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更新日:2025.02.20
登録日:2023.06.02
タウンハウスとはどんな家?メリット・デメリット・物件探しの方法を解説

いくつかの住戸を連ねて建て、隣の住居と壁を共有しているタウンハウス。テラスハウスとよく似ているため、それぞれの違いがよく分からない人もいるのではないでしょうか。
本記事では、タウンハウスの概要、テラスハウスや一戸建てとの違い、メリットやデメリットについて解説します。
リーズナブルに一戸建てのような感覚で住めるタウンハウスで、快適で理想的な生活を送ってみませんか。
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タウンハウスとは何か?

タウンハウスは、いくつかの住戸を横に並べて建てた集合住宅の一種です。
複数の一戸建てが隣家と壁を共有し連なっており、それぞれの家が外部への出入口を持っています。2〜3階建ての低層であるのも特徴です。長屋をイメージするとわかりやすいでしょう。
ただし、長屋とタウンハウスでは土地の所有権や共用部分に違いがあります。タウンハウスは、土地全体を全住民で所有する形態です。建物の専有面積に応じて、それぞれ土地の所有権を持ちます。
機能的には一戸建てに近いですが、敷地自体は全住民で共有しているため住民全員が利用できる共用部分があるのが特徴です。代表的な共用部分として下記のようなものが挙げられます。
・駐車場
・庭
一方、長屋はそれぞれ独立して土地の所有権を有しており、基本的に共用部分はありません。所有する建物とその下の土地の所有権を有します。そのため、駐車場や庭についてもそれぞれの専有部分に含まれます。
タウンハウスとテラスハウスの違い

タウンハウスとテラスハウスの違い
タウンハウスとテラスハウスの大きな違いは、土地の所有権が異なる点です。
分譲のタウンハウスは土地全体の所有権が全住戸にあり、建物の専有面積の割合によって敷地利用権を各住戸が有します。一方、テラスハウスは1つの土地を分け、それぞれの土地に対して各住戸が所有権を有します。
分譲のタウンハウスでは権利の観点ではタウンハウスはマンションに近く、テラスハウスは一戸建てに近いといえるでしょう。
タウンハウスと一戸建て住宅の違い

タウンハウスと一戸建て住宅の違い
タウンハウスと一戸建てでは、主に下記のような違いがあります。
それぞれの違いについて、詳しくみていきましょう。
構造的な違い
タウンハウスは、壁を隔てて住居同士が繋がっている連棟式建物です。一方、一戸建ては敷地や建物も完全に分離した住居です。
タウンハウスには、それぞれの住居に専用の玄関があるためエントランスなどの共用部分がなく、一戸建てと同じような感覚で暮らせます。とはいえ、壁で隔てた先には他の住居者がいるのが特徴です。
タウンハウスは、両隣の有無にもよりますが採光を取りにくいという構造上のデメリットがあります。特に両隣にも住居がつながっている場合、などを設置できる面は前後の2面しかありません。
そのため、住居の向きによっては日当たりが悪くなってしまう可能性があります。
所有形態の違い
所有形態には大きな違いがあります。
一戸建ての場合は、個人個人が土地や建物を所有します。しかし、タウンハウスでは建物は区分所有、土地は住民全員で土地を所有するのが一般的です。土地が住民全員の所有になるため、庭や駐車場が共用部分になります。
メンテナンス面の違い
メンテナンス面でもそれぞれ異なる特徴があります。タウンハウスには複数の住民が住んでいるため、一般的に管理組合によってメンテナンスを行います。管理費などが発生しますが、管理組合が修繕計画に沿って適切にメンテナンスするため、特別自分が気にかける必要はありません。
一方で、一戸建ては建物と土地を個人で所有するため、メンテナンスも個人で行う必要があります。適切にメンテナンスを行わなければ建物が老朽化してしまう恐れもあるでしょう。個人の責任でメンテナンスをしなければならない一戸建ては、タウンハウスと比べると労力がかかります。
コスト面の違い
購入やメンテナンスのコスト面も、タウンハウスと一戸建ての違いの1つです。まず、購入時のコストについてはタウンハウスの方が売買価格が安い傾向にあります。安くなる理由としては、下記が挙げられます。
・土地の面積に対して建てられる戸数が多い
・同時に同じ工法で施工できる
面積に対して戸数が多いため、一戸当たりの価格が抑えられます。また、同時に同じ工法で施工できるため、材料の調達や施工のしやすさも価格が抑えらる理由の1つでしょう。
メンテナンスの面では、一戸建てに比べて共有する設備や部分が多い分、メンテナンス費用も住民全員で分担するため負担費用が少なくなるのが特徴です。
生活面での違い
タウンハウスと一戸建ての生活面の違いは、周囲へ配慮が必要かという点です。特に生活音などの音漏れを気にする人も多いのではないでしょうか。
タウンハウスでは隣の住居との隔たりが壁しかないため、一戸建てと比べると音が漏れやすいという特徴があります。一戸建て感覚で生活できるものの、周囲への影響は一戸建てよりも気にする必要があるのです。
タウンハウスに住むメリット

タウンハウスに住むメリット
タウンハウスのメリットは以下の3点です。
・一戸建てのように住み心地がよい
・セキュリティ面に安心感がある
・共有スペースにゆとりがある場合が多い
詳しく解説します。
一戸建てのように住み心地がよい
集合住宅ながらも、一戸建てのように住み心地が良い点はタウンハウスのメリットです。
タウンハウスは2・3階建ての物件が多いですが、マンションやアパートのように上下階に他の住民が暮らしているわけではありません。幼い子どもと暮らす家庭にとっては特に気になる上下階への音も心配なく、一戸建てに近い生活ができます。
1階はリビングやダイニングといった居住スペース、2階は仕事部屋としてなど、生活空間を分けた暮らしができる点も大きなメリットです。
マンションのようなエントランスはない場合が多く、各家の玄関から直接出入りが可能です。玄関前や近くに駐車場があれば荷物の出し入れも楽にできます。
庭やちょっとしたスペースがあれば、ガーデニングや家庭菜園も楽しめるかもしれません。
セキュリティ面の安心感がある
タウンハウスは、同じ建物に多くの人が入居しています。一戸建てと違い壁で隣家とつながっているので、セキュリティ面で安心感がある環境だといえるでしょう。自分の家族以外の人が近くにという、一見デメリットに思える点も、セキュリティの観点からみると大きなメリットです。
また、複数の住居があるため、一戸建てでは導入しにくい下記のようなセキュリティーが完備されている物件も多くあります。
・防犯カメラ
・オートロック
共有スペースにゆとりがある場合が多い
タウンハウスは、共有部分として他の居住者と使える庭やテラスがあり、広さにもゆとりがある場合が多いです。
共有スペースにゆとりがあると、下記のようなメリットがあります。
・子どもが遊ぶスペースとして利用できる
・家庭菜園やガーデニングを楽しめる
・住民同士でコミュニケーションを取れる
ゆったりとしたスペースを活用することで、家族が楽しく暮らせるだけでなく、住民同士のコミュニケーションも生まれます。
タウンハウスに住むデメリット

タウンハウスに住むデメリット
タウンハウスに住むデメリットには以下の3点があります。
・修繕やリフォームに制限がある
・音漏れする心配がある
・窓がない場合、採光に懸念が残る
それぞれ詳しく解説します。
修繕やリフォームに制限がある
タウンハウスは一戸建て感覚で住めますが、修繕やリフォームは自由に行えません。いざ工事を行おうしても、制限があるために希望通りの修繕やリフォームができない可能性があります。
タウンハウスで修繕・リフォームを行う場合は、下記の点に注意しなければなりません。
・建築基準法に抵触しないか
・建物全体のバランスが取れているか
・不動産会社や他の住民の許可は取れているか
タウンハウスの建物は自分だけのものではありません。建物全体で強度などを考えているため、一部のみをリフォームすると建物全体でずれが発生してしまう可能性があります。また、リフォームを行う際は必ず事前に不動産や他の住民の許可を取る必要があります。
居住者が多くある程度の規模のタウンハウスであれば、マンションと同様に管理組合が結成されていて、あらかじめ組まれた修繕計画に沿ってメンテナンスができます。
2〜3戸の小規模なタウンハウスの場合、外壁や屋根など大規模な修繕を行いたくても、それぞれの費用負担が大きくなる場合は、同意を得るのが難しくなるでしょう。
音漏れする心配がある
タウンハウスは上下階がセットになっている構造なので、上下階にはだれもいませんが、壁は隣接しているため、すぐ隣には他の住民がいる環境です。
隣の家との間に階段や廊下、納戸や押し入れなど物を入れるスペースがあれば、多少は物音が軽減されますが、どうしても生活音が漏れてしまうこともあります。
例えば、下記のような場合は音漏れが発生する可能性があります。
・隣住居側の壁にテレビを設置する
・夜に掃除機や洗濯機を利用する
・犬などのペットを飼っている
一戸建ての感覚で暮らしていると、トラブルにも発展する可能性があるでしょう。室内ドアの開閉音に注意する、テレビの音量を大きくし過ぎない、夜中や早朝には掃除機や洗濯機など大きな音が出るものは使用しないなど、配慮が不可欠です。
窓が少ない場合、採光に懸念が残る
タウンハウスは、各住戸がつながっている造りのため、隣と接している壁に窓が付けられません。窓が少ないと下記のようなデメリットがあります。
・採光量が少なくなる
・風通しが悪くなる
・閉塞感を感じやすい
・家具の配置に制限がある
角住戸であれば片側は隣接していないので、3方向に開口部を設けられますが、両隣りに挟まれている中住戸の場合、窓やドアを設けられるのは2方向のみです。
採光量が少ない点や風通しが悪くなるデメリットを補うため、天窓を設置し、光や風が届きやすい間取りになっている物件もあります。
タウンハウスを選ぶ際には、光や風通しに配慮された間取りや設計になっているかも欠かせないポイントです。
タウンハウスに向いている人の特徴

タウンハウスに向いている人の特徴
タウンハウスに向いている人の特徴は以下のとおりです。
・住宅購入の予算を抑えたい人
・上下階の物音に悩みたくない人
タウンハウスは、部屋の間取りやデザインが規格化されており、建築資材や設備をまとめて用意できます。そのため建築費が安くなり一戸建て住宅より安価で購入可能です。
住宅を購入する予算を抑えたい人に向いているといえるでしょう。
タウンハウスは2〜3階建てのメゾネット構造が多く、1階はリビングやダイニングなどの居住スペースとして、2階は作業や仕事スペースとして活用できます。
生活スペースをきっちり分けて暮らしたい人にとって生活しやすい構造です。
上下階には他の住民が暮らしていないため、上の階の足音や生活音に悩まされたくない人、下の階へ気をつかわずに生活したい人にとっても適している住宅です。
走る音やおもちゃで遊ぶ音など、どうしても大きな音を立ててしまう幼い子どもがいる家庭にも向いています。
鑑定士コメント
タウンハウスは供給数は一般のマンションやアパートと比べると極端に少なく、特に近年は新規供給もほとんどありませんので、レアな存在になりました。戸建感覚の広い住居を割安に住めるというメリットよりも、流動性・市場性の低さがクローズアップされたことによるものでしょう。タウンハウスは建て替え時期が来ても、1世帯のみを建て替えることができません。そのため、築年数が建てばたつほど市場性が劣り、売れにくくなってきます。このような背景から、タウンハウスは増えないのです。
タウンハウスの物件を探す方法

タウンハウスの物件を探す方法
タウンハウス物件の主な探し方として、下記の2つの方法が挙げられます。
・不動産会社
・オンライン
それぞれの探し方について、詳しくみていきましょう。
不動産会社での探し方
住みたい場所や条件がある程度決まっている場合は、地域の不動産会社に依頼して探してもらうのがおすすめです。
タウンハウス物件は、一戸建てやマンションよりも数が少ないのが実情です。そのため、自分で調べようとしてもうまく調べられない可能性があります。
不動産会社であれば、管轄するエリアや会社が持っている不動産情報の中から要望に沿った物件を探してもらえるでしょう。複数の不動産会社に問い合わせれば、より多くのタウンハウス物件に出合える可能性が高まります。
また、問い合わせる際には階を分けた生活がしたい、上下階の物音に悩みたくないなど、なぜタウンハウスがよいと思ったのか明確に伝えることが大切です。
自分たちのニーズに沿った物件を紹介してもらえるだけでなく、もしもタウンハウスが見つからなかった場合でも、似た条件の物件を紹介してもらえるかもしれません。
オンラインでの探し方
より広い選択肢からタウンハウスを選びたい場合は、オンラインで探すのがおすすめです。オンラインであれば、広い範囲でタウンハウスを調べることが可能です。不動産会社のように店舗に行ったり電話したりして依頼する必要がなく、気になった時にすぐに探せます。
オンラインでタウンハウスを探す際は、タウンハウスであること以外はあまり条件を絞りすぎずに検索するのがおすすめです。そもそも物件数が少ないため、あまり条件を絞らなくても網羅的に物件を確認できます。
条件を絞らないことで、思わぬ好条件のタウンハウスを見つけることもできます。タウンハウスの数が少ないため、できるだけ多くの選択肢から選びたい人はオンラインで探してみましょう。
鑑定士コメント
タウンハウスは現在では市場性が劣るため、広告を出しても売れないとあまり市場に出ていないこともあります。しかし売りたいという潜在売主がいる可能性もあります。不動産仲介会社に「タウンハウスを探しています」と伝えればそうした表に出てこない売り情報を探してくれることもあります。その際、庭が欲しい、音が気になるなど、タウンハウスに求める条件、なぜタウンハウスがいいと思っているのかを話しておくと、より希望に合った物件を探しやすくなるでしょう。
まとめ:タウンハウスの特徴を把握して自分に合った物件を探そう

まとめ:タウンハウスの特徴を把握して自分に合った物件を探そう
上下階の物音を気にしたくない人、生活スペースを分けて暮らしたい人など、タウンハウスは一戸建てのような感覚で住みたい人に向いています。
土地や建物の所有権は住民全員で共有しているため、大規模な修繕やリフォームをする際には制限がある可能性があります。修繕やリフォームを考えている場合には、事前に規約を確認することが重要です。
タウンハウスの物件数が少ないのが現状で、探す際にはいくつかの不動産会社に問い合わせてみましょう。気になる物件が見つかったら、できるだけ早く見学や説明を申し込むことをおすすめします。
タウンハウスの特徴をよく理解し、自分の理想にあった物件で快適な暮らしを送りましょう。
#タウンハウス、#物件、#テラスハウス、#住宅

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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