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更新日:2024.03.22
登録日:2024.03.22
住宅ローンに勤続年数は影響する?年数が短い場合の対処方法
住宅ローンの審査では、さまざまな条件をもとに融資できるかを判断します。そのなかでも、勤続年数が審査に影響すると聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
本記事では、住宅ローンの審査に勤続年数はどう影響するのか、影響する理由について詳しく解説します。勤続年数が短くても審査に通りやすいケースや短くても住宅ローンを組む方法についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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住宅ローンに勤続年数は影響する?
住宅ローンに勤続年数は影響する?
勤続年数は、住宅ローンの審査において無視できない項目です。実際に、国土交通省の「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書 」によると、金融機関の93.2%が住宅ローンで融資する際に勤続年数を考慮していると回答してます。
そのため、ある程度の勤続年数がなければ住宅ローンの審査に通らない可能性があるでしょう。下記は、同調査において947の金融機関が勤続年数の条件として回答した結果です。
およそ80%の金融機関が、1年以上の勤続を条件として挙げています。調査結果から分かる通り、少なくとも1年以上の勤続年数がなければ審査に大きく影響する可能性があるでしょう。
※参照:国土交通省
鑑定士コメント
金融機関によって勤続年数など住宅ローンの審査基準は違うのでしょうか?住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なります。多くの金融機関において勤続年数が審査に影響するのは事実ですが、中には勤続年数をあまり重視しない金融機関もあるでしょう。基準となる勤続年数についても異なるため、実際に審査を受けてみなければ審査に通るかはわかりません。
住宅ローンの審査に勤続年数が影響する理由
住宅ローンの審査に勤続年数が影響する理由
住宅ローンの審査に勤続年数が影響する理由として、下記のような理由が挙げられます。
・収入の安定性が低いと判断されやすい
・収入アップの見込みが少ないと見られやすい
それぞれの理由について、詳しく解説します。
収入の安定性が低いと判断されやすい
勤続年数が短いと、金融機関から「収入の安定性に欠ける」と見なされやすくなります。これは、ローンの返済能力を優先的に審査で考慮する金融機関が多いためです。
頻繁な転職などにより収入が不安定になると、返済の遅延や滞納のリスクが高まります。また、住宅ローンの返済期間は通常35年と長期にわたるため、金融機関は返済リスクを最小限に抑え、確実に負債を回収したいと考えます。
勤続年数が長いと、過去の実績から今後も安定した収入を得られると判断されます。しかし、勤続年数が短いと、収入が高くてもこれまでの実績がないと今後も同じ水準の収入を得られるかを判断できません。そのため、住宅ローンの審査において不利になる可能性があります。
収入アップの見込みが少ないと見られやすい
勤続年数の長さは、今後の昇進や昇給にも影響します。勤続年数が長ければ、これまでの年収の上り幅から今後も年収アップの見込みがあると判断されるでしょう。
しかし、勤続年数が短いと今後昇進や昇給のペースがわかりません。そのため、収入アップの見込みが少ないと見られてしまう可能性があります。
住宅ローンに勤続年数が短くても通りやすいケース
住宅ローンに勤続年数が短くても通りやすいケース
住宅ローンに影響する勤続年数ですが、勤続年数が短くても通りやすいケースもあります。主に、下記のようなケースでは影響が少ないでしょう。
・年収がアップする転職
・関連会社への転籍
・士業への転職
それぞれのケースについて、詳しく見ていきましょう。
年収がアップする転職
転職によって勤続年数が短い場合、転職によってどれだけ年収がアップしたかが重要です。これまでの経験やスキルを活かしてキャリアアップのために転職した場合、年収が大きくアップする可能性があります。
年収がアップする転職であれば、今後も収入アップを見込めるため勤続年数に関わらず住宅ローンの審査に通る可能性があります。同業他社で規模が大きくネームバリューもある大企業への転職であれば、有利になる可能性もあるでしょう。
ただし、短いスパンでの転職を繰り返している場合は注意が必要です。たとえ年収がアップしていても、収入の安定性がないため審査に通りにくくなるでしょう。
関連会社への転籍
子会社や親会社、グループ会社など関連会社への転籍の場合、会社都合の転職とみなされて審査に影響しない可能性があります。勤続年数も元会社から合算して審査することもあるため、住宅ローンの審査において大きな影響は出ないと考えられます。
住宅ローンの申し込み時には、関連会社への転籍である旨を金融機関に伝えておきましょう。ただし、会社規模や年収が大きく下がる場合は、審査に影響が出る可能性があります。
士業への転職
弁護士や司法書士、税理士などの国家資格を取得して、独占業務を行う仕業へ転職した場合は転職が有利に働くこともあります。士業は住宅ローンの審査では有利な職業であり、勤続年数が短い場合でも審査に通る可能性があります。
ただし、事務所などに所属せず開業する場合は収入の安定性を判断できません。審査に有利な仕業とはいえ、今後の収入がわからないため審査に不利になるでしょう。
鑑定士コメント
転職したての場合、住宅ローンの審査はどうなるのでしょうか?住宅ローンの審査時には現在の会社での勤続年数のみが評価されます。転職したては審査は不利になります。また、会社の倒産などでやむを得ず転職した場合でも、残念ながら扱いとしては通常の転職と同等です。転職先の会社で1年以上勤続してから住宅ローンの審査を受けたほうが良いでしょう。
勤続年数が短い場合に住宅ローンを組む方法
勤続年数が短い場合に住宅ローンを組む方法
勤続年数が短いからといって、住宅ローンを組めないというわけではありません。下記のような方法を取ることで、住宅ローンの審査に通りやすくなる可能性があるでしょう。
・フラット35を利用する
・ペアローンなどを利用する
・前職の勤続年数を合算できるか問い合わせる
・勤続年数以外の条件を改善する
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
フラット35を活用する
住宅ローンプランの1つとして、フラット35というプランを聞いたことがある人は多いでしょう。フラット35とは、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供する長期固定金利型の住宅ローンです。
フラット35の審査条件には、勤続年数の項目がありません。そのため、勤続年数に不安がある人には有利な住宅ローンでしょう。
とはいえ、住宅ローン審査はさまざまな項目によって構成されているため、フラット35であればかならず通るというわけではありません。フラット35にはメリットとデメリットがあるため、総合的に判断して申し込む住宅ローンを選びましょう。
ペアローンなどを利用する
ペアローンとは、夫婦や親子など、それぞれが契約者として住宅ローンを契約する方法です。ペアローンなどでは契約者が2人になります。契約者1人の勤続年数が短くても、2人の契約者の信用情報を総合的に判断するので、審査に通る可能性があります。
1人の信用情報に依存しないため、勤続年数に影響されずにローンを組むことができるでしょう。ただし、契約者の1人が働けなくなったり収入が下がったりすると返済リスクが大きくなるため、メリットとデメリットを踏まえて検討しましょう。
前職の勤続年数を合算できるか問い合わせる
転職して勤続年数が途切れた場合でも、これまで培ったスキルや経験を活かして収入アップが見込めます。そのため、場合によっては前職の勤続年数を合算して審査を受けられる可能性があるでしょう。
とくに前職の勤続年数が長い場合、審査への影響は大きいです。同業他社への転職など、職業に変化がない転職の場合は、1度金融機関に勤続年数を合算できるか問い合わせましょう。
勤続年数以外の条件を改善する
住宅ローンの審査項目は勤続年数だけではありません。その他の条件を改善することで、審査に通る可能性を上げることが可能です。例えば、下記のような状況を改善するだけでも審査に通りやすくなります。
・住宅ローン以外のローンを完済する
・キャッシング与信枠があるクレジットカードを解約する
また、自己資金を貯めて借入額を少なくすることも有効です。住宅ローンを申し込む金融機関に審査要件を確認して、改善できる項目がないか探しましょう。
まとめ:住宅ローンは勤続年数が短くても審査に通る可能性あり
まとめ:住宅ローンは勤続年数が短くても審査に通る可能性あり
勤続年数は、契約者の返済能力を確認するうえで重要な項目です。そのため、住宅ローンにおいて勤続年数の長さは審査に影響する項目の1つでしょう。
しかし、短いからといってかならずしも審査に通らないというわけではありません。住宅ローンのプランや勤続年数以外の条件を改善することによって、勤続年数が短くても住宅ローンの審査に通る可能性を上げることは可能です。
住宅ローンを申し込む金融機関やプランの審査基準を確認し、勤続年数だけではなく総合的に条件の改善を行いましょう。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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