HOME
学ぶ
設備の基本知識
食洗機は後付けできる？条件やメリット・デメリットを徹底解説

全国市況レポート

詳しく見る

注目記事

新しいトビラを開くマンションあれこれ座談会　第１回マンションの高さ①

聞きたい！見せたい！マンション管理【朝日パリオ浦和辻】

社会実験「BATON PARK―KAWABATA-RYOKUDO―」‼まちづくりへバトンを未来へつな...

四条駅･烏丸駅②京都マンションの世界編――マンションがわかれば、京都がもっとよくわかる…京都の街をマ...

緑あふれる愛宕地区での再開発：マンション図書館員が聞いてみた！

小津映画｢東京物語｣･紀子のアパートを探せ!!：検証編①「“URまちとくらしのミュージアム”で｢外観...

食洗機は後付けできる？条件やメリット・デメリットを徹底解説

食洗機にはキッチンに組み込むビルトイン型と置き型の卓上型があり、どちらも後付けが可能です。設置すれば面倒な食器洗いを自動でおこなえるため、家事にかかる時間を短縮できます。

一方で「自宅のキッチンに後付けできるかわからない」「どのくらい費用がかかるの？」など、疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、食洗機を後付けするための条件や必要な費用をまとめました。ビルトイン食洗機の設置工事の流れやメリット・デメリット、メンテナンスのための必要知識とあわせて、わかりやすく解説します。

マンション図書館の物件検索のここがすごい！

個々のマンションの詳細データ
（中古価格維持率や表面利回り等）の閲覧
不動産鑑定士等の専門家によるコメント
表示＆依頼
物件ごとの「マンション管理適正評価」
が見れる！
新築物件速報など
今後拡張予定の機能も！

物件を探してみる

食洗機を後付けするための条件
ビルトイン食洗機に必要なスペース
ビルトイン食洗機を後付けするときに必要な費用
ビルトイン食洗機を後付けする際の設置工事の流れ
ビルトイン食洗機のメリット
ビルトイン食洗機のデメリット
ビルトイン食洗機のメンテナンスに関する必要知識
まとめ：ライフスタイルに合った食洗機を見つけよう

食洗機を後付けするための条件

食洗機は、すべてのキッチンに後付けできるわけではありません。

・システムキッチンである

・給排水設備が確保できる

・電源の確保ができる

後付けに必要な条件についてチェックしておきましょう。

システムキッチンである

ビルトイン食洗機を後付けできるのは、キッチンに必要な設備を一体化した「システムキッチン」だけです。パーツを組み合わせるタイプの「セクショナルキッチン」には、後付けができません。

自宅のキッチンがどちらかわからない場合、天板（ワークトップ）を確認しましょう。コンロやシンク、調理台、収納などがつながっていればシステムキッチンです。なお、卓上型食洗機なら、システムキッチンでなくても設置できます。

給排水設備が確保できる

食洗機を設置する際には、給排水設備を確保する必要があります。ビルトイン食洗機では、シンク下に配置される給排水管と接続が必要です。

「分岐水栓取り付け式の卓上型食洗機」の場合、蛇口タイプによっては分岐水栓が取り付けられないことがあります。一方でその都度水を給水するタンク式食洗機なら、給排水設備は必要ありません。

電源の確保ができる

食洗機を設置するには電源の確保が求められます。ビルトイン食洗機の場合は、キャビネットの中にコンセントの増設が必要です。

卓上型食洗機は、設置場所の近くにアース付きコンセントがあればそのまま使用できます。アース付き電源コンセントがないなら、電源工事で新しく設置する必要があるでしょう。延長コードは使用できないので注意してください。

ビルトイン食洗機に必要なスペース

ビルトイン食洗機を後付けするためには、一定以上のスペースが求められます。メーカーとモデルによっても差はありますが、目安は以下の通りです。

天板（ワークトップ）の奥行き	60cm以上
ワークトップの高さ	75cm以上
キャビネットの内側の奥行	55cm以上
キャビネットの内側の幅	41cm以上
キャビネットの内側の高さ	46cm以上

ビルトイン食洗機の幅は「45cm」と「60cm」が主流です。検討しているサイズや設置場所によって必要なスペースは異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

ビルトイン食洗機を後付けするときに必要な費用

システムキッチンにビルトイン食洗機を後付けするときの相場は、以下の通りです。

本体価格	5〜15万円
工事費用	5〜10万円

本体価格と工事費用をあわせて「10〜25万円」が目安です。ただし、設置するビルトイン食洗機の機種やキッチンの条件によっても料金は大きく左右されます。

まずは見積もりをとり、本体価格と工事費用あわせてどのくらい料金がかかるのか確認してみましょう。なお、既存のビルトイン食洗機を交換する場合の相場は「6～19万円程度」です。

ビルトイン食洗機を後付けする際の設置工事の流れ

ビルトイン食洗機の後付け設置工事をするときの基本的な流れは、以下の通りです。

1. キャビネットを取り外す

2. ビルトイン食洗機を乗せるための脚ユニットを固定する

3. 給排水の分岐を設置する

4. 給水（湯）管や排水管を準備する

5. ビルトイン食洗機本体を脚ユニットの上にセットする

6. 給排水管をビルトイン食洗機本体に接続する

7. 電源プラグをコンセントに接続する

あとは試験運転をして水漏れなどが発生しなければ、ビルトイン食洗機の後付け設置工事は完了です。一般的には2～3時間ほどですべての作業が終わります。

ビルトイン食洗機のメリット

ビルトイン食洗機には以下のようなメリットがあります。

・手荒れ防止になる

・家事時間の短縮ができる

・水道光熱費の節約になる

・高温洗浄できるので衛生的である

後付けしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

手荒れ防止になる

ビルトイン食洗機の利用は手荒れ防止におすすめです。食器洗い用洗剤や水に触れると、肌を守っている皮脂が落ちてしまいます。

毎日の食器洗いを続けると手荒れは治らず、症状が悪化する可能性があるでしょう。ビルトイン食洗機で手洗いする食器類の量を減らすことで、肌への負担を大幅に軽減できます。

家事時間の短縮ができる

ビルトイン食洗機は食器類をセットしてスイッチを押すだけなので、手間がかかりません。洗浄から乾燥まですべて完了します。

食器洗いにかけていた時間が減り、毎日の家事時間を短縮できることがメリットです。趣味や家族の団らんなど、自由に使える時間を増やせます。

水道光熱費の節約になる

手洗いと比較した場合、ビルトイン食洗機のほうが使用する水が少なくなります。庫内にためた少量の水やお湯を循環させて洗う仕組みなので、節水に効果的です。

最新の機種なら、より高い節水効果を実感できるでしょう。水道光熱費を抑えたい方は、ぜひビルトイン食洗機の導入を検討してください。

高温洗浄できるので衛生的である

一般的なビルトイン食洗機では、60〜80℃のお湯で食器類を洗います。手洗いでは落ちにくい油汚れを、スッキリと落とせるところが魅力です。

また、目の細かいザルや泡だて器、おろし金など、複雑な形状のキッチンツールの洗浄にもおすすめです。細かい隙間にこびりついた頑固な汚れを除去できるため、衛生的に使用できます。

ビルトイン食洗機のデメリット

メリットが多いビルトイン食洗機ですが、デメリットもあるため注意が必要です。

・予洗いが必要な場合がある

・定期的なメンテナンスが必要である

・収納スペースが減少する

・洗えない食器類がある

後付けしたあと後悔しないように、あらかじめ確認しておきましょう。

予洗いが必要な場合がある

ほとんどのビルトイン食洗機は、食器類をセットする前に汚れを軽く落とす「予洗い」が必要です。使い終わった食器類をそのまま入れると、汚れが落ちない可能性があります。

簡単に洗うだけで十分ですが、ちょっとした手間を面倒に感じる方もいるでしょう。あらかじめ水やお湯につけて汚れを浮かせておくなど、手間を減らす工夫が必要です。

定期的なメンテナンスが必要である

ビルトイン食洗機のメンテナンスを怠ると、故障の原因になります。寿命を縮めてしまい、修理や買い替えなどに思わぬ出費が発生することがあるため注意が必要です。

さらに庫内が汚れたまま使用すれば、食器類を衛生的に洗浄できません。お手入れや洗浄など定期的なメンテナンスに手間と時間がかかることが、デメリットといえます。

収納スペースが減少する

システムキッチンに組み込むビルトイン食洗機は、キッチン収納を取り外して設置します。収納スペースが減ってしまい、キッチンツールなどが収納できなくなる可能性があるでしょう。

ビルトイン食洗機の後付けを検討するなら、収納するものを減らす必要があります。キッチン周りを整理整頓して、スッキリ片付けておくことがおすすめです。

洗えない食器類がある

ビルトイン食洗機では、熱に弱かったり傷つきやすかったりする食器類は洗えません。たとえば以下のような材質を入れると、変形や変色の恐れがあります。

・プラスチック

・高級ガラス

・金箔や上絵付きの陶磁器

・銀・銅・錫・アルミ

・木

・漆器

・軽く小さい食器類

ただし、耐熱性のあるプラスチック製や木製の食器類など、一部例外もあります。食洗機に対応しているか、あらかじめ確認しておきましょう。

鑑定士コメント

食洗機の中にゴキブリが寄ってくることがあるのはなぜでしょうか？
高温多湿で、狭さと暗さがある食洗機はゴキブリが好む環境です。さらに食洗機の中にたまる食べカスや汚れはエサになります。日々のお手入れを怠るとゴキブリが発生しやすくなるので注意が必要です。なお、ヒーターやモーターなど熱源を求めて食洗機の下に集まることもあるので、キッチンの掃除をしたり侵入箇所を塞いだりといったゴキブリ対策をしてください。

ビルトイン食洗機のメンテナンスに関する必要知識

ビルトイン食洗機のメンテナンスに関する基礎知識を、以下にまとめました。

・寿命は約10年

・残菜フィルターの毎日の清掃が必要

・月1回の庫内洗浄推奨

・水漏れやエラー表示が出たら要注意

トラブルや故障を防止するために、あらかじめチェックしておきましょう。

寿命は約10年

ビルトイン食洗機の寿命は10年が目安です。さらに各メーカーが修理部品を保管する期間が11〜12年とされており、過ぎると修理ができない可能性が高くなります。

一方で寿命はあくまで目安なので、日頃からの使い方やメンテナンスの有無によって左右されます。ビルトイン食洗機を長持ちさせるために、定期的なメンテナンスを実施することが重要です。なお、卓上型食洗機の寿命は6～7年とされています。

残菜フィルターの毎日の清掃が必要

残菜をキャッチする残菜フィルターは、使用したあと毎日掃除する必要があります。放置すると目詰まりしてしまい、洗い上がりが悪くなったりにおいやカビが発生したりするので注意が必要です。

取り外して残菜を捨て、水でキレイにすすぎましょう。水洗いだけだと汚れが落ちない場合は、古い歯ブラシなどを使用してこすり洗いをしてください。

月1回の庫内洗浄推奨

月1回は庫内の手入れをすることで、清潔な状態を保てます。食器洗い機専用の庫内クリーナーを活用して、「お手入れコース」や「標準コース」などでカラ洗いしましょう。ドアやタンクのフチや庫内は、よく絞った柔らかい布で水拭きします。

また、回転ノズルに汚れが詰まると洗浄力が落ちるので、取り外して掃除をしましょう。水につけて洗い、細かい汚れは古い歯ブラシでこすります。回転ノズルの詳しい取り外し方は、説明書やメーカーの公式サイトで確認してください。

水漏れやエラー表示が出たら要注意

ビルトイン食洗機は経年劣化すると壊れやすくなります。以下のような症状が発生したら、寿命が近い可能性があるので注意が必要です。

・水漏れをする

・洗い残しが多い

・食器類が乾燥しない

・異音がする

・エラー表示がでた

上記の症状を繰り返すようなら、修理や買い替えを検討してください。使用期間が10年を超えている場合は経年劣化で不具合が発生しやすいので、買い替えたほうがよいでしょう。

鑑定士コメント

食洗機は何年使えば元が取れるのでしょうか？
10万円の食洗機を購入した場合、元を取るのにかかるのは5年5ヶ月とされています。ただし、これは手洗いのときにお湯を利用して、ガス代がかかる前提での計算です。さらに利用する食洗機の機種の値段や使用するモードによっても大きな差がでます。元をとれるかどうかではなく、その他のメリットを含めたうえで食洗機の後付けを検討してください。