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更新日:2025.10.27
登録日:2022.10.26
分譲マンションの固定資産税はいくら?計算方法と軽減措置を徹底解説

「分譲マンションの固定資産税ってどのくらいかかるの?」
「固定資産税を安くする方法ってあるの?」
分譲マンションの固定資産税について、基礎知識がない人も少なくないでしょう。
この記事では、分譲マンションの固定資産税の計算方法や支払い方法について解説します。固定資産税の軽減措置についても紹介するので、少しでもマンションの固定資産税を安く抑えたい人は参考にしてみてください。
【この記事でわかること】
・固定資産税は土地や建物の所有者全てに課せられる税
・固定資産税は固定資産税課税標準額 × 税率(標準税率1.4%)で算出する
・条件にあえば軽減措置が受けられる
・固定資産税は金融機関やコンビニ以外に、決済アプリによる支払いも可能
マンション図書館の物件検索のここがすごい!

- 個々のマンションの詳細データ
(中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧 - 不動産鑑定士等の専門家によるコメント
表示&依頼 - 物件ごとの「マンション管理適正評価」
が見れる! - 新築物件速報など
今後拡張予定の機能も!
マンションの固定資産税とは?
マンションの固定資産税とは?
固定資産税とは土地や建物を所有している人が市町村に支払う税金のことです。
・土地
・家
・アパート
・マンション
これらの不動産を所有している人は固定資産税を支払う義務があります。マンションの場合は自分が所有している分の土地と建物の両方に課税されるので、それぞれの固定資産税の支払いが必要です。
固定資産税は1年に4回の支払いがあり、1年分を一括で支払うこともできます。徴収を行っているのは各市町村(東京23区の場合は都)です。
賃貸マンションの場合は、オーナー・家主に支払いの義務があります。そのため、マンションの部屋を借りている人は固定資産税について考える必要はありません。一方、分譲マンションを購入した人は固定資産税を支払う必要があります。
分譲マンションとは何かについては、こちらの記事でご紹介しています。
固定資産税は誰が払う?
固定資産税はその土地や建物を所有している人が支払う対象者です。各市町村が管理している固定資産課税台帳には課税対象になる土地や建物の所有者が登録されています。1月1日の時点でその土地や建物の所有者登録をしている人が対象です。
例えば年度の途中でマンションを売却する場合、1月1日時点でのマンションの所有者は買い主ではなく売り主のままです。そのため、たとえマンションを売却しても、その年の固定資産税は売り主が支払う必要があります。
マンション売却時の税金については、こちらの記事で説明しています。
マンションの売却でかかる税金ガイド!計算方法や減額方法も解説
鑑定士コメント
固定資産税を支払うのは1月1日時点でその物件を所有している人です。そのため、マンションを売却した年の固定資産税は買い主ではなく売り主が納税します。但し、慣習として、決済時に売買の月日から売主・買主で清算するケースもあります。小さな金額ではないので、事前に仲介会社に確認しましょう。
固定資産税はいつ払う?
固定資産税は年に4回支払う必要があります。支払うタイミングは各市町村によって異なり、例えば東京23区の場合は固定資産税の納期は6月・9月・12月・2月です。1年分の固定資産税を分割ではなく一括で支払うこともできます。(※)
固定資産税の課税対象者には納税通知書が自宅まで毎年送付されます。課税の対象者には自動的に送付されるので手続きをする必要はありません。納税通知書には分割で支払うための用紙4枚と1年分を一括で納付するための用紙1枚の両方が封入されています。金融機関で手続きをすれば口座からの自動引き落としにも変更可能です。 ※参考:東京都主税局
分譲マンションの固定資産税はどれくらいかかる?
分譲マンションの固定資産税はどれくらいかかる?
マンションの固定資産税は新築の場合は約10万〜30万円、中古の場合は約10万〜20万円です。固定資産税は土地と建物の両方に課税されます。マンションを購入すると土地と建物の両方を所有することになり、固定資産税は各市町村が調査して定める固定資産税評価額によって決まるのが特徴です。
そのため、マンションの地域・築年数・購入価格などの条件によって固定資産税の金額も変動します。同じマンションでも部屋によって階数や間取りが変わるので、固定資産税は一定ではありません。
鑑定士コメント
固定資産税は車庫や物置にもかかります。家屋とは、一般的には基礎などで土地に定着して建造され、屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、独立して風雨をしのぎ得る外界から遮断されることができる一定の空間を有する建造物であり、居住、作業、貯蔵等の用途に供し得る状態にあるものをいうと解されています。固定資産税は土地や住居だけでなく車庫・物置・倉庫なども課税対象です。また、これは登記されてない場合も対象になります。
新築マンションの固定資産税は?
新築マンションを購入する場合、固定資産税を事前に調べるのは難しいです。固定資産税は各市町村が定める固定資産税評価額に基づいて計算されます。
しかし、新築マンションの固定資産税評価額は購入前だとまだ調査が行われていないため、固定資産税がはっきりしないことが多いです。そのため、固定資産税の金額が実際にわかるのは入居後となります。
中古マンションの固定資産税は?
中古マンションの固定資産税は簡単に調べることができます。なぜなら、そのマンションを1月1日時点で所有していた人がすでに固定資産税を納税しているからです。各市町村の役所で固定資産税台帳を確認すれば、購入したい中古マンションの固定資産税を調べられます。
【3ステップで簡単】マンションの固定資産税の計算方法
【3ステップで簡単】マンションの固定資産税の計算方法
マンションの固定資産税の計算は、以下の3ステップで簡単にできます。
・ステップ1:固定資産税評価額を確認する
・ステップ2:軽減措置を反映させた課税標準額を出す
・ステップ3:税率をかけて税額を計算する
具体的に解説していきます。
ステップ1:固定資産税評価額を確認する
まず、固定資産税を計算する前に所有するマンションの固定資産税評価額を確認しましょう。
固定資産税評価額とは、固定資産税の金額を決めるときの基準となる数値です。
固定資産税評価額は国が定めた固定資産評価基準をもとに評価します。その土地の広さや建物の築年数をもとに決定され、地価が変動することで固定資産税評価額も変化するのが特徴です。
地価は時間が経つごとに変化するため、固定資産税評価額も変動します。そのため、各市町村では3年に1度、固定資産税評価額を見直すための調査が行われます。(※)
※参考:総務省
ステップ2:軽減措置を反映させた課税標準額を出す
次に、軽減措置を反映させた課税標準額を算出します。
課税標準額とは固定資産税評価額に軽減措置による減税を適用したあとの金額のことです。(※)そのため、大抵の場合は固定資産税課税標準額が固定資産税評価額よりも低い金額になります。軽減措置を1つも利用しなかった場合の固定資産税標準額と固定資産税評価額は同じ金額です。
農地や山林などの場合は軽減措置が少ないため、固定資産税課税標準額と固定資産税評価額が同額になることが多いです。一方、マンションや一般住宅の場合は固定資産税の軽減措置を利用できるため、多くの場合は固定資産税評価額が固定資産税課税標準額よりも高くなります。
※参考:富士市
ステップ3:税率をかけて税額を計算する
最後に、税率をかけて税額を計算します。所有する土地や建物の用途によって課される税率は2種類です。
・固定資産税
・都市計画税
固定資産税は、建物を所有するすべての人に課される税率で、以下の計算方法で算出できます。
固定資産税 = 固定資産税課税標準額 (固定資産税評価額)× 税率(標準税率1.4%)(※)
一方、都市計画税とは道路や下水道、公園などの都市計画区域内にある土地や建物に課されます。計算方法は以下の通りです。
都市計画税 = 課税標準額 × 制限税率(上限0.3%)(※)
分譲マンションはコンパクトな物件でも高額な支出となり、その分課される固定資産税の負担も大きくなります。購入前に正確な試算を行うことが大切です。
※参考:東京都主税局
必ず知っておきたい!固定資産税の軽減措置
必ず知っておきたい!固定資産税の軽減措置
マンションの固定資産税はある一定の条件を満たすと軽減措置を受けることができます。ここからは、条件別の軽減措置を解説します。
・土地部分に対する軽減措置
・新築マンションの建物に対する軽減措置
・認定長期優良住宅の軽減措置
・リフォームによる軽減措置
ひとつずつ紹介していきます。
土地部分に対する軽減措置
住宅用地として使用する土地は軽減措置が受けられます。マンションの土地の面積によって都市計画税は最大3分の1、固定資産税は最大6分の1の軽減措置が可能です。
※参考:東京都主税局
固定資産税の軽減措置については以下の記事で詳しくご紹介しています。固定資産税についてさらに情報を集めたい人はぜひご覧ください。
新築マンションの建物に対する軽減措置
築5年以内の新築マンションの場合、条件を満たすと固定資産税が2分の1に減税されます。(※)ただし居住部分の1戸あたり120㎡相当分までが限度です。
たとえば分譲価格が1,000万円のマンションの場合、以下のような計算になります。
1,000万円 × 1.4% ÷ 2 = 7万円 (または × 1/2)
また、適用には以下の条件を満たす必要があります。
・3階建て以上のマンション
・耐火・準耐火構造のマンション
・居住部分の床面積が全体の2分の1以上
・居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下
この軽減措置は、2022年3月31日以前に新築された物件を対象とした制度でしたが、その後の改正により2026年3月31日まで延長されています。(その後に建築された物件についての軽減措置は未定です。)
※参考:福岡市
認定長期優良住宅の軽減措置
マンションが長期優良住宅の認定条件を満たしている場合、固定資産税の軽減措置を受けられます。
軽減措置を利用できる条件はマンションの居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であることと、長期優良住宅に認定されていることです。軽減措置を利用すると7年度分の固定資産税が2分の1に減税されます。(※)
ただし、認定長期優良住宅に認定されるには以下のような条件を満たす必要があります。
・省エネ性能
・バリアフリー性能
・耐震性能
・可変性能(間取りを変更可能な部屋)
また、2026年3月31日までに建築された認定長期優良住宅を対象としています。詳しくは各市町村にお問い合わせください。
※参考:東京都主税局
リフォームによる軽減措置
リフォームでも一部条件を満たすことで、一定期間の軽減措置が受けられます。対象となる条件の一例をご紹介します。
・バリアフリーまたは省エネ工事→翌年分の税額3分の1
・耐震工事→翌年分の税額2分の1
・長期優良化工事→翌年分の税額3分の2
※参考:国土交通省
【注意】タワーマンションの固定資産税は階数によって変わる
【注意】タワーマンションの固定資産税は階数によって変わる
一般的に、分譲マンションの固定資産税は、階数に関係なく専有面積に応じて税率が課されます。一方、タワーマンションは低層階と高層階で固定資産税で差があることが多いです。
タワーマンションの価格は高層階の部屋ほど高く、低層階の部屋ほど低くなっています。以前は、タワーマンションも専有面積に応じた算出方法だったため、分譲価格に差があるはずなのに固定資産税が同じでは不公平という声がありました。
そのため、各階層ごとの格差をなくすために、タワーマンションの固定資産税は平成29年度の税制改正によって見直されました。
タワーマンションにおける固定資産税の計算式は、1階の固定資産税を100として階が1つ増えるごとに39分の10を足していきます。これは中間の階を基準にすると固定資産税が1階上がるごとに0.256%増えて、1階下がるごとに0.256%減る計算です。(※)
一例ですが、1階の固定資産税が40万円のマンションの場合、40階の部屋は44万円程度の税額になります。
※参考:全日本不動産協会
マンションの固定資産税の支払い方法
マンションの固定資産税の支払い方法
固定資産税の主な支払い方法は以下の通りです。
・役所の対応窓口
・金融機関・コンビニから現金で支払う
・金融機関窓口からの振り込み
・PayPayやLINE Payといった決済アプリから支払う
固定資産税は課税対象者の自宅に毎年届く納税通知書を使って支払います。納税通知書には分割で支払うための4回分の支払い用紙と一年分の固定資産税を一括で納付するための支払い用紙の両方が封入されています。
また、固定資産税はPayPayやLINE Payといった決済アプリでも支払い可能です。スマートフォンを使って簡単に支払うことができるので、窓口に並んだり現金を用意したりする手間がありません。
一般的な支払い方法
固定資産税は現金で支払うのが一般的です。現金の場合は役所の対応窓口・金融機関・コンビニなどで支払うことができます。手数料はかかりません。支払ったその場で領収証や納税を受け取ることができるので、各証書が必要な場合は現金で固定資産税を支払いましょう。
また、現金で支払うのが面倒な場合は口座振替が便利です。金融機関の窓口で固定資産税の支払いに利用する口座を指定しておけば自動的に引き落とされます。
PayPayとLINE Payで支払い可能
PayPayやLINE Payといった決済アプリでも固定資産税が支払い可能です。決済アプリに搭載されている請求書支払い機能を使えば、自宅で簡単に固定資産税の支払手続きができます。自宅に届いた納付書に印刷されているバーコードをスマートフォンのカメラで読み取ることで決済手続きができます。
ただし、決済アプリを利用した固定資産税の支払いに対応していない自治体もあります。また固定資産税を決済アプリで支払うと領収証や納税証明書が発行されないので注意しましょう。
分譲マンションの不動産用語については、以下の資料でも確認できます。
まとめ:固定資産税を理解してしっかり納めよう
まとめ:固定資産税を理解してしっかり納めよう
固定資産税は土地や建物を所有するすべての人が支払う税金です。マンションの場合は自分が所有している土地と建物のそれぞれに課税されます。年に4回支払う必要がありますが、一年分の一括支払い・口座振替・PayPayやLINE Payといった決済アプリなどさまざまな支払い方法を利用可能です。
また、固定資産税は軽減措置を活用すれば金額を抑えることができます。軽減措置を受けるにはいくつか条件があるので、事前によく確認しておきましょう。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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