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更新日:2024.09.12
登録日:2023.01.25
マンションの外廊下と内廊下どちらがよい?メリットとデメリットを解説
「マンションを選ぶ際に廊下は重要?」
「どんな廊下なら快適?安全?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
マンションの共用部分である廊下には、内廊下と外廊下があります。廊下はほとんど毎日利用する部分であり、暮らしの快適さへの影響も意外と大きい部分です。
室内や周辺の環境に目が行きがちですが、住むことを考えるなら廊下のような共用部分もチェックしておきたいところ。
この記事では、マンションの内廊下と外廊下の違い、メリット・デメリットを解説しています。どちらがどのような人に向いているかについても解説しているので、マンション選びの参考にしてください。
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マンションの外廊下と内廊下の違い
マンションの外廊下と内廊下の違い
まずはマンションの内廊下と外廊下の違いと、それぞれの特徴を解説します。大体イメージできている人も、改めて違いと特徴を確認しておきましょう。
外廊下の特徴とは
外廊下とは、文字通り外に面している廊下のことを指します。ある程度築年数の経ったマンションは外廊下である場合が多く、比較的購入しやすい価格帯の物件が中心です。
住戸が同じ向きに面しているケースが多いのも、外廊下タイプの特徴です。外に面しているため通気性が良く開放的ですが、雨風の影響を受けやすくなっています。
また、アパートやマンションなどでは玄関前の踊り場が繋がっており、外に面した階段が廊下の代わりである物件もあります。この場合は2戸が向かい合っていることも特徴です。
内廊下の特徴とは
内廊下は、建物の中にある廊下のことを指します。完全にマンション内に廊下が設置されているため外に面していません。ホテルの客室廊下をイメージするとわかりやすいでしょう。廊下の左右に部屋があるケースが多く、外廊下と比較すると住戸の数は多めです。
廊下には絨毯が敷かれていたり、小さくBGMが流されてたりホテルのような雰囲気のところが多いのも特徴。空調で快適な湿度や温度に保たれており、環境も整備されています。
高級感があるため、タワーマンションやハイグレードなマンションなど価格が高い物件で多く採用されているタイプです。
タワーマンションについては、以下の記事でもご説明しています。
特に、廊下の両側に部屋があるタイプを「中廊下」と呼びます。中廊下については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
マンション外廊下のメリット
マンション外廊下のメリット
内廊下と外廊下の違いについて把握したところで、続いてはそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
外廊下のメリットは以下の通りです。
・管理コストを抑えられる
・通気性がよい
・日差しが入るので部屋が明るい
ほとんどのマンションが採用しているのが外廊下です。そのため、必然的に外廊下のマンションに住む確率も高くなってくるでしょう。
それぞれのメリット・デメリットからどちらのマンションが向いているか、検討してみてください。
管理コストを抑えられる
外に面した外廊下には壁が無いため、内廊下に比べるとメンテナンスや修繕の費用負担が少なくなるでしょう。毎月の管理費用は外廊下の方が負担が少ないことがほとんどです。
また、内廊下はマンション内部に設置されているため24時間照明が必要。一方外廊下の場合は太陽光があるため、昼間は照明を付ける必要がありません。
その分物件の費用や管理費用などのコスト面を抑えられるのが外廊下のメリットです。修繕費用が不足するなどのリスクも少なくなります。
また、内廊下に比べて外廊下タイプのマンションの方が物件が多いため、さまざまなマンションの中から選択できるのもメリットです。
通気性がよい
外に面しているため、通気性がよく臭いや湿気がこもりにくいのところもメリット。廊下に面したドアを開けるだけで室内の換気ができる利便性の高さもポイントです。
また、外廊下タイプを採用しているマンションは、廊下とベランダに面した窓がある場合が多めです。その場合、どちらの窓も開けることで、部屋全体の空気の入れ替えができます。
換気設備に頼らなくても効率良く換気ができるところも外廊下のよいところだと言えるでしょう。
加えて外廊下は防災面でのメリットもあります。マンションで火災が起きた場合、ベランダだけでなく外廊下から避難できる可能性が高まります。
さらに通気性がよいため、煙が充満しにくく二次災害を避けやすいでしょう。
日差しが入るので部屋が明るい
外廊下タイプのマンションは、住戸が片側に配置されていることが多く、日当たりの良い向きに建てられていることがほとんどです。
そのため外廊下タイプのマンションは日差しが入りやすく、部屋が明るいのがメリット。昼間は電気を付けずに過ごせることも多いため、節電や電気代の節約にもなります。
また、日差しが入るため冬でも暖かいところもメリット。明るい場所で暮らしたい、太陽光が浴びれるマンションに住みたいなら外廊下がおすすめです。
マンション外廊下のデメリット
マンション外廊下のデメリット
マンションの外廊下のデメリットは以下の通りです。
・天候の影響を受けやすい
・プライバシーを守りにくい
・防犯面に不安がある
女性の一人暮らしの場合は特に注意が必要です。
天候の影響を受けやすい
外廊下のマンションは、天候による影響を受けやすいのがデメリットです。廊下部分に屋根はありますが、強風や豪雨の場合、雨が廊下部分に吹き込んできます。
天候によっては廊下でも傘をささなければ濡れてしまうこともあるでしょう。豪雪が降りやすい地域だと雪が積もりやすく、強風の際はゴミなどが飛んでくることも。
マンションの築年数によっては強風の日はドアを開けにくいといった悩みも発生します。廊下部分が汚れると掃除の回数も多くなりがちです。
また、外気の影響を受けやすいため、寒い日や暑い日、廊下に近い部屋では気温の影響を受けやすくなります。
天候によっては快適に過ごしやすいとは言えないのが外廊下のデメリットだと言えます。
プライバシーを守りにくい
廊下や玄関が外から見えるため、プライバシーを守りにくいと感じる可能性が高まります。人が通る音や話し声などが気になる時もあるでしょう。
また、外から出入りの様子が見られる場合もあります。玄関前に置いているものや玄関先に見えたものなどで、一人暮らしなのか家族で住んでいるのか、ある程度わかってしまう可能性も。
女性の一人暮らしの場合、部屋の出入りが見られると不安に感じることも多くなりがち。住人の生活リズムが他の人に把握されてしまう危険性も考慮しておく必要があります。
防犯面に不安がある
先述の通り、外廊下は外から見られやすいため、住居の様子を把握されやすいのがデメリットです。空き巣の被害など防犯面でのリスクに対する備えも必要です。
もしオートロックであっても、1階や2階部分の場合、廊下から侵入される可能性もあります。内廊下よりマンション内に侵入されやすいところもデメリットです。
とはいえ、マンションが防犯対策として1階部分の廊下は外から入れないよう工夫している場合もあります。マンションによって防犯対策はさまざま。しっかりした対策がされているかどうか、事前に確認しておくことが大切です。
鑑定士コメント
本文に説明がある通り、外廊下と内廊下、双方ともメリットとデメリットがありますが、災害時の安全性を重要視する、という観点なら外廊下をお勧めします。外気に面している外廊下は、火災が起きたとき廊下に一酸化炭素や煙が充満しにくく、煙がこもって視界が遮られるリスクも低いためです。もちろん、内廊下も災害を想定し、安全性を考慮したうえで設計・建設されています。しかし、災害時は想定外の事象が発生する可能性があり、不足の事態を想定した時に、比較的安心して避難できるのは外廊下のマンションだと言えるのです。
マンション内廊下のメリット
マンション内廊下のメリット
続いてマンション内廊下のメリットを解説します。
・天候の影響を受けにくい
・プライバシーを保護しやすい
・設備が傷みにくい
比較的新しいマンションを探している人は、内廊下のあるマンションも選択肢に入ってくるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
天候の影響を受けにくい
内廊下は外に面していないため、湿度や空調が管理されていることが多く、1年中快適な空間であることがメリットです。
雨や雪、風などの影響がほとんど無いため自宅で過ごすことが多い人にとっては快適な環境を提供できます。ゴミ捨てなどに行く際も天候を気にしなくてよいところもうれしいポイントです。
また、内廊下には絨毯が敷かれていることが多く足音が響きにくいのもメリット。外出時間や帰宅時間などを他の住民に知られにくいのが特徴です。
外廊下に比べると音を気にすることがなく、静かな空間で過ごしやすい環境が整っています。
プライバシーを保護しやすい
内廊下は外から玄関先が見えないため、プライバシーを保護しやすいのが特徴です。どの部屋に住んでいるか、外出や帰宅時間などを監視されたり見られたりするリスクが低くなります。
オートロックの場合は、部外者や不審者が侵入しにくいため防犯面での心強さもメリットです。内廊下が女性の一人暮らしや小さなお子さんがいる家族などに好まれやすい理由のひとつだと言えます。
設備が傷みにくい
内廊下は外気の影響を受けにくいため、壁や床などの設備が傷みにくいのもメリット。外廊下に比べて雨風にさらされない分、傷むスピードが緩やかです。
分譲マンションを売却する際、劣化が少ないほうが買い手によい印象を与えられます。見た目が損なわれることが少ないので、長く住んでもきれいな環境を保ちやすいところもポイントです。
設備の痛みにくさを活かして、絨毯や高級感のある内装をしているマンションが多く、ラグジュアリーな気分を味わえ満足感を得やすいのもメリットです。
マンション内廊下のデメリット
マンション内廊下のデメリット
マンション内廊下のデメリットは以下の通りです。
・管理コストが高い
・閉塞感を感じやすい
・利用の制約が多め
マンションによりますが、臭いや湿気がこもりやすい場合もあります。
管理コストが高い
内廊下の場合、空調の管理や照明が24時間必要です。そのため物件価格や管理費が高いというデメリットがあります。
カーペットが敷かれている場合は、清掃や張り替えなどに費用がかかります。それらは管理費や共益費として加算されるため、コスト面での負担は大きくなりがちです。
多少管理コストが高くても、プライバシーが守れて快適な空間を選ぶか、コストを下げて自然に換気ができ、太陽光で明るい外廊下を選ぶか、予算も考慮して選ぶ必要があります。
閉塞感を感じやすい
内廊下は外に面しておらず、廊下を挟んで左右に住戸があることが多いため、閉塞感を感じやすくなります。太陽光や自然な換気を期待しにくいところもデメリットだと言えます。
通常は空調や照明が付いていますが、万が一停電などが起きた場合、それらが使用できなくなる可能性があるため注意が必要です。(非常用電源の有無を確認しておきましょう。)
また、閉鎖性が高くプライバシーは守られている反面、人の目が届かないため侵入されるリスクもあります。住民に紛れて不審者や部外者が入ってくるリスクもゼロではありません。
入り込まれてしまうと、不審者にとっては人目に付きにくい好条件となってしまいます。内廊下の環境を利用した犯罪が起きる可能性があることも覚えておいたほうがよいでしょう。
利用の制約が多め
マンションによって異なりますが、外廊下に比べて内廊下タイプのマンションには制約が多いことも特徴です。
高級感があり、快適な空間を演出するために「玄関先に物を置いてはいけない」「玄関を開け放して換気してはいけない」といった制約を設けているマンションが多めです。
また、作りによってはカーペットが敷かれていても、玄関ドアの音が響きやすい場合もあります。さらに、左右に住戸があるためスペースが狭いといったデメリットがあるケースも。
いずれの場合も、マンションによって大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。
外廊下に向いている人の特徴
外廊下に向いている人の特徴
それぞれのメリット・デメリットを確認した上で、どちらに向いているかも紹介します。マンション選びの際にぜひ参考にしてみてください。
外廊下に向いている人の特徴は以下の通りです。
・できるだけコストを抑えたい
・開放感のある住居がいい
・防災面で安心できるマンションに住みたい
・換気しやすい物件がいい
・明るい部屋で暮らしたい
上記のような希望がある人は外廊下タイプのマンションがおすすめです。外廊下は通気性があり、明るい日差しが入りやすいため自然な環境で暮らせます。
空調がないことが多く、照明も昼間は必要ないため管理コストも抑えられるでしょう。
また、外廊下タイプのマンションの方が物件が多いため、さまざまなマンションを比較し検討が可能です。
内廊下に向いている人の特徴
内廊下に向いている人の特徴
内廊下が向いている人の特徴は以下の通りです。
・プライバシーを重視したい
・コストがかかっても快適な空間で暮らしたい
・気候の影響を受けない物件がいい
・共用部分の快適さも重要視している
上記のような希望がある人は内廊下タイプのマンションがおすすめ。内廊下は天候の影響を受けにくく、人目に付きにくいためプライバシー性が高いのがメリットです。
一人暮らしをする人や、ハイクラスな暮らしを望んでいる人には内廊下を採用しているマンションが向いています。
特にこだわりがない人は外廊下、共用部分にもこだわりたい人は内廊下を選ぶことをおすすめします。
どちらか迷っている人は、まずは物件を見てどちらの廊下が暮らしやすいか、確認してから決めるとよいでしょう。
鑑定士コメント
女性の一人暮らしを想定すると、安全性の観点から、道路など外部から玄関の出入りを見られにくい、外部から侵入を防ぐ、という設計が必要です。そうすると、壁で遮られ外部から見られにくく、プライバシーが守られやすい点から内廊下がおすすめです。外廊下の場合は、廊下の壁が低くなっていないかをチェックするのがポイントです。共有エントランスがオートロックの場合でも廊下の壁が低いと壁を乗り越えて人が入ってくる可能性があるためです。
まとめ:マンションは廊下の特徴もふまえて選ぶようにしよう
まとめ:マンションは廊下の特徴もふまえて選ぶようにしよう
マンションの共用部分である廊下には、内廊下と外廊下、2種類があります。それぞれ違った特徴を持ち、住む人によってどちらが快適かは大きく異なります。
室内や周辺環境だけでなく、廊下も自分に合っているほうを選ぶことも、自分に合ったマンションを選ぶコツです。暮らす上で意外と重要な部分であるため、必ず確認しておきましょう。
本記事をよりよいマンション選びの参考にお役立てください。
不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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