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更新日:2023.02.10
登録日:2022.12.20
一般媒介契約とは?知っておきたい基礎知識を解説
「一般媒介契約はどのような契約?」
「そもそも不動産会社と結ぶ媒介契約について詳しく知りたい」
「一般媒介契約の特徴やメリットデメリットを理解したい」
と考えていませんか?
不動産の販売をするときに、不動産会社と媒介契約を結びます。一般媒介契約は媒介契約の種類の1つです。
媒介契約には全部で3つの種類がありそれぞれに特徴があるため、理解して選ばないと不動産販売で損をする恐れもあるでしょう。
そこでこの記事では、媒介契約の中でも一般媒介契約に絞って特徴やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。詳しく理解したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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一般媒介契約とは
一般媒介契約とは
一般媒介契約とは、不動産を売却するときに不動産会社と結ぶ契約です。不動産を売却するとき、個人で買い手を見つけるのは難易度が高いため、不動産会社に仲介してもらうのが一般的でしょう。
そのときに結ぶ契約が媒介契約です。媒介契約には3つの種類があり、一般媒介契約は複数の不動産と契約できます。
こちらでは、一般媒介契約について以下の6つのポイントを解説していきます。
・明示型と非明示型の2種類がある
・複数の不動産会社と契約できる
・自分で買い手を見つけて直接取引できる
・レインズに売却活動を報告する義務はない
・契約期間の定めはないが、3ヶ月が多い
・いつでも解約できる
それぞれ詳しく紹介していきますので、一般媒介契約について深く理解したい人はぜひ参考にしてみてください。
明示型と非明示型の2種類がある
一般媒介契約には明示型と非明示型の2種類があり、売主は契約時にどちらかを選択できます。明示型と非明示型の違いは、不動産会社への情報の明示が義務付けられているか、そうでないかです。
明示型を選んだ場合は、他に仲介を依頼している不動産会社などの情報を伝える必要があります。対して非明示型では、不動産会社などの情報を伝える必要がありません。
一般的には、不動産会社同士の競争や信頼性を意識して、明示型の一般媒介契約を結ぶことが多いです。とはいえ、明示したくない情報などがある場合には非明示型を選びます。情報を開示しないと、不動産会社から信頼を受けていないと判断される可能性があるので注意が必要です。
複数の不動産会社と契約できる
一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できるのが特徴です。媒介契約には一般媒介契約の他に「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」があります。どちらの契約でも、契約できる不動産会社は1つと決まっています。
複数の不動産会社と契約できると、不動産同士の競争が起きやすく高値での売却が期待できるのが特徴です。また、自分に合った会社を利用できます。
専属専任媒介契約については、こちらの記事でも紹介しています。
自分で買主を見つけて直接取引できる
自分で買主を見つけて直接取引できる
自分で買い主を見つけて直接取引ができるのも特徴の1つです。一般媒介契約では、複数の不動産会社との契約を結びながら、知人や自分で見つけた買い主との直接取引もできます。
買主と直接の取引を行うのは「専任媒介契約」でも可能です。
レインズに売却活動を報告する義務はない
一般媒介契約では、レインズに売却活動を報告する義務はありません。レインズとは、不動産取引をより安全かつスピーディーに行うための、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているシステムです。
レインズを簡単にいうと、不動産会社だけが利用できる不動産の情報がまとめられたサイトのようなものです。レインズに不動産情報を登録すると、他の不動産会社で物件を探している買い主から購入されるケースがあります。
不動産会社同士をつなぐサービスで、不動産と買い主の情報がすぐに確認できるためスピーディーな取引が期待できます。
契約期間の定めはないが、3カ月が多い
契約期間に明確な定めはありませんが、国土交通省の定める標準媒介契約約款では3ヶ月が一般的とされているため、3ヶ月以内の契約が多いです。
いつでも解約できる
いつでも解約できる
一般媒介契約はいつでも解約できます。不動産会社に解約を申し出るだけで契約を終了させて、違約金の支払いも必要ないケースが多いです。
しかし、不動産会社によっては契約書に期間内の解約に違約金が発生するなど、記載してるものもあるので、契約時によく確認しておきましょう。
また、媒介契約のひとつである専任媒介契約については、以下の記事で解説していますので、こちらも読んでみてください。
一般媒介契約のメリット3つ
一般媒介契約のメリット3つ
こちらでは、一般媒介契約のメリットを3つ紹介します。
・好条件の相手を選んで売買できる
・物件の情報を伏せて販売できる
・囲い込みをされにくい
それぞれ紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
好条件の相手を選んで売買できる
複数の不動産会社と契約できるため、好条件の相手を選んで売買できるのがメリットです。
いくつかの不動産会社と契約をして条件を比較したときに、最も好条件なものを選べます。できるだけ高値での売却を希望する人におすすめです。
物件の情報を伏せて販売できる
物件の情報を伏せて販売できるのもメリットの1つといえます。一般媒介契約ではレインズへの登録が義務ではなく、不動産会社に情報を明示する必要もないため、物件について周囲に知られにくいです。
例えば、知人や親戚などに不動産を売ることを知られたくない、という人は情報を伏せて販売できます。
囲い込みをされにくい
囲い込みをされにくい
最後のメリットとして囲い込みをされにくい、という点もあげられます。不動産会社によっては、不動産情報を意図的に出さずに販売までの時間を長くする会社も存在します。
複数の不動産会社と契約すれば、仮に囲い込みのような行為をされたときに、他社を利用すれば問題ありません。不動産売買のリスクを減らせるのもポイントです。
一般媒介契約のデメリット3つ
一般媒介契約のデメリット3つ
ここまで読むと、不動産の売買は一般媒介契約にするべきと感じる人もいるかもしれません。しかし、メリットだけではなく知っておきたいデメリットも存在します。
・積極的に販売してもらえない可能性がある
・不動産会社のサービスを受けにくい
・販売活動に手間がかかる
上記のようなデメリットも存在するので、条件や目的に合わせた契約を選ぶのが重要です。それぞれ解説します。
積極的に販売してもらえない可能性がある
積極的に販売してもらえない可能性があるのがデメリットの1つです。一般媒介契約では、複数の不動産会社と契約できるため、最終的にどの会社を利用するかの判断は売主の自由です。
そのため、不動産会社からすると販売の保証がされていないものに、無駄な費用や労力をかけるのをためらうケースもあります。具体的には、人気エリアではない、築年数が長いなどの条件だと、積極的に販売してもらえない可能性が高くなります。
不動産会社のサービスを受けにくい
デメリットの中には、不動産会社のサービスを受けにくいというものもあります。
不動産会社の多くは、独自のサービスを用意しているケースが多いです。例えば、物件を綺麗にしてくれたり一定期間を超えると買い取ってくれたり、さまざまなサービスを提供しています。
しかし、サービスのほとんどは専任媒介契約、専属専任媒介契約のどちらかでなければ、受けられない会社が多いのが実情です。そのため、一般媒介契約では受けられないサービスが出てくることを覚えておきましょう。
販売活動に手間がかかる
販売活動に手間がかかる
販売活動に手間がかかるのもデメリットと言えるでしょう。というのも、レインズへの登録が義務付けられてないため、販売までにかかる時間が長くなりやすいです。
その間、複数社と物件情報や販売についてさまざまなやり取りを続けないといけないため、時間と労力がかかります。
できるだけ手間を減らしたい人には大きなデメリットです。
鑑定士コメント
媒介契約によって売れる早さは変わる可能性が高い、と言えます。一般的には情報を早く広く届けること、つまり売りの物件情報をレインズへ登録すると、それだけ他の仲介会社が買い希望客を連れてくるので、売れるまでの期間が早くなりやすいです。そのため、レインズへの登録が義務付けられている専任媒介契約や、専属専任媒介契約では、一般媒介契約よりも早く売れる可能性が上がります。
一般媒介契約が向いている人の特徴
一般媒介契約が向いている人の特徴
一般媒介契約にはいくつかの特徴があり、メリットデメリットが明確に存在します。そのため、どの契約を選べばいいか悩む人も多いでしょう。
こちらでは、一般媒介契約が向いている人の特徴を3つ紹介します。
・少しでも高値で売りたい人
・人気エリアの物件を売りたい人
・知り合いに知られずに売りたい人
上記の条件に該当する人は、一般媒介契約をおすすめします。
少しでも高値で売りたい人
少しでも高値で売りたいと考えている人は、一般媒介契約がおすすめです。複数の不動産会社と契約できるため、競争が起きやすくなります。
不動産会社がそれぞれ価格や条件の競争をしてくれるので、希望する販売条件で売却しやすいです。
少しでも高値で売りたいと考えているのであれば、複数の不動産会社と契約して価格を上げてもらえるよう交渉しましょう。
人気エリアの物件を売りたい人
人気エリアの物件を売りたい人も、一般媒介契約が向いています。なぜなら、人気エリアの物件や価格が上がりやすく多くの不動産会社が取り扱いたいからです。
複数の不動産会社に契約をしていたとしても、ほとんどの会社が自社で物件を販売したいと考え、積極的に販売してもらえる可能性が高いです。人気エリアの物件を売るときは、一般媒介契約を結ぶのをおすすめします。
知り合いに知られず売りたい人
知り合いに知られず売りたい人
一般媒介契約が向いている人の特徴は、知り合いに知られずに売りたい人です。
情報を伏せて販売ができるため、知り合いに知られるリスクが大幅に下がります。不動産の売買を知人や親戚に知られたくない人は、一般媒介契約が向いています。
一般媒介契約を避けたほうがよい場合
一般媒介契約を避けたほうがよい場合
一般媒介契約を避けたほうがよい場合もあるので注意が必要です。主に以下の2つの条件に当てはまる場合は、専任媒介契約や専属専任媒介契約が向いています。
・人気が出にくい物件を売る場合
・信頼できる不動産会社と慎重に取引をしたい場合
人気エリアから離れていたり築年数が長かったり、あまり好条件ではない物件を販売するときは、一般媒介契約を避けたほうがおすすめです。あまり人気がでない物件は、販売を後回しにされる確率が高く、なかなか売れないという状況が続く恐れがあります。
また、一般媒介契約は複数の不動産会社と広く浅い関係で取引を進めるケースが多いです。そのため、1つの業者と深く関わり、信頼関係を構築したい人には向いていません。
鑑定士コメント
希望の価格や物件によって変わりますが、信頼できる不動産会社を選ぶのが重要です。信頼できる不動産会社が見つかり、なるべく不動産会社に任せたい人は、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶと満足する結果になりやすいです。
一方、信頼できる不動産会社がまだ分からない人や、自らいくつもの不動産会社を比較したい人、かつそこそこ買い手が見つかりやすい人気エリアの物件である場合は、一般媒介契約を選ぶのも1つの方法です。
まとめ:一般媒介契約の特徴を見極めてベストな媒介契約を選ぼう
まとめ:一般媒介契約の特徴を見極めてベストな媒介契約を選ぼう
不動産会社と契約するときは、媒介契約の種類を見極めることが重要です。販売する物件や目的に合わせて媒介契約を選択できると、好条件で販売できます。
・少しでも高値で売りたい人
・人気エリアの物件を売りたい人
・知り合いに知られずに売りたい人
と考えている人は、一般媒介契約が向いています。本記事を参考に自分に合ったベストな媒介契約を選んでみてください。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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