に0.4%の税率をかけて計算します。
抵当権設定登録免許税額=債務額×0.4%(※)
上記の式の計算結果から、1,000円未満の端数を切り捨てた金額が納付する登録免許税額です。
例えば、2,000万円の住宅ローンを組んだ場合は、登録免許税が8万円(2,000万円×0.4%)となります。
登録免許税は原則現金納付ですが、税額が3万円以下の場合は収入印紙による納付が認められています。
※参照:法務省
鑑定士コメント
登録免許税を支払うのはどのような人でしょうか?登録免許税を支払う必要があるのは、不動産の売買や相続、抵当権の設定や抹消手続きを行った場合です。登録免許税の納税義務者は、その不動産の登記を受ける人です。売買の場合は、買主が支払者になります。但し、誰が払うかについて、売主・買主の当事者間で特約を設けて決済することもあります。
抵当権免許税の軽減措置とは
抵当権免許税の軽減措置とは
抵当権を設定する住宅が一定の要件を満たす場合は、登録免許税の軽減措置を受けられます。軽減税率が適用され、税金の支払いを安く抑えられるでしょう。
新築住宅と中古住宅で、軽減措置の適用要件が異なります。
新築の場合
新築マイホームの軽減特例では、次の要件を満たす住宅は、抵当権設定の登録免許税の税率が0.1%(※1)になります。
・自己の居住用の住宅である
・床面積が50平方メートル
・新築後もしくは取得後から1年以内に登記されている
・耐火建築物か準耐火建築物、または耐火性能基準に適合する低層集合住宅である
上記の要件を満たす住宅への抵当権設定には、軽減税率が適用されます。通常の4分の1の税率になるため、支払う税金額を抑えられるでしょう。
ただし、新築マイホームの軽減特例の適用期限は、2024年3月31日まで(※2)と決定しています。特例が適用される期間内に支払いを済ませましょう。
※1 参照:国税庁
※2 参照:法務局
中古の場合
中古住宅の場合も新築住宅と同様に、要件を満たしている場合は軽減税率が適用されます。要件は以下のとおりです。
・自己の居住用の住宅である
・床面積が50平方メートル
・新築後もしくは取得後から1年以内に登記されている
・耐火建築物か準耐火建築物、または耐火性能基準に適合する低層集合住宅である
・1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅である
以前までは、築20年(マンションのような耐火建築物の場合は25年)を超える住宅が軽減措置を受けるためには、耐震性を有していることの証明書が必要でした。しかし、築年数要件が緩和されています。
1982年(昭和57年)1月1日以降に建てられた住宅は、新耐震基準に適合しているとみなされ、軽減特例が適用されます。(※)
1982年より前に建てられた住宅に関しては、耐震基準適合証明書もしくは住宅性能評価書の取得が必要です。また、瑕疵担保保険に加入していることが条件となります。
※参照:法務省
軽減措置を受ける際の注意点
軽減措置を受ける際の注意点
登録免許税の軽減措置を受けるためには、要件を満たしていることの証明書が必要になります。登記の完了後に証明書を提出しても、軽減措置を受けられないため、登記の際に証明書を提出するようにしましょう。
証明書として認められる書類は、次のうちのいずれかです。
・金銭消費貸借契約書(※1)
・貸付けに係る債務の保証契約書
・登記の申請情報とあわせて提供する登記原因証明情報(※2)などの書類
証明書として認められない場合は、他の書類の提出を求められます。
※1:抵当権の設定に係る債権が、対象の不動産取得のためであると確認できるもの
※2:抵当権の被担保債権が対象の不動産取得のためであると明記されているもの
抵当権設定登記に必要な書類
抵当権設定登記に必要な書類
抵当権設定登記の登録免許税に必要な書類は、次の通りです。
・不動産の権利証(登記済証または登記識別情報通知)
・印鑑証明書(3か月以内)
・実印
・本人確認書類
・抵当権設定契約書
・登記委任状
抵当権設定契約書や登記委任状に関しては、金融機関側が準備するケースが多いです。事前に必要な書類を用意し、スムーズに手続きができるようにしておきましょう。
抵当権設定登記時の登録免許税の手続き方法
抵当権設定登記時の登録免許税の手続き方法
登録免許税の納付方法は、現金納付かオンライン申請による納付のいずれかです。
登録免許税は、3万円未満は収入印紙で納付できますが、実際には3万円を超える場合も収入印紙で支払われる場合があります。
登録免許税の納付には、領収済通知書が必要です。領収済通知書は、税務署や金融機関で取得しましょう。
抵当権設定登記を行った後は、登記事項証明書を取得し、金融機関に提出することも忘れずに行ってください。
鑑定士コメント
登録免許税支払いのタイミングはいつでしょうか?登録免許税を支払うタイミングは、登記申請を行う際です。法務局での手続きの際に、登記申請書に納付します。抵当権設定だけでなく、抹消手続きを行う際にも、支払いが必要です。
まとめ:抵当権設定登録免許税の手続きは司法書士に依頼するのがおすすめ
まとめ:抵当権設定登録免許税の手続きは司法書士に依頼するのがおすすめ
抵当権設定登記では、債務額×0.4%の登録免許税がかかり、法務局の窓口か郵送での手続きで納付します。
登録免許税の軽減措置では、住宅が一定の要件を満たした場合、0.1%の軽減税率が適用されます。ただし、登記の手続きの際に証明書を提出しないと、軽減措置を受けられません。
抵当権設定登記をはじめ、不動産に関する手続きは複雑なので、弁護士や司法書士などの専門家に依頼しましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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