住めば都も、遷都する2018/6/20

ある年齢が行ってから、同窓会に出ると、みんな同じようなものだなと感じる。20歳の頃の同窓会では、どの大学に通っているのか、すでに社会で活躍しているのかといった違いを感じたものだ。30歳の頃の同窓会では、結婚した人、まだの人で雰囲気まで変わっていた。

 

その後、時間がたつと、本人あるいは配偶者が出世している、そうでもないといったことが少しだけ気になる。だが、やがて、そうしたことはどうでもよくなって、結局、みんな同じだなあということになる。

 

同窓会というものは、ある程度、気力が充実していないと出席するのが面倒である。その点では、少なくとも参加している人は、幸せですかと聞かれたら、「まあまあ、幸せ」と答えられる境遇にいるのだろう。だから、似てくるのかも知れない。

 

とくに小学校や中学校の同窓会では、当時といまと、さほど「人柄」が変化していないことに驚く。結局、長い目で見ると、持って生まれた何かと、幼児時代の環境が多くのことを決めているようにも思えてくる。

 

 

ところが、同窓会から帰宅する電車ではこんなことも考えるのだ。みんな同じようだが、やっぱり、人生の分かれ道を「あちらか、こちらか」と悩みつつ、「エイッ」と選択してきたのだろうと。

 

その時は、分岐点と意識せず、ともかく、がむしゃらに。後になってから、ああ、あれは分かれ目だったと気づく。そんな感じだろうか。

 

AさんやKさんは、それなりに苦労したようだ。他の仲間も、大なり小なり、波乱はあったに違いない。しかし、いまや、にこやかに日々を過ごしている様子。まあ、良かったね。

 

さて、わが家が近づいてくる。私も、分かれ道を、あちらか、こちらかと、時には迷いつつも歩んできて、いま、ここにいる(のかも知れない)。それは、それで「良し」とすべきか。

 

いや、待て待て。住めば都も、遷都する。安住してしまうことはない。これからだって、新しい住まいに引っ越しをするといった前向きの分かれ道があるかも知れない。そう、あの街に、住んでみるのもいいな。今日、Sさんが「すてきな街よ」と言っていた。ちょっと遊びに行ってみようか。

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

 

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