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更新日:2023.02.10
登録日:2022.08.23
マンションの給湯器の交換費用はいくら?相場や注意点も解説
「マンションの給湯器の交換費用はいくら?」
「交換費用を安くする方法はある?」
給湯器の交換は頻繁に行うものではないため、どのくらいの費用がかかるかわからない人もいることでしょう。
この記事では、マンションの給湯器の交換費用や新しい給湯器の選び方を徹底解説。交換する際の5つの注意点と、費用を安く抑えるポイントも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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給湯器交換の費用相場は16〜54万円
給湯器を交換する際には、給湯器本体の購入費だけでなく、交換の工事にかかる費用もかかります。費用の相場としては、給湯器本体が約13万円~50万円です。
値段に幅があるのは、給湯器には様々な種類があって機能やタイプなどのよって値段が大きくことなるからです。具体例として挙げると、給湯能力が20号でフルオート機能つきの給湯器で約35万円~40万円です。また、メーカーの販売価格で50万円近くなっているものもありますが、値下げして半額以下になっていることも多々あります。
工事としては、配管(給水・給湯、ガス、電気、追いだき)の接続、リモコンの交換、排水管の接続などに加えて廃材処分も合わせて約3万円~6万円です。本体購入と工事をセットにして安く交換する方法もありますので、本体購入するならセット割引も検討してください。
■給湯器の交換にかかる費用
・給湯器本体:13万円~50万円ほど
・工事の費用:3万円~6万円ほど
・合計:16万円~56万円ほど
鑑定士コメント
20万円から50万円程度が目安です。追い焚き機能のある方が、ないものよりも費用は高くなります。また、全てリモコンで操作できるフルオート機能のものなら、より費用も高くなります。また、中古品を扱う店舗もあります。最近のトピックとしては、世界的な半導体不足で供給が追いついておらず、長期の納期待ちが出ていたり、費用も上昇傾向にあるようです。
給湯器の交換が必要な寿命とサイン
給湯器の寿命は約10年です。長く使えたとしても約15年でしょう。寿命に近づいてきたら交換を検討してください。修理でも良いのですが、給湯器の部品が取り扱いを中止している場合があります。部品の保有は製造から10年となっており、最新の給湯器を設置した場合には部品が残っている可能性は高いですが、型落ちで安価になっているものを使用した場合には部品を購入しようとしても見つからない場合も少なくありません。
先ほどご紹介したのは寿命の目安です。使い方が悪かったり給湯器が壊れやすい環境に置かれていたりする場合にはそれよりも早く故障してしまう可能性もあります。故障してから交換するのでは遅いので、故障していなくても10年に近くなったら交換を検討してください。
とはいえ、設置から10年近くなったとしても支障なく使えていると、どのタイミングで交換するか悩みますよね。以下のような現象が起こっていたら、故障のサイン・交換のタイミングの目安となるので、給湯器の状態を確認しましょう。
・お湯の温度が安定せず温かくなったり冷たくなったりする
・お湯が出るまでに時間がかかる
・湯船にお湯張りしたときに設定温度と比べてぬるい
・追いだきができない
・給湯器から聞き慣れない音がする
・給湯器から水漏れしている
・リモコンパネルにエラーコードが度々表示される
・給湯器から黒い煙が上がる
非常に稀なケースではありますが、給湯器の故障で爆発や火災が起こる可能性があります。特に黒い煙が出るなどした場合には給湯器が不完全燃焼を起こしているかもしれません。その場合には爆発や火災につながる恐れがありますので、メーカーや専門の方に相談する、あるいは交換するなど、いち早く行動してください。
給湯器の交換にかかる工事日数
給湯器を交換している間はお湯が使えないことになりますので、工事にどのくらいの日数がかかるのか気になるところでしょう。交換にかかるのは半日ほどです。ただ、工事の難易度などによって2時間で終わることもありますし、1日かかってしまうケースもあることは知っておきましょう。
また、ガスから電気に変える場合や、省エネ型のエコジョーズなどの給湯器に変える場合には大掛かりな工事が必要になることもあり、数日かかります。工事中は当然、給湯器が使えませんので、冬場にはお風呂が使えなくなる上に、食器洗いも冷水で行わなければならなくなってしまいます。
そのため、大掛かりな工事が必要な交換に関しては特に、あらかじめスケジュールを立てて暖かい時期に設定しておきましょう。
給湯器の交換費用は分譲と賃貸で負担者が異なる
給湯器の交換費用は分譲と賃貸で負担者が異なる
マンション給湯器の交換費用は、以下の場合でそれぞれ負担者が異なります。
・賃貸マンションの場合
・分譲マンションの場合
部屋やそれに付随する設備の所有者が、分譲マンションと賃貸マンションで違うためです。それにより給湯器の所有権も異なるため、交換費用の負担者も異なります。以下では、それぞれ詳しく解説します。
①賃貸マンションの場合
賃貸マンションの場合には、部屋やそれに付随する設備は貸主が所有しているものとなります。故意に壊したのでなければ、所有者である貸主が修理して住民の住環境を守る必要があります。
つまり、給湯器が経年劣化によって壊れてしまった場合には、貸主がいち早く修理をし、その費用を出さなくてはならないのです。理論的にはそうなのですが、大家さんによっては使っている住民が修理費を払うべきだと考えている方も多く、費用の一部または全部を支払うよう請求されることがあります。
本来は大家さんがすぐに工事を手配して修理費も出す必要があるのですが、すぐに動いてもらえないこともあり得ます。冬は特に給湯器が壊れていては生活するのが厳しく、引越しもできないなどの理由から、住民のほうで泣き寝入りして工事の手配・費用の支払いをするケースもあるようです。
また、大家さんによっては自分たちが負担しなくてはならないと知らないこともあります。ですから、マンションを借りる際にはこうした費用負担の責任が誰にあるのか知っておくことが重要です。
②分譲マンションの場合
分譲マンションの場合には、部屋とそれに付随する設備は住民が所有しています。給湯器の所有権も住民にありますから、給湯器の交換にかかる費用は自分で負担しなくてはなりません。
それに自分で給湯器を選び、工事の手配をする必要があります。慣れないことですので少し大変と感じるかもしれませんが、給湯器が壊れる前から準備しておけば、安さや機能面などを比較してお得な給湯器選びをすることができるでしょう。
1つ注意しておかなければならないのが、自分で購入するからといって、すべて自分好みにできるわけではないことについてです。
給湯器は玄関横にある扉やベランダに設置されます。ここはマンションの共用部分といって住民全員で所有・管理するエリアに該当するので、統一感を持たせて外観を守るなどしていく必要があり、給湯器に関しても設置できる機種や大きさなどが決められていることもあります。
また、工事でマンション関係者以外の方が入ることからセキュリティ上、マンションの管理人・管理会社に連絡しておく必要があります。
マンションの共用部分については、こちらの記事でも紹介しています。
マンションの共用部分とは?トラブル防止のために理解しておくべきこと
給湯器の選び方5選
給湯器の選び方5選
給湯器を選ぶ際にチェックしておくべきポイントは、以下の5つです。
・設置スペースを確認する
・給湯器のサイズを確認する
・排気の仕方を確認する
・給湯能力を確認する
・機能性を確認する
給湯器を購入する機会は多くありません。そのため、何に気をつけて購入すればいいか分からない人も多いことでしょう。以下では、それぞれ詳しく解説します。
①設置スペースを確認する
まずは、給湯器の設置スペースを確認しましょう。設置場所によって給湯器のタイプが変わるためです。給湯器のタイプは、ベランダなどに設置する壁掛けタイプとPS設置タイプの2つです。
壁掛けタイプはベランダなどの壁に取り付けられるスペースへ設置します。ベランダに設置するものが多いですが、シンクや風呂場などの水回りの近くで、室内に設置することもあります。
PSとはパイプスペースまたはパイプシャフトの略で、玄関横の水道・ガス・電気メーターが設置されているスペースのことです。PS設置タイプの給湯器は、PSの扉内に本体が隠れているタイプと、外側から本体が見えているタイプがあります。
②給湯器のサイズを確認する
設置スペースを確認すると分かるように、給湯器を設置する場所によって、置くことのできるサイズが決まります。PSの内部に設置するタイプの給湯器であればPSの中に入り切らないサイズの給湯器を買っても、設置することができません。そのため、給湯器のサイズも意識して見ておく必要があります。
給湯器を選ぶ際にはあらかじめ現在使っている給湯器のサイズを測っておき、適切なサイズの給湯器を購入できるように準備しておきましょう。なお、給湯器の中には、標準サイズのものと、スリムサイズのものを用意していることも多いので、それも合わせてチェックしてみてください。
③排気の仕方を確認する
給湯器の排気口が取り付けられている位置も、確認が必要です。排気口の位置を間違えてしまうと、壁や扉に穴を空ける工事をしなければなりません。
排気口がついている位置は前方・後方・上方の3つのいずれかです。排気の仕方が違うだけで、排気口が付いている位置による性能の差はありません。
物件のオーナーによっては、工事を了承してくれる人もいるでしょう。しかし、こだわりがない限りは、あらかじめ物件に合う給湯器を購入する方が無難です。
④給湯能力を確認する
給湯器には、お湯を沸かすことのできる能力の強さによって号数が決められています。水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出せるかというのが、号数で表されています。例えば、16号の給湯器なら1分間に16リットルのお湯を出すことができます(ただし、冬場には同じ号数の給湯器でも1分間に出すことのできるお湯の量は6リットルほど減ります)。
号数の数字が大きければお風呂でお湯を使っていても、流しでお湯を使って洗い物ができる等、使い勝手は良くなります。しかし、号数の数字が大きすぎる給湯器は、マンションの配管の太さに適合しないことがありますので注意が必要です。では、どの号数が良いかを考えるなら、一緒に暮らす人数が何人かによって選ぶと良いでしょう。
■16号の給湯器
16号の給湯器なら、春秋には1分間に16リットルのお湯を、冬場には約11リットルのお湯を提供できます。一度に複数の場所でお湯を使わないような1人〜2人家族に適した号数です。ワンルームでも16号の給湯器が良く使われます。
■20号の給湯器
20号の給湯器が出すことのできるお湯の量は、春秋には20リットルで、冬場は14リットルです。たくさんお湯を使わないけれど、シャワーと流しを同時に使用する2人〜3人家族なら20号が適しています。
■24号の給湯器
24号の給湯器の場合は、春秋に24リットルで、冬に17リットルのお湯を出すことが可能です。お風呂に入る際に、追いだき最中にお湯を出すことができます。さらに、それと同じタイミングで洗い物をすることもできます。4人以上の家族に適しているのが24号の給湯器です。
⑤機能性を確認する
給湯器にはオートとフルオートがあり、これがお風呂場での利便性を左右します。オートの場合にはお湯張りをスイッチ1つででき、決めた水位まで入れたら自動的に止まるようになっています。
また、設定した時間内なら自動で追いだきをして一定の温度を保ちます。フルオートの場合にはオートの機能に加えて、湯船の水位が下がったときに自動で足し湯をする機能や、浴槽に人が入ったら自動でお湯を沸かす機能、追いだき配管の自動洗浄をする機能が追加されます。給湯器を選ぶ際にはこの機能面も加味して検討していくと良いでしょう。
追いだき配管の自動洗浄をすれば残ったお湯の細菌を3分の1以下にすることもできますし、自動で足し湯や追いだきをしてくれますからフルオートに魅力を感じますが、その分だけ金額にも違いがありますので、お財布事情や希望に合わせて選んでください。
給湯器交換業者に依頼する際の注意点5選
給湯器交換業者に依頼する際の注意点5選
給湯器の設置は、交換業者に依頼することがほとんどです。業者を選ぶ際には、いくつか気をつけるポイントがあります。具体的には、以下の5つです。
・資格の持った施工者はいるか
・追加工事はあるか
・工事保証はあるか
・分譲と賃貸で手続きが異なるか
・アフターサービスは充実しているか
それぞれ詳しく解説します。
①資格を持った施工者はいるか
給湯器交換業者に、資格を持った施工者がいるかどうかを確認しましょう。給湯器の交換工事を行うには、ガスや水道、電気工事に関する資格が必要です。
また、地域の指定給水装置工事事業者の認可を受けている業者かどうかも、チェックするべきポイントです。指定給水装置工事事業者とは、その給水区域において工事を適切に行えることを認められた業者のことです。
中には、資格を持たずに工事を行う悪質な業者もいます。心配であれば、資格証を提示してもらいましょう。
②追加工事はあるか
追加工事があるかどうかも、確認すべきポイントです。給湯器のタイプや設置する場所によっては、追加工事が必要なケースがあります。通常の交換工事以外の作業が必要な場合は、追加で費用がかかるケースがほとんどです。
交換業者に設置場所の下見をしてもらい、工事の有無や部品を追加発注するべきかどうかを確認しましょう。
また、追加で工事が必要な場合は、複数の給湯器交換業者に見積もりしてもらうのがおすすめです。料金を比較することで相場がわかり、適正な価格の業者を選びやすくなります。
③工事保証はあるか
工事保証の有無も、事前に確認しましょう。給湯器交換工事の主な保証には、製品保証と工事保証の2つがあります。
給湯器の製品保証は、一般品は1年間、BL品は2年間です。BL品とは財団法人「ベターリビング」によって認定された商品で、一般的な給湯器の多くが含まれます。本体にBLマークが張ってあるので、見分けやすいでしょう。
工事保証は製品保証と別に、工事をした交換業者が設けています。交換工事後に、何らかの不具合が生じた場合の工事に対する保証です。保証の内容は業者によって違うので、事前に確認しましょう。
④分譲と賃貸で手続きが異なるか
分譲と賃貸マンションでは、手続きが異なるケースがあるので、交換が必要になった際にはマンションの管理会社に問い合わせましょう。
基本的に、分譲マンションでは給湯器の所有権は住民にあるため、購入から業者の手配まですべて自分でする必要があります。しかし、給湯器を設置する場所はマンションの共用部分であることが多いため、ある程度工事に制約があることが多いです。
それに対して賃貸では、給湯器の所有権は貸主にあるため、貸主が交換の手配をします。そのため、分譲でも賃貸でもまずは管理会社に連絡してみてください。
⑤アフターサービスは充実しているか
アフターサービスが充実しているかどうかも、重要なチェック項目です。交換までどんなにスムーズに進んでも、その後に不具合が発生してしまう可能性はあります。不具合が生じた場合に、すぐに対応してもらえると安心です。
アフターサービスに関しては、業者によって違いがあるので、事前に内容を確認してください。このときも、複数の業者で比較して交換するのがおすすめです。なお、一般品よりもBL品の給湯器はアフターサービスが充実しています。
給湯機の交換費用を安く抑えるポイント3選
給湯機の交換費用を安く抑えるポイント3選
給湯器交換費用を安く抑えるためのポイントは、以下の3つです。
・給湯機の耐用年数に達するタイミングで交換する
・見積内容をしっかり確認する
・各業者の特色を理解する
それぞれ詳しく解説します。
①給湯機の耐用年数に達するタイミングで交換する
交換費用を安く抑えるためには、耐用年数に達するタイミングで交換するのがおすすめです。耐用年数とは、家電などに定められている標準使用期間です。
耐用年数を著しく過ぎたまま使用すると劣化が激しくなり、余計な修理費用がかかってしまう可能性があります。
給湯器にも耐用年数があり、一般的には8〜10年とされています。交換費用を安くするためにも、耐用年数を確認して適切なタイミングで交換しましょう。
②見積内容をしっかり確認する
業者に工事を依頼する際は、見積内容をしっかり確認しましょう。見積もりでは、各項目にどの工程が含まれているかまでしっかり確認することが大切です。本体の値段にリモコン台が含まれているか、出張費の有無、割引率など細かい部分までチェックしましょう。「諸費用」などとあいまいに記載されている場合は、必ず内訳を聞くことが重要です。
業者によっては別料金が発生する場合があるので、複数社に見積もりを出してもらってから決めることがおすすめです。また、金額だけでなく、工事の内容や対応がしっかりしている業者で判断するとトラブルを未然に防げます。
③各業者の特色を理解する
費用を安く抑えるためには、業者選びも大切なポイントのひとつです。業者の数は多いため、それぞれの特徴を理解して、自分のニーズに合ったところを選びましょう。
給湯器交換を依頼できる業者は、大きく分けるとガス会社・給湯器メーカー・ホームセンター・リフォーム会社の4つです。それぞれ価格やサポートしてくれる範囲、得意とする領域が異なります。
鑑定士コメント
マンションのリフォームの市場は年々大きくなっていることから、リフォームに参入する業者も増えています。地域密着型の専業のリフォーム会社もあれば、電気会社、ガス会社や、家電量販店、ホームセンターなど選択肢は増えています。土日など相談会など行っていることも多いので、複数の業者に相談してみるのをお勧めします。また、インターネットでも口コミの確認、料金比較など情報収集が出来ますので、調べてみましょう。
まとめ:給湯器を交換するときは業者選びが重要
まとめ:給湯器を交換するときは業者選びが重要
給湯器の交換費用や業者に交換してもらう際の注意点などを解説しました。給湯器の交換は何度もするものではないので、わからないことが多いでしょう。
給湯器を交換するときは、タイミングや業者選びが重要です。業者選びに失敗してしまうと余計な費用がかかったり、交換後のトラブルに対応してもらえなかったりします。各業者に特色があるため、複数の業者に見積もりを出してもらって比較検討するのがおすすめです。
給湯器の交換を考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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