住めば都も、遷都する2019/3/11

いまや、ロボット掃除機にも、すっかり慣れてしまった。自動で、床をはい回って部屋を掃除するなんて、かつてはSFの話だったのに。

 

呼びかけると、情報を検索し、音楽を聞かせてくれるスマートスピーカーに、もはや、誰も驚かない。動画共有サービスでは、愛玩用のペットロボットのかわいい動きが見られる。

 

意外に早く、家庭にヒト型ロボットがやってくるのではないか。その際には、自動車ディーラーのようにロボット販売店が出来るのだろうか。いや、メンテナンスの問題があるから、リースとかレンタルになるのか。

 

それとも、廉価版のロボットの場合は、ネットで簡単に買えて宅配便でやってくるのかも知れない。組み立ててスイッチを入れると、ゆっくり起き上がって、「やあ」とか言うのだろう。いや、もっと丁寧に「初めまして」とあいさつする可能性もある。

 

たぶん設定時に「敬語タイプ」「普通タイプ」「親友タイプ」などを選べるようになると思う。他人の家を訪問すると、家庭によって、色々なロボットが現れて違うしゃべり方をするので最初はとまどうはずだ。

 

 

趣味の囲碁将棋やチェスのお相手をしてくれる「クレバー君」もいれば、もっぱら力仕事の「ムキムキ君」もいる。どちらも兼ね備えていると、値段はお高くなる(ちなみにクレバー君に宿題をさせるのは御法度である)。

 

始めは、商品としてやってくるが、愛着が湧くだろうな。クルマだって、愛車として大事にしている人もいる。雑誌やウェブサイトでは、家の中に愛車がデーンと同居している設計をよく見る。

 

ロボットは、充電が必要だから、住まいの片隅にくぼみがあって、夜はそこに座って充電することになる。個室を与える人も出てくるだろう。朝になると、主人はノックとかして「おい、そろそろ起きろよ」とか。

 

子どもの頃、近い未来、ロボットと階段にでも座って「今日は退屈だったな」なんて、話をしたいと思っていた。そんな日がやってくるのかも知れない。まあ、ロボットが「退屈する」ということがあるかどうかは、分からないが。

 

やがてロボットは、「明日から1週間、バージョンアップと整備のために留守にします」とか言うのだろう。

 

私は、答えるのだ。「君にとっても住みいい物件が見つかってね。引っ越すから、帰ってくる時は、新しい家だよ。もちろん、メンテナンスが終われば、ロボットディーラーに迎えに行くから」と。

 

住めば都も遷都する。いやはや、未来の引っ越しには、新しい動機づけが生まれるのかも知れない。ロボットは家族の一員。彼らの「住み心地」も考慮するのである。いまだって、住まい探しの時に「あら、この間取りなら、どの部屋も、ロボット掃除機でOKね」と喜ぶ方がおられるとのこと。未来が、楽しみである。

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

 

 

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