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更新日:2024.12.20
登録日:2024.12.20
オープンキッチンとは?種類別の特徴とメリット・デメリットを解説
「オープンキッチンとは何?」
「オープンキッチンのメリット・デメリットを知りたい。」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、オープンキッチンの特徴や種類、メリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、設置費用の相場や選び方のポイントまで紹介しますので、オープンキッチンの採用を検討されている方はぜひ参考にしてください。
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オープンキッチンとは
オープンキッチンとは
オープンキッチンは、キッチンとリビング・ダイニングが壁で仕切られず、ひとつの空間としてつながった間取りのキッチンです。
対面式キッチンとも呼ばれ、現在主流のスタイルとして広く採用されています。
開放感があり、広々とした空間が特徴です。対面型は家族と会話しながら調理ができ、コミュニケーションがとりやすい点も魅力です。
さらに、キッチンをインテリアの一部として楽しむこともできます。
キッチンには、オープンキッチンの他に「クローズドキッチン」もあります。クローズドキッチンはリビング・ダイニングから完全に独立しており、壁に向かって設置されているタイプです。
匂いや煙が他の空間に伝わりにくいメリットがある一方、古いスタイルとされることもあります。
オープンキッチンの種類
オープンキッチンの種類
オープンキッチンには、さまざまなタイプがあります。具体的には、以下のとおりです。
・アイランド型
・ペニンシュラ型
・I型
・II型
・L型
それぞれ詳しく解説します。
アイランド型
アイランドキッチンは、調理スペースやシンクが「島」のように独立して設置されたキッチンです。
リビングやダイニングとつながりを感じられる、開放的でデザイン性の高いキッチンとなります。
キッチンを囲むように調理できるため、複数人での料理やホームパーティーに最適です。家族や友人と会話を楽しみながら調理ができるでしょう。
しかし、設置には広いスペースを確保しなければなりません。部屋の間取りによっては、導入が難しい場合もあります。
キッチンが常に見えるため、汚れが目立ちやすく、整理整頓が欠かせない点もデメリットです。さらに、四方にパネルが必要なため、コストが高めな点にも注意が必要です。
アイランドキッチンは、料理を楽しみたい方や掃除が得意な方に向いています。
ペニンシュラ型
ペニンシュラキッチンは、片側が壁に接した対面式キッチンで、半島(ペニンシュラ)のように突き出たデザインが特徴です。
リビングやダイニングに向かって設置されるため、家族と会話を楽しみながら調理ができます。
壁付けのためスペースを確保しやすく、アイランドキッチンよりも設置場所を選びません。比較的狭い空間にも対応できる点がメリットです。
配膳もしやすく、使い勝手も良いでしょう。
ただし、収納が少ない点はデメリットです。油や水のはねや調理中のにおいが、リビングに広がる可能性もあります。
ペニンシュラキッチンは、家族とのコミュニケーションを大切にし、開放的な空間で調理を楽しみたい方に適しています。ミニマリストのように持ち物が少ない人にもおすすめです。
I型
I型キッチンとは、コンロやシンク、調理スペースが一列に配置されたキッチンのことです。上から見ると「I」の形になることから名付けられました。
壁沿いに設置でき、限られたスペースを効率よく活用できるため、特に日本の住宅でよく採用されています。
設計がシンプルなため、他のキッチンタイプに比べてコストを抑えやすい点も魅力です。
ただし、横幅が長くなると動線が悪くなり、作業効率が落ちる場合があります。また、リビングやダイニングからキッチンが見えやすくなるため、収納や整頓の工夫が必要です。
I型キッチンは、限られたスペースを活用したい方やコストを抑えたい方におすすめです。
II型
II型キッチンは、シンクとコンロが異なるカウンターに並列配置された「セパレート型キッチン」です。
二つの調理台に分かれているため、広々とした作業スペースが確保でき、複数人で調理をしても狭さを感じず、楽しみながら利用できます。
シンクで準備をした後、振り返るだけで加熱調理に移れるため、動線が短く効率よく使える点も魅力です。
また、カウンターが二列あることで収納が増え、調味料や調理器具の収納にも便利です。
ただし、設置には広いスペースが必要となります。住宅によっては導入が難しい場合があるでしょう。通路に水や油が垂れやすくなる、振り返る動作が多くなる、といったデメリットもあります。
II型キッチンは、スペースにゆとりがあり、効率の良い作業や収納力を重視したい方に向いています。
L型
L型キッチンは、シンクとコンロがL字型に配置されたレイアウトのキッチンです。
作業動線が短く、効率よく調理できるのが特徴です。壁沿いに設置することで広い作業スペースを確保でき、複数人で料理を楽しむこともできます。
収納スペースも多く、調理器具や食材をすっきりと整理しやすい点もメリットです。
ただし、設置にはある程度の奥行きが必要となります。リビングやダイニングのスペースが狭くなってしまう場合があることは、覚えておきましょう。
L型キッチンは、収納力を重視する方や、家族や友達と一緒に料理を楽しみたい方に向いています。
オープンキッチンのメリット
オープンキッチンのメリット
オープンキッチンには、以下のメリットがあります。
・開放感がある
・家族とコミュニケーションが取りやすい
・料理を運びやすい
・おしゃれな空間を演出できる
それぞれ解説します。
開放感がある
オープンキッチンの最大の魅力は、その開放感にあります。
キッチンとリビング・ダイニングの間に仕切りがないため、視線が遮られず、部屋全体が一体化したように感じられます。
天井が高く見え、自然光も取り入れやすくなるため、明るく開放的な雰囲気が生まれます。また、キッチンで料理をしながらも、家族や来客との会話を楽しめるため、孤立していると感じることがありません。
この開放感は特に狭い住宅では重要で、限られたスペースを有効活用しつつ、広々とした印象を与えることができます。さらに、視線の抜けが良くなることで、家全体の動線も改善され、生活のしやすさにもつながります。
家族とコミュニケーションが取りやすい
オープンキッチンは、家族とのコミュニケーションが取りやすい点も大きな魅力です。
キッチンがリビングやダイニングに向いているため、調理や片付けをしながらでもリビングの子どもやペットの様子を見守ることができます。
例えば、カウンターで宿題をする子どもに声をかけたり、来客時にも会話をしながらおもてなしの準備ができたりするので、家族やゲストの様子を確認しながら家事が進められます。
また、壁で仕切られていないため声が届きやすく、小さなお子さんがいる家庭にも向いています。この空間的なつながりが、家族の心理的な距離も縮め、より温かい家庭環境づくりにもつながるでしょう。
料理を運びやすい
オープンキッチンは、キッチンとテーブルの間に仕切りがありません。そのため、料理の配膳がスムーズに行えます。
ダイニングテーブルやリビングとの距離が近くなるため、重たい鍋や大皿を運ぶ際の負担が軽減されます。これは特に、高齢者や小さな子どもがいる家庭では大きなメリットとなるでしょう。また、料理の配膳や下膳がスムーズになることで、食事の準備や後片付けの時間も短縮できます。
キッチンに立ちながら、ダイニングの家族から食べ終わった食器を直接受け取れるため、面倒な食事の後片付けも楽になります。
おしゃれな空間を演出できる
オープンキッチンは、リビングやダイニングとの間に壁がなく、広々としたLDK空間を演出できるレイアウトです。
開放的なデザインにより、部屋全体が広く見えるだけでなく、キッチンをLDKの一部としておしゃれなインテリアの一環として楽しむことができます。
キッチンの「カラーバリエーション」も豊富です。
モダンなLDKには「スタイリッシュなデザイン」、ナチュラルな雰囲気には「木目調の設備」を選ぶなど、インテリアのテイストに合わせた空間づくりが可能です。
オープンキッチンのデメリット
オープンキッチンのデメリット
オープンキッチンには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下の点を確認しておきましょう。
・水や油のはねが気になる
・キッチンが丸見えになる
・設置に広いスペースが必要
・においや煙が広がりやすい
水や油のはねが気になる
オープンキッチンはリビングと仕切りがないため、調理中の油はねやシンクからの水はねがリビング側の床に飛び散りやすくなります。
特に揚げ物や炒め物など、油を多く使う料理の際は、油がリビングやダイニングの床にまで飛び散ってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、汚れた場所までカウンターを回り込んで掃除しなければならないため、負担が増えます。
対策として、壁付けのコンロや油はねガード、パーテーションを活用すると汚れが広がりにくくなります。
さらに、タッチレス水栓や食洗機を導入すれば、水はねも減り、掃除がより楽になるでしょう。奥行きを確保したカウンターも有効です。
キッチンが丸見えになる
オープンキッチンはリビングと一体化しているため、キッチンからリビングを見渡せる一方で、リビング側からもキッチンが丸見えになります。
特に天板がフラットな場合、視線を遮るものがないため、作業台やシンク内まで見えてしまうでしょう。食器や調理器具、洗剤などの日用品が出しっぱなしになると、一気に生活感が強く出てしまい、せっかくのおしゃれな空間の雰囲気を損ねてしまいます。
物が出しっぱなしだったり、汚れが溜まっていると目立ちやすく、こまめな片付けや掃除が欠かせません。
来客の多い家庭や忙しい共働き家庭などにとっては、特に負担に感じることもあるでしょう。
また、壁に接していない設計のため、吊り戸棚などの収納スペースが確保しづらく、収納不足に悩まされる可能性も高くなります。
鑑定士コメント
オープンキッチンの目隠しはどのようにするのがおすすめでしょうか?
オープンキッチンで視線が気になる場合、「腰壁の設置」がおすすめです。腰壁があれば、リビングやダイニング側からの視線を遮ることができ、調理中の手元や、調味料、食材が散らかりがちな作業スペースも隠せます。汚れた鍋や食器が溜まったシンクも見えにくくなり、急な来客時でも慌てずに済むでしょう。人目を気にせず作業ができるため、調理や片付けのストレスが軽減されます。収納部分には、背面収納に扉をつけて生活感を抑える工夫もおすすめです。
設置に広いスペースが必要
オープンキッチンを設置するには、広いスペースが必要というデメリットがあります。
対面式のため、キッチン台だけでなく、カップボードや冷蔵庫などの収納スペースや通路を確保しなければなりません。
また、作業や通行のための十分な空間がないと、家事動線が悪くなり、日常の作業が非効率になりやすいです。
特に「アイランド型キッチン」や「II型キッチン」の場合は、周囲に通路が必要で、さらに多くのスペースを要します。
リビングやダイニングとの一体感を演出するためにも、ある程度のゆとりある空間が必要となり、小さな住宅では実現が難しい場合があります。
においや煙が広がりやすい
オープンキッチンはリビングやダイニングと仕切りがないため、調理中のにおいや煙が広がりやすくなります。
料理や生ごみのにおいが部屋全体に行き渡り、ソファやカーテンに染みついてしまうことがあります。
また、調理中の煙には、油分が含まれています。そのため、壁紙や家具が変色するおそれもあるでしょう。
対策として、以下のような方法が効果的です。
・機能性の高い換気扇を設置する
・換気がしやすい窓を配置する
・リビングに空気清浄機を置く
キッチンとリビングの間に壁があればにおいや煙を防げますが、オープンキッチンでは難しく、工夫が必要です。
オープンキッチン設置にかかる費用相場
オープンキッチン設置にかかる費用相場
オープンキッチンの設置費用は、選ぶレイアウトやグレードによって大きく変わります。新築で導入する場合、費用は50万円〜300万円程度です。特に「アイランドキッチン」は、100万円〜300万円と高額になりやすいでしょう。
既存のキッチンをオープンキッチンにリフォームする場合は、解体・配管工事などが必要となるため、相場は50万円〜350万円ほどになります。
以下の表が費用相場です。
自分に合ったオープンキッチンを選ぶポイント
自分に合ったオープンキッチンを選ぶポイント
オープンキッチンは、家族とのコミュニケーションが取りやすく開放的な空間が魅力ですが、選び方によって使い勝手が大きく変わります。
自分に合ったオープンキッチンを選ぶために、以下の3つのポイントを事前に確認しておきましょう。
・家具の配置を事前に考えておく
・腰壁のあるものを選ぶ
・収納スペースを確保しておく
家具の配置を事前に考えておく
オープンキッチンを選ぶ際には、家具や家電の配置を事前に考えておくことが重要です。
冷蔵庫や食器棚、調理家電などを設置するキッチンは、レイアウトによって使いやすさが大きく変わります。
例えば、「コンセントが足りない」「動線が悪い」といった問題が発生しないよう、あらかじめ配置を計画しておきましょう。
家電の数や位置に合わせてコンセントを配置すると、より便利です。
さらに、家事動線を工夫することで、スムーズに作業できるキッチンが実現します。
腰壁のあるものを選ぶ
オープンキッチンを選ぶ際には、腰壁のあるタイプが便利です。
腰壁があることで、リビングやダイニングからの視線を遮ることができます。調理中の手元やシンクの中が見えにくくなるため、作業がしやすくなるでしょう。水はねや油はねも、防止できるので、キッチン周りの掃除がしやすく清潔に保ちやすいです。
さらに、腰壁はインテリアとしても機能します。素材やデザインによってキッチンをモダンにしたりクラシカルにしたりと、好みのスタイルに調整可能です。
腰壁の高さの目安は、90〜120cmです。適切な高さに設定すれば、調理中の汚れや水はねを効果的に防ぐことができます。
収納スペースを確保しておく
オープンキッチンを選ぶ際には、収納スペースをしっかり確保しておくことが重要です。
開放感を優先して吊り戸棚を設置しないことが多いため、収納が不足しがちになります。
キッチン下部に十分な収納力を持つタイプを選ぶと、便利です。
「背面収納」や「パントリー」の設置もおすすめです。特に背面収納は、キッチンと統一感を持たせることで見た目もおしゃれになるだけでなく、家電置き場としても活用できます。
収納が少ないと生活感が出やすくなります。生活感をなくすにはできるだけ外に物を置かないことが大事です。
収納スペースを十分に確保して、スッキリとしたキッチンを目指しましょう。
鑑定士コメント
オープンキッチンの安全対策はどうしたらよいでしょうか ?
オープンキッチンの安全対策には、いくつか方法があります。例えば、ベビーゲートや柵を設置して、赤ちゃんやペットがキッチンに入らないようにする、収納扉にストッパーやロックを付ける等。このような対策を取れば、子どもが危険な道具に触れるリスクを軽減できます。包丁や割れ物などの特に危険なものは、子どもの手の届かない高い場所に収納しましょう。IHクッキングヒーターを導入すれば、火災や火傷のリスクも軽減できます。
まとめ:オープンキッチンの特徴を理解して自分に合った種類を選ぼう
まとめ:オープンキッチンの特徴を理解して自分に合った種類を選ぼう
オープンキッチンは、リビングやダイニングと一体化した開放的なキッチンです。
アイランド型やペニンシュラ型、I型、II型、L型などがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
オープンキッチンは、開放感があり、家族とコミュニケーションが取りやすく、おしゃれさが魅力です。
しかし、水や油はね、キッチンが丸見えになる、においや煙が広がる、広い設置スペースが必要などのデメリットもあるため、慎重に検討しましょう。
オープンキッチンを選ぶ際には、事前に家具の配置を検討しましょう。腰壁のあるタイプや収納スペースが充実したタイプを検討するのがおすすめです。
この記事で紹介した内容を参考に、自分に合った種類を選んで、理想の部屋づくりを実現しましょう。
#キッチン #オープンキッチン #リビング #ダイニング
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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