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更新日:2023.02.24
登録日:2023.02.18

マンションの専有部分とは?共用部分との違いをわかりやすく解説!

マンションの専有部分とは?共用部分との違いをわかりやすく解説!

マンションに入居する際に「専有部分という単語を目にしたけれど、意味はよく理解していない」という方は多いのではないでしょうか。
この記事を読むことで専有部分と共用部分の違いを理解でき、マンションのトラブルに巻き込まれるのを防げます。

記事の内容は以下の通りです。

・専有部分と共用部分の区別
・直床と二重床の違い
・専有部分の面積表示の違い
・専有部分と共用部分だけじゃない、専用使用部分とは?

鑑定士によるQ&Aも入れているため、ぜひ参考にしてください。

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専有部分とは

専有部分とは

専有部分とは

専有部分とはそのマンションの住民個人が所有し使用する部分のことです。

 

専有部分は住戸が所有する部屋やバルコニーなど、個人的に使用するスペースを指します。

分譲マンションの場合、専有部分に限っては住民が個人で自由に改修できます。

 

区分所有法第二条第三項では専有部分は以下のように表現されています。

 

この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。(※)

 

※参照:区分所有法

専有部分に含まれるもの

マンションの専有部分には、基本的に住戸が所有し使用する部分が含まれます。

 

具体的には、

 

・住戸の部屋 (リビングルーム、ベッドルーム、キッチンなど)

・地下室 (一部のマンションでは地下室も専有部分に含まれます)

※一部のマンションでは駐車スペースも専有部分に含まれるケースもあります

 

などが含まれます。

 

ただし、各マンションによって専有部分の定義は異なるので、具体的な内容は管理組合や開発会社によって異なります。

 

契約マンションの管理規約をご自身でしっかり確認してください。

 

鑑定士コメント

区分所有法の第6条第1項で「建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」と定めてあり、これに抵触しなければ、専有部分については区分所有者がどのような用途にも使用することができるのが原則です。しかし、マンションという近隣が緊密に居住する特殊な住環境においては、専有部
分の使用やリフォーム等におけるトラブルも多く発生しているのが現状です。専有部分であろうと、「管理規約」により様々な制限が規定されているのが実情であり、購入前に管理規約の確認が必ず必要なのはこのためです。

専有部分に含まれないもの

マンションの専有部分には含まれない部分があります。

専有部分以外のものは共用部分と呼ばれ全ての住戸が共有するスペースが含まれます

 

区分所有法第二条第四項でも共用部分は以下のように表現されています。

 

この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。(※)

 

※ 参照:国土交通省

 

具体的には、

 

・共用エントランス

・階段

・ロビー

・共用トイレ

・駐車場

 (一部のマンションでは駐車スペースが専有部分に含まれますが、それ以外は共用部分)

・共用庭園

・共用プール

・ゴミ置き場

・共用スペース (スチールルーム、洗濯場など)

 

などが含まれます。

専有部分と同じでマンションによって定義が異なるため、管理組合・管理会社に問い合わせるなどして自身で確認する必要があります。

 

専有部分の面積表示方法

専有部分の面積表示方法

専有部分の面積表示方法

マンションの専有部分の面積表示方法は2つあります

一つ目が壁芯面積、二つ目が登記簿面積です。

 

面積の表示方法によって「実際に使用できる面積」が異なってくるため、違いを理解していきましょう。

壁芯面積

壁芯面積は「壁の厚みの半分を含む部分」の面積を指します

建物や土地の面積を含む壁芯面積は、販売や賃貸などの契約の際に使用されます。

 

壁芯面積は壁の厚みを含むため、使用可能な面積よりも大きくなることがあります。

例えば、壁芯面積が50平方メートルの場合、実際に使用できる面積は50平方メートル以下です。

 

壁芯面積は購入やレンタルの際には特に注意しなければならない情報です。

 

壁芯面積は実際に使用できる面積を示していないため、実際に使用可能な面積を知るためには登記簿面積などを確認する必要があります。

 

壁芯面積については、以下の記事で解説しています。ぜひ一緒にご覧下さい。

 

壁芯面積と登記簿面積(内法面積)の違いとは?計算方法もわかりやすく解説

登記簿面積

登記簿面積はその住宅物件が登記されている面積を指します。

 

壁内のすき間を除いて計測するのが一般的で、これに対して建物面積は外壁から外壁までの面積が対象です。

 

登記簿面積は壁の厚みを差し引いた面積を表し、通常は専有部分の面積として計算されます。

そのため登記簿面積の示す面積が、実際に使用するために利用可能な面積です。

 

利用可能な面積は床面積ともよばれ、建築基準法において以下のように定義されています。

 

「建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」

 

※参照:建築基準法施行令

 

例えば、登記簿面積が50平方メートルの場合、その部屋は実際に50平方メートル使用できます。一方、建物面積は壁厚を含んでいるため、実際に使用できるスペースは建物面積よりも小さいです。

 

専有部分を断面で見た場合

専有部分を断面で見た場合

専有部分を断面で見た場合

マンションの構造体として、各階の床と天井にはコンクリート製のスラブがあります。

 

床のコンクリートスラブの上表面から天井のコンクリートスラブの下表面までが、各居住者の専有部分です。

 

※スラブ…鉄筋コンクリート造(RC造)の床や屋根のこと

 

最近では「二重床」や「二重天井」などを採用して施工されているマンションが多く、その奥にある見えないスラブ表面までが専有部分となります。

 

リフォームなどの権利にも影響するため、把握しておいてください。

 

マンションの二重床については、以下の記事で解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

 

マンションの二重床はどんな構造?リフォームに向いている理由を解説

専有部分に該当するもの

専有部分に該当するもの

専有部分に該当するもの

専有部分に住戸の部屋 (リビングルーム、ベッドルーム、キッチンなど)が含まれるのは一般的な常識です。

 

専有部分に該当する箇所は細々とあります

以下の場所を、マンションの専有部分に含まれるこまかい例として紹介します。

 

・居住スペースの内装

・共用範囲以外にある設備は専有部分

・メーター以降の配管

・メーター以降の配線

・共用管までの排水管

・共用ダクトまでのダクト

・住宅用火災警報器

・居住スペースにある消化器

・居住部分の壁や床、天井などの内側部分

・玄関扉の錠

・玄関扉内部の塗装部分

 

専有部分と共用部分を区別するには

専有部分と共用部分を区別するには

専有部分と共用部分を区別するには

マンションの専有部分と共用部分を区別する方法には以下のようなものがあります

 

・契約書や土地所有権証明書を確認する

 →契約書や土地所有権証明書には、どの部分が専有部分で共用部分か明記されています。

 

・管理組合に問い合わせる

→管理組合にはマンションの詳細な情報が記録されています。

 

・建物の設計図を確認する

→ 建物の設計図には、専有部分と共用部分が明確に記載されています。

 

・実際に確認する

→ 実際にマンションを見学することで、専有部分と共用部分を直接確認できます。

 

マンションの住民もしくは管理組合・管理会社とのトラブルを回避するためにも、専有部分と共用部分の区別はしっかり理解しておきましょう。

 

マンションの共用部分については、以下の記事で紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

マンションの共用部分とは?トラブル防止のために理解しておくべきこと

専用使用部分とは

専用使用部分とは

専用使用部分とは

専用使用部分とは、共用部分の一部を特定の住戸が専用に使用することが許可された部分のことです。

例えば、マンションの駐車場は共用部分ですが、個々の住戸が所有している駐車スペースは専用使用部分となります。

 

駐車スペース以外の専用使用部分の例としては以下の通りです。

 

・バルコニー

→マンションの一部には住戸専用のバルコニーが設置されており、専用使用部分となります。

 

・玄関ドア

→玄関ドアに関する事項は、建物の規約や契約書などに記載されていることが多いので、確認することが必要です。

 

・屋上テラス

→ 屋上にあるテラススペースは共用部分ですが、特定の住戸がそれを専用に使用する権利を有している場合、それは専用使用部分となります。

 

リフォームなどの際、専有使用部分をめぐってトラブルになりがちなので、管理組合・管理会社にしっかり確認してください。

 

鑑定士コメント

共用部分は法定共用部分と規約共用部分に分かれます。法定共用部分は、廊下や階段室など構造からみて専有部分とはならない建物の部分です。規約共用部分とは、集会室や管理人室など、一般の住戸のように独立し、本来なら専有部分となり得る建物の部分を規約によって共用部分としたものです。
法定共用部分は、規約で定めても、専有部分とすることはできません。規約共用部分であれば、全区分所有者の同意により、後に専有部分とすることも可能ですが、ケースとしては稀でしょう。

専有部分と共用部分の区別が難しいケース

専有部分と共用部分の区別が難しいケース

専有部分と共用部分の区別が難しいケース

専有部分と共用部分の区別に関して以下のリフォームをする場合は注意が必要です

 

・玄関ドアの色を変える

・窓ガラスを交換する

・部屋のレイアウトを変更する

 

それぞれの注意点を詳しく解説します。

管理組合・管理会社とのトラブルを避けるためにもしっかり頭に入れておいてください、

玄関ドアの色を変える

玄関扉のリフォームの際、扉自体を交換したり、共用廊下側の面を塗り替えたりはできません

玄関ドア1枚の中で専有部分と共用部分に分かれており、内側が専有部分で外側が共用部分となります。

 

玄関ドアは各住戸の専用使用部分となります。

住戸が自分の住まいにアクセスするのに使用するため、各住戸ごとに専用可能とされています。

 

ただし、マンションやアパートによっては共用部分の玄関ドアを使用している場合もあるので確認してください。

 

また、玄関ドアは鍵をかけることでプライバシーを保護するためにも重要であり、玄関ドアに関する事項は、建物の規約や契約書などに記載されていることが多いです。

窓ガラスを交換する

窓ガラスは実は「共用部分」にあたります

レイアウトや機能面での理由で勝手に窓ガラスを変えることは不可能です。

窓ガラスをリフォームする場合は管理組合・管理会社に相談しましょう。

 

古いマンションの場合、防災機能や断熱機能を有した窓ガラスが使用されていないこともあります。

 

管理組合や管理会社に提案することで、マンション全体のリフォームがおこなわれるかもしれないため、試しに相談してみましょう。

部屋のレイアウトを変更する

分譲マンションの場合間取りを変更するのは可能です。

 

例えば、「リビングとダイニングの間の壁を撤去してリビングダイニングにする」といったリフォームはできます。

住居内の壁は専用使用部分に該当するからです。

 

ただし、住居の壁などは共用部分のため、削ったり取り除いたりすることはできません。

まとめ:専有部分をしっかり理解してマンショントラブルを未然に防ぐ

まとめ:専有部分をしっかり理解してマンショントラブルを未然に防ぐ

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マンションの専有部分とは何か詳しく解説してきました。

内容をまとめると以下の通りです

 

・二重床のマンションがおすすめ

・専有部分と共用部分の区別に注意する

・リフォームする際は専有使用部分に気を付ける

・専有部分は住戸において個人的に使用するスペースを指す

・専有部分の面積表示には「壁芯面積」と「登記簿面積」がある

 

専有部分と共用部分の違いをしっかり頭に入れておくことで、管理組合・管理会社や住民間のトラブルに巻き込まれるリスクを最小限にできます。

 

参考文献・サイト

選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 基礎編

選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 実践編

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

マンションの「ベランダ・バルコニー」は次のうちどれに含まれますか?

答えは 4

解説

ベランダ・バルコニーは共用部分です。

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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