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2022.08.25

不動産取得税とは?軽減措置や計算方法・納付時のポイントを解説

不動産取得税とは?軽減措置や計算方法・納付時のポイントを解説

「不動産取得税はどんなときに支払うの?」
「不動産取得税と固定資産税はどう違うの?」
と疑問に思う人もいることでしょう。

この記事では、不動産取得税を徹底解説します。不動産取得税がかからない条件や減免される条件、税額の計算方法も紹介。不動産取得税を納める際のポイントや、不動産を取得したら納めなければならないその他の税金も解説します。

不動産取得税は自分で申請しなければなりませんが、納税は一度だけです。不動産を取得予定の人は、ぜひ最後までご覧ください。

不動産取得税は住宅や土地を取得したときに発生する税金

不動産取得税は住宅や土地を取得したときに発生する税金

不動産取得税は住宅や土地を取得したときに発生する税金

住宅や土地などの不動産を以下4つの方法で取得した場合、不動産取得税が課されます。

・購入

・建築・増改築

・等価交換

・贈与

不動産が新築・中古のどちらであるか、有償・無償での取得かは問われません。取得した不動産は、すべてが不動産取得税の対象です。不動産取得税は地方税であるため、地方自治体(各都道府県)に支払います。

 

不動産取得税以外で、不動産にかかる税金といえば固定資産税でしょう。不動産取得税は不動産取得時に一度だけ課税されるのに対し、固定資産税は毎年課税される点が大きな違いです。(※)

 

※参照:旭川市

 

不動産取得税がかからない条件

不動産取得税がかからない条件

不動産取得税がかからない条件

不動産が以下5つのいずれかの条件に当てはまる場合、不動産取得税は課税されません。

・相続による取得である

・学校法人や宗教法人などが、本来の事業のために取得した

・公共用道路などの用地である

・社会福祉法人や医療法人などが、政令で定められた事業のために取得した

・法令で定められた社会福祉事業のために取得した

特に、不動産を相続人が相続すると、不動産取得税は非課税になる点は覚えておきましょう。ただし、死因贈与や特定遺贈など条件によっては課税対象になるので注意が必要です。申請したときは上記条件を満たしていなくても、課税後に条件を満たした場合は非課税になります。(※)

 

※参照:三重県

 

鑑定士コメント

この他にも、課税標準となるべき金額が著しく低い場合にも、不動産取得税は課税されません。土地なら10万円、家屋(新築、増築、改築)は23万円、家屋(その他売買等)12万円未満の場合です。

不動産取得税が減免される条件

不動産取得税が減免される条件

不動産取得税が減免される条件

以下2つのケースでは、不動産取得税の減免措置を受けられます。

・公共事業のため不動産を都道府県に譲渡し、代替不動産を取得したとき

・被災した不動産に代わる不動産を取得したとき

減免措置を受けるには、公共事業で不動産を譲渡した場合は2年以内、被災不動産は3年以内に代わりの不動産を取得することが条件です。減免条件や取得期限は自治体によるので、詳しくは自治体のHP等で確認しましょう。

 

参照:大阪府

不動産取得税の計算方法

不動産取得税の計算方法

不動産取得税の計算方法

不動産取得税を求める計算式は、以下の通りです。土地と建物ごとに計算することがポイントです。

・土地:物件の固定資産税評価額×50%×3%-軽減額

・建物:物件の固定資産税評価額-控除額×3%

土地の軽減額は次のうち高い方が適用されます。

・4万5,000円(税額が4万5,000円未満なら税額)

・土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2×住宅の床面積の2倍×税率3%

新築なら1,200万円が控除されます。ただし、住宅の延べ床面積が50㎡以上240㎡以下であることが条件です。

不動産取得税を計算する際のポイント4選

不動産取得税を計算する際のポイント4選

不動産取得税を計算する際のポイント4選

不動産取得税を計算する際に、気を付けるべきポイントは以下の4つです。

・2024年3月31日まで税率は3%

・購入価格ではなく固定資産税評価額で計算する

・条件を満たせば土地にかかる税額が軽減される

・新築物件は1,200万円が不動産価格から控除される

それぞれ詳しく解説します。

 

①2024年3月31日まで税率は3%

2024年3月31日までの不動産取得税の税率は、以下の通りです。

 

不動産の種類

税率

土地

3%

住宅

3%

住宅以外の家

4%

不動産取得税の税率は原則4%と決められており、税額の計算式は原則的「不動産の評価額×4%」です。ただし、2024年3月31日までは軽減措置が適用されます。適用期間のあいだに取得した不動産にかかる税率は3%です。

 

参照:鳥取県

 

②購入価格ではなく固定資産税評価額で計算する

税額を計算する上で基礎となる「課税標準額」は、不動産の購入価格ではなく固定資産税評価額で計算されます。固定資産税評価額の目安は、購入価格の7割程度です。固定資産税評価額は、以下3つの方法で調べられます。

・課税明細書で確かめる

・固定資産課税台帳の閲覧を申請する

・固定資産評価証明書を手に入れる

課税標準額を求める計算式は、以下の通りです。

・土地:物件の固定資産税評価額×50%

・建物:物件の固定資産税評価額

土地は2024年3月31日まで軽減措置が適用され、固定資産税評価額の50%が課税標準額です。

 

③条件を満たせば土地にかかる税額が軽減される

③条件を満たせば土地にかかる税額が軽減される

③条件を満たせば土地にかかる税額が軽減される

土地にかかる不動産取得税からは、以下2つのうち高い金額の方が軽減されます

・4万5,000円

・土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2×住宅の床面積の2倍×3%

ただし、床面積が50㎡以上240㎡以下の新築または未使用住宅で、下記5つのいずれかの条件を満たさなければなりません。

・土地の取得日から3年以内に新築した

・新築後1年以内にその土地も取得した

・新築とその土地を1年以内に同一の人が取得した

・土地の取得後1年以内に、その土地に建てられた新築を取得した

・新築の取得後1年以内に、その土地を取得した

取得した不動産がマンションの場合の床面積は、専有面積と共用部分を按分した面積です。

 

※参照:三重県

 

④新築物件は1,200万円が不動産価格から控除される

新築物件かつ床面積が50㎡以上240㎡以下、取得者の居住やセカンドハウスの用途の場合、1,200万円が控除されます。長期優良住宅に認定されると、2024年3月31日までは軽減措置により1,300万円が控除額です。

 

また、中古の耐震基準適合既存住宅も、控除の対象です。新築年月日と控除額を以下の表にまとめたので、ご覧ください。

新築した年月日

控除額

昭和57年1月1日~昭和60年6月30日

420万円

昭和60年7月1日~平成元年3月31日

450万円

平成元年4月1日~平成9年3月31日

1,000万円

平成9年4月1日~

1,200万円

新築後に居住用として使われていた住宅で、床面積が50㎡以上240㎡以下の住宅であることが条件です。

 

※参照:三重県

 

不動産取得税の計算例

不動産取得税の計算例

不動産取得税の計算例

具体的な金額とともに、不動産取得税を試算してみましょう。土地や建物の条件は、以下の通りと仮定します。

土地:面積100㎡/固定資産税評価額1,200万円

建物:延べ床面積80㎡/固定資産税評価額1,400万円、取得日2022年7月の新築

まずは、土地の課税評価額を計算します。土地の課税評価額は1,200万円×50%×3%=18万円です。次に土地の軽減額を計算します。計算式は、以下の通りです。

 

土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2×住宅の床面積の2倍×税率3%=(1,200万円÷100=12万円)×1/2×(80×2=160)×3%=28万8,000円

 

上記の計算結果が4万5,000円以上のため、土地にかかる不動産取得税の軽減額は28万8,000円です。課税評価額(18万円)を軽減額(28万8,000円)が上回るため、土地の不動産取得税は0円になります。

 

建物の場合、1,200万円が控除されます。不動産取得税は(1,400万円-1,200万円)×3%=6万円です。以上は、軽減措置の適用が前提になります。

 

不動産取得税を納める際のポイント4選

不動産取得税を納める際のポイント4選

不動産取得税を納める際のポイント4選

不動産取得税を納める際に気を付けるポイントは以下の4つです。

・不動産取得日から一定期間以内に税事務所へ申告する

・軽減措置を受けるには申告が必要

・納税通知書が届いたら月末までに納付する

・軽減措置の申告を忘れた場合は還付請求ができる

それぞれ詳しく解説します。

 

①不動産取得日から一定期間以内に税事務所へ申告する

不動産を取得したら、期限内に不動産の所在地を管轄している都道府県税事務所に申告をしなければなりません。申告期限は20〜60日など都道府県によって異なるため、事前に確認しましょう。

 

期限を過ぎてしまっても申告は受理されますが、正当な理由なく遅れた場合は、過料が科されることもあるので注意が必要です。不動産取得税申告書は、各都道府県のHPから取得できます。申告書には不動産の詳細を記入する項目があるので、登記事項証明書を準備しましょう。

 

※参照:愛知県

②軽減措置を受けるには申告が必要

不動産取得税の軽減措置を受けるには、管轄の都道府県税事務所に申告しなければなりません。具体的には、以下5つの書類を提出します。

・不動産取得税減額適用申告書

・土地・住宅の売買契約書

・住宅の登記事項証明書

・住宅の検査済証

・住宅の平面図

不動産取得税の執行猶予を利用する場合は、上記に加えて建築確認済証などが必要です。また、中古住宅を取得した場合は市町村長の「住宅用家屋証明書」や、場合によっては追加の書類を提出しなければなりません。

③納税通知書が届いたら月末までに納付する

③納税通知書が届いたら月末までに納付する

③納税通知書が届いたら月末までに納付する

不動産取得税の納税通知書は、不動産の取得からおおむね6カ月以内に発送されます。自宅に届くまでの期間は各自治体によって異なるので、発送時期を知りたい場合は問い合わせましょう。支払いは1回限りで、納付方法は以下の5つです。

・税事務所や金融機関、郵便局の窓口

・コンビニ

・ペイジー

・クレジットカード

・スマートフォン決済アプリ

税額は納税通知書の前に届く事前通知書で確認できます。納税通知書が届いたら、月末までに納付しましょう。

鑑定士コメント

不動産の取得者が海外に住んでいる場合は、納付管理人を立てて納税を代わりに行ってもらう必要があります。その場合は、納税申告書を不動産を所管する自治体に提出してください。

④軽減措置の申告を忘れた場合は還付請求ができる

軽減措置の申告は原則、不動産取得税の納税前に行う必要がありますが、忘れた場合でも還付請求が可能です。一般的には、不動産を取得してから5年以内なら還付請求ができます。

 

還付請求をする際には、不動産取得税の還付申請書などを提出します。減額要件に応じて、登記事項証明書や土地売買契約書などの添付書類が必要です。還付金は原則口座振り込みですが、ゆうちょ銀行各店舗や郵便局で直接受け取ることも可能です。

 

参照:新潟県

不動産取得税以外で不動産取得時に納める3つの税金

不動産取得税以外で不動産取得時に納める3つの税金

不動産取得税以外で不動産取得時に納める3つの税金

不動産取得時には、下記の通り不動産取得税以外にも納めなければならない税金があります。

・固定資産税と都市計画税

・印紙税

・登録免許税

それぞれ詳しく解説します。

 

①固定資産税と都市計画税

不動産を購入すると、住所地の市町村に固定資産税と都市計画税を納めなければなりません。不動産取得税の納税回数は1回ですが、固定資産税と都市計画税は毎年課税されます。それぞれの税率と軽減は、以下の通りです。

 

固定資産税

都市計画税

税率

1.4%(標準税率)

0.3%(最高税率)

土地の軽減措置

200㎡以下部分の評価額が1/6に

200㎡以下部分の評価額が1/3に

建物の軽減措置

新築後5年間は税額が半分

原則なし

都市計画税は固定資産税と合わせて請求されます。

②印紙税

印紙税は、不動産購入の契約時にかかる税金です。不動産の取引においては、契約書を作る際に課される税金で、2024年3月31日まで軽減措置が適用されます。軽減後の税額は以下です。

・1,000万円超5,000万円以下:1万円

・5,000万円超1億円以下:3万円

契約書に印紙を貼り、印鑑を押せば納税完了です。住宅の購入時には、売買契約と住宅ローン契約の両方を結ぶケースが多いですが、それぞれに印紙税がかかります。

 

③登録免許税

③登録免許税

③登録免許税

不動産取得税は不動産を取得した時に課税される税金であり、各都道府県に納税します。不動産取得の旨を正当な理由なく申告しなかった場合過料が科される可能性もあるので、忘れないように早めに申告しましょう。

 

不動産取得税には、さまざまな軽減措置や控除が用意されています。必要以上の税金を払わないためにも、軽減措置についてもしっかり把握しておきましょう。万が一忘れてしまった場合でも、5年以内ならば還付申請も可能です。

 

不動産の購入時には所有権を登記しますが、その際に登録免許税が課されます。税額は課税標準額に税率をかけて決められ、住宅の床面積が50㎡以上なら税率が軽減されます。税率は以下の通りです。

 

税率(軽減前)

税率(軽減後)

土地(所有権移転登記)

2.0%

1.5%

建物(所有権保存登記)

0.4%

0.15%

住宅ローン

0.4%

0.1%

税率の軽減期間は、2024年3月31日までです。

まとめ:不動産取得税は早めに申告しよう

まとめ:不動産取得税は早めに申告しよう

まとめ:不動産取得税は早めに申告しよう

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

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