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更新日:2025.10.27
登録日:2025.10.27
800メートルは徒歩何分?駅徒歩10分の真実と賢いマンション選びのポイント

マンション選びでよく目にする「駅徒歩10分」という表記。実際には何メートルなのか、本当に10分で歩けるのか気になったことはありませんか。
本記事では、不動産広告で使われる「徒歩時間」の計算ルールや、実際に800mを歩いたときの所要時間などを解説します。さらに、駅徒歩10分物件のメリット・デメリットや、内見時に確認しておきたいポイントも紹介します。
この記事を参考に、納得のいくマンション選びを進めてください。
【この記事でわかること】
・徒歩10分(約800m)の計算方法と、実際に歩いた場合の所要時間
・自転車や車で移動した場合のおおよその時間
・駅徒歩10分物件のメリットとデメリット
・内見時に確認すべきポイントは「安全性」「高低差」「周辺環境」の3つ
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不動産広告における「徒歩800m」の時間計算ルール
不動産広告における「徒歩800m」の時間計算ルール
不動産広告に記載されている「徒歩〇分」は、業界で定められた基準に基づいて計算されます。まずは、この計算ルールを理解して、表示される距離や時間の意味を正しく把握しましょう。
「80m = 1分」が業界の統一基準
不動産広告でよく見る「駅徒歩10分」などの表示は徒歩所要時間と呼ばれ、「歩いたら何分かかるか」を示しています。実際に歩いて計測しているわけではなく、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」に基づいて計算されます。
主な計算ルールは、次のとおりです。
・道路に沿った距離80m=徒歩1分として計算する
・80m未満の端数は切り上げて1分とする
・距離は直線ではなく道路に沿って測定する
・横断歩道や踏切がある場合は、その分の距離も加算する
・駅からすぐの場所でも「徒歩0分」ではなく「徒歩1分」と表示する
つまり、駅まで800mなら800m÷80=徒歩10分と表記されます。
この基準は昭和30年代の広告トラブルを防ぐために作られ、今も物件選びの目安として広く使われています。
※ 参照:不動産の表示に関する公正競争規約
注意!計算に含まれない要素
徒歩所要時間には統一の計算ルールがありますが、実際の移動時間とは差が出ることもあります。
まず、表示される徒歩時間には信号や踏切での待ち時間が含まれません。交通量の多い道路や踏切を渡る場合、立ち止まる時間が加わり表示より長くかかることがあります。
さらに、距離は建物の出入り口同士で測定されるため、駅では改札やホームまでの時間は加わりません。
坂道や階段が多いルートでも同じ計算方法が使われるため、歩く速度が落ちると体感時間は長くなります。
鑑定士コメント
「80m=1分」という基準は、健康な成人女性がハイヒールで歩いた速度を想定しています。昭和30年代、公正取引委員会の鈴木深雪さんが実際にハイヒールで歩行実験を行い、その結果をもとにルール化されました。ちなみに、徒歩1分=80メートルは意外と早歩きに近いペースです。体力や状況によっては表示時間より長くかかることもある点には注意しましょう。
実際に800メートルを歩くと何分かかる?
実際に800メートルを歩くと何分かかる?
「徒歩1分=80m」という基準では、駅徒歩10分は800mと計算されます。とはいえ、実際に歩いてみると人によってかかる時間はさまざまです。
ここでは、平坦な道を歩いた場合のおおよその所要時間と、時間が延びやすい要因を具体的に解説します。
平坦な道を歩いた場合
平坦な道であれば、徒歩10分=約800mはほぼ表示どおりの時間で歩けます。健康な大人ならおおよそ10分で到着でき、往復しても負担は少ないでしょう。
ただし、子どもや高齢者が歩くとき、重い荷物を持っているとき、雨や雪の日などはもう少し時間がかかることがあります。
また、ハイヒールや歩きにくい靴を履いている場合も、表示どおりの時間で到着するのは難しいかもしれません。
所要時間が延びる要因
徒歩10分=800mと計算されていても、実際にはもう少し時間がかかることがあります。
主な理由は次のとおりです。
・信号や踏切の待ち時間:交通量や時間帯によって立ち止まる時間が増える
・坂道や階段:上り坂や階段が多いと歩くスピードが落ち、体感時間も長くなる
・天候や荷物の多さ:雨や雪で歩きにくくなったり、荷物が重いとペースが遅くなる
・敷地の広さ:徒歩時間は敷地の入口までの計算。玄関やエレベーターまでさらに時間がかかることもある
・地下道や駅構内の移動:地下鉄では長い地下道や改札までの時間が含まれていない
表示時間はあくまで目安です。人によって歩く速さは異なるため、内見時には実際に歩いて時間を確かめておくと安心です。
徒歩時間の計算ルールについて、400mの場合も知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
「400m=徒歩何分?」不動産広告の計算ルールとリアルな歩行時間の違いを検証
駅徒歩10分(800m)は車や自転車だと何分?
駅徒歩10分(800m)は車や自転車だと何分?
もし歩かずに駅へ行くなら、どのくらい時間がかかるのでしょうか。
徒歩10分=約800mの距離は、自転車なら平均速度「時速約15km」(=毎分約250m)で走れば3〜4分ほどで到着します。
車やタクシーなら、渋滞がなければおよそ2分程度で到着可能です。徒歩10分の距離は一般的に「ワンメーター圏内」とされているため、タクシーでも比較的安価に移動できます。
ただし、自転車や車の場合は駐輪場・駐車場に停める時間や、駅構内までの移動時間がかかるため、家を出る際は少し余裕を見ておくといいでしょう。
距離だけでなく「築年数」もマンション選びでは重要なポイントです。築30年のマンションは本当に買いなのか、メリット・デメリットや選び方を解説した記事もあわせてチェックしてみてください。
築30年マンションは買い?メリット・デメリットと後悔しない選び方を徹底解説!
駅徒歩10分(800m)のマンションを選ぶメリット
駅徒歩10分(800m)のマンションを選ぶメリット
駅から徒歩10分の距離は、駅近すぎず遠すぎない「ちょうどいい立地」です。利便性と落ち着いた住環境の両方を確保しやすく、物件の選択肢も広がります。
ここでは、駅徒歩10分(約800m)のマンションを選ぶことで得られる主なメリットを4つ紹介します。
・価格が比較的リーズナブル
・物件の選択肢が豊富
・適度な距離で静かな住環境を確保しやすい
・日々の通勤が運動習慣になる
価格が比較的リーズナブル
駅から徒歩10分のマンションは、徒歩5分圏内の駅近物件と比べると購入価格が抑えられる傾向があります。
駅近は需要が高く価格も上がりやすいですが、徒歩10分なら同じエリアでも数百万円安いケースもあり、予算内で無理なく購入できるのが魅力です。
価格が抑えられる分、広めの間取りや築浅物件、設備が整ったマンションを選べる可能性も高まります。浮いた費用を家具や家電、リフォーム費用に回せば、理想の住まいをより実現しやすくなるでしょう。
さらに、借入額が少なく済むことで住宅ローンの毎月の返済にも余裕が生まれ、家計への負担も軽減されます。
物件の選択肢が豊富
駅から徒歩10分程度まで範囲を広げると、検討できる物件数が一気に増えます。駅近物件は人気が高く選択のハードルが高いですが、徒歩10分圏内なら築年数や間取り、価格帯のバリエーションが豊富です。
例えばファミリーなら、駅徒歩5分圏内では予算や間取りが合わないこともありますが、徒歩10分に広げることで3LDK以上や駐車場付きなど、希望条件を満たす部屋が見つかりやすくなります。
駅近では条件に合う部屋が見つからなくても、徒歩10分圏内まで探せば理想の住まいが見つかる可能性が高まるでしょう。
適度な距離で静かな住環境を確保しやすい
駅徒歩10分のマンションは、駅前のにぎやかなエリアから少し離れている分、落ち着いた環境で暮らしやすいのが魅力です。
駅近物件は人通りや交通量が多く、深夜まで営業する飲食店の騒音が気になることもありますが、徒歩10分なら静かな住宅街に住める可能性が高まります。小さな子どもがいる家庭や、在宅ワーク中心の人には特にうれしいポイントです。
さらに、スーパーや病院など生活施設が徒歩圏内にそろうことも多く、利便性と静かさの両立が可能です。
駅近の便利さは魅力ですが、落ち着いた環境やプライバシーを優先したいなら、徒歩10分はちょうど良い距離といえるでしょう。
日々の通勤が運動習慣になる
徒歩10分の通勤は、毎日自然に体を動かす習慣をつくる絶好のチャンスです。往復すれば約20分のウォーキングとなり、運動不足解消にも役立ちます。
わざわざジムに行かなくても、通勤の中で無理なく運動できるのがポイント。天気の良い日にはリフレッシュにもなり、季節の変化を感じながら歩くことで気分転換にもなります。
体力がつけば歩くスピードも自然と上がり、朝から頭がスッキリして仕事や勉強の効率も上がるでしょう。
駅徒歩10分は、日常生活に無理なく健康習慣を取り入れたい人にぴったりの距離です。
駅徒歩10分(800m)のマンションを選ぶデメリット
駅徒歩10分(800m)のマンションを選ぶデメリット
駅徒歩10分のマンションには多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。ここでは駅徒歩10分のマンションのデメリットを3つ紹介します。
・悪天候時のストレスになりやすい
・荷物が多い時に負担を感じる
・タクシーではワンメーターを超える可能性がある
悪天候時のストレスになりやすい
駅から徒歩10分の距離は、晴れた日ならちょうど良い運動になりますが、雨や雪の日は一気に負担が増します。傘をさしても風で濡れてしまったり、帰宅時に急な雨に降られたりすると、駅から家までが憂うつに感じることもあるでしょう。
お子さんがいる家庭では、ベビーカーや荷物を抱えて歩くのがさらに大変です。雨具の準備や子どもの着替えも必要になり、外出が一苦労になることもあります。
駅近物件なら移動距離が短く、天候の影響を受けにくい点がメリットです。徒歩10分の物件を選ぶ際は、悪天候時の移動を想定し、折りたたみ傘を常備するなど対策を考えておく必要があるでしょう。
荷物が多い時に負担を感じる
普段は気にならない徒歩10分の距離も、荷物が多い日には一気に負担になります。まとめ買いや、雨具・仕事用の資料を持ち帰る日などは歩くスピードが落ち、帰宅まで時間がかかりがちです。
特にスーツケースや重い買い物袋を持っていると、階段や坂道のあるルートではさらに大変です。こうした日はタクシーやバスを使いたくなりますが、交通費が積み重なると意外な出費になるかもしれません。
近くにスーパーやコンビニがあるか、宅配サービスを利用できるかを事前に確認しておくと、日常の負担を軽減できます。
タクシーではワンメーターを超える可能性がある
徒歩10分(約800m)の距離は、タクシーでは約2分で到着します。短距離なので「ワンメーターで行けるだろう」と思いがちですが、地域によってはワンメーターの走行距離を超えてしまう可能性がある点には注意しなければなりません。
例えば、東京都特別区・武三地区のワンメーター走行距離は1.96km。(※)800mは基本的にはワンメーター圏内ですが、初乗り距離が短い地域や、信号待ち・渋滞で時間距離併用運賃が加算されると思ったより高くなることもあります。
タクシーをよく利用するなら、引っ越し前にそのエリアのワンメーター距離を調べておくと良いでしょう。「思ったより高かった…」という後悔を防げます。
「徒歩800m」を快適にするための内見ポイント
「徒歩800m」を快適にするための内見ポイント
同じ徒歩10分でも、道のりや周辺環境によって歩きやすさや体感時間は大きく変わります。物件選びの際は、距離だけで判断せず、実際に歩いて確認することが大切です。
ここでは、徒歩800mを快適にするためにチェックしておきたいポイントを紹介します。
道のりの安全性
徒歩800mの道のりは、昼間は問題なくても、夜は不安に感じることがあります。特に女性やお子さんがいる家庭では、帰宅ルートの安全性を確認しておくことが大切です。
内見のときは、次の点をチェックしましょう。
・街灯の数や明るさ
・人通りや営業している店舗の多さ
・横断歩道や信号機の有無
・歩道と車道の区分(ガードレールや自転車レーン)
・見通しの良さや死角の有無
静かな環境は魅力ですが、夜に不安を感じる道ではストレスが溜まりやすくなります。昼と夜の両方で歩き、安全性を確かめることが大切です。
高低差の有無
徒歩800mのマンションを選ぶときは、駅までの道に坂道や階段があるかどうかも確認しましょう。坂道が多いと、表示上は徒歩10分でも実際にはそれ以上かかることがあります。
上り坂では自然と歩くスピードが落ち、真夏や真冬、荷物が多い日にはさらに負担が増えます。特に帰り道が上り坂の場合、通勤や買い物が毎日大変に感じやすくなるでしょう。
物件広告の徒歩時間はあくまで目安です。内見の際には必ず実際に歩き、高低差や道の歩きやすさを確かめておきましょう。
周辺環境
徒歩800mのマンションを選ぶ際には、周辺環境のチェックも欠かせません。
駅から物件までの間にスーパーやコンビニ、ドラッグストアがあれば、帰り道で買い物を済ませられて便利です。深夜まで営業しているお店があれば、残業帰りや急な買い物にも対応できます。
また、病院やクリニック、美容室、郵便局、銀行など、日常的に使う施設が近くにそろっていると暮らしやすさがぐっと高まります。
騒音の有無も重要なポイントです。幹線道路や飲食店、学校が近いと、時間帯によっては騒がしく感じることもあります。
快適に暮らすためには、内見時に実際に歩いて周辺環境を確認しておくことが大切です。
鑑定士コメント
不動産広告の「徒歩10分」は目安です。内見時には実際に駅まで歩いて、所要時間や坂道、信号待ちの有無を確認しましょう。夜道の明るさも大切なチェックポイントです。バスを利用するなら最終便の時間、自転車利用なら駐輪場の有無も忘れずに確認してください。さらに昼と夜、平日と休日の両方で現地を訪れ、音やにおいを確かめておくと、入居後のギャップを防げます。
内見の際に確認すべきポイントをさらに詳しく知りたい方は、以下の資料も参考にしてみてください。
まとめ:「徒歩800m」を味方につけ、価値あるマンションを見極めよう
まとめ:「徒歩800m」を味方につけ、価値あるマンションを見極めよう
徒歩800mと聞くと距離感がつかみにくいかもしれませんが、「徒歩1分=80m」という基準を知れば生活のイメージがしやすくなります。
徒歩800mは、価格を抑えつつ落ち着いた住環境を確保できるちょうど良い距離です。ただし、坂道や信号待ちなどによって実際の所要時間が変わることもあるため、内見時には必ず歩いて確認しましょう。
距離を理解した上で、暮らしやすさや通勤・通学の負担も考えながら、あなたにぴったりのマンションを選んでください。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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