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更新日:2024.11.22
登録日:2024.11.22
文化住宅の魅力とは?古き良き時代を体感できる理由を紹介
関西における文化住宅(ぶんかじゅうたく)とは、高度成長期に建築された集合住宅のことを指します。「良いところはどこ?」「実際に住んでみたい」など、興味を持っている方は多いのではないでしょうか。
一方で地域によって文化住宅の意味は異なるため、違いをハッキリさせておく必要があります。関西と関東の文化住宅について、それぞれの歴史を確認しておきましょう。
本記事では、文化住宅の基礎知識や歴史を、関西と関東に分けてわかりやすく解説します。文化住宅の構造や良いところ、住むときの注意点とあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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文化住宅とは
文化住宅とは
文化住宅の意味と歴史について、関西と関東にわけて解説します。
・関西の文化住宅の歴史
・関東の文化住宅の歴史
それぞれの違いについて、くわしくチェックしておきましょう。
関西の文化住宅の歴史
関西の文化住宅とは、高度成長期に建築された2階建ての集合住宅のことです。主に近畿地方に建てられていて、とくに大阪に多い傾向があります。
戦後の高度成長期に労働者が増加した際、住宅不足を解消するために建てられたのが始まりです。それ以前の集合住宅では、風呂はなく台所・トイレは共用が一般的でした。
各戸ごとに台所とトイレを設けた集合住宅が当時は文化的であったことから、文化住宅という名前がついたとされています。現在は大阪の郊外などに残っていて、実際に住むことも可能です。
関東の文化住宅の歴史
関東の文化住宅は、大正から昭和にかけて流行した和洋折衷の住宅のことを指します。1922年(大正11年)に開催された「平和記念東京博覧会」の住宅展示「文化村」が、名称の由来です。
文化村で展示された洋風建築は高い注目を集めました。文明開化による西欧化もあり、住宅にも洋風文化を取り入れる動きは活発になっていきます。
昭和に入ると庶民に広まり、和風建築に洋風の応接間を設けた住宅を文化住宅と呼ぶようになりました。戦前に建てられたということで、現在では有形文化財として保存されている文化住宅もあります。
鑑定士コメント
本文にも説明あるとおり「文化住宅」という名称は関東でも使っていましたがあまり一般的ではなく、関西で多く見られた「文化住宅」とは違うものでした。高度成長期に建てられた2階建ての集合住宅を「文化住宅」と呼ぶのは関西だけです。現在でも残っていますが、とくに大阪に多い傾向があります。高度経済成長が進む大阪の開発や大阪万博の工事で働く人のために、多くの文化住宅が建築されたためです。現在では大阪中心部の文化住宅は改築されてあまり残っていませんが、郊外にいけば見かけることができます。
文化住宅の構造
文化住宅の構造
多くの文化住宅には、2階建てで瓦屋根、木造モルタルといった特徴があります。2部屋に、キッチンとトイレがついた2Kの間取りが一般的です。
部屋は和室でトイレが和式、風呂なしの部屋が多い傾向があります。当時は給湯設備が高価だったことと、銭湯が多かったことが文化住宅に風呂がない主な理由です。
2部屋はそれぞれ4畳半と6畳ほどの広さがあります。ワンルームマンションと比較すると広く、比較的ゆったりと暮らせるでしょう。
鑑定士コメント
長屋とは、一つの建物の中に複数の住戸が作られている集合住宅のことです。そのため関西でよく見られる「文化住宅」は長屋の一種といえます。それまでの長屋がトイレや台所を共用スペースに設置していたのに対して、文化住宅はそれらの設備を各住戸にそれぞれ設置していることが主な違いです。
文化住宅の良いところ
文化住宅の良いところ
関西の文化住宅についてメリットをまとめました。
・家賃が安い
・人情を味わえる
・リフォームの許可を取りやすい
住むことを検討している方は、ぜひチェックしてください。
家賃が安い
広さが同じマンションやアパートと比較すると、文化住宅は家賃が安い傾向があります。主な理由は以下の通りです。
・築年数が経過している
・風呂がない
・キッチンが狭い
駅や商業施設が近い便利な立地でも、驚くほど安く借りられるケースもあるでしょう。エレベーターのような共有設備がないため、共益費が安くなるのも魅力です。
人情を味わえる
文化住宅だと、大家さんや周辺に住んでいる住人と接する機会が多くなります。昔ながらの下町の気風が残っているため、連帯感や人情を味わえるでしょう。
大家さんが近所に住んでいるケースが多く、家賃を個別に集金していることも少なくありません。トラブルが発生したとき、すぐに相談できるので、安心感があります。
リフォームの許可を取りやすい
文化住宅の場合、ほかの賃貸物件と比較してリフォームやリノベーションの許可が取りやすい傾向があります。大家さんが個人で所有しているため、不動産会社などの仲介業者を通さずにすむためです。
ちょっとしたリフォームやリノベーションをしたいときも直接相談できるので、スムーズに許可を求められるでしょう。古い文化住宅でもリフォームすることで、住みやすい部屋に変えられます。
文化住宅に住むときの注意点
文化住宅に住むときの注意点
文化住宅は築年数が古いため老朽化が進んでいるので、住みやすくリフォームされているかチェックしておきましょう。また以下のようなポイントも、あわせて確認してください。
・無理なく通える距離に公衆浴場があるか
・トイレは和式か洋式か
・先住者の残留物があれば使用できるかどうか
・雨漏りなど修理が必要な箇所はないか
・自動車を所有している場合は近場に借りられる駐車場があるか
・扉や窓はスムーズに開け閉めできるかどうか
文化住宅では、ガスレンジや湯沸かし器、電灯など前の住人の残留物が多い傾向があります。そのまま利用しても構いませんが、使えないようなら大家さんに処分を依頼してください。
まとめ:文化住宅なら大阪下町の人情を味わえる
まとめ:文化住宅なら大阪下町の人情を味わえる
関西の文化住宅とは、高度成長期に建築された2階建ての集合住宅のことです。一方で関東の文化住宅は、大正時代から昭和の時代に流行した和洋折衷の住宅を指します。
関西の文化住宅は大阪の郊外などに残っていて、現在でも住むことが可能です。家賃が安い、リフォームの許可が取りやすいなど、さまざまなメリットがあります。
ただし、築年数が古く、お風呂がなかったり修理が必要だったりすることがあるため確認が必要です。下町の人情が味わえる文化住宅に住みたいなら、あらかじめ注意点をチェックしておきましょう。
#文化住宅 #物件
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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