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更新日:2025.04.25
登録日:2025.04.25
火災報知器の点検とは?義務・方法・マンションでの注意点を徹底解説

「火災報知器は自分でも点検できるの?」
「火災報知器の点検はどんなことをすればよい?」
このような疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
火災が発生した際、人々の命を守るために活躍するのが火災報知器です。火災報知器は建物に設置されており、定期的な点検が欠かせない機器です。本記事では、火災報知器の点検に関する下記の内容について解説します。
火災報知器に関する知識を深めて適切な点検を行えるように、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事でわかること】
・火災報知器の点検は消防法で義務付けられており、怠ると罰則がある
・マンションでは、機器点検は6ヶ月ごと、総合点検は1年ごとに実施が必要
・点検は自分でできる場合もあるが、基本的には専門業者に依頼することが推奨される
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火災報知器の点検とは

火災報知器の点検とは
火災報知器の点検とは、火災報知器が正常に作動するかを確認することです。ここでは、火災報知器の点検に関する下記の内容について詳しく解説します。
・火災報知器の役割
・火災報知器の点検が必要な理由
・火災報知器の点検を怠ると罰則が科される
・火災報知器の点検頻度
火災報知器の役割
まずは、火災報知器の役割について確認しましょう。火災報知器とは、火災が発生した際に熱や煙を感知して警報やブザーの音で火災の発生を知らせる機器です。
火災は、発生してから時間が経つと火が回ってしまい避難するのが難しくなります。また、寝てる間に火災が発生すると気づけません。
火災に気づけないと、煙やガスを吸ってしまい命の危険にさらされる恐れがあります。そのため、火災が発生した際はいち早く発生に気づくことが大切であり、そのために重要となるのが火災報知器です。
火災報知器の点検が必要な理由
火災報知器の点検が必要な理由には、主に下記の2つがあります。
・機器の故障などに気づくため
・消防法で義務付けられているため
火災報知器は私たちの命を守るために欠かせない機器です。とはいえ、実際に作動することはほとんどないため、火災報知器が正常な状態であるかを確認するタイミングは少ないでしょう。実は故障しており、火災が発生した際に作動しなかったら意味がありません。
また、そもそも火災報知器の点検は消防法によって義務付けられています。そのため、定期的に点検のタイミングを設けて正常に作動するかを確認しなければなりません。
火災報知器の点検を怠ると罰則が科される
火災報知器の点検は、消防法によって義務付けられています。そのため、点検を怠ると罰則が科されるため注意しましょう。
決められたタイミングでの火災報知器の点検を怠った場合、まず立入検査などの指導が行われます。指導のタイミングで適切に対処できれば、罰則は課されません。
しかし、指導を無視してしまうと行政処分によって30万円以下の罰金または拘留となる可能性があります。
火災報知器の点検頻度
火災報知器の点検頻度は、消防法によって定められています。
建物の種類などによって異なりますが、マンションでは6ヶ月に1度機器点検が必要です。消防法により、すべての住戸で専門業者による点検が義務付けられています。
また、6ヶ月に1度の機器点検のほかに、総合点検と呼ばれる点検も行われます。マンション全体の消防用設備を全部または一部作動・使用して機能が問題ないかを確認します。マンションの場合、総合点検は1年に1度行われます。
なお、火災報知器の設置に関してより詳しく知りたい方は、下記の記事も一緒にご覧ください。
火災報知器設置義務とは?場所・住宅タイプ別の条件や罰則を紹介
火災報知器の点検は自分でできる?

火災報知器の点検は自分でできる?
火災報知器は自分で点検できるのかと疑問に思う人もいるでしょう。ここでは、火災報知器の点検に関する下記の内容について解説します。
・火災報知器の点検で自分で行える条件
・火災報知器の点検に必要な道具
・プロ業者に点検を依頼する際のチェックポイント
火災報知器の点検で自分で行える条件
結論から言うと、火災報知器の点検を自分で行うことは可能です。ただし、自分で行える条件として下記に該当する建物である必要があります。
1.消防庁または消防署長が指定した非特定防火対象物のうち、延べ床面積が1,000㎡以上の建物
2.地下または3階以上に飲食店などの不特定多数の人が出入りする事業所などがあり、屋内階段が1ヶ所のみの建物
そのため、マンションによっては自分で点検を行える建物もあるでしょう。
ただし、火災報知器の点検は建物全体の人命を守る大切な設備です。基本的には消防設備士または消防設備点検資格者に依頼するようにしましょう。
※参照:国土交通省
火災報知器の点検に必要な道具
火災報知器の点検には、主に下記のような道具が必要です。
・加熱試験器
・加煙試験器
火災報知器の検知方法は、主に熱と煙に分けられます。そのため、点検する火災報知器の種類によって、それぞれの点検に合った試験器が必要です。
また、試験機のほかにも回路計やプレスト電話機などの電気回路を点検する道具も使用されます。
プロ業者に点検を依頼する際のチェックポイント
火災報知器の点検を自分ではなくプロ業者に依頼する場合、下記のようなポイントをチェックしましょう。
・自社で点検を行なっているか
・緊急時にも対応してもらえるか
・損害賠償責任保険に加入しているか
点検業者にもさまざまな種類があり、依頼先の業者が直接作業する場合もあれば下請けに仕事を依頼する業者もあります。火災報知器の点検は命に関わる重要なことであるため、基本的には自社点検を行う業者に依頼するのがおすすめです。緊急時にもすぐに連絡がつき、情報の連携もスムーズにできます。
また、損害賠償責任保険に加入しているかもしっかりとチェックしましょう。点検作業を実施する中で、問題が発生して部屋や物を破損させる可能性があります。万が一損害が発生した場合に確実に補償してもらえるように、損害賠償責任保険に加入している業者に依頼しましょう。
なお、火災報知器の電池交換方法について詳しく知りたい方は、下記の記事も一緒にご覧ください。
火災報知器点検の方法

火災報知器点検の方法
正確に火災報知器の点検を行うには、事前にしっかりと方法を確認することが大切です。ここでは、火災報知器点検の方法について、下記の内容を解説します。
・点検前の準備
・外観を確認する
・機能を確認する
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
点検前の準備
点検前に、まず火災報知器の取扱説明書などをしっかりと確認しましょう。火災報知器にはさまざまな種類があり、点検方法も異なります。
感知方法の違いもあれば、同じ感知方法でも点検で確認するポイントが違うこともあるため、設置されている火災報知器についてしっかりと確認することが大切です。
外観を確認する
設置されている火災報知器について取扱説明書などでしっかりと確認したら、外観を確認します。
火災報知器は基本的に触れることがないため、もし汚れの付着や変形が生じていても気づきにくいです。あまり外観を確認することもないため、どのような状態であれば正常かわからない場合もあります。そのため、取扱説明書などに載っている正常な外観と見比べながら確認しましょう。
埃や汚れが付着していると、機器そのものは壊れていなくても感知しにくくなってしまいます。感知部分などをしっかりと確認して、埃や汚れを除去することが大切です。また、外観を確認するタイミングでテストボタンなどの位置を確認すると良いでしょう。
機能を確認する
外観の確認が終われば、火災報知器をテスト作動させて正常に動くかを確認します。テスト作動は、一般的に「ボタンを押す」または「ひもを引っ張る」ことで行えます。
火災報知器の種類によってボタン式・ひも式、押す・引っ張る時間が異なるため、テスト作動の手順を確認しておきましょう。火災報知器が正常な場合、警報音が鳴ります。
鑑定士コメント
火災報知器の点検に立ち会うことは努力義務です。そのため、日時が合わない・人を入れたくないなどの理由で点検を拒否しても居住者自身に罰則があるわけではありません。ただし、万が一火災が発生して火災検知に遅れてしまった場合、一定の責任を負う可能性があります。また、マンションの管理規約によっては立ち入りを義務付けたり、不在の場合は管理人等が立ち会いできるように定められている場合もあります。
マンションでの火災報知器点検のポイント

マンションでの火災報知器点検のポイント
マンションでの火災報知器点検では、下記のようなポイントを把握しておく必要があります。
・戸別点検と共用部点検の違い
・マンション独自の火災報知器の点検方法
・マンションでのルールと管理体制を確認する
それぞれの内容について、詳しく解説します。
戸別点検と共用部点検の違い
火災報知器は、各住戸に設置されているものと共用部に設置されているものがあります。点検のタイミングや方法は同じですが、点検の責任の所在が違うことに注意しましょう。
全体の点検依頼は管理組合や管理会社が行いますが、住戸の火災報知器を点検する戸別点検は住居人が責任を持って対応する必要があります。事前に点検日時が告知されるため、対応できるように準備しましょう。
共用部点検は、管理組合や管理会社が対応を行います。各住居人が点検時に対応することはありませんが、点検中は廊下の通行が制限されることもあるため必ず日時を把握しておきましょう。
マンション独自の火災報知器の点検方法
マンションの場合、室内だけではなく住居者全員に火災の発生を知らせる必要があります。そのため、火災報知器の作動を確認するだけではなく、連動してほかの火災報知器が作動するかを確認します。
連動して作動する仕組みとして、火災報知器や消防設備によって下記のようなものがあります。
・鳴動方式
・連動機能
・無線機能
それぞれの方式に沿ってテストを行い、マンション全体で火災報知器が作動するかを確認することが大切です。
マンションでのルールと管理体制を確認する
マンションごとにルールや管理体制が異なるため、火災報知器の点検に関してどのようなルールがあるかを確認しましょう。
立ち会いの方法や時間帯、日々の点検ルールをはじめ、火災報知器を含む消防設備の管理を行っているのはどこかと言うことも知っておくと何らかのトラブルが発生しても柔軟に対処できます。
なお、中古マンションでチェックするポイントについてより詳しく知りたい場合は以下の資料をご覧ください。無料でダウンロード可能です。
鑑定士コメント
火災報知器の点検費用は誰が負担するのでしょうか?火災報知器を含む消防設備の管理は、建物の管理者に義務付けられています。そのため、火災報知器の点検費用はマンションの管理者である管理組合や管理会社が負担します。基本的に、点検のために居住者が別途費用を負担することはありません。
火災報知器点検のための業者選びのポイント

火災報知器点検のための業者選びのポイント
火災報知器点検のために業者選びを行う場合、下記のようなポイントに注目しましょう。
・専門性と実績はあるか
・サービスの質はよいか
・適正価格で行っているか
・柔軟な対応をしてくれるか
それぞれの業者選びのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
専門性と実績はあるか
火災報知器の点検業者を選ぶ際は、専門性と実績を確認しましょう。
火災報知器の点検には、専門的な知識が必要です。火災報知器の点検に関するルールは消防法で定められており、法律の改正によって点検ルールや基準が変更される可能性があります。
専門性が薄く実績もあまりない場合、ルールや基準を把握しきれておらず、間違った点検が行われる恐れがあります。消防設備の点検に特化した業者であるか、営業年数や年間の点検実績数などを確認しましょう。
サービスの質はよいか
業者選びでは、点検そのものだけではなくサービスの質が良いかも確認しましょう。
火災報知器は、点検したら終わりではありません。点検後にも誤作動が発生するなどの問題が発生する可能性があります。点検だけではなくアフターサービスも充実しているかを確認しましょう。
また、緊急時にどれだけ素早く対応してもらえるかも重要です。火災報知器は24時間365日稼働しています。もしかすると夜間や休日に対応しなければならないこともあります。
そのため、緊急時にも対応してもらえるかどうかも確認する必要があるでしょう。
適正価格で行っているか
火災報知器の点検価格が適正であるかどうかも、業者選びでは重要です。
ホームページの表示料金と比べて見積もりが高額になっていると、信用することは難しいです。また、反対に安すぎるときちんと点検してもらえているか怪しくなってしまいます。
とはいえ、火災報知器の数や場所などで費用が異なるため、適正価格を把握することは難しいでしょう。そのため、点検の見積もりを行う場合は複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。
柔軟な対応をしてくれるか
火災報知器の点検では、点検だけではなく書類の作成や不備があった場合の対応なども必要です。そのため、点検だけではなく点検に関わる全体の業務にも柔軟に対応してもらえるかを確認しましょう。
例えば、点検の際にNGがあった場合、点検に合格できるように対処しなければなりません。しかし、点検業者に対応してもらえなければ、別の業者の手配や点検のやり直しなどの対応が発生してしまいます。
点検業者に火災報知器の不備を対処してもらえればスムーズに点検が進められるため、点検だけではなくトータルで柔軟に対応してもらえるかを事前に確認しましょう。
まとめ:火災報知器の点検は忘れずに定期的に行おう

まとめ:火災報知器の点検は忘れずに定期的に行おう
火災報知器は、建物に住んでいるすべての人の命に関わる重要な設備です。点検できておらず火災が発生した際に正常に作動しないと、被害が大きくなる恐れがあります。
法律でも火災報知器の点検は義務付けられています。あくまでも管理者に対する義務ではあります。とはいえ、マンションの居住者も自分事として捉えてしっかりと点検を行いましょう。
#点検、#設備、#火災、#マンション

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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