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2023.01.25

専属専任媒介契約とは?一般・専任との違いも紹介

専属専任媒介契約とは?一般・専任との違いも紹介

「専属専任媒介契約って何?」
「媒介契約はいくつかあるみたいだけど、それぞれの違いを知りたい!」
と考えていませんか?

不動産の仲介を依頼するときに結ぶ媒介契約、いくつかの種類があり中でも専属専任媒介契約をおすすめされた方もいるのではないでしょうか。

媒介契約は不動産売買に影響する大切な契約なので、しっかりと意味や特徴を理解して選択したいところです。

そこでこの記事では、専属媒介契約のメリット・デメリットや向いている人、他の媒介契約の違いについて徹底的に解説します。媒介契約について丁寧に解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

専属専任媒介契約とは

専属専任媒介契約とは

専属専任媒介契約とは

そもそも専属専任媒介契約とは何か、気になる方も多いと思います。専属専任媒介契約とは、不動産の売買で結ぶ媒介契約の中の1つです

 

不動産の売却時や購入時には、不動産会社と契約して売買を仲介してもらうのが一般的でしょう。不動産会社に仲介を依頼する契約が媒介契約です。

 

媒介契約には以下の3種類があり、専属専任媒介契約はその中のひとつです。

 

  ・専属専任媒介契約

  ・専任媒介契約

  ・一般媒介契約

 

それぞれの特徴があり、メリットデメリットが存在します。こちらでは、それぞれの媒介契約の違いについて、以下の2つの項目に分けて解説していきます。

 

  ・専属専任媒介契約と専任媒介契約の違い

  ・専属専任媒介契約と一般媒介契約の違い

 

詳しく紹介するので、媒介契約について疑問がある方は参考にしてみてください。

 

専属専任媒介契約と専任媒介契約の違い

専属専任媒介契約は、1つの不動産会社としか契約が結べないのが特徴です。また、レインズへの登録が5日以内と定められていて、1週間に1回以上は活動の報告義務があります。自分で買い主を見つけたとしても、仲介手数料を支払う必要があるので注意が必要です。

 

専任媒介契約は、専属専任媒介契約と同様に契約できる不動産会社は1つです。しかし、レインズへの登録は7日以内2週間に1回以上の活動報告が義務付けられていて、自分で買い主を探すことに制限はありません

 

専属専任媒介契約と専任媒介契約の主な違いは以下の通りです。

 

  ・レインズへの登録義務期間

  ・報告義務

  ・自己発見取引

 

契約期間はどちらも3ヶ月以内と決まっており、大まかな契約のタイプは似ています。

 

専任媒介契約についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

専任媒介契約とは?メリット・デメリットや向いている人を解説

専属専任媒介契約と一般媒介契約の違い

専属専任媒介契約と一般媒介契約は、より違いがはっきりしています。一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できるのが大きな特徴です

 

また、レインズへの登録義務はなく報告義務についても定められていません。契約期間についても法律上の制限はなく、自分で買い主を見つけたら自由に取引ができます。

 

専属専任媒介契約はさまざまな制限が設けられていますが、一般媒介契約は契約スタイルが自由なところが特徴。主な違いは以下の通りです。

 

  ・契約できる不動産会社

  ・レインズへの登録義務

  ・報告義務の有無

  ・契約期間の有無

  ・自己発見取引の可否

 

一般媒介契約のメリットや詳細については、以下の記事で解説しています。こちらも参考にしてみてください。

 

一般媒介契約とは?知っておきたい基礎知識を解説

専属専任媒介契約のメリット3つ

専属専任媒介契約のメリット3つ

専属専任媒介契約のメリット3つ

次は専属専任媒介契約のメリットを3つ解説します。

 

  ・不動産会社のモチベーションが高い

  ・連絡窓口を一本化できる

  ・不動産会社のサービスを多く受けられる

 

その他の媒介契約と比較ができるよう、しっかりと理解しておきましょう。

 

不動産会社のモチベーションが高い

専属専任媒介契約のメリットとして、不動産会社のモチベーションが高いことがあげられます。なぜなら、他の会社とは契約できないので取引の途中で別の会社へ依頼するなど、不動産会社の損失リスクが減らせるからです。

 

また、専属専任媒介契約の場合はどんな形でも不動産が売れたら、売主が不動産会社に必ず仲介料を支払います。契約さえできたら会社の売上に直結するため、モチベーション高く売却活動を行ってくれるのがメリットです。

 

連絡窓口を一本化できる

連絡窓口を一本化できるのもメリットの1つです。専属専任媒介契約なら、契約した不動産会社に連絡を任せていれば取引が行えます。

 

複数の不動産会社とコミュニケーションを取ったり、買い主と連絡を取り合ったりする必要がないため、売却活動の手間が省けるのが特徴です。

 

不動産会社のサービスを多く受けられる

不動産会社のサービスを多く受けられる

不動産会社のサービスを多く受けられる

専属専任媒介契約は不動産会社のサービスを多く受けられます。不動産会社は媒介契約によって行うサービスがそれぞれ定められていて、専属専任媒介契約は最も手厚いのが特徴です。

 

不動産の取引が成功したら必ず仲介手数料が入ってくるため、不動産会社もあらかじめ時間や労力を投資してくれます。手厚いサービスを受けたいという方には大きなメリットです。

 

専属専任媒介契約のデメリット3つ

専属専任媒介契約のデメリット3つ

専属専任媒介契約のデメリット3つ

専属専任媒介契約にはメリットだけでなくデメリットも存在します。

 

契約前に知っておきたいデメリットは以下の3つです。

 

  ・囲いこみをされる可能性がある

  ・不動産会社の選択失敗した時のリスクが大きい

  ・自分が買い主を見つけても仲介手数料が必要

 

それぞれ詳しく解説するので、媒介契約選びで悩んでいる方は参考にしてみてください。

 

囲いこみをされる可能性がある

専属専任媒介契約では囲いこみをされる可能性があるのが、デメリットの1つです。囲いこみとは、他の不動産会社が紹介した買い主に不動産を案内せず、自社で完結させようとする手口です。

 

というのも、不動産会社は不動産の売却時・購入時どちらの場合にも仲介手数料がもらえます。つまり、自社で売主・買い主どちらも見つけられると、利益を最大化できるという仕組みです。

 

専属専任媒介契約では、レインズへの登録が義務付けられているので、他の不動産会社から紹介された買い主が問い合わせてくるケースもあるでしょう。その時に商談中などと虚偽の情報を流し、自社で取引を完了させようとする悪質な不動産会社もいます

 

もちろん全ての不動産会社が悪質な訳ではありませんが、囲いこみされる可能性もあるので注意が必要です。

 

不動産会社の選択を失敗したときのリスクが大きい

不動産会社の選択に失敗したときのリスクが大きいのも、専属専任媒介契約のデメリットと言えるでしょう。1つの不動産会社としか契約ができないため、売却に積極的でない会社や対応が悪い会社を選択してしまうと、思うような結果が得られません。

 

前述の通り、会社によって囲いこみをする可能性もあるので、不動産会社選びが非常に重要といえます。

 

自分が買主を見つけても仲介手数料が必要

自分が買主を見つけても仲介手数料が必要

自分が買主を見つけても仲介手数料が必要

専属専任媒介契約では、自分が買い主を見つけても仲介手数料が必要です。専任媒介契約では、1社としか契約はできないものの、自分で売却したら手数料はかかりません。

 

しかし、専属専任媒介契約の場合はどのような形であっても仲介手数料がかかるので、あらかじめ注意が必要です。

 

仲介手数料については、こちらの記事でも紹介しています。

不動産の仲介手数料とは?売買・賃貸の相場や値切り交渉を解説

鑑定士コメント

まずは会社の信頼度を調べましょう。不動産会社のこれまでの実績や口コミ、専属専任媒介契約を結んだときのサポートなどを確認しましょう。口コミを調べていくと会社の姿勢や意識が判断できるので、失敗のリスクを減らせます。その上で、その会社の営業担当者が安心して任せられるか、の確認も大きなポイント。昨今ではインターネット上や電子化で処理できることも増えてきましたが、最終的には人と人の対面業務が重要な場面で必要になります。契約前に疑問点を聞いたり、フローの説明を受けたりなるべく多く会話をし、この営業担当者なら任せられる、という気持ちになることが大事です。

専属専任媒介契約が向いている人は?

専属専任媒介契約が向いている人は?

専属専任媒介契約が向いている人は?

こちらでは、2パターンの専属専任媒介契約が向いている人を紹介します。

 

  ・売買の手間をかけたくない人

  ・売却しにくい物件を売りたい人

 

それぞれ解説していきます。

 

売買の手間をかけたくない人

専属専任媒介契約が向いている人は、売買の手間をかけたくない人です。というのも、専属専任媒介契約では1つの不動産会社に仲介を依頼するため、連絡や取引の手間を省けます。

 

全て契約した仲介会社が対応してくれるため、売買の手間をかけたくない人専属専任媒介契約がおすすめです。

 

売却しにくい物件を売りたい人

売却しにくい物件を売りたい人も、専属専任媒介契約が向いているでしょう。というのも、専属専任媒介契約を結ぶと不動産の条件に問わず、積極的に売却活動をしてもらえるケースが多いです。

 

しかし、一般媒介契約など複数社に仲介を依頼する場合は、人気物件でないと不動産会社は積極的に動いてくれません。条件が難しいなど、売却しにくい物件を売る場合は、専属専任媒介契約がおすすめです。

 

専属専任媒介契約を結ぶときの注意点

専属専任媒介契約を結ぶときの注意点

専属専任媒介契約を結ぶときの注意点

専属専任媒介契約を結ぶときの主な注意点は以下の通りです。

 

  ・契約は3ヶ月以内

  ・契約の更新は書面で通達

  ・他の不動産会社で取引を成立させたら違約金が発生

  ・途中解約は可能だが契約金を請求されることも

 

専属専任媒介契約の契約期間は3ヶ月以内と定められています。契約を更新する場合には、売主が不動産会社に書面で通達する必要があり自動更新ではありません。

 

また、契約中に他の不動産会社で取引を行うと違約金が発生します。途中解約は可能ですが、不動産会社の悪質な行為など正当な理由でない場合には、契約金が請求されるので注意が必要です。

 

鑑定士コメント

専属専任媒介契約の場合は契約期間内に条件が合わず売れないこともあります。専属専任媒介契約であれば、不動産会社はその理由の説明をきちんとしなければなりません。説明を受け、その理由を納得し、信頼できる不動産会社・営業担当者と思えば契約更新を検討してみてもいいでしょう。もし理由の説明で誠意を感じないような場合は、契約を更新せず終了し、他社へ専属専任媒介契約を頼むことも1つです。また、一般媒介契約であれば契約する不動産会社を変えたりまたは増やしたり、いろいろ選択肢がありますので、トライしてみると良いでしょう。

まとめ:専属専任媒介契約を選ぶときは、不動産会社を慎重に選ぼう

まとめ:専属専任媒介契約を選ぶときは、不動産会社を慎重に選ぼう

まとめ:専属専任媒介契約を選ぶときは、不動産会社を慎重に選ぼう

専属専任媒介契約を結ぶのであれば、不動産会社を慎重に選ぶのがポイントです。1つの不動産会社に仲介を依頼して自己発見取引もできない、会社の力によって結果が変わります。

 

また、会社によっては誠実な売却を行ってくれないケースもあるので、口コミなどをよく確認しながら信頼できる不動産会社を探しましょう。

 

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

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あなたはマンションを売却する際に、販売活動を行う不動産仲介会社に委託する予定です。媒介契約のうち、存在しないものは次のうちどれですか?

答えは 4

特別媒介契約という契約はありません。

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