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更新日:2024.11.22
登録日:2024.11.22
断熱材の種類の選び方のポイントを紹介!各素材の特徴も徹底解説
住宅の断熱材にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や性能が異なります。快適な生活空間を追求するためには、適した断熱材を選択することが重要です。
一方で「種類が多くてどれがいいのかわからない」「どのような基準で選べばいい?」など、悩みを抱えている方も多いでしょう。
本記事では、断熱材の特徴を種類別にわかりやすく解説します。断熱材を選ぶときのポイントや施工方法による断熱性能の違いとあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
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断熱材の種類は大きく分けて3種類
断熱材の種類は大きく分けて3種類
断熱材は、大きく分けて以下のような種類に分類できます。
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熱伝導率や防火性、価格は種類によって異なるため、一概にどれが優れているとはいえません。それぞれの特徴を比較したうえで、自宅に適した断熱材を選択することが重要です。
【種類別】繊維系の断熱材の特徴
【種類別】繊維系の断熱材の特徴
繊維系の断熱材には、以下のような種類があげられます。
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それぞれの詳しい特徴について以下で解説します。
グラスウール
グラスウールは、リサイクルされたガラスなどを溶解して繊維にした無機繊維系の断熱材です。繊維状にしたガラスの隙間にできた空気層が、熱の伝導を防ぎます。
料金がリーズナブルで、一定以上の耐熱性があるため、もっとも多く利用されている断熱材です。以前はズレ下がりや結露が発生しやすい欠点がありましたが、施工技術の向上によって改善されています。
ロックウール
鉄鋼スラグや玄武岩を繊維状にした無機繊維系の断熱材で、空気を閉じ込めることで断熱効果を発揮します。鉱物を高熱で処理して製造されるため、耐火性に優れていることが特徴です。
鉱物なのでやや重みはあるものの、優れた耐火性と防音性から空港などで多く利用されています。一方で吸水性が高いため、施工時には湿気対策をする必要があるでしょう。
セルロースファイバ-
セルロースファイバ-
リサイクルした古紙に、耐熱や撥水加工を施すことで作成される木質繊維系の断熱材です。害虫予防や防火性能に優れていることから、「グラスウール」や「ロックウール」と比較して性能が高く、高い効果を発揮します。
調湿性によって適度な湿度を保てるのも魅力です。ただし、施工方法が特殊なので専門業者に依頼する必要があり、さらに材料も高いためコストが割高になります。
【種類別】発泡プラスチック系の断熱材の特徴
【種類別】発泡プラスチック系の断熱材の特徴
発泡プラスチック系の断熱材について、メリットとデメリットをまとめました。
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それぞれの詳細な特徴について以下で解説します。
硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えて成形する断熱材です。外張り断熱工法で利用されることが多いです。
ボード状で使用する以外に、構造材の間に断熱材を入れる「充填断熱」にも利用されます。なお、燃えたときに有毒な「シアン化水素」が発生するリスクがあるため、注意が必要です。
ビーズ法ポリスチレンフォーム
ポリスチレン樹脂をビーズ状に発泡成形した断熱材で、「EPS」とも呼ばれています。柔らかく軽いため簡単に施工でき、さまざまな用途で利用することが可能です。水に強く耐久性があるので、結露防止の効果もあります。
発泡プラスチック系の中では比較的リーズナブルな価格で利用できます。断熱性能は無機繊維系の断熱性と同じくらいですが、比較したときの価格は高めです。
また、耐火性が高くない点に注意が必要です。
押出法ポリスチレンフォーム
押出法ポリスチレンフォームは「XPS」とも呼ばれていて、ポリスチレンを連続して発泡させて作られます。ビーズ法ポリスチレンフォームと材質がほぼ同じなので、性能にはあまり違いがありません。
一方で一個の粒々が小さい押出法のほうが、断熱効果が高いといわれています。外張り断熱工法や家の基礎部分で使用されるのが一般的です。
フェノールフォーム
フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を加えて成形した断熱材です。燃やしても煙や有毒ガスがほとんど発生しないため、不燃・準不燃材料に認定されています。
熱伝導率が非常に低いので、発泡プラスチック系の中でも高い耐熱性能を発揮します。ただし、高性能だと価格が非常に高く、水や害虫被害にも弱いので注意してください。
高発泡ポリエチレンフォーム
ポリエチレン樹脂と発泡剤を混ぜて発泡させて成形します。高い柔軟性があり、狭い部分にも補充しやすいことがメリットです。
燃えたときに有毒ガスが発生しにくいため、環境にも優しい断熱材とされています。一方で防火性が低く火に弱いので注意が必要です。
【種類別】天然素材系の断熱材の特徴
【種類別】天然素材系の断熱材の特徴
天然素材を使用した天然素材系の断熱材のメリットとデメリットは、以下の通りです。
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天然素材系の断熱材の種類ごとに、詳細な特徴をチェックしていきましょう。
羊毛
羊毛の衣服をリサイクルして断熱材として活用します。調湿性に優れているため湿度を一定に保つことができるため、家の寿命が延びることもあるようです。
体に優しい防虫処理がされていて、効果は半永久的に続くとされています。一方で価格が高いことと、他の断熱材と比較すると新しい素材で、対応している施工業者も少ないことに注意が必要です。
炭化コルク
ワインの栓などに使用されるコルク樫を炭化させた断熱材です。小さな穴に多くの空気を含むため、断熱性や調湿性、吸音性に優れています。
コルク樫は防虫効果があるので、ダニなどの害虫を防止できるでしょう。端材を利用した環境に優しい断熱材ですが、他の種類の断熱材と比較すると価格は高くなります。
鑑定士コメント
断熱材だと遠赤外線の作用で熱が伝わる「輻射熱」の対策はできません。輻射熱には、電気ストーブや太陽などが当てはまります。輻射熱対策には、遮熱効果のある遮熱材を併用する必要があるでしょう。一方で空気や風で伝わる「対流熱」や、直接触れて伝わる「伝導熱」には、断熱材が効果を発揮します。
断熱材の種類を選ぶときのポイント
断熱材の種類を選ぶときのポイント
断熱材の種類を選ぶときのポイントをまとめました。
・断熱性能
・燃えにくさ
・湿気に対する強さ
・断熱材をどこに施工するか
自宅に適した断熱材を選択するために役立ててください。
断熱性能
断熱材の断熱性能は熱伝導率の値で確認できます。熱伝導率が低いほど熱を通しにくく、断熱性能が高いといえるでしょう。
さらに断熱材の厚みも熱伝導率に大きく影響します。厚みがある断熱材ほど断熱性能が高くなりますが価格も高くなるため、施工業者とよく相談することが重要です。
燃えにくさ
耐火性が高く燃えにくい断熱材を選択すれば、火災時の安全性を高められます。延焼をできるだけ遅らせることで、逃げるための時間を増やせるでしょう。
火災に備えたいなら、無機繊維系のグラスウールやロックウールが適しています。なお、燃えたとき毒ガスが発生するかどうか、あわせてチェックしておくと安心です。
湿気に対する強さ
住宅を長持ちさせるためには、湿気に強い断熱材を選ぶことが重要です。湿気に弱い断熱材を選択すると、湿気や結露した水分を溜め込んでしまいます。
そのまま放置すると腐敗やカビの原因になり、断熱性も低くなってしまうでしょう。湿気に弱い断熱材は外環境に影響されやすいので、施工箇所には注意が必要です。
断熱材をどこに施工するか
断熱材の種類によって、どこの施工に適しているかは異なります。火を使うキッチンなら耐火性の強い断熱材というように、施工箇所にあわせて断熱材を選択することが重要です。
専門的な知識がないと、どの種類の断熱材を選べばよいのか判断が難しいでしょう。施工業者とよく相談したうえで、施工箇所ごとに使用する断熱材を決めてください。
鑑定士コメント
日本の住宅で一番利用されているのは「グラスウール」です。安価ながら一定以上の断熱性や透湿性があり、さらに加工や輸送も簡単にできます。コストパフォーマンスに優れていることが、一番利用されている理由といえるでしょう。ただし、グラスウールは施工精度によって断熱性能が大きく左右されるので、施工業者は慎重に選ぶ必要があります。
断熱の施工方法で断熱性能に違いが生じることもある
断熱の施工方法で断熱性能に違いが生じることもある
断熱材の種類だけではなく、施工方法によって断熱性能は左右されます。主な施工方法は以下の3種類です。
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断熱材によって適した施工方法は異なります。施工方法ごとの特徴を、断熱材の種類とあわせてチェックしておきましょう。
また、施工業者ごとに得意とする断熱材や施工方法が違います。施工実績や施工精度を表す「C値(住宅における相当隙間面積)」を参考に、施工業者を選択してください。
まとめ:断熱材の種類は多彩!プロに相談しながら慎重に選ぼう
まとめ:断熱材の種類は多彩!プロに相談しながら慎重に選ぼう
住宅に使用する断熱材の種類は住みやすさに直結します。各素材の種類によって性能やコストは異なるので、それぞれの特徴をチェックしておきましょう。
断熱材の種類を選ぶ際のポイントや、施工方法による断熱性能の違いも解説したので、ぜひ参考にしてください。プロと相談しながら、自宅に適した断熱材や施工方法を慎重に選ぶことが大事です。
#断熱材 #施工 #フォーム #グラスウール
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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