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更新日:2024.09.12
登録日:2022.08.23
分譲マンションとは?賃貸との違いや物件の選び方も紹介
「分譲マンションって普通の賃貸とどう違うの?」
「分譲マンションを購入するメリット・デメリットを知りたい」
上記のような思いを抱く人も、きっといることでしょう。分譲マンションは自身で一部屋を所有できる、区分所有の不動産です。改築や売買の自由度が高いため、住むだけでなく賃貸に出して収益化も狙えます。
この記事では、分譲マンションとは何かを徹底解説。賃貸との違いや物件の選び方、ローンに関する注意点も紹介します。現在、分譲マンションの購入を検討している人は必見です。
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分譲マンションとはズバリなに?
分譲マンションとはズバリなに?
分譲マンションとは、1棟のマンションを区分けして1住⼾ごとに販売しているマンションのことです。住居⽤としてマンションを購⼊する場合、基本的にマンション1棟をまるごと購⼊するわけではなく、1⼾を購⼊することになるはずです。そのため、⼀般的にマンションを買う=分譲マンションを買うということになります。ちなみに分譲とは、分割譲渡という⾔葉の略称です。
分譲マンションと賃貸マンションの違い4選
分譲マンションと賃貸マンションの違い4選
分譲マンションと賃貸マンションの違いは、以下の4つです。
1.所有者が違う
2.支払う費用が違う
3.リフォームできるかどうかが違う
4.利用できる設備や共用施設が違う
それぞれ詳しく解説します。
①所有者が違う
分譲マンションの場合、1部屋ごとに購入・所有することになります。その一方で賃貸マンションの場合、物件の所有権は不動産会社や大家さんなど、部屋を貸し出す人にあります。
例えば賃貸マンションでリフォームをする場合、退去時に元通りに直さなくてはならなかったり、工事の音で周囲の部屋に迷惑をかけてしまったりします。そうしたこともあり、賃貸マンションの場合にはリフォームを不可としているところが多いです。分譲マンションでも制限はあるものの、賃貸マンションと比べるとリフォームしやすいでしょう。もし分譲マンションを購入してリフォームしたい場合は、必ず不動産会社や大家さんに確認しておきましょう。
②支払う費用が違う
賃貸マンションの場合、敷金や礼金を最初に支払い、その後は毎月家賃と共益費を、更新の際には更新料を支払うことになります。その一方、分譲マンションは住戸の購入となるため、それに伴う頭金や住宅ローン、不動産所得税、管理費、修繕積立金などの費用の支払いが必要です。
1点注意していただきたいのが、分譲マンションでは土地と建物の購入費以外にも支払うものがあります。管理費や修繕積立金、固定資産税は継続的に支払い続けることになりますので、あらかじめご注意ください。
③リフォームできるかどうかが違う
③リフォームできるかどうかが違う
賃貸マンションはあくまで家主から借りている住宅のため、借主が自由にリフォームできません。家主によるリフォームのみが許されます。
一方、分譲マンションの所有権は住んでいる人にあり、リフォームも可能です。マンション規約の範囲内なら、自由に壁紙や間取り、設備をリフォームできます。ただしリフォームの際は管理組合に工事日程の届出をしなければならないケースが多いです。トラブルを避けるためには、準備を入念に行う必要があります。
鑑定士コメント
専有部分であることが原則です。なお、ベランダは共用部分に当たるため、リフォームはできないと考えておきましょう。また、専有部分であっても、管理規約でリフォーム出来る部分・出来ない部分が定められている場合があります。(例:水回りの位置変更不可など)後々のトラブルを防ぐためにも、管理組合やリフォーム工事業者にはきちんとした手続きを経て進めてください。
④利用できる設備や共用施設が違う
分譲マンションの共有施設・設備は、賃貸マンションよりもグレードが高い傾向にあります。これは購入者の多くが長期的に住むのを前提に物件を購入するため、住み心地が賃貸より重視されるためです。
一方、賃貸マンションは家賃収入を上げることが重視されている場合が多いです。そのため、設備投資が必要最低限に抑えられているケースがあります。ただし、これは一般的な傾向であり、全ての物件に当てはまるわけではありません。
分譲マンションのメリット3選
分譲マンションのメリット3選
分譲マンションを選ぶメリットは、主に以下の3つです。
1.質の高い物件が多い
2.団体信用生命保険に加入できる
3.自分の資産にできる
それぞれ詳しく解説します。
①質の高い物件が多い
賃貸にもハイグレードな物件がありますが、高質な物件は分譲の方が多い傾向にあります。分譲は居住性にこだわっているため、部屋内はもちろん共有スペースや設備のグレードも高いです。
以下のような機能面に優れた設備があることも、分譲マンションの特徴でしょう。
・オートロック
・監視カメラ
・宅配ボックス
・防犯カメラ
・食洗器
・ディスポーサ
・ゲストルーム
・キッズルームなど
賃貸でもオートロックや宅配ボックスを完備している物件もありますが、事業性重視でコストを抑えた物件も多いです。住み心地やグレードの高い物件を探すなら、分譲の方が見つかりやすいでしょう。
宅配ボックスの使い方やメリットについては、以下の記事で解説しています。
②団体信用生命保険に加入できる
分譲マンションを購入すると、団体信用生命保険に加入できます。団体生命保険とは、住宅ローンに加入した人向けの生命保険の一種です。加入しておけば契約者に万が一のことがありローンの完済ができなくなった場合、保険金が支給されます。
保険金を使えば、残りの住宅ローンを完済可能です。保険に加入すれば自分が怪我や病気になったとしても、家族にマンションを資産として残せるでしょう。
なお、住宅ローンの加入者が加入できる保険には、がん保険など医療保険の代わりになるものもあります。
③自分の資産にできる
③自分の資産にできる
賃貸マンションと違い、分譲マンションは購入者の資産になります。これは持ち家の最大のメリットと言っても過言ではないでしょう。以下のような手段で資産として活用可能です。
・賃貸物件にして家賃を収益化する
・子どもに相続する
・売却して現金資産に変える
そのまま住み続ける以外にも、分譲マンションの活用法はたくさんあります。
分譲マンションのデメリット3選
分譲マンションのデメリット3選
分譲マンションには、メリットだけでなくデメリットもあります。主なデメリットは、以下の3つです。
1.ある程度のまとまったお金が必要になる
2.賃貸マンションと比べ転居が難しい
3.修繕費用は自己負担になる
それぞれ詳しく解説します。
①ある程度のまとまったお金が必要になる
分譲マンションの購入時には、大きな費用がかかります。分譲マンションを購入する際は、物件本体の代金以外に以下10項目の費用が必要です。
1.登記費用
2.管理・修繕積立金
3.住宅支援機構融資費用
4.住宅支援機構財形融資費用
5.提携ローン融資費用
6.つなぎ融資費用
7.ローン事務手数料
8.固定資産税
9.都市計画税
10.印紙税火災保険料
上記だけで100万円以上かかることもあるため、分譲マンションを購入するハードルは高いと言えます。一方、賃貸マンションの入居にかかる初期費用は多くても数十万円です。
②賃貸マンションと比べ転居が難しい
賃貸と比べ、分譲マンションからは簡単に引っ越しができません。以下3つの手段のうちどれかを取ってから、ようやく引っ越しができます。
1.定期的な管理をしながら空き家にする
2.賃貸物件として居住者を募る
3.マンションを売却する
ローン未完済の状態でマンションを売り渡す場合、買い換えをしないなら残債を一括返済せねばなりません。分譲マンションから転居する前には、しばしば骨の折れる作業が待っているのです。
③修繕費用は自己負担になる
③修繕費用は自己負担になる
賃貸の場合、借主に非がなければ貸主や管理会社が修繕費用を負担してくれます。しかし、分譲マンションは自分の所有物のため、修繕にかかる費用は自己負担です。
分譲マンションを購入すると、住宅ローンとは別に修繕積み立て金が20,000〜30,000円かかります。修繕積立金とは、区分所有者が管理組合として積み立てる、建物の長期的なメンテナンス資金のことです。建物はいつかは劣化するため、修繕が必要です。そして、その費用は区分所有者たちで出し合う必要があります。
分譲マンションの購入の流れを7ステップで解説
分譲マンションの相場は?
分譲マンションの相場は?
分譲マンションの相場はどのくらいなのでしょうか?東京カンテイの「中古マンション70㎡価格月別推移(年間版)」によると、首都圏・中部圏で2013年から、近畿圏では2012年から上昇傾向にあります。2019年のデータでは首都圏の中古マンションで70平方メートル当たりの価格が3,709万円です。次いで近畿圏が2,330万円、中部圏が1,938万円となっています。
分譲マンションの購入の流れを7ステップで解説
分譲マンションを購入するための一般的な流れは、以下の7ステップです。
1.物件を探す
2.購入の申込をする
3.住宅ローンの事前審査を受ける
4.重要事項説明を受ける
5.売買契約を締結する
6.住宅ローンの申込をする
7.物件を引き渡され、ローンが本実行する
それぞれ詳しく解説します。
①物件を探す
分譲マンションを購入を決めたら、まずは物件探しをしましょう。新築の分譲マンションでは、施工前に販売が開始されることがほとんどです。そのため、購入希望者はモデルルームを内覧し、購入の判断をします。
なお、人気のある物件は購入権が抽選になる可能性もあるため、注意しましょう。マンションを探す際には、こちらの「マンション検索」もご覧ください。
②購入の申込をする
気に入ったマンションを見つけたら、分譲会社に購入の申込をします。会社によっては、このタイミングで申込の証拠金支払いが必要です。証拠金は、一般的に1〜10万円程度であることが多いです。証拠金を払うことで、売買契約を締結する前に他の人に取られないよう、1週間から10日程度物件をキープしてもらうこともできます。
③住宅ローンの事前審査を受ける
③住宅ローンの事前審査を受ける
購入手続きをしたら、次に住宅ローンの事前審査を受けます。事前審査とは、対象者の信用情報を簡易的に調査し、住宅ローンを返済する最低限の能力があるかを判断するものです。多くの分譲会社は住宅ローンの事前の審査通過を、売買契約の成立条件としています。
住宅ローン審査に落ちた場合、分譲マンションの購入はできません。審査に通るか不安な人は、事前に自身の信用情報に関する情報開示を行うとよいでしょう。
④重要事項説明を受ける
事前審査に通過したら、次は重要事項の説明を受けます。多くの人にとって、不動産は一生に一度の買い物です。それゆえ、不動産の知識を持たない買主がほとんどでしょう。重要事項説明は、買主が知識不足や勘違いによって不利益を被らないよう、宅建法で実施が義務付けられています。
説明される内容は物件の内容や取引条件など、重要なものばかりです。後々のトラブルを招かないよう、説明はしっかり聞いておきましょう。
重要事項説明とは何かについては、以下の記事でも解説しています。
⑤売買契約を締結する
重要事項説明を受けたら、売買契約の締結を行います。売買契約時には、分譲会社に手付金を支払う必要があります。手付金の金額は会社により異なるため、事前にいくらかを聞いておくとスムーズでしょう。
手付金は住宅ローンの開始前に支払わなければならないため、自己資金で賄う必要があります。自己資金で手付金を用意できない場合は、別のローンを利用するのも手です。
⑥住宅ローンの申込をする
⑥住宅ローンの申込をする
契約が締結されると、購入者は売買締結書を提出し住宅ローンの申し込みをします。申し込み後に本審査を行い、通過すれば分譲マンションの購入は成立です。
しかし、事前審査に通過しても、本審査に落ちることがあります。審査に落ちる原因はいくつかありますが、書類の不備などのケアレスミスは防ぐべきでしょう。また借入額に対して年収が低いと思われる場合は、頭金を多く払い、借入額を少なくすることも手段の一つです。
⑦物件を引き渡され、ローンが本実行する
物件が完成すると、マンションは区分所有として不動産登記されます。購入者の不動産登記が完了したら、晴れてマンションは購入者のものです。引き渡し前に、最終チェックとして内覧会が開催されることもあります。その後、銀行が住宅に対し抵当権を施行すると、ローンが開始されます。
やっぱり気になる!分譲マンション購入時の住宅ローン
やっぱり気になる!分譲マンション購入時の住宅ローン
分譲マンションの購入を考えているけれど、ローンについての悩みがある人もいることでしょう。中には高額な費用や頭金を負担に感じ、マンションの購入をためらう人もいるかもしれません。
住宅ローンを組むときは、自身に合った返済計画を立てられます。無理のない返済計画を立てれば、生活の水準を保ちながら支払いを進められるでしょう。
頭金は、マンション購入目安額の20%程度が相場といわれています。しかし、中には頭金がいらず、100%ローンを組めるものも少数ながらあります。購入プランにより頭金の金額が異なるので、購入の際には担当者へ確認を取ってください。
頭金・住宅ローン控除について知りたい人は、以下の記事もぜひご覧ください。
鑑定士コメント
住宅ローンの場合、銀行によっては頭金なしで全額ローンを組むことも可能です。教育ローンやマイカーローンなど他のローンは金利が高いため、頭金を多く払って借入額を減らすことが重要です。しかし、住宅ローンの金利は低いため、全額ローンを組んでいざとなったときのために手元に資金を残すのも手段の一つです。
住み心地のよい物件の選び方!人気のエリアの探し方
住み⼼地の良い分譲マンションを選ぶのであれば、物件の情報収集に時間をかけるのはもちろんですが、マンションの⾒学においても⼒を⼊れて行うべきでしょう。⾒学する際には販売担当者に対して積極的に質問してください。セキュリティ⾯や耐震性の質問はもちろんのこと、マンション周辺の環境についても確認すると良いでしょう。また、近くにコンビニやスーパーはあるのか?近くに学校はあるのか?公共交通機関は充実しているのか︖こういったところを重点的にチェックしてください。
この他、マンション全体の管理規約についても確認しておくことをおすすめします。共有施設の使⽤⽅法などの取り決めなどがある場合が多いです。外観や住宅設備などは実際に⾒学をすれば、どういったものか把握しやすいです。その一方、マンションの管理や規則などの⾯は分かりにくいものです。管理面や規則に関しては不動産会社や大家さんに確認してください。中古物件であれば住民に聞いてみるのも良いでしょう。
それでは、分譲マンションの選び方が分かったところで東京の⼈気エリアを⾒ていきましょう。
■都⼼部:新宿
⾼層マンションが⽴ち並ぶ新宿。東京の中⼼です。新宿のマンションに住む最⼤のメリットは便利な交通アクセスにあります。
■23区東部:豊洲
近年、⽬まぐるしく開発の進んでいる豊洲周辺エリア。東京の東部を代表する街です。その魅⼒はなんといってもウォーターフロントの開放感あふれる⽣活空間でしょう。2018年の築地市場移転、2020年の東京オリンピックの開催など、⽬が離せない注⽬スポットです。
■23区南部:品川
東京の南部に位置する品川。その魅⼒は交通アクセスの利便性。新幹線も停⾞するので遠⽅まで出かける際にも便利です。また、品川区には多くの公園があるので⼩さなお⼦さんのいるご家族にも⼈気のエリアになります。
マンションエリア一覧からそのほかのエリアも探してみましょう。
以上、分譲マンションについての理解は深まりましたか?分譲マンションを選ぶときには、各種の設備や⽴地などさまざまな観点から探してみてください。そうすれば、きっと、お気に⼊りの物件に巡り合えるはずです。もし分譲マンション探しの際に不安な点や疑問な点などがあればマンション専門家への質問してみてください。
まとめ:分譲マンションは自分の資産になる
まとめ:分譲マンションは自分の資産になる
分譲マンションは自身の資産になるものです。普通に住むだけでなく、売却・譲渡・収益化といった活用方法もあります。
改修工事を行えば自身の好きな間取りにできる上、共用スペースや設備が充実していることも特徴です。短期的な住まいを前提とする賃貸よりも、ワングレード高い住み心地を実感できます。
多くの人にとって分譲マンションは一生に一度の買い物であり、引っ越しも簡単にはできません。後悔しないためにも、購入や物件選びは慎重に行いましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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