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更新日:2023.08.28
登録日:2023.02.24

マンション売却に手数料はどれくらいかかる?費用をおさえるコツも解説

マンション売却に手数料はどれくらいかかる?費用をおさえるコツも解説

「マンションの売却でどれくらい手数料がかかるか」を知りたい方も多いのではないでしょうか。

マンションの売却では、仲介手数料・譲渡所得税・引越し費用など、さまざまな費用が発生します。合計で100万円以上になることも珍しくありません。

本記事では、マンション売却にかかる手数料や税金の負担を軽減する特例について解説します。事前に費用を把握することで、マンション売却益の見積もりができるでしょう。

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マンション売却にかかる手数料とは

マンション売却にかかる手数料とは

マンション売却にかかる手数料とは

マンションを売却するまでに、契約書の作成・固定資産税の申告・証明書の発行などの手続きが必要です。

 

これらの手続きは、専門知識のある不動産業者に依頼するため、仲介手数料が発生します。手数料の中では、仲介手数料が大きな割合を占めており、マンションの売却価格の3〜5%(※)かかります

 

印紙税や登録免許税のような税金も、手数料の一部です。その他に、新居への引越し費用やハウスクリーニングの費用など、さまざまな手数料を支払う必要があります。

 

※参照:国土交通省

 

マンション売却に必要な税金

マンション売却に必要な税金

マンション売却に必要な税金

ここでは、マンションの売却で支払う税金について解説します。

 

・印紙税

・登録免許税

・譲渡所得税

 

支払う税金額は、マンションの売却価格や所有期間によって異なります。マンションを売却するにあたって、事前に税金額を確認しておきましょう。

印紙税

印紙税とは「契約書に必要な税金」のことで、印鑑で署名する際に必要になります。課税文書に収入印紙を貼り付け、消印をすることで納税します。

 

印紙代は、契約金額によって変動するため、以下の表を参照してください(※)。

 

契約金額

税額

軽減税率を適用した税額(2024年3月31日まで)

10万円以下

200円

200円

10万円超え〜50万円以下

400円

50万円超え〜100万円以下

1,000円

500円

100万円超え〜500万円以下

2,000円

1,000円

500万円超え〜1,000万円以下

1万円

5,000円

1,000万円超え〜5,000万円以下

2万円

1万円

5,000万円超え〜1億円以下

6万円

3万円

1億円超え〜5億円以下

10万円

6万円

5億円超え〜10億円以下

20万円

16万円

10億円超え〜50億円以下

40万円

32万円

50億円超え

60万円

48万円

 

※参照:国税庁

 

登録免許税

一般的には、抵当権を抹消した後にマンションの売却を行います。抵当権を抹消する手続きでは、登録免許税の支払いが必要です。

 

抵当権抹消の登録免許税の金額は、不動産1個につき1,000円です。マンションの売却では、土地と建物の2個分で2,000円の登録免許税がかかります(※)。

 

そもそも抵当権とは、「不動産に付与される債権のこと」です。

 

住宅ローンを利用した際に、購入したマンションに抵当権が設定され、住宅ローンの支払いが滞った場合に備えて不動産を担保にします。支払いが滞るとローンの融資元がマンションを売却し、売却益をローンの返済に充てます。

 

※参照:法務省

譲渡所得税

譲渡所得税

譲渡所得税

マンションの売却で得た利益は、「譲渡所得」とみなされ、税金の支払い義務が生じます。譲渡所得税は「マンションの売却益に対して課せられる税金のこと」です。譲渡所得税は、以下の計算式(※)で算出しましょう。

 

譲渡所得=収入価格ー(取得費+譲渡費用)

 

取得費:マンションの購入代金や手数料など取得に要した費用

譲渡費用:マンションの売却時に発生した費用

 

譲渡所得の税率は、売却時点でのマンションの所有期間によって異なります。譲渡した年の1月1日から数えて、所有期間が5年以下であれば短期譲渡、5年以上であれば長期譲渡の税率(※)が適用されます。

 

区分

所得税

復興特別所得税(所得税額×2.1%の計算式で算出)

住民税

短期譲渡

15%

0.63%

9%

長期譲渡

30%

0.315

5%

 

※参照:国税庁

マンション売却に必要なその他の費用

マンション売却に必要なその他の費用

マンション売却に必要なその他の費用

税金とは別に、以下の費用を支払います。

 

・仲介手数料

・証明書の発行手数料

・登記関連の手数料

・引っ越し費用

・ハウスクリーニング費用

・ローンの返済手数料

 

それぞれの費用について詳しく解説するので、見積もりに役立ててください。

仲介手数料

仲介手数料とは、「買主と売主の仲介となる不動産業者へ支払う成功報酬のこと」を指します。マンション売却の手続きには、専門知識のある不動産業者のサポートは必要不可欠です。

 

仲介手数料の金額は、宅建業法(宅地建物取引業法)によって上限額が定められています(※)。

 

※参照:国土交通省

 

マンションの売買価格

仲介手数料の上限

200万円以下

売買価格の5%+消費税

200万円超え〜400万円以下

売買価格の4%+消費税

400万円超え

売買価格の3%+消費税

 

以上の通り、仲介手数料は高額になる可能性が高いです。

 

不動産の仲介手数料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。

不動産の仲介手数料とは?売買・賃貸の相場や値切り交渉を解説

証明書の発行手数料

マンションの売却には、「土地や建物の所有権」や「売買状況」に関する証明が必要です。証明書の発行には、手数料がかかります。

 

※横にスクロールできます。

証明書の種類

概要

発行手数料(目安)

発行できる場所

印鑑登録証明書

実印であることを証明する書類

個人:300円(※1)

法人:390円〜450円(※2)

個人:市町村の役所
法人:法務局

固定資産評価証明書

不動産の評価額や価値を証明する書類

300円(※3)

市町村の役所

住民票

不動産の所在地や所有権などを証明する書類

300円(※1)

市町村や自治体によって手数料は異なります。

 

印鑑登録証明書は、仲介業者が「3ヶ月以内に発行されたもの」など発行期間を指定する場合があるので、発行前に確認しましょう。

 

登記住所と現住所が同一であれば、住民票の発行は不要です。先に新居に引っ越しており、住民票を移している場合は、現住所と登記住所が異なるため住民票が必要になります。

 

※1参照:証明書等手数料一覧 中央区ホームページ

※2参照:法務省

※3参照:東京主税局

登記関連の手数料

登記関連の手数料

登記関連の手数料

登記とは、「不動産の所有権や債権などの権利関係の情報を公表すること」を指し、マンションの売却において必要な手続きです。マンションの売却では、「抵当権抹消登記」「所有権移転登記」の2つの登記手続きがあります。

 

抵当権抹消登記とは、「マンションに設定された抵当権を取り除く登記のこと」を指します。ローンを完済しても自動的に抵当権が外れるわけでないため、手続きが必要です。

 

所有権移転登記とは、「マンションの所有権が移ったことを示す登記のこと」を指します。

 

登記手続きは、申請書類の作成や必要書類の確保が複雑であるため、司法書士に依頼するのが一般的です。依頼料として、抵当権抹消登記の費用は1万円〜2万円(※1)、所有権移転登記の費用は数万円〜5万円(※2)がかかります。

 

※参照1:抵当権抹消にかかる費用ってどれくらい?相場は?

※参照2:所有権移転登記とは?かかる費用と必要書類、手続き方法について解説

引っ越し費用

居住用のマンションを​​​​売却した後、新居に荷物や家財を移すためには引越し費用がかかります。新居が決定する前にマンションを売却した場合には、仮住まいへの引越し費用と合わせて、合計2回分の引越し費用が必要です。

 

移動距離・荷物の量・作業時間にもよりますが、引越し費用は一人暮らしで5万円前後、家族の引越しでは10万を超える(※)ケースもあります。

 

特に高層階からの引越しは、エレベーターの待ち時間によって荷物の運び出しに時間がかかり、引越し費用が高額になります。

 

費用を安く抑えるなら、繁忙期である3〜4月や9月の時期は避けましょう

 

※参照:引越し見積もり価格はだいたいいくら?平均金額や業者の選び方、引っ越し費用を安くする方法

ハウスクリーニング費用

マンションをできるだけ高く買い取ってもらうためには、家の見た目が重要です。少しでも汚れがあれば、値引き交渉の材料になってしまいます。

 

特にキッチン・浴室・トイレなどの水回りは、自分で綺麗にすることは難しいです。ハウスクリーニングを利用して、頑固な汚れの除去や簡単な修繕をお任せしましょう。

 

水回りが綺麗であれば、内覧希望者が増加し、購入の決め手にもなります。

 

ハウスクリーニングの費用は、清掃業者や依頼範囲にもよりますが、水回りだけでも3万〜5万円はかかります。広い部屋の掃除では、10万円以上かかる(※)こともあるでしょう。

 

ただし、ハウスクリーニングをしても売却価格が上がるとは限りません。「どれだけ費用をかけるべきか」を慎重に検討してください。

 

※参照:ハウスクリーニングサービス Sエリア | 料金表 | お掃除サービスのダスキン

 

ローンの返済手数料

ローンの返済手数料

ローンの返済手数料

マンションの売却前にローンを完済する必要があるため、ローンが残っていれば一括返済を行います。ローンを一括返済すると、手数料や利息を支払うことがあります。

 

ローンの返済手数料の目安は1万〜3万円(※)です。金融機関や申し込み方法によって手数料は異なるため、利用している金融機関のホームページを確認しましょう。

 

※参照:不動産売却に必要な費用一覧!手数料の相場や税金の計算方法を解説!

鑑定士コメント

不動産売却時には、仲介手数料以外にも様々な費用が不随し発生します。この中で節約できる手数料としては、司法書士への依頼料・引越し費用・ハウスクリーニング費用などが挙げられます。司法書士事務所や担当する司法書士によって料金が異なるので、複数の司法書士に見積もりを請求し、比較検討しましょう。引越しやクリーニングは、オフシーズンに依頼したり、清掃や運び出しの一部を自分で行ったりすることで費用を抑えられます。

マンション売却で税負担を軽減できる特例

マンション売却で税負担を軽減できる特例

マンション売却で税負担を軽減できる特例

マンションの売却時に支払う税金の中でも、特に譲渡所得税の負担が大きいです。そこで、譲渡所得税の負担を軽減できる3つの特例を紹介します。

 

・マイホーム特例

・マイホーム買い替え時の特例

・譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

 

特例には適用条件があり、複数の特例を併用して受けることはできません。3つの特例のうち、「自分はどの特例を利用できるか」を把握しておきましょう。

マイホーム特例

マイホームの売却時に最高3,000万円までの控除を受けられる(※)のが、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。

 

マンションの所有期間の長さに関係なく、譲渡所得から最高3,000万円を差し引いた状態で課税額が決定します。高い売却益が出ても税金の負担を大幅に抑えられる特例です。

 

ただし、特別控除を受けるためには、以下の要件(※)を満たす必要があります。(適用条件を一部抜粋)

 

・現在、自分が住んでいること

・転居日から3年後の年の12月31日までに売却すること

・売主と買主が親族や内縁関係などの特別な関係ではないこと

 

一時的な目的で入居したマンションや、別荘などの趣味や娯楽の目的で所有するマンションは、特例の対象外となるので適用条件をよく確認しましょう。

 

※参照:国税庁

マイホーム買い替え時の特例

自宅のマンションを売却して得た資金で、新しく自宅を購入する際に利用できるのが「特定の居住用財産の買換えの特例」です。マンションの売却によって発生した譲渡所得税の支払いを延期できます

 

ただし、支払いが延期するだけで、非課税になるわけではありません。買い替えたマイホームを売却した時に発生する譲渡所得税に、支払いを延期した譲渡所得税が加算されます。

 

課税のタイミングを先送りにする特例であるため、長期的に考えると節税にならない可能性があります。買い換えたマイホームを今後売る予定がないのであれば、この特例を利用してもいいでしょう。

 

以下(※)に該当するマンションであれば、特例を受けられる可能性があります。(適用条件を一部抜粋)

 

・所有期間が10年を超えるもの

・売却価格が1億円以下であること

・買い換えるマンションの床面積が50㎡以上、かつ買い換える土地の面積が500㎡以下であること

 

※参照:国税庁

譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

マンションの売却額が購入額を下回り、譲渡所得がマイナスになった場合に利用できるのが「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。

 

給与所得や事業所得など他の所得から、譲渡損失となった金額を控除できます。翌年以後から3年以内なら、控除しきれなかった場合でも繰り越して控除することが可能です。

 

想定よりもマンションが低い価格で売れた場合でも、この特例を利用すれば、税金を賢く抑えられます。

 

※参照:国税庁

鑑定士コメント

ローンの残債がある、つまり抵当権が設定されたマンションを売却する場合、売却価格とローン残債のどちらが多いかでフローが変わります。売却価格がローン残債より多い場合、売却・引き渡しと一括返済を同時に行います。残債は売却代金により一括返済され、抵当権が外れます。売却価格がローン残債より少ない場合は、①自己資金を加えて完済し抵当権を外す②住み替えローンの利用③任意売却の方法等により、マンションの売却が可能です。ただし、任意売却をするためには金融機関から特別な合意を得る必要があり、残債は任意売却を行ったその後も残り、返済計画をたてて返済していかなければいけません。

まとめ:手数料をできるかぎり抑えて賢くマンションを売却しよう

まとめ:手数料をできるかぎり抑えて賢くマンションを売却しよう

まとめ:手数料をできるかぎり抑えて賢くマンションを売却しよう

マンションの売却では、多くの手数料が発生しますが、司法書士への依頼料・引越し費用・クリーニング費用は安く抑えられます。複数社に見積もりを請求して、依頼内容や費用を比較検討しましょう。

 

また、マンションの売却時に適用される特例を3つ紹介しました。特例を利用して譲渡所得税の負担を軽減してください

 

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

あなたはマンションを売却する際に、販売活動を行う不動産仲介会社に委託する予定です。媒介契約のうち、存在しないものは次のうちどれですか?

答えは 4

特別媒介契約という契約はありません。

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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