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2023.11.22

修繕積立金なしの場合はお得になる?修繕積立金が安いマンションが陥る落とし穴とは

修繕積立金なしの場合はお得になる?修繕積立金が安いマンションが陥る落とし穴とは

マンションを所有する際に発生する「修繕積立金」。「修繕積立金なし」という物件を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか?契約時点で修繕積立金が設定されていないマンションや、設定金額があまりに安いマンションを契約する際は、注意が必要です。

この記事では、「修繕積立金なし」のマンションを契約する際の注意点や、修繕積立金が安いマンションの安さの背景について解説します。ぜひマンション購入時の検討材料のひとつとしてください。

修繕積立金がないとはどういう意味か

修繕積立金がないとはどういう意味か

修繕積立金がないとはどういう意味か

分譲マンションの契約時に、「修繕積立金がない」旨が記されていた場合、建物の修繕工事に備えて積み立てられる「修繕積立金」の月額徴収がないことを意味します

 

修繕積立金とは、将来的にマンションの修繕が必要となった場合に備えて積み立てていくお金です。通常、マンションの管理組合を通じて毎月定額が徴収されます。

 

修繕積立金の設定がない物件の場合、マンションの修繕費用が積み立てられていないことを意味します。

 

そのような物件でマンションの修繕工事が必要となった場合、修繕費用は一体どこからどのように捻出されるのでしょうか?修繕積立金の設定が安い物件のカラクリについて、次の章で解説します。

 

マンションの修繕積立金は安ければよい?

マンションの修繕積立金は安ければよい?

マンションの修繕積立金は安ければよい?

修繕積立金は必ずしも安ければよいとは限りません。そもそも、修繕積立金が安いマンションには、メリットとデメリットの双方が存在します

 

メリットは、毎月の金銭的負担が少ないことです。修繕積立金はマンションのローンや家賃に上乗せして徴収されるため、修繕積立金が安ければ、毎月の支払いも少なくて済みます。

 

一方デメリットとして、将来的に予期せぬ追加徴収が発生するリスクがあります。修繕工事が必要になった段階で修繕費用が足りない場合、資金難を解消するために修繕積立金が値上がりしたり、「一時金」として徴収が発生したりするケースがあるのです。

 

メリット・デメリットを確認した上で、修繕積立金が安いマンションを選ぶか検討が必要です。

 

修繕積立金が安いマンションの特徴

修繕積立金が安いマンションの特徴

修繕積立金が安いマンションの特徴

前述の通り、修繕積立金が安すぎるマンションには注意が必要ですが、管理体制上の仕組みにより、修繕積立金が元々安めに設定されているマンションもあります

 

修繕積立金が比較的安い傾向にあるマンションの特徴は、以下の3つです。

 

・駐車場や自動販売機がある

・機会駐車場を設置していない

・戸数が多い

 

ひとつずつ解説します。

 

駐車場や自動販売機がある

敷地内に駐車場や自動販売機があるマンションは、修繕積立金が低めに設定される傾向にあります。管理組合で駐車場や自動販売機から得た収益を積み立て、修繕費用等に充当するケースがあるためです。

 

なお、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、駐車料金等の取り扱いについて、以下のように定められています。(※)

 

「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。」

 

※引用:国土交通省|マンション修繕積立金に関するガイドライン

 

修繕積立金以外の資金源が確保されているため、修繕積立金の設定が低く設定されているというわけです。

機械駐車場を設置していない

機械駐車場がないマンションは、修繕積立金が安い傾向にあります。機械駐車場付きのマンションはメンテナンス費用や修理費用がかさむ傾向にある一方、機械駐車場がないマンションは、修繕コストがあまりかからないためです。

 

「マンション修繕積立金に関するガイドライン」においては、機械駐車場付きのマンションの修繕積立金は、4,645〜7,210円(※)の追加加算を推奨する旨が記されています。

 

機械駐車場を設置していないマンションでは、上記の追加加算が必要ないため、修繕積立金の設定金額が安く設定できるというわけです。

 

※参照:国土交通省|マンション修繕積立金に関するガイドライン

戸数が多い

戸数が多い

戸数が多い

住戸数が多いマンションは、修繕積立金が安い傾向にあります。住戸数が多い分、一戸あたりの負担金が少なくなるためです。

 

ただし住戸数が多い分、修繕箇所が増え、修繕費用がかさむ可能性もあります。そのため、200戸以上の大型マンションなどでは、修繕積立金が高く設定されているケースもあります。

修繕積立金の相場

修繕積立金の相場

修繕積立金の相場

平成30年度時点の統計調査によると、修繕積立金の月額平均値は一戸あたり11,243円です。(※)この数値をもとに判断すると、修繕積立金の相場は12,000円前後と考えて差し支えないでしょう。

 

ただし前述の機械駐車場による追加加算の有無や、マンションの占有床面積などによっても、設定金額は変動します。マンションの設備や広さによって、必要となる修繕費用も変動するためです。

 

修繕積立金の設定金額が適正かどうかを算出する方法については後述します。

 

※参照:国土交通省|平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」管理組合向け調査の結果

修繕積立金が安すぎると危険な理由

修繕積立金が安すぎると危険な理由

修繕積立金が安すぎると危険な理由

修繕積立金が安すぎると危険な理由は、この記事の冒頭でも触れた通り、将来的に追加徴収が発生するリスクがあるためです。

 

経年劣化に伴う修繕工事だけでなく、集中豪雨による床下浸水など、突発的な要因で修繕工事をせざるを得ないこともあります。そのような場合、住民から「一時金」を徴収することで修繕費用を捻出せざるを得ないマンションもあるでしょう。

 

鑑定士コメント

予算を考えるとき、修繕積立金の目安はいくらでしょうか?「m2あたりの修繕積立金の月単価(〜250円)」に「専有床面積」をかけた値が修繕積立金の適正価格の目安となります。そこで、希望するマンションの広さ(m2)に、修繕積立金の月単価の上限値である「250円」をかけた数字を月々に支払う修繕積立金としてシミュレーションしてみてください。修繕積立金が安すぎる物件を選ぶのは危険ですが、反対に高すぎる物件も、現実的ではありません。「修繕積立金が月額でいくらまでなら払えそうか」「無理なく住み続けられそうか」を具体的にイメージしながら、複数の物件を検討してください。

修繕積立金は値上がりする可能性がある

修繕積立金は値上がりする可能性がある

修繕積立金は値上がりする可能性がある

修繕積立金は将来的に値上がりする可能性があります。値上げの理由としては大きく2つ考えられます。

 

ひとつめの理由は、臨時の修繕費用などが重なり、修繕積立金の値上げを実施せざるを得なくなる場合です。突発的な自然災害の発生などにより、当初の修繕計画通りに資金が集まらないマンションは全国に多いといわれています。

 

ふたつめの理由は、修繕積立金の積み立て方式として「段階増額積立方式」が採用されている場合です。修繕積立金の積み立て方式には、積立金が毎月定額の「均等積立方式」と、築年数に応じて積立金を段階的に増加する「段階増額積立方式」の2種類があります。

 

マンション購入時の契約書類に「段階増額積立方式」と記載されている場合は、修繕積立金の値上がりが想定されます。初期費用の安さをアピールするために、契約時点での修繕積立金を安く設定しているケースもあるので、注意が必要です。

 

修繕積立金の値上げについては、以下の記事にてさらに詳しく解説しています。

修繕積立金が値上げされた!相場や理由についてわかりやすく解説

修繕積立金算出の目安・十分かどうか判断する方法

修繕積立金算出の目安・十分かどうか判断する方法

修繕積立金算出の目安・十分かどうか判断する方法

修繕積立金の適正価格は、国土交通省が公開している「マンション修繕積立金に関するガイドライン」をもとに算出可能です

 

同ガイドラインによると、修繕積立金(月額)の適正価格の目安は、「専有床面積あたりの月単価」に「専有床面積」をかけた値です。

 

例えば、月単価が200円、専有床面積が70m2の物件をモデルケースに考えると、200 x 70 = 14,000円が適正価格の目安となります。

 

なお「専有床面積あたりの月単価」は、建物の規模によって異なります。以下の表を参考に算出してください。

計画期間全体における修繕積立金の平均額の目安(機械式駐車場分を除く)

計画期間全体における修繕積立金の平均額の目安(機械式駐車場分を除く)

※引用:国土交通省|マンション修繕積立金に関するガイドライン p.8 「②計画期間全体における修繕積立金の平均額の目安」(機械式駐車場分を除く)

 

また機械駐車場付きのマンションの場合、追加加算を想定する必要があります。詳しい条件については、以下の表を参考にしてください。

機械式駐車場がある場合の加算額

機械式駐車場がある場合の加算額

※引用:国土交通省|マンション修繕積立金に関するガイドライン p.8 「③機械式駐車場がある場合の加算額」

 

ただし、使われている建築資材や築年数、立地条件等によっても適正価格は変動します。ガイドラインはあくまで目安と考えてください。

 

購入予定のマンションの収支状況を把握したい方は、マンションの管理組合が作成している「収支決算書」と、30年単位の修繕計画について記された「長期修繕計画書」に目を通すことで、積み立て計画が妥当か否かを判断するとよいでしょう。

 

鑑定士コメント

マンションの修繕積立金はずっと払い続けるのでしょうか?修繕積立金は、マンションを所有している限り払い続ける必要があります。およそ12年ごとに実施される「大規模修繕工事」も含め、マンションの修繕工事はマンションを所有している限り必要となるためです。また負担額も入居の年数に関係なく住民全員で一律に負担する必要があります。老後、年金で生計を立てていく際にも、毎月の修繕積立金は固定費として想定しておきましょう。

まとめ:修繕積立金がなしというマンションには注意が必要

まとめ:修繕積立金がなしというマンションには注意が必要

まとめ:修繕積立金がなしというマンションには注意が必要

契約時点で「修繕積立金なし」を売りにしているマンションには、注意が必要です。修繕費用の不足分を補填するために、将来的に修繕費用の追加徴収が発生する場合や、修繕積立金が値上がりする場合があります。

 

建物の経年劣化や耐震補強工事など、マンションを所有するうえで修繕の機会は必ず訪れます。そのため契約時点での安さだけでなく、より長期的な目線で、修繕に備えた資金管理体制ができている物件かどうかを見極めることが重要です。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

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