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更新日:2023.08.23
登録日:2022.08.24
リノベーションの意味は?リフォームとの違いや費用・流れを徹底解説
「改修・改築を検討しているけれど、リノベーションとリフォームのどちらを選べばいいの?」
「そもそもリノベーションとリフォームの違いは?」
などとお悩みではありませんか。この記事では、リノベーションの意味やリフォームとの違いを徹底解説します。
併せて、リノベーションがおすすめなケースとそうでないケースも紹介。この記事を読めば、自分に合った工事方法がどちらなのかを判断できます。改修・改築を検討している人は、ぜひ最後まで目を通してください。
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リノベーションとリフォームの意味を解説
リノベーションとリフォームの意味を解説
自宅の改修・改築を検討しているなら「リノベーションとリフォームってどう違うの?」という疑問を一度は抱くことでしょう。両者を混同して使ってる人もいます。
しかし、両者は全く違う工事方法です。ここでは、混同しやすいリノベーションとリフォームの違いを分かりやすく解説します。
リノベーション:大規模な工事で建物の価値を高めること
リノベーションは住宅の改修工事のなかでも、建物の性能や価値を高める工事のことです。該当する主な工事例は、下記の通りです。
・内外装を刷新する
・間取りを変更する
・水回りの配管移動をする
建物を新築かそれ以上の状態にするだけでなく、現状の生活スタイルに合わせた+αの性能を加えることを目的としています。新築を購入するよりも費用が抑えられ、住宅の資産価値が落ちにくいメリットも見逃せません。
なお、リノベーションには住宅ローンが使えず、一般的にはリフォームローンを組むことになります。金利が割高になる点には注意が必要でしょう。
リノベーションの間取り別費用相場は、こちらの記事でもご紹介しています。
リフォーム:老朽化した建物を新築に近い状態に戻すこと
リフォームとは、老朽化した住宅を新築同様の状態に戻す工事です。特に、原状回復のために実施する工事だといえます。リフォームに該当する工事例は下記の通りです。
・外装の塗り直しをする
・壁紙の張替えをする
・トイレや浴室の改良をする
リノベーションよりは大規模な工事ではないため、住宅の雰囲気をそのまま残せることが最大のメリットです。しかし、大幅なデザイン変更ができないデメリットもあります。また、内部構造工事をすると、リノベーションよりも費用が割高になることもあります。
リノベーションとリフォームの明確な違い3つ
リノベーションとリフォームの明確な違い3つ
リノベーションとリフォームの違いは、下記の3つです。
1.工事の規模
2.居住性
3.コスト
違いを知ることはどちらの工事を選ぶか判断する基準になります。以下で各項目の詳細を解説するので、参考にしてください。
①工事の規模
リノベーションとリフォームでは、工事の規模が大きく違います。リノベーションの方が大規模で、リフォームは比較的小規模です。これには工事内容の違いが影響しています。
リノベーションは建物の当初の仕様を大幅に変える工事のため、どうしても工事規模が大きくなります。これに対して、リフォームは原状回復のための工事という意味合いが強く、部分工事が多いため工事規模は比較的小規模です。
②居住性
工事後の居住性は、リノベーションとリフォームどちらをするかによって異なります。これは両者の工事を行う目的が違うためです。
リノベーションは、下記の通り現在の建物に対して不満を抱える部分を、希望する仕様に作り変えることが目的です。
・間取り変更で広いリビングを作る
・トイレや浴室の場所を変更する
・内装デザインを刷新する
これに対して、リフォームは老朽化した部分を新築当初の状態に戻すことを目的としています。古くなった部分を直すだけなら、リフォームで十分でしょう。現在の住宅ではライフスタイルにそぐわなくなったと感じる場合は、リノベーションを検討する価値があります。
③コスト
③コスト
工事にかかるコストも、両者では大きく異なります。工事の内容や規模から、必然的にリフォームよりもリノベーションの方が割高になります。それぞれの工事費用の相場を下記の表(※)にまとめたので、ご覧ください。
リノベーションもリフォームも、工事範囲を調整することで、コストを抑えることが可能です。支払い負担が大きくならないよう、工夫して工事をしましょう。
※費用相場は、リノコ、リショップナビ、LIXILを参考に作成
リノベーションの事例を紹介
リノベーションの事例を紹介
リノベーションがおすすめのケース2選
リノベーションでどんな結果が得られるか、まだイメージが湧いていない人もいるのではないでしょうか。ここでは、中古マンションのリノベーション事例を紹介します。リノベーションで得られるのは、現在のライフプランに合った生活空間です。具体例としては、下記が挙げられます。
・3LDKを2LDKに改築
・キッチンをオープンキッチンに変更
・床を1段上げてバリアフリー化
時代の経過に伴い、新築当時とは異なるニーズが生まれることはよくあります。良い例が都心部で高いニーズを誇る、シニアやDINKS(共働きや子供を持たない夫婦)向けのリノベーションです。
予算にもよりますが、自分の思い描く住空間を作れることが、リノベーション最大のメリットと言えるでしょう。なお、リノベーションやリフォームをする際は、管理規約に制約がないか、必ず確認してください。工事内容や日時は管理組合に届け出なければならないのが一般的です。
トラブルを避けるためには、準備を抜かりなく行うことが重要です。
リノベーションがおすすめのケース2選
リノベーションがおすすめなケースは、下記2つに該当するときです。
・設備や間取りの大幅な変更が必要な場合
・新築物件を購入するよりも費用を抑えたい場合
以下では、それぞれ詳しく解説します。
①設備や間取りの大幅な変更が必要な場合
下記事例に該当する場合は、リノベーションを行うことがおすすめです。
・ライフスタイルの変化で間取りの変更が必要
・各住宅設備の使いにくさが気になる
これらの問題は、リフォームでは解決できません。特に子供が独立した、2世帯同居を始めたなど、家族構成が大きく変わった場合はリノベーションを検討しましょう。既存の壁を取り払い、間取り変更すれば、部屋数を増やすといったことも可能です。
希望する立地条件に合う中古物件を購入し、自分好みにリノベーションすることもおすすめです。
②新築物件を購入するよりも費用を抑えたい場合
マイホームを手に入れたいものの、費用を抑えたい場合は、中古物件を購入してリノベーションする方法があります。一般的に、中古物件の購入費用は新築よりも2割から3割ほど割安と言われています。また、中古物件なら選択肢が多く、希望に沿ったエリアやデザインの住宅を購入しやすいこともメリットです。
中古物件は新築よりも資産価値の下落が緩やかです。仮に売りに出さなければならなくなった場合も、購入時と大きく変わらない価格で売却できるでしょう。
なお、リノベーションには住宅ローンが使えません。そのため、物件の購入もする場合は別々でローンを組まなければならず、住宅ローンとの2重払いになる点には注意しましょう。
鑑定士コメント
リノベーション物件は、賃貸で住むのもおすすめです。新築同様の内装であるにも関わらず、家賃は新築物件よりも格安な傾向にあります。また、最近では内装もデザイナーズ仕様や、無垢の素材にこだわったものなど、こだわり物件も見られるようになっていて、人とは違ったこだわりの住まいに興味のある方にも良い選択肢の一つです。
リノベーションがおすすめできないケース3選
リノベーションがおすすめできないケース3選
下記のケースに該当するなら、リノベーションはおすすめできません。
・リフォームよりも工事費用を安く済ませたい場合
・工期を短く済ませたい場合
・住宅のイメージを大幅に変えたくない場合
以下で各ケースの詳細を解説するので、検討材料の1つにしてください。
①リフォームよりも工事費用を安く済ませたい場合
リフォームよりも工事費用を安く済ませたいなら、リノベーションはおすすめできません。先述したように、工事費用はリノベーションの方が割高なためです。フルリノベーションをする場合は、1,000万円近くの費用を用意しなければならないこともあります。
コストを抑えるには、現在の建物が抱えている問題点を洗い出し、リフォーム規模の改修で対応できないかを見極めることが重要です。予算に余裕がない場合は、一部の工事を見送る必要が出てくるかもしれません。
鑑定士コメント
バリアフリーやエコ、耐震力の強化などを目的としたリフォームには、国や自治体から補助金が支給される場合があります。これらをうまく使うことで、もっと費用を節約できます。自治体のHPなどで探してみましょう。
②工期を短く済ませたい場合
工期を短く済ませたいなら、リノベーションはおすすめできません。工事の規模と工期は比例し、リノベーションの工期はしばしば数ヶ月に渡ることが多いためです。リノベーションとリフォームの工期を下記の表(※)にまとめたので、ご覧ください。
加えて、フルリノベーション中は住宅で生活ができないため、代わりの住居を工面する必要があります。仮住まいの確保にも少なからずコストがかかることも念頭に置いた方が良いでしょう。
③住宅のイメージを大幅に変えたくない場合
③住宅のイメージを大幅に変えたくない場合
現在の住宅イメージを大幅に変えたくないなら、リノベーションはおすすめできません。リノベーションは、既存住宅を今の生活スタイルに合った環境に改修するための工事です。そのため、工事後は住宅のイメージは大きく変わってしまいます。
現在の住宅のイメージを維持したいなら、リフォームの方がおすすめです。今までの雰囲気を維持しながら、老朽化した部分を新しくできます。
リノベーションとリフォームのどちらにすべきかを見極めよう
リノベーションとリフォームのどちらにすべきかを見極めよう
リノベーションとリフォームとでは、工事の目的が異なります。リノベーションは住宅の性能や価値をより高める工事である一方、リフォームは老朽化した部分を新築同様の状態に戻す工事です。リノベーションの方が大掛かりで、コストもかかります。しかし、その分新たな住空間を手に入れられることがメリットです。
建物の改修・改築を成功させるためには、まずは工事の目的を明確にする必要があることがわかるでしょう。この記事を参考に、どちらの工事が最善の選択肢になるかを慎重に考えてください。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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