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2023.02.10

ビンテージマンションとは?後悔しないための選び方のポイントを解説

ビンテージマンションとは?後悔しないための選び方のポイントを解説

ビンテージマンションは、その希少性の高さから人気が高い物件です。さまざまな種類があるマンションの中でも最高峰に位置しており、その価値の高さから住みたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

しかし、ビンテージマンションとはそもそもどのような物件なのか、詳しくわからない方も多いでしょう。高価なだけに、よく知らずに購入して後悔してしまうこともあるかもしれません。

本記事では、ビンテージマンションとは何か、後悔しないための選び方のポイントについて解説します。また、ビンテージマンションのリフォームやリノベーションについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

ビンテージマンションとは?

ビンテージマンションとは?

ビンテージマンションとは?

ビンテージマンションとは、築10年以上経っているマンションで、築年数の経過によって価値が維持、あるいは上昇しているマンションのことです。明確な定義はありませんが、何十年と名声を高めたマンションがビンテージマンションと呼ばれます。

 

ビンテージマンションには多くの特徴がありますが、とくに注目すべき特徴は下記の4つです。

 

・立地や周辺環境の条件に希少性があり、長期間のニーズを保持している

・建物のスペックが最上位に位置する

・作り手の「想い」が体現されており、品格を高めている

・住む・所有すること自体が誇り、愛着となって、良好なコミュニティが形成される

 

ビンテージマンションのルーツは1970年代、若い企業が利益より質を重視し、作品としてのマンションを作り始めたのがきっかけです。現在では大手のデベロッパーも参入し、広尾や麻布など東京の高級住宅街を中心に作られています。

鑑定士コメント

長期間に渡り価値が高い価値を維持しているビンテージマンションですが、かならずしもその後、価値が下がらないというわけではありません。いかにビンテージマンションとはいえど、築年数が経ち建物の設備等が陳腐化したり、周辺環境が変わると価値は落ちやすくなります。それらの影響から、時の経過と共にビンテージマンションとは呼べなくなるマンションが出てくるのは事実です。

ビンテージマンション選び4つのポイント

ビンテージマンション選び4つのポイント

ビンテージマンション選び4つのポイント

ビンテージマンションを選ぶ際は、間取りはもちろんのこと、そのほかにもさまざまなポイントを確認する必要があります。中には、ビンテージマンションならではのポイントもあるため、注意が必要です。

 

ビンテージマンションを選ぶ際は、とくに下記3つのポイントを確認しましょう。

 

・耐震性が高いかどうか

・住みやすいかどうか

・築年数や修繕からの年数はどれくらいか

・リフォームやリノベーションが可能かどうか

 

それぞれのポイントで、どのような観点で確認すればよいか、詳しく見ていきましょう。

①耐震性が高いかどうか

ビンテージマンションを選ぶ際は、耐震性の高さにも注目しましょう。日本は地震が多い関係上、建物の耐震性には注意しておかなければいけません

 

建物の耐震技術は、年々進化しています。いかに当時の最新技術を用いて建設されたビンテージマンションとはいえ、近年の耐震技術には及ばないことも珍しくありません。

 

耐震性を確認する際は、下記の項目を確認しましょう。

 

・設計・施工の良否

・設計会社・施工会社の実績

・耐震基準は新旧どちらか

・免震・制振などの構造の違い

・躯体工法

 

また、ビンテージマンションそのものの耐震性以外に、地盤なども確認しておきましょう。当時の調査では問題なくても、長い年月をかけて地盤が変化している可能性がないわけではありません。最新の調査結果を確認しておくとよいでしょう。

②住みやすいかどうか

ビンテージマンションを選ぶうえで、住みやすさはもっとも重要な要素でしょう。ビンテージマンションの立地や共用部分、室内の3つの観点から住みやすさを判断します。

 

立地に関しては、ビンテージマンションが建っている場所の環境が重要です。下記のポイントに注目して、立地の良し悪しを判断しましょう。

 

・周囲の環境と合っているか

・日当たりや風通りの状況

・標高(高台かなど)

・周囲の住宅の高さ

・隣接建物や幹線道路との距離

・道路の通行量

 

また、共有部分や室内の環境も住みやすさに直結します。エントランスの広さやグレード、ラウンジ・コミュニケーションルームの有無、バリヤフリーへの対応などは、ビンテージマンションの快適性を左右する要素です。

③築年数や修繕からの年数はどれくらいか

建物には、どうしても寿命があります。マンションは、技術の発達によって新しいものほど建物の寿命が長いです。耐震性の際にも説明したように、ビンテージマンションは当時の最新技術で建てられています。とはいえ、築年数が経ちすぎていると耐久性の面で不安があります。

 

ビンテージマンションの築年数や修繕からどれくらいの年月が経っているかも確認しておいた方がいいでしょう。

 

ビンテージマンションは修繕にも力を入れているため、ある程度の老朽化に対しては対処されているでしょう。しかし、修繕から年数が経っている場合は安全性の面でも注意が必要です。

 

マンションの寿命については、こちらの記事でも説明しています。

マンションの寿命はどれくらい?過ぎてしまった場合はどうなる?

鑑定士コメント

築年数は古いですが、立地の良さや建物のグレードが高いことで価値を維持している特徴のビンテージマンションですが、修繕の頻度やリニューアル工事の内容は個別性があります。一律にいつまでも価値が高いというわけではありません。二重床二重天井でなくリフォームが制限されたり、水回りなどの様式が古く使い勝手が悪いなど、住みやすさの観点からもチェックしておくとよいでしょう。

④リフォームやリノベーションが可能かどうか

ビンテージマンションは、建てられた当時のトレンドの間取りになっていることが多いです。そのため、人によっては好みの間取りにリフォーム・リノベーションをしたいと考える方もいるでしょう。

 

築年数が古いビンテージマンションだと、下記のような特徴があります。

 

・キッチンがクローズドされている

・リビングではなく和室が主役になっている

・リビングに開口部が少ない

・部屋数を優先しており、全体の視認性が悪く閉鎖的

・家事・生活動線が意識されていない

 

自分の好みや生活に合わせて内装や設備を変更するには、リフォームやリノベーションが欠かせません。しかし、ビンテージマンションはリフォームやリノベーションに制限がかけられている場合があります

 

実際に住んでみてから内装や設備を変更したいと感じる場合もあるので、リフォームやリノベーションができるビンテージマンションを選ぶのが無難です。

 

マンションのリノベーションについては、以下の記事で紹介しています。

マンションのリノベーションとは?費用やメリットを解説

ビンテージマンションのリフォーム方法

ビンテージマンションのリフォーム方法

ビンテージマンションのリフォーム方法

前述したように、ビンテージマンションの多くは建てられた当時のトレンドが反映されています。そのため、生活しやすいように内装や設備などを変更するリフォームやリノベーションを行うケースが多いです

 

マンション市場においても「フローからストックへ」というキーワードのもと、中古マンションのリフォームが活発に行われています。フローとはマンションを新しく建てることを意味し、ストックとは既存マンションを意味する言葉です。

 

ここでは、ビンテージマンションのリフォームについて、下記3つの方法をご紹介します。

 

・リフォーム済みの状態で購入する

・購入後自分でリフォームする

・専門会社に依頼する

リフォーム済みの状態で購入する

ビンテージマンションは、リフォーム済みの状態で購入することが可能です。リフォーム済みの物件は、販売情報などで「全面リフォーム済み」や「リノベーション物件」などと記載されています。リフォーム済みの物件は、不動産会社がリフォームを行うことで付加価値をつけて販売していることが多いです。

 

主なメリットは、リフォームのノウハウを持った不動産会社が手掛けているため、その物件に最適なプランでリフォームされており、購入後はすぐにきれいな状態で住めるということでしょう。

 

一方、自分でリフォームするより割高になる可能性がある、すでにリフォームされているため自分の細かな移行が反映されないなどのデメリットもあります。

購入後自分でリフォームする

物件によっては、購入後に自分でリフォームする方法をとることもできるでしょう。自分でリフォームする場合、主に入居前にリフォームを済ませるケースと入居後にリフォームするケース、2つのケースがあります

 

自分でリフォームする主なメリットは、自分好みにリフォームできる、じっくりとリフォームの要件を検討できることです。とくに入居後にリフォームする場合は、自分に合った最適なリフォームを行いやすく、時間的な余裕もあります。

 

ただし、リフォームの工事期間は仮の住まいを探さなければいけない、業者の選定や発注の手間がかかる、物件によっては思い通りのリフォームができないなどのデメリットがあるため注意が必要です。

専門会社に依頼する

専門会社への依頼は、リフォーム済みの物件を購入するケースと自分でリフォームするケースの中間に位置する方法です。リフォームを直接依頼するのではなく、リフォームを企画する会社に依頼します

 

相談することで、自分の好みや生活に合わせてリフォームプランを練ってもらえて、プランに合った最適なリフォーム会社を選んでくれるでしょう。また、デザイン力に優れる会社が多いのも特徴です。

 

一方で、相談やプランの選定で料金がかかるため、自分でリフォームするよりは価格が高くなるかもしれません。

リフォームの種類と必要な費用

リフォームの種類と必要な費用

リフォームの種類と必要な費用

ひとえにリフォームと言っても、その種類はさまざまです。過去の住人の住み方や手入れによって、損傷や傷み具合は異なるでしょう。

 

必要なリフォームも異なるため、それぞれに合ったリフォームを選ぶ必要があります。リフォームの主な種類は、下記の4つです。

 

・表層リフォーム

・部分リフォーム

・全面リフォーム

・リノベーション

 

ここでは、それぞれのリフォーム内容と必要な費用について解説します。

①表層リフォーム

表層リフォームは、過去の住人の使用感を感じさせない程度に、表面上の損傷などの最低限これだけは直しておきたいという場所を表面上だけ修復する最低限のリフォームです。表層リフォームでは、主に下記のようなリフォームを行います。

 

・全体クリーニング

・壁や天井クロスの張替

・照明器具の交換

・カギやシリンダーの交換


リフォームの内容にもよりますが、表層リフォームはリフォームの中でもっとも安価で行えます。価格相場は、およそ60〜70万円です。

②部分リフォーム

部分リフォームは、表層リフォームに加えて、使用感の高い部分の水回りやフローリングなどの部分的な設備の更新を行うリフォームです。表層リフォームで行うリフォームに加えて、主に下記のような場所をリフォームします。

 

・フローリングの張替え

・コンロの交換

・トイレの交換

・洗面化粧台の交換

・ユニットバス換気扇の交換


価格相場は、およそ150〜170万円です。

③全面リフォーム

全面リフォームは、部屋全体を新しくするリフォームです。部屋の解体から行い、部分リフォームに加えて下記のような場所をリフォームします。

 

・システムキッチンの交換

・ユニットバスの交換

・給湯器の交換

・エアコンの交換


価格相場は、およそ700〜800万円です。

④リノベーション

リノベーションは、全面リフォームに加えて、壁間仕切りの取り払いや間取り、水回りの位置変更など、部屋全体を新しいプランに変更する方法です。下記のような、部屋プランの変更を行います。

 

・3LDKから2LDKに変更

・キッチンをオープンキッチンに変更

・全体のバリアフリー化


これら以外にも、自分の好みに合わせて部屋全体を新しくします。大規模な工事になるため、価格相場はおよそ1,000万円〜となり、リフォームと比べて費用がかかるでしょう。

 

マンションのリノベーションにかかる費用相場については、以下の記事で解説しています。

マンション リノベーションの間取り別費用相場を徹底紹介!

まとめ:価値のあるビンテージマンションを見つけよう

まとめ:価値のあるビンテージマンションを見つけよう

まとめ:価値のあるビンテージマンションを見つけよう

ビンテージマンションは、現代では得難い立地や周辺環境の希少性から人気の物件です。資産価値が高く、建設当時からその価値は維持されています。住んでいることそのものに誇りや愛着を感じられるため、良好なコミュニティが形成されるのも特徴です。

 

作り手の「想い」が込められたビンテージマンションは、外観にも威厳を感じます。内装については、リフォームやリノベーションの制限がなければ購入後に変更することもできるでしょう。ぜひ自分好みの価値あるビンテージマンションを見つけましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

「ヴィンテージマンションの特徴」を説明する次の文章のうち、正しいものを選んでください。
(1)市街地再開発事業にて、複合商業施設、オフィス、マンションなどと利用ゾーンを分けて一体開発されている。
(2)高さ60m以上、階層が20階建以上の超高層タワー型の外観というのが一般的。近年はより高層化、大型化の傾向にある。
(3)全室がシングルあるいはDINKS向けに作られた1DK~2LDK程度の専有部分が、30~50㎡程度のマンション。
(4)1970~1980年代は、イノベーター的分譲会社、1990年以降は大手デベロッパーが手掛けたものも多い。

答えは 4

1970~1980年代は、イノベーター的分譲会社、1990年以降は大手デベロッパーが手掛けたものも多いです。

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