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更新日:2026.02.25
登録日:2026.02.25

育休中の住宅ローン控除はもったいない?損を最小限に抑える仕組みと手続きを解説

育休中の住宅ローン控除はもったいない?損を最小限に抑える仕組みと手続きを解説

「育休中の住宅ローン控除はもったいないって本当?」
「控除期間をムダにしている気がする」

住宅ローン控除を受け始め、このような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

確かに住宅ローン控除は、育休中は十分に使えない年が出やすく「もったいない」と言われがちです。この点は、制度上の仕組みによるもので、決して間違いではありません。

ただし、育休中であっても控除を受けられるケースがあったり、世帯単位で工夫したりすれば影響を抑えることは可能です。

本記事では、育休中に住宅ローン控除が「もったいない」と言われる理由と、損を最小限に抑えるためのポイントを解説します。

【この記事でわかること】
・育休中の住宅ローン控除が「もったいない」と言われる理由3つ(控除は税金を納めていないと使えないこと、育休手当は非課税で控除対象外になること、控除期間は育休中も進むこと)
・年の途中で産休・育休に入った場合など、育休中でも住宅ローン控除を受けられるケース
・育休中の住宅ローン控除を「もったいない」で終わらせないためには世帯単位での工夫が必要

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住宅ローン控除は育休中だと「もったいない」と言われる理由

住宅ローン控除は育休中だと「もったいない」と言われる理由

住宅ローン控除は育休中だと「もったいない」と言われる理由

まずは、なぜ育休中の住宅ローン控除が「もったいない」と言われるのか、その理由を制度の仕組みから確認していきましょう。

 

・住宅ローン控除は原則として「納めた税金」からしか還付されないから

・育休手当(給付金)は非課税所得のため控除対象外になるから

・「控除期間」は育休中もストップせずに消費されるから

住宅ローン控除は原則として「納めた税金」からしか還付されないから

住宅ローン控除は、住宅ローンの残高に応じた金額を、実際に支払った所得税や住民税から差し引く制度です。控除を受けるには、その年に所得税や住民税を納めていることが前提となります

 

育休中は、給与が出ない、または大きく減るケースが多く、結果として所得税や住民税がほとんど発生しない場合が少なくありません。この場合、住宅ローン控除の枠があっても、引ける税金がなく、控除を使えない状態になります

 

育休中は「控除があるのに使えない年」になりやすいため、住宅ローン控除がもったいないと言われやすいのです。

育休手当(給付金)は非課税所得のため控除対象外になるから

育児休業給付金は、雇用保険制度にもとづいて支給される手当で、育休中の生活を支えるためのものです。育休手当は「非課税所得」とされており、所得税や住民税はかかりません

 

一見すると「税金がかからないなら得なのでは?」と感じるかもしれません。しかし、住宅ローン控除は、給与などの課税所得にかかる税金から差し引く制度です。

 

つまり、そもそも税金が発生しない育休手当には、控除を使うことができません

 

育休手当を受け取っていても、住宅ローン控除の枠があっても活用できず、「控除をムダにしているように感じる」状況が生まれやすくなるのです。

「控除期間」は育休中もストップせずに消費されるから

「育休中は収入が少ないし、住宅ローン控除の期間も一時的に止まるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、残念ながら住宅ローン控除の期間は育休中でも止まりません

 

住宅ローン控除は、住宅に住み始めた年から決められた年数分が自動的にカウントされる仕組みです。そのため、育休中でも控除期間は通常どおり進んでいきます。

 

たとえば、控除期間が10年の場合、育休中の1年も「1年分」として消費されます。その年に控除を使えなければ、控除期間は残り9年です。

 

控除期間が止まらず進んでしまう点も、育休中は住宅ローン控除が「もったいない」と言われる理由の一つです。

育休中でも住宅ローン控除が受けられる3つのケース

育休中でも住宅ローン控除が受けられる3つのケース

育休中でも住宅ローン控除が受けられる3つのケース

これまで見てきたように、「育休中は住宅ローン控除がもったいない」と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。育休中であっても、その年の収入や税金の状況によっては、住宅ローン控除を受けられるケースがあります。

 

ここでは、育休中でも住宅ローン控除が適用されるケースを3つに分けて解説します。

 

・年の途中で産休・育休に入り給与所得がある場合

・住民税からの控除が適用できる場合

・その年の収入に所得税のかかるラインを超えた場合

年の途中で産休・育休に入り給与所得がある場合

年の途中で産休や育休に入った場合でも、その年に一定の給与所得があれば、住宅ローン控除を受けられる可能性があります

 

ポイントは、「育休に入る前にどれくらい働いていたかどうか」です。育休に入るまでに数か月分の給与が支給され所得税が発生していれば、住宅ローン控除を使えます。

 

一方、年の早い時期から産休・育休に入った場合は、給与の支給期間が短くなり、所得税がかからないケースもあります。この場合は、住宅ローン控除を使えません。

 

同じ育休取得でも、休みに入る時期によって控除の可否が変わる点は押さえておきましょう。

住民税からの控除が適用できる場合

住宅ローン控除は原則として所得税から差し引かれますが、控除しきれなかった分は、翌年の住民税から差し引ける場合があります

 

たとえば、住宅ローン控除額に対して所得税が少ない場合、使い切れなかった分が翌年度の住民税から控除されます。そのため、育休中で所得税がほとんどかからない年でも、住民税が課税されていれば、控除を受けられる可能性があります。

 

ただし、住民税から控除できる金額には上限があり、前年の課税所得金額等の5%(最大9万7,500円)までと決められています。(※)

 

すべての控除額が反映されるとは限らないため、事前に条件を確認しておくようにしましょう。

 

※ 参照:総務省

その年の収入に所得税のかかるラインを超えた場合

育休中であっても、その年の収入が所得税のかかるラインを超えていれば、住宅ローン控除を受けられる可能性があります

 

住宅ローン控除は、所得税が発生していることが前提となるため、年収が一定額を超えているかどうかが重要です。

 

所得税がかかり始める年収は、これまで103万円でしたが、制度改正により2025年は160万円、2026年には178万円へと引き上げられる予定です。

 

育休に入る時期が遅く、一定の給与収入がある年ほど、住宅ローン控除を活用できるでしょう。

鑑定士コメント

育休や産休に入ると「住宅ローン控除の期間(10年や13年)も止まるのでは?」と思われがちですが、残念ながら延長はできません。住宅ローン控除は、実際に住み始めた年から決められた年数が自動的にカウントされる仕組みのためです。そのため、育休中で税金がかからず控除を使えなかった年があっても、後から取り戻すことはできません。控除期間の仕組みを理解したうえで、ほかの対策と組み合わせて考えることが重要です。

「もったいない」を解消!世帯単位で損をしないための対策

「もったいない」を解消!世帯単位で損をしないための対策

「もったいない」を解消!世帯単位で損をしないための対策

育休中は、住宅ローン控除を十分に使えず、「もったいない」と感じやすくなります。ただし、個人単位で見ると損に見える場合でも、世帯全体で考えることで負担を減らせるケースは少なくありません。

 

ここでは、育休中でも世帯単位で損をしないために知っておきたい対策を3つ紹介します。

 

・配偶者控除・配偶者特別控除を活用してパートナーの税金を減らす

・ふるさと納税の限度額に注意して調整する

・ペアローンの場合はパートナーの控除枠をフル活用

配偶者控除・配偶者特別控除を活用してパートナーの税金を減らす

配偶者控除・配偶者特別控除とは、配偶者の所得が一定以下の場合に、パートナーが受けられる所得控除です。

 

育休中で住宅ローン控除を十分に使えない場合、配偶者控除や配偶者特別控除を活用することで、世帯全体の税金を減らせる可能性があります。

 

・配偶者の年収が123万円以下:配偶者控除の対象(最大38万円)

・配偶者の年収が123万円超〜201万6,000円未満:配偶者特別控除の対象(最大38万円・段階的に減額)

 

※給与のみの場合。控除額は納税者本人の合計所得金額によって異なる。(※)

 

手続きは年末調整で行います。育休中の収入状況について、事前に確認しておきましょう。

 

※ 参照:国税庁

ふるさと納税の限度額に注意して調整する

育休に入り収入が減ると、それに伴って所得税や住民税も少なくなります。税金が減るということは、ふるさと納税で控除できる上限額も下がるということです。

 

そのため、育休前と同じ感覚で寄附をすると、控除しきれず自己負担が2,000円を超えてしまう可能性があります。育休に入る年は、収入見込みをもとに控除上限額を確認しておくことが重要です。

 

自分の控除枠が少ない場合は、所得のある配偶者名義で行うと、控除をムダなく活用できるでしょう

 

住宅ローン減税とふるさと納税については、以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方は、ご覧ください。

住宅ローン減税とふるさと納税は併用できる?手順や注意点をわかりやすく解説

ペアローンの場合はパートナーの控除枠をフル活用

ペアローンとは、1つの住宅に対して夫婦それぞれが住宅ローンを契約し、お互いが連帯保証人となる方法です。

 

ペアローンでは、夫婦それぞれが住宅ローン控除の対象になります。そのため、育休により一方の所得が少なく、その年は控除を使い切れない場合でも、所得のあるパートナー側の控除は活用できます

 

控除枠が夫婦で分かれている分、世帯全体で見ると控除をムダにしにくいでしょう。

 

ただし、ペアローンは夫婦それぞれが返済義務を負います。育休中や将来の働き方の変化も見据え、無理のない返済計画を立てておくことが大切です。

育休中の住宅ローン控除の手続きと申請方法

育休中の住宅ローン控除の手続きと申請方法

育休中の住宅ローン控除の手続きと申請方法

ここでは、育休中の住宅ローン控除の手続きと申請方法について解説します。

 

育休中であっても、住宅ローン控除の基本的な手続き自体は通常と大きく変わりません。

 

ただし、育休中は書類の受け取りや保管がおろそかになりやすく、後になって「必要な書類が見当たらない」と困るケースも多くなりがちです。

 

申請の流れとあわせて、事前に注意点も確認しておきましょう。

1年目(初年度)は確定申告が必須

住宅ローン控除は、初回のみ確定申告による手続きが必要です

 

確定申告とは、1年間の所得と税額を計算し、税金の過不足を精算する手続きです。育休中かどうかに関係なく、初年度は全員が確定申告をしなければなりません。

 

申告期間は原則、翌年の2月16日から3月15日までです。住宅を購入した初年度は、会社員であっても、確定申告により自分で申告を行いましょう。

 

手続きは税務署の窓口のほか、郵送やオンラインでも可能です。

2年目以降は年末調整で対応可能

会社員で給与以外の収入がない場合、住宅ローン控除は2年目以降、勤務先の年末調整を通じて申請できます

 

初年度に確定申告を済ませていれば、翌年からは年末調整で申請できるため、手続きの負担は軽くなるでしょう。

 

なお、育休中で給与の支給がなく、年間の収入が0円の場合は所得税が発生しませんこの場合、年末調整を行う必要はありません

 

フリーランスや個人事業主など、年末調整の制度がない人は、2年目以降も引き続き確定申告が必要です。

 

住宅ローン控除の手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

住宅ローン控除を受けるには年末調整は必須?必要な手続きをくわしく紹介

復職後の手続きと注意点

復職後の手続きと注意点

復職後の手続きと注意点

育休から復職すると、再び給与が発生するため、住宅ローン控除の手続きも年末調整で行う必要があります。

 

「何をすればいいの?」と迷わないよう、復職後に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

年末調整で提出する必須書類を確認しておく

復職後に年末調整で住宅ローン控除を受けるには、通常の年末調整書類に加えて、次の2つの書類が必要です

 

・給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書:初年度の確定申告後に税務署から送付される

・住宅ローンの年末残高証明書:住宅ローンを借りている金融機関から、毎年送付される

 

いずれも提出がないと控除を受けられないため、大切に保管しておきましょう。

紛失した場合は税務署で再交付の申請が必要

年末調整に必要な書類をなくしてしまっても、心配はいりません。税務署で再交付の申請が可能です

 

再交付を希望する場合は、税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を提出しましょう。申請書には、住み始めた時期や住宅ローン控除を使った年、書類をなくした理由などを記入します。

 

一方、住宅ローンの年末残高証明書をなくした場合は、税務署ではなく、ローンを借りている金融機関に再発行を依頼してください

 

年末調整の時期が近づくと手続きに時間がかかることもあります。書類が見当たらないと気づいたら、早めに対応しましょう。

税額が控除上限を下回る可能性を考えておく

復職後であっても、住宅ローン控除を必ず上限まで使えるとは限りません。実際に差し引けるのは、その年に発生した所得税や住民税の範囲内に限られるためです。

 

たとえば、控除額が30万円あっても、税金が10万円であれば、使える控除は10万円までとなります。

 

復職直後で収入が少なく税金がほとんどかからない年は、住宅ローン控除を十分に活かせないことがある点を理解しておきましょう。

鑑定士コメント

住宅ローン控除の申請を忘れてしまっても、5年以内であれば後から手続きが可能です。初年度の確定申告を忘れたときは、自分で確定申告(還付申告)を行う必要があります。2年目以降に年末調整をし忘れた場合は、勤務先に再調整を依頼するか、自分で確定申告をするようにしましょう。ただし、5年を過ぎると控除は受けられません。申請漏れに気づいた時点で、できるだけ早く対応することが大切です。

ペアローン・連帯債務で育休に入るときに知っておくべきこと

ペアローン・連帯債務で育休に入るときに知っておくべきこと

ペアローン・連帯債務で育休に入るときに知っておくべきこと

最後に、ペアローンや連帯債務で住宅ローンを組んでいる場合についての注意点を確認しておきましょう。

 

育休に入ると収入が大きく変わります。住宅ローン控除の受け方や家計への影響を事前に把握しておくことが大切です。

 

ここでは、育休に入る前に知っておきたいポイントを3つ解説します。

 

・育休で収入・税金がゼロになると控除額は全額切り捨て

・持分変更や借り換えは審査のハードルが高くなる

・控除期間終了後に合わせて繰り上げ返済を検討する

育休で収入・税金がゼロになると控除額は全額切り捨て

ペアローンや連帯債務で住宅ローンを組んでいても、育休によって収入がなく所得税や住民税が発生しない年は、住宅ローン控除を受けることはできません。

 

住宅ローン控除は「実際に納めた税金」から差し引く制度です。そのため、税額がゼロの場合、控除もゼロになります。たとえば夫婦でペアローンを組んでいる場合、収入のある夫は控除を使えても、育休中で無収入の妻は控除を使えません。

 

さらに注意したいのは、使えなかった控除額を翌年に繰り越すことはできない点です。育休中の年も控除期間としてカウントされるため、その年の控除はそのまま失効してしまう点は押さえておきましょう。

持分変更や借り換えは審査のハードルが高くなる

ペアローンや連帯債務で住宅ローンを組んでいる場合、育休中や復職直後に「持分を変えたい」「ローンを借り換えたい」と考えても、審査は厳しくなりがちです。住宅ローンの審査では「今の収入状況」が重視されるため、育休中で収入が途切れていると評価が厳しくなる傾向があります。

 

また、金融機関によって判断基準はさまざまです。育休中の申し込みを受け付けない金融機関もあれば、復職後の収入見込みや育児休業給付金を考慮して判断するケースもあります。

 

育休中に持分変更や借り換えを検討する場合、複数の金融機関に相談し、審査条件の違いを確認しておくことが大切です

控除期間終了後に合わせて繰り上げ返済を検討する

住宅ローン控除が終了すると、それまで軽減されていた税負担がなくなり、「家計の負担が増えた」と感じる方も少なくありません。

 

こうしたタイミングで検討したいのが、「住宅ローンの繰り上げ返済」です

 

繰り上げ返済を行うと元本が減るため、その後に支払う利息を抑えることができます。控除のメリットがなくなった後は、返済負担の軽減を実感しやすいでしょう。

 

ただし、育休明けは時短勤務などにより、収入がすぐに元に戻らないケースも少なくありません。生活費や緊急時の備えを確保したうえで、「無理のない範囲で」繰り上げ返済を進めることが大切です

 

将来を見据えるなら、マンションそのものの価値を高めることも大切です。資産性を上げる具体的な方法を知りたい方は、以下の資料をご覧ください。

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まとめ:育休中の「もったいない」は制度の正しい理解と節税対策で最小限に抑えよう

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育休中に住宅ローン控除が「もったいない」と言われるのは、納めた税金がなければ使えないことや、育休手当が非課税で控除の対象にならないといった制度上の理由があるためです。

 

ただし、育休中に住宅ローン控除を十分に使えないと感じる場合でも、配偶者控除の活用や、ペアローンを含めた世帯単位での工夫などにより、影響を抑えることは可能です

 

育休中は家計への不安が増えがちですが、制度を正しく理解し、今できる対策を少しずつ積み重ねていけば「もったいない」は確実に小さくできます。

 

焦らず、ご家庭に合った形で備えていきましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

次のマンション購入に関する流れの文章の中から、正しいものを選びなさい。

答えは 3

手付金とは、マンション購入希望者が売買契約を結ぶ際に支払う金銭です。ローン返済時にはこの手付金を差し引いた残りの代金を支払うことになります。

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