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更新日:2024.07.23
登録日:2023.06.02

可動間仕切りとは?特徴やメリット・デメリットをくわしく解説

可動間仕切りとは?特徴やメリット・デメリットをくわしく解説

ライフスタイルの変化や子どもの成長など、タイミングによって間取りを変更したくなるものです。しかし、間取りの変更には大規模な工事が必要になります。そんなときに役立つのが「可動間仕切り」です。可動間仕切りを設置すると、簡単かつ自由に間取りやレイアウトを変更できます。

本記事では、可動間仕切りの特徴やメリット・デメリットについて紹介します。快適な暮らしのために、可動間仕切りを設置するかどうかを検討してみてください。

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可動間仕切りとは

可動間仕切りとは

可動間仕切りとは

可動間仕切りとは、自由に取り外しや動かすことができる間仕切りのことです。部屋と部屋を区切る「間仕切り(まじきり)」を可動することで、用途にあわせて空間を区切ることができます。

 

大きな部屋を2部屋に分けるなど、間取りを簡単に変更できることがメリットです。「子ども部屋がもう一つ欲しい」「趣味のスペースが欲しい」など、必要なときに柔軟に対応できます。

 

可動間仕切りと似た単語に移動間仕切りがありますが、この2つは異なります。可動間仕切りと移動間仕切りとの違いは以下の通りです。

 

可動間仕切り

建物内部に取り付ける移設ができる仕切り

別に作られ現場で設置するもので自由に運んで移動できる

移動間仕切り

移動・収納ができる一般的な上吊りパネル式の仕切り

現場で組み立て・設置を行い一定の間隔でしか動かない

 

つまり簡単に取り付け・移動できるのが可動間仕切りで、一定の間隔以外移動できないのが移動間仕切りです。ただし、混同されることが多く、移動間仕切りを可動間仕切りに含めるケースもあります。

可動間仕切りの特徴

可動間仕切りの特徴

可動間仕切りの特徴

可動間仕切りの特徴は、部屋のレイアウトや雰囲気を変更しやすい点です。

 

固定した壁なら、間取りを変更するたびにリフォーム工事が必要になりますが、可動間仕切りでは大規模な工事が必要ありません。一度設置すれば、自由に部屋を増やしたり、部屋を一つにまとめたりできます。

 

例えば、子どもが2人いる家庭の場合、小さい頃は1つの子ども部屋として利用し、成長後は間仕切りを入れて2つの個室として使えます。子どもが自立して家を出た後は、間仕切りを開いてひと部屋に戻すことも可能です。

 

自由に間取りを変更できる可動間仕切りがあると、便利で快適に住み続けられるでしょう。

鑑定士コメント

可動式間仕切りの特徴を活かすケースとして、以下があげられます。①こまめに日単位で仕切りたいケース。コロナ禍を経て働き方が変わりテレワークが増えました。例えば週のうち何日かテレワークが決まっている場合、その日だけリビングに可動式間仕切りでテレワークスペースを設けるなどの使い方があげられます。②突発時に仕切りたいケース。例えば来客時に生活感を隠したいときなど、来客時のみリビングや寝室に可動式間仕切りでものを隠すなどの使い方があげられます。③中期的目線に仕切りたいケース。子供の成長に合わせて仕切りたい使い方などあげられます。可動間仕切りにもさまざまな種類があるので、利用目的に合わせた間仕切りを選んでください。

可動間仕切りの種類

可動間仕切りの種類

可動間仕切りの種類

「可動間仕切り」にはさまざまな種類があります。天井と仕切りの間に隙間のある「ローパーテーションタイプ」も含めると、選択肢は豊富です。各間仕切りの特徴を下記にまとめました。

 

※横にスクロールできます。

可動間仕切りの種類

特徴

利用シーン

パネル

デザインが豊富
防音性能がある

勉強や仕事用スペースを作るとき
子ども部屋を分けるとき

ガラス

見通しが良く開放感を得られる
防音性能がある

採光を取り入れつつ、視界を遮るとき
勉強や仕事用スペースを作るとき

カーテン

軽い力で動かせる
冷暖房効率が高まる

リビングとキッチンを分けるとき
子ども部屋を分けるとき

ふすま

デザインが豊富
和室に合う

採光を取り入れる

和室のスペースをしっかり区切りたい

ローパーテーション

ゆるやかに仕切る
使わないときは収納できる

来客時のために、プライベートな部分を隠すとき
採光や通風を取り入れつつ、部屋を分けたいとき

 

種類やタイプによってメリットデメリットが異なるため、利用目的に合わせて間仕切りを選ぶことが重要です。

可動間仕切りのパターン

可動間仕切りのパターン

可動間仕切りのパターン

可動式パネル間仕切りの動きは、以下のパターンに分かれます。それぞれの特徴をチェックしておきましょう。

 

可動式パネル間仕切りのパターン

特徴

折戸

パネルをくの字に折り曲げて開閉する

折って端に寄せることで開口を広く確保できる

パネルをコンパクトに格納できる

どのパネルからも出入りができる

袖壁がなくても設置できる

引戸

パネルを左右に引いて開閉する

操作がシンプルでスムーズに開閉できる

開けたとき奥行きをとられない

アウトセット納まりやノンレールなどの種類がある

折戸+引戸

パネルをコンパクトに格納できる

折って端に寄せることで開口を広く確保できる

端のパネルが引戸なのでスムーズに開閉できる

移動収納+開き戸

上部レールにそってパネルを移動して重ねて納める

全閉時にパネルが平らになるので壁のように仕切れる

パネルをたたみ込んだとき開け口を広く確保できる

下レールがなく開けたときに床面がスッキリ見える

格納側のパネルは開き戸になりパネルを閉じたまま出入りができる

 

可動式パネル間仕切りのパターンによって、開き方や開口の広さはそれぞれ違います。設置する場所によっても適したタイプは異なるため、十分に検討したうえで選択しましょう。

 

ショールームで実物を確認すれば、実際に設置したときのことがイメージしやすくなります。扉が邪魔にならないか、開閉しやすいかなど、細かい部分を念入りに確認しておくと安心です。

可動間仕切りのメリット

可動間仕切りのメリット

可動間仕切りのメリット

可動間仕切りを設置するメリットは、次の3つです。

 

・レイアウトを自由に変更できる

・プライバシーを守れる

・無駄なく空間を利用できる

 

以下で、詳しく解説します。

レイアウトを自由に変更できる

前述の通り、可動間仕切りのメリットは自由にレイアウトを変更できる点です。

 

一度可動間仕切りを設置すると、自由自在に空間を区切ったり、つなげたりできます。

 

・リビングの一部を勉強や仕事用のスペースとして区切る

・大人数でのパーティーを行う際に、間仕切りを開いて大きな部屋を作る

・子どもの成長に合わせて、部屋の大きさをその都度変更する

 

上記の通り、利用シーンに応じて、自由に簡単に間取りを変更できます。

 

長年同じ家に住み続けると間取りに不便を感じることもありますが、可動間仕切りがあると、自由に空間設計ができて快適に住み続けられるでしょう。

プライバシーを守れる

可動間仕切りの2つ目のメリットは、プライバシーを確保できる点です。

 

急遽、在宅勤務が取り入れられたときにも、可動間仕切りが活躍します。家族との共有スペースで仕事をしていると、資料を紛失したり、家族がパソコンを触って誤操作を起こすリスクがあるでしょう。

 

可動間仕切りによって仕事のスペースを作ることで、情報流出のリスクを防止できます。視線を防ぐ効果もあるため、オンラインミーティング時にも家族のプライバシーを守れます。

 

子どもにとっても、プライバシーが守られた部屋があることは嬉しいことです。

 

幼少期の頃は問題ないですが、思春期になると「着替えを見られたくない」「友達との通話を聞かれたくない」などと感じます。防音性能のある可動間仕切りを設置すると、プライバシーが守られ、子どもが快適に部屋で過ごせるでしょう。

無駄なく空間を利用できる

無駄なく空間を利用できる

無駄なく空間を利用できる

3つ目のメリットは、可動間仕切りを使うことで空間を有効活用できる点です。

 

広い部屋の一部を区切って、趣味部屋を作ったり、寝室に書斎スペースを設けたりすることが可能です。

 

間仕切りには、棚やクローゼットなどの収納スペースが付属した商品もあります。収納スペースとして活用することで、部屋を広く見せられます

 

可動間仕切りを活用して、使い勝手のよい空間設計をしましょう。

可動間仕切りのデメリット

可動間仕切りのデメリット

可動間仕切りのデメリット

可動間仕切りは、間取りやレイアウトを自由に変更できる反面、デメリットも存在します。デメリットを把握したうえで、可動間仕切りを設置するかどうかを決めましょう。

 

デメリットは、次の3つです。

 

・通常の壁よりも音が通りやすい

・空間がせまく感じやすい

・追加工事が必要になる場合がある

通常の壁よりも音が通りやすい

可動間仕切りは、動かしやすさを重視して作られているため、通常の壁よりも厚みが薄くなりがちです。遮音性の高い資材を使用することが難しく、音漏れする可能性があります。

 

テレビの音や電話での話し声など、生活音が漏れる環境では、家族間でのトラブルに発展しやすくなるでしょう

 

可動間仕切りには、遮音性能の高いものも存在します。子ども部屋や仕事部屋に設置する場合には、遮音性能の高さを事前にチェックしましょう。

空間がせまく感じやすい

可動間仕切りで部屋を区切ることで、開放感が失われ、窮屈に感じやすくなります。勉強や仕事専用のスペースの場合、せまい空間でも問題ありませんが、自分の部屋にはくつろげるだけのスペースが欲しいものです。

 

部屋の都合上、せまくなってしまう場合は、半透明やガラスの間仕切りを取り入れるといいでしょう。圧迫感を抑えて、部屋の開放感を維持できます。

 

ただし視界を完全に遮ることはできず、プライバシー性が低くなるため、用途や場所に合わせて使い分けることが重要です。

追加工事が必要になる場合がある

追加工事が必要になる場合がある

追加工事が必要になる場合がある

本来、ひと部屋として使われる空間を2つに分けるため、照明・コンセント・スイッチの数が足らなくなります。新たに照明器具やコンセントなどの設置工事が必要になるでしょう。

 

電気工事の費用は決して安くありません。できる限り、間仕切りを使用する前提で住宅の設計を行うことが大事です。

鑑定士コメント

子どもが2人いる場合、子供部屋に可動式間仕切りを設置すると成長に合わせて個室を確保できます。しかし、見落としがちな点として、面積で平等に部屋を分けてしまうと、窓やコンセントなどの数に偏りが出て、片方のみが不便を感じる場合があります。使い勝手が均等になるように意識して、可動間仕切りを設置してください。可動式のメリットは簡単に修正出来ること。間仕切りの設置後も、定期的に子どもたちの話を聞き、不満点を改善すると良いでしょう。

可動式間仕切りの設置費用相場

可動式間仕切りの設置費用相場

可動式間仕切りの設置費用相場

間仕切りを設置する広さや種類にもよりますが、パネルやガラスタイプを設置する場合、15万〜20万円の費用がかかります。防音性能や収納スペースをつけると、費用がさらに上乗せされます。

 

アコーディオンカーテンやロールスクリーンなど、簡易的な間仕切りを設置する場合の設置費用は1万〜3万円です。

 

簡易的な間仕切りであっても、DIYでの設置には失敗のリスクがあるため、業者に依頼するのが無難です。複数の業者に相見積もりを行い、工事内容や費用を比較検討した後、依頼する業者を選びましょう。

 

また、間仕切りの撤去を依頼すると、数万円の費用がかかります。どのような可動間仕切りを取り入れるか、慎重に検討しましょう。

まとめ:可動式間仕切りを上手に使って過ごしやすい空間を作ろう

まとめ:可動式間仕切りを上手に使って過ごしやすい空間を作ろう

まとめ:可動式間仕切りを上手に使って過ごしやすい空間を作ろう

可動間仕切りを活用することで、大規模な工事を行わずに、好きなように間取りの変更ができるようになります。簡易的な間仕切りで、来客時に生活感を隠したり、冷暖房効果を上げたりする使い方も可能です。

 

ただし、間仕切り壁よりも遮音性が低く、部屋によっては追加工事が必要になることを頭に入れておきましょう。

 

快適な部屋作りのために、利用用途や雰囲気に合った可動間仕切りを選んでみてください。

#可動間仕切り #間仕切り 可動式

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

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