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2023.08.22
地目とは?種類や変更方法をわかりやすく解説

登記簿などを確認していると、「地目」という言葉を目にします。地目とはなにか、詳しく知らない人は多いのではないでしょうか。
本記事では、地目とは何か、地目の種類やどのような地目に住宅を建てられるかについて解説します。地目の調べ方や変更方法についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
地目とは何か?

地目とは何か?
地目とは、不動産登記法によって定められた、その土地の用途を示す区分です。現況や利用状況から総合的、客観的に判断して登記官が決定します。地目には区分が23種類あり、それぞれの土地はいずれかの区分に属するのです。
登記上で一筆の土地に対しては、1つの地目が割り当てられます。例えば、一筆の土地に別の地目に分けられるような土地があった場合でも、割り当てられるのは1つの地目です。2つの地目や存在しない地目を記載して登記申請を行っても承認されません。
地目の種類

地目の種類
地目には、その現状や利用用途ごとに23の区分があります(※)。それぞれの区分や区分の定め方は、下記のとおりです。
土地は、かならず上記23区分のうち、1つの区分が割り当てられます。23種類の地目のうち、特に生活にかかわる地目は下記の5つでしょう。
・田
・畑
・宅地
・山林
・雑種地
※参照:不動産登記事務取扱手続準則
家を建てられる地目の種類

家を建てられる地目の種類
家を建てられるかどうかは、基本的に地目の利用状況などによって定められます。そのため、家を立てられない特定の地目などはありません。ただし、地目によっては家を建てるのに申請が必要な場合などがあり、さまざまな手続きが必要となる地目があるのも事実です。
そのため、家を建てるための土地を探す際は、家を建てるのに最適な地目を選ぶことも重要です。ここでは、家を建てるのに最適な地目である「宅地」について詳しく見ていきましょう。また、宅地以外にも比較的家を建てやすい「山林・原野・雑種地」についても、家を建てる際に注意したいことなどを解説します。
宅地
宅地は、その名の通り住宅用の土地と位置づけられているため、家を立てるのに最適な地目です。家を建てるために市街地などで土地を探すと、宅地という地目になっていることが多いでしょう。
市街地は、都市計画法において「市街化区域」に指定されており、市街化区域は土地の利用方法によって13種類の用途地域に分けられています。ほとんどの用途地域は宅地に区分されているため、市街地で土地を探すとスムーズに宅地を見つけられるでしょう。
山林・原野・雑種地
山林・原野・雑種地でも、宅地に転用することで家を建てることが可能です。これらの地目は立地的に家を建てやすい土地であり、地目を宅地に変更しやすいでしょう。ただし、事前にその土地の都市計画法について確認しておく必要があります。
特に山林や原野は都市計画法において「市街化調整区域」に指定されていることが多いです。市街化調整区域とは市街化を抑制する地域のことであり、基本的に建物を建てることが禁止されています。
市街化調整区域内であっても、許可を得れば家を建てることはできます。しかし、土地によってはさまざまな制約があり、家を建てることを一切禁止している場合もあるでしょう。そのため、土地を購入する前にかならず家を建てられるかを確認しておく必要があります。
地目の調べ方

地目の調べ方
土地の地目を調べるには、法務局が管理するその土地の登記情報を確認するのがもっとも確実です。登記情報とは、法務局が管理する不動産に関するさまざまな情報であり、土地の地目のほか、所有者や面積などを確認できます。
登記情報を確認するには、登記簿謄本や登記事項証明書の発行を法務局で申請するほか、「登記情報サービス」を利用してインターネット上からも確認可能です。登記情報はその土地の所有者でなくとも確認できるため、購入を検討している土地の地目を確認することもできます。
また、本人や親族が所有している土地の地目は、固定資産税納税通知書に同封された「課税明細書」から確認できます。
地目の変更方法

地目の変更方法
ここでは、地目の変更方法について下記の内容を解説します。
・地目変更登記が必要
・地目変更に必要な書類
・地目変更に必要な費用
・地目変更手続きの手順
地目変更登記が必要
地目は自動的に変更されないため、地目変更登記を行って登記上の土地の地目を変更しなければなりません。とくに、下記のようなケースでは変更する必要があります。
・土地の用途を変更したい場合
・登記上の地目と実際の利用状況が異なる場合
地目登記変更は、変更が生じてから1カ月以内に行う必要があります。1カ月以内に変更を行わなかった場合、10万円以下の過料を課せられる可能性があるため注意しましょう。
鑑定士コメント
現況の地目と、登記の地目が異なる場合、地目変更しないと住宅ローンを組めないのでしょうか?例えば、市街化区域で現況が宅地なのに、登記では異なる場合が該当します。住宅ローンを組むとき不動産に抵当権を設定しますが、金融機関によっては宅地以外の土地に抵当権を設定しない場合があります。そのため、地目を変更してから住宅ローンを組むのが一般的です
地目変更に必要な書類
地目変更を行う場合は、下記の書類を準備する必要があります。
・土地地目変更登記申請書
・住民票や戸籍謄本
・現地の地図
・現状の写真
登記申請の申請書のほか、住民票や戸籍謄本が必要です。また、土地の場所や土地が現状どのようにあっているかがわかるように地図や写真も準備しておきましょう。
変更前の地目が「田」や「畑」など、市街化調整区域の土地である場合は、上記の書類以外にも「農地転用書類」が必要です。市街地調整区域では許可なく家を建てることができないため、事前に該当地域の農業委員会の許可を得なければなりません。
地目変更に必要な費用
地目を変更する際、申請そのものには費用は発生しません。ただし、住民票などの必要書類の発行で費用が発生します。地目変更登記は法務局に申請するため、申請書を法務局に郵送する費用、または法務局まで移動する交通費も発生するでしょう。
さらに、司法書士に依頼する場合は上記の費用のほかに司法書士への依頼料が発生します。依頼料は司法書士事務所や地域などによって異なるため、事前にどれくらいの費用がかかるかを確認しておきましょう。
地目変更手続きの手順
地目変更手続きの手順は、下記のとおりです。
1.地目の確認
2.土地地目変更登記申請書の作成
3.法務局へ申請
4.登記完了証受領
まず、土地の地目をみて、変更の必要があるかを確認します。変更が必要な場合は、土地地目変更登記申請書を作成し、必要書類を準備して法務局に申請しましょう。申請後、法務局が申請内容と土地の確認を行い、申請内容に間違いがなければ登記完了証が発行されます。
鑑定士コメント
登記上の地目が現況と異なるため、変更する必要がある土地の場合、地目変更することで土地の価格が上がるのでしょうか?地目は、あくまでも登記時点の土地の用途を示すもので、実際の利用を制限するものではありません。そのため、基本的には地目を変更しても土地の価格は変わらないでしょう。ただし、宅地に変更して売却を行うとより買い手が見つかりやすくなる可能性はあります。
まとめ:地目を確認して必要ならば変更も検討しよう

まとめ:地目を確認して必要ならば変更も検討しよう
地目とは、土地ごとの用途を示す区分です。地目は常に最新の情報にしておく必要がありますが、中には最初に登記してから変更されていない場合もあるかもしれません。
また、購入した土地や相続した土地が宅地でない場合、家を建てたり住宅ローンを組んだりすることができない可能性があります。そのため、まずは土地の地目を確認し、必要であれば利用状況に合わせて変更しましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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