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更新日:2026.03.31
登録日:2023.01.25

【専門家解説】タワーマンションの定義とは?何階からか・一般マンションとの違いも解説

【専門家解説】タワーマンションの定義とは?何階からか・一般マンションとの違いも解説

近年、都心部を中心にタワーマンションの建設が盛んに行われています。タワーマンションは、限られた面積で多くの住戸を提供できるマンションです。立地も良く高級感があり、街を一望できる人気のタワーマンションですが、その定義について知らない人もいるのではないでしょうか。

本記事では、東京カンテイのマンション専門調査員で、管理会社での勤務経験も持つ今村の解説を交えながら、タワーマンションの定義や一般的なマンションとの違いについて詳しく解説します。

パンフレットには載っていない「現場の実情」や、プロが実際に見ている「購入前のチェックポイント」もふまえてお伝えします。後悔のないタワーマンション選びのために、ぜひ最後までご覧ください。

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タワーマンションの定義とは?明確な法律上の定義はない

タワーマンションの定義とは?明確な法律上の定義はない

タワーマンションの定義とは?明確な法律上の定義はない

ここでは、一般的にどのような基準でタワーマンションと呼ばれているのか、階数や高さの目安、不動産の現場での判断基準などについて詳しく解説します。

 

・一般的には20階以上・高さ60m以上を指すことが多い

・現場では20階以上や共用部の充実度・戸数で判断されやすい

・超高層建築物には国土交通大臣の認定が必要

一般的には20階以上・高さ60m以上を指すことが多い

タワーマンションは法的な名称ではなく、何階建て以上・何m以上といった明確な定義はありません。しかし、一般的には20階建て以上・高さ60m以上のマンションがタワーマンションと呼ばれています

 

建築基準法や消防法では、31m・45m・60m・100mと高さごとに建築物の基準が定められており、なかでも高さ60m以上の建築物にはとりわけ厳しい基準が適用されます。マンションの1階あたりの高さはおよそ3mのため、60mは約20階に相当します。こうした背景から、「20階建て以上=タワーマンション」という目安が定着しました。

 

また、タワーマンションは戸数の規模が大きい点も特徴です。1棟あたり数百戸、大規模な物件では1,000戸を超えるケースもあり、一般的なマンションとは住民数のスケールが大きく異なります。弊社の調査によると、2024年12月末時点で全国のタワーマンションは1,561棟・約41万戸(※)にのぼり、全国的に広がりを見せています。

 

なお、日本では建築基準法によって1961年まで建築物の高さが31m以下に制限されていました。法改正により制限が撤廃されたことで31mを超える「高層建築物」が登場し、さらに60mを超える建築物は「超高層建築物」と呼ばれるようになりました。タワーマンションはこの超高層建築物に該当します。

 

※参照:東京カンテイ

現場では20階以上や共用部の充実度・戸数で判断されやすい

前述のとおり、タワーマンションに法的な定義はなく、「20階建て以上・高さ60m以上」というのもあくまで一般的な目安にすぎません。

 

現場では高さ(メートル)よりも階数が重視される傾向にあり、「20階以上」がひとつの目安になっています。ただし、20階以上であればすべてタワーマンションとして扱われるわけではなく、建物の形状・総戸数・共用部の充実度を総合的に見て判断されるのが実情です。

 

現場感覚でのタワーマンションの基準(今村談)

弊社でもデータ集計等の便宜上「20階以上」をタワーマンションとして扱うことが多いですが、実際の現場感覚では、階数だけで機械的に判断しているわけではありません。たとえば、20階建てでも板状のマンションや、戸数が100戸に満たない細長いペンシル型の物件で、共用施設も特にないような場合は、いわゆる一般的なタワーマンションのイメージからは少し外れます。


現場で「タワーマンションらしい」と認識されやすいのは、やはりスケールメリットがある物件です。総戸数が200〜300戸以上あり、低層階が商業施設になっている複合開発や、吹き抜けの豪華なエントランスがあること。そして、各階ゴミ置き場やコンシェルジュといった「生活利便性に直結する設備」が充実していること。これらが揃って初めて、現場でもタワーマンションとして認識される空気が強いですね。

超高層建築物には国土交通大臣の認定が必要

タワーマンションを含む高さ60mを超える超高層建築物は、一般的な建築物よりも厳しい基準が求められます。具体的には、建築基準法第20条第1項第一号(※)の規定により、構造の安全性について国土交通大臣の認定を受けなければなりません。この規定は建築物の「構造耐力」に関するもので、高さ60mを超える建築物は最も規模が大きい区分に位置づけられています。 

 

認定の審査では、構造の安全性だけでなく耐火性能や避難安全性能なども対象となります。タワーマンションは火災などの緊急時に屋上からも避難できるよう、消防庁の基準に沿って緊急救助用スペースを設けるのが一般的です。さらに、高さ100m(30〜33階程度)を超えるタワーマンションの多くは、緊急用ヘリコプターが離着陸できる施設を屋上に備えています。

 

このように、タワーマンションは建物としての信頼性が制度面からも担保されている点は、購入を検討するうえでの安心材料のひとつといえるでしょう。

 

※参照:e-Gov 法令検索「建築基準法 」

タワーマンションと普通のマンションの違い

タワーマンションと普通のマンションの違い

タワーマンションと普通のマンションの違い

タワーマンションの購入を検討する際は、一般的なマンションとの違いを理解しておくことが大切です。ここでは、主な違いを整理します。

 

 

タワーマンション(20階以上)

一般的なマンション

建築基準

高さ60m超で国土交通大臣の認定が必要

耐震・耐火基準がより厳格

建築基準法の一般的な基準に準拠

構造

免震・制振構造を採用する物件が多い

耐震構造が中心

共用施設

ゲストルーム、スカイラウンジ、フィットネスジムなど多彩な施設を備える物件が多い

エントランス、宅配ボックスなど基本的な設備が中心

セキュリティ

コンシェルジュ常駐、多重オートロック、24時間有人管理が一般的

オートロック・防犯カメラが中心。有人管理は物件による

管理費・修繕積立金

共用施設や特殊設備の維持費がかかるため高めの傾向

タワーマンションに比べて低めの傾向

眺望・日当たり

高層階では周囲に遮るものがなく、眺望・日当たりに優れる

立地や階数、周辺の建物に左右されやすい

住民の合意形成

総戸数が多く多様な住民が集まるため、管理組合の運営で合意形成に時間がかかることがある

総戸数が少ないぶん、住民同士の意見をまとめやすい傾向がある

 

タワーマンションと一般的なマンションの大きな違いのひとつに、住民全体で建物の価値を維持するという意識がより求められる点があります。

 

タワーマンションは総戸数が多く共用施設も多彩なため、こうした費用負担に関する考え方の違いが表面化しやすい傾向があります。購入前には、タワーマンションの維持管理は住民全体で取り組むものだという点を理解したうえで、検討することが大切です。

 

管理費の負担と資産価値について(今村談)

以前管理していたマンションで、1階の住民の方から「エレベーターを使わないのに同じ管理費を払いたくない」というご意見をいただいたことがあります。お気持ちはわかりますが、エレベーターが設置されていること自体がマンション全体の資産価値を高めています


1階に住んでいても、そのマンションにエレベーターがあることで物件としての価値が担保され、管理費を支払うことでその価値を維持できるわけです。「自分が使うかどうか」ではなく、「マンション全体の資産価値を住民全員で守る」という考え方が大切で、そのためのルールとして管理規約が定められています。

タワーマンションの形状

タワーマンションの形状

タワーマンションの形状

近年では、40階や50階を超えるタワーマンションも珍しくありません。このような超高層建築物は、中層マンションでよくみられる板のように横に長い構造での建築は難しいのです

 

そのため、タワーマンションの形状は基本的にがっしりとした四角い形状になります。また、エレベーターなどの設備や共有部分は、建物の中心に集積されます。ここでは、タワーマンションでよくみられる下記5つの形状について、それぞれ詳しく解説します。

 

  ・スクエア型

  ・吹き抜け(ボイド)型

  ・円形型

  ・多角形型

  ・星(トラスター)型

スクエア型

スクエア型

スクエア型

スクエア型は、その名の通り四角い形状のタワーマンションです。エレベーターや廊下などの共有部分が中心部に設置され、建物内は外気と遮断されます。また、タワー式のパーキングが中心部に設置されていることもあるでしょう。

 

内廊下方式のためホテルのような高級感があり、プライバシー性が保たれる構造になっています。一方で、廊下側に窓が設置されないことも多く風通しが制限されるため、空調機を設置する必要があり管理費が高くなる傾向にあります。

吹き抜け(ボイド)型

吹き抜け(ボイド)型

吹き抜け(ボイド)型

吹き抜け(ボイド)型は、スクエア型と同様に四角い形状のタワーマンションです。エレベーターや廊下などが建物の中心部に設置されるのはスクエア型と同じですが、建物の中心部が吹き抜けになっているという特徴があります。

 

廊下側に窓を設置できるため風通しがよく、外周を長く採れるためスクエア型よりも住戸数を確保できるメリットがあります。ただし、廊下が吹き抜けに面していることで高級感では劣り、雨風の影響を受けやすいです。また、高層階になると吹き抜けはかなりの高度感があるため、恐怖感を感じる人もいるでしょう。

円形型

円形型

円形型

円形型は、名前の通り建物が円形になっているタワーマンションです。スクエア型のように、中心部にエレベーターや内廊下などが設置されており吹き抜けがありません。共有部を囲むように住戸が並んでおり、建物が円形型であることから住戸の形状は主に扇形になっています。

 

スクエア型との違いはその間取りで、住戸の形状が扇形であることからワイドに窓を設置でき、タワーマンションからの眺めを楽しむことができます。一方で、形状が独特のためアレンジが難しく似たような間取りしか作れない、スクエア型などと比べるとデッドスペースが多くなるなどがデメリットです。

多角形型

多角形型

多角形型

多角形型は、スクエア型のような四角ではなく、丸みを帯びた形状のタワーマンションです。円形型のようにきれいな丸ではないため、間取りの自由度が高くアレンジしやすい形状でしょう。デザイン上の利点だけではなく、五角形や六角形など、丸みを増すほど「日影規制」の影響を減らすことができるため、建物設計の自由度が増します。

 

日影規制とは、高さが10mを超える建物によって周囲にできる日影の時間を一定限度以下に制限し、日照などの環境を確保するためのルールです。建物が丸みを帯びるほど日影の位置は変わりやすくなるため、多角形型にすることである程度の間取りの自由度を保ちながら日影規制に違反しないタワーマンションを建設できます。

星(トラスター)型

星(トラスター)型

星(トラスター)型

星(トラスター)型は、建物中心を軸に3方向に建物が伸びるような形状のタワーマンションです。上空からは星のように見える近未来的な外観をしており、星型と呼ばれています。

 

中心部にはエレベーターが設置され、内廊下でありながら外周を長く採れるため、住戸数を増やしたり開口部を広くとったりできるのが特徴です。ただし、住戸によっては眺望に制約があるほか、日照時間が限られるといったデメリットもあります。

形状の違いが耐震性や維持管理コストに影響する

タワーマンションの形状は、耐震性や維持管理のしやすさにも影響します。

 

正方形などの整った形状は、地震の揺れに対して安定しやすく被害を受けにくいとされています。修繕時の制約も少ないため、特殊な形状に比べて管理がしやすい傾向にあります。

 

一方、トライスター型や星型などの複雑な形状には以下のような懸念点があります。

 

懸念点

内容

耐震性の懸念

地震時の力の受け方が複雑になり、被害を受けやすい傾向がある

修繕費用の高騰

配管の構造が複雑化しやすく、修繕時に特殊な器具や入念な検討が必要になるため、工事費用が上がりやすい

日常管理コストの増加

廊下の形状が複雑化・長大化するため、日常的な清掃費などの維持費も割高になる

タワーマンションの耐震技術

タワーマンションの耐震技術

タワーマンションの耐震技術

タワーマンションは構造の安全性について厳しい基準が設けられており、さまざまな耐震技術が採用されています。以下は代表的な4つの構造です。

 

種類

概要

耐震構造

・柱や梁などの構造体そのものを強くすることで、地震の揺れに耐える技術

・免震や制振に比べてコストが抑えられるメリットがあるが、構造体に直接力がかかるため、繰り返しの揺れによって柱や梁が損傷する可能性がある

免震構造

・建物と基礎の間に免震装置(積層ゴムなど)を設けることで、地震の揺れが建物に伝わるのを抑える技術

・建物の変形や内部の損傷を防ぎやすい一方、免震装置の設置やメンテナンスにコストがかかるほか、縦揺れに対しては横揺れほどの効果が見込めないとされている

制振構造

・制振構造とは、建物内部にダンパーなどの装置を設置し、揺れを吸収・減衰させる技術

・地震後の揺れを早く収める効果があり、強風による揺れの軽減にも一定の効果がある

ハイブリッド構造

・免震と制振の技術を組み合わせた構造

・免震装置で揺れの伝達を抑え、吸収しきれなかった揺れを制振装置で減衰させることで、より高い安全性を実現する

 

採用する耐震技術によって、管理や修繕、防災に影響する内容は異なります。以下も詳しく見ていきましょう。

・耐震技術の違いが管理・修繕に与える影響

・防災意識が高いマンションの特徴

・形状の違いが耐震性や維持管理コストに影響する

耐震技術の違いが管理・修繕に与える影響

耐震技術の種類によって、日常の管理や将来の修繕内容にも違いが出てきます。

 

免震構造の場合は免震装置、制振構造の場合はダンパーなど、一般的なマンションにはない特殊な装置が設置されているため、それらの定期点検や交換が必要になります。こうした費用は長期修繕計画に盛り込まれているかを確認しておくことが大切です。

 

また、免震構造の建物には、地震時の揺れを吸収するための「クリアランス(隙間・余裕部分)」が設けられています。普段は鉄板などで目隠しされていますが、大きな地震で免震装置が作動するとこの部分が変形することがあります。

 

装置が正常に機能した結果ではありますが、変形した部材の修繕が必要になるなど、意外と見落としがちなコストが発生する点は知っておきましょう。

防災意識が高いタワーマンションの特徴

防災意識が高いマンションには、以下のような共通する特徴があります。

 

・管理組合内に防災委員会が設けられ、定期的に防災訓練を実施している

・防災マニュアルが整備され、住民に共有されている

・各フロアの廊下などに防災備蓄倉庫が設置され、備蓄品がきちんと管理されている

・防災設備の定期点検が確実に行われている

 

購入を検討する際は、建物の耐震性能だけでなく、マンション全体の防災体制についても確認しておくと安心です。

形状の違いが耐震性や維持管理コストに影響する

タワーマンションの形状は、耐震性や維持管理のしやすさにも影響します。

 

正方形などの整った形状は、地震の揺れに対して安定しやすく被害を受けにくいとされています。修繕時の制約も少ないため、特殊な形状に比べて管理がしやすい傾向にあります。

 

一方、トライスター型や星型などの複雑な形状には以下のような懸念点があります。

 

懸念点

内容

耐震性の懸念

地震時の力の受け方が複雑になり、被害を受けやすい傾向がある

修繕費用の高騰

配管の構造が複雑化しやすく、修繕時に特殊な器具や入念な検討が必要になるため、工事費用が上がりやすい

日常管理コストの増加

廊下の形状が複雑化・長大化するため、日常的な清掃費などの維持費も割高になる

 

不動産鑑定士の観点から見た「建物の形状と耐震性」に関するコメントを紹介します。

鑑定士コメント

近年ではあまり見られなくなった建物形状ですが、「L字型」や「コの字型」といった平面形状または断面形状が不整形なマンションは揺れに弱く、大きな地震が起きた際に建物の接合部(「L」や「コ」の角部分)がズレたり崩壊してしまう心配があります。また、階層が高く多数の住戸が延々と連なる細長い形状のマンションの場合は、地震が起きた際に波打つように建物が揺れ続けてしまうため、桁行方向(長辺方向)に被害が集中しやすいといわれます。

タワーマンションの共用部分

タワーマンションの共用部分

タワーマンションの共用部分

タワーマンションは住戸数が多く、共用部分にコストをかけやすいという特徴があります。一般的なマンションにもあるエントランスや宅配ボックスに加え、タワーマンションならではの多彩な共用施設が設けられている物件も少なくありません。

 

ただし、すべてのタワーマンションに豪華な共用施設があるわけではなく、物件によって内容は大きく異なります

 

タワーマンションでよく見られる共用施設には、以下のようなものがあります。

 

ゲストルーム

親族や友人の宿泊用。週末・連休は予約が埋まることも多い

スカイラウンジ

高層階の眺望を楽しめる住民交流・来客対応の場

キッズルーム

親子の集まりの場。子どもの成長後は利用が減る傾向

フィットネスジム

住民専用で空き時間に気軽に利用できる

パーティールーム

住民同士の交流やホームパーティーに

スタディルーム

個別ブースがある物件はリモートワークにも対応

エントランスホール

座れるラウンジがあると訪問者対応にも便利

 

共用施設が充実しているほど管理費は高くなる傾向があります。購入前には、自分のライフスタイルに合った施設があるかどうかに加え、利用頻度の低い施設が管理費の負担増につながっていないかも確認しましょう

 

とくに注意したいのが機械式駐車場です。定期的な点検や修繕に多額の費用がかかるうえ、首都圏など通勤圏では車を持たない世帯が増えていることから、空き区画が増えて収支が悪化するケースも見られます。一方で、車通勤を想定したエリアなど2台の車が必要な場合など、駐車場の需要は個々の事情によって異なります。

 

購入を検討する際は、「どのような住民層に向けたマンションなのか」を把握したうえで、その共用施設が自分たちにとって本当に必要かどうかを見極めることが大切です。

 

共用施設の選び方(今村談)

住民満足度が高いのは、ゲストルームやキッズルームなど、日常的に「あってよかった」と実感できる施設です。ゲストルームは親族や友人の宿泊に重宝するだけでなく、気分転換に住民自身が利用するケースもあります。一方で、自分たちの暮らし方に合わない過剰な施設は、管理費の負担だけが残ることになりかねません。共用施設は「あれば便利」かだけではなく、「本当に必要かどうか」も加味して判断してください

タワーマンションに住むメリット

タワーマンションに住むメリット

タワーマンションに住むメリット

タワーマンションには、さまざまなメリットがあります。そのなかでも、とくに注目したいタワーマンションに住むメリットは、主に下記の6つです。

 

・窓からの眺めがよい

・日当たりが期待できる

・設備や内装が豪華

・コンシェルジュが対応してくれる

・厳重なセキュリティで守られている

・高層階の場合は虫が出にくい

窓からの眺めがよい

物件の立地や階数にもよりますが、タワーマンションは窓からの眺めのよさが魅力です。周囲に視界を遮るような建物がない場合は、天気によって遠くの山や海を眺めることもできるでしょう。

 

また、都心部では夜景を楽しむこともできます。眺めを売りにしたタワーマンションもあり、中層マンションや戸建てでは見られない景色を眺めることができるのがメリットです。

日当たりが期待できる

タワーマンションは超高層建築物のため、近くに同等の建築物がない限りは基本的に周囲の建物に日を遮られることがありません。タワーマンションは低階層を共有部分にして天井を高くしていることも多いため、低階層でも中層マンションの3階ほどの高さになります。

 

タワーマンションは規模が大きいため敷地も広く、すぐ横に別の建物が建っているということもないでしょう。そのため、階層に関わらずある程度の日当たりを確保できます。

設備や内装が豪華

先述したように、タワーマンションは物件によって多種多様な共有部分が設けられています。高層階に展望室やラウンジがある場合、低階層に住んでいても自室とは違った景色を楽しむことができるでしょう。

 

また、タワーマンションの共有部分は住戸数が多いほど豪華になる傾向があり、エントランスなどの一般的な部分も内装が豪華なことが多く高級感を味わえます。タワーマンションを選ぶ際は、共有部分に目を向けてみるのもおすすめです。

コンシェルジュが対応してくれる

タワーマンションには、エントランスにコンシェルジュが常駐している物件も多いところも特徴です。共有部分の利用予約やお客様の対応・案内などのほか、物件によって下記のようなサービスに対応していることもあります。

 

  ・宅配便の取り次ぎ

  ・デリバリーの手配

  ・タクシーの手配

 

コンシェルジュのサービスを受けられる時間や内容は物件によって異なるため、確認が必要です。

 

なお、マンションのコンシェルジュについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

マンションのコンシェルジュサービスとは?内容やメリットを紹介

厳重なセキュリティで守られている

タワーマンションには多くの人が居住しており出入りも多いため、セキュリティ面が充実していることが多いです。タワーマンションでは、下記のようなさまざまなセキュリティが導入されています。

 

・オートロック

・防犯カメラ

・センサー

・常時セキュリティシステム

・その他多数の認証システム

 

コンシェルジュがエントランスに常駐していることもセキュリティの一環でしょう。なかには、警備員が定期的に巡回しているタワーマンションもあるため、不審者が住戸に侵入するといった心配はほとんどありません。

 

マンションのオートロックについては、以下の記事で解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

高層階の場合は虫が出にくい

タワーマンションの高層階では、地表からの距離や風の強さ、建物構造などの影響により、低層階や一般的な集合住宅と比べて虫を見かける頻度が少なくなる傾向があります。

 

ただし、高層階であれば虫がまったく出ないというわけではありません。エレベーターに人と一緒に乗って上がってきたり、宅配便の段ボールや買い物袋に紛れて侵入したりするケースもあります。

 

そのため、高層階だからといって油断せず、荷物の扱い・換気時の対策などに気を配ることが、快適なタワーマンション生活のポイントといえます。

オートロック付きマンションのメリットは?鍵の種類や安全性も徹底解説

タワーマンションに住むデメリット

タワーマンションに住むデメリット

タワーマンションに住むデメリット

メリットが多いタワーマンションですが、デメリットも存在するため注意しなければいけません。タワーマンションに住むデメリットは、主に下記の5つです。

 

・エレベーターの待ち時間が長い

・ベランダに洗濯物を干せない

・地震の揺れを強く感じやすい

・管理費・修繕積立金が高い

・災害に備えた準備が必要になる

エレベーターの待ち時間が長い

階数が多いタワーマンションは、エレベーターの待ち時間が長いです。朝の通勤・通学の時間帯は、とくに待ち時間が長くなるでしょう。高層階に住むほとんどの住人がエレベーターを利用するうえ、利用者が少ない時間帯でも上下を行き来するだけである程度の時間がかかります。

 

比較的新しいマンションは、待ち時間が一定になるような定員数や昇降速度になっているほか、エレベーターが複数機設置されていることもあります。しかし、備えられているエレベーターの台数によっては、待ち時間が長くなるため注意しましょう。

ベランダに洗濯物を干せない

タワーマンションは、物件によってベランダに洗濯物を干せない可能性があります。とくに中高層階になると、ベランダに洗濯物が干せない物件が多いです。タワーマンションは、高級感やブランドを重視している物件もあり、外観を保つためなどの理由でルールが設けられていることがあります。

 

また、高層階は強い風が吹くこともあり、洗濯物が落下する危険性があります。高層階から落下すると、たとえ軽い洗濯物でもその衝撃はとても強くなり危険です。そのため、タワーマンションでは部屋干しや乾燥機、浴室乾燥で洗濯物を乾かします。

地震の揺れを強く感じやすい

タワーマンションは、超高層であるがゆえに地震の揺れを強く感じやすいです。建物そのものが倒壊・崩壊しないように耐震構造が取り入れられてはいるものの、揺れを完全になくすことはできません。

 

とくにタワーマンションは、地震の揺れと建物の揺れが一致してしまうと共振によって長い時間強く揺れてしまうことがあります。高層階に居住する場合は、家具などが転倒しないように対策しておく必要があるでしょう。

管理費・修繕積立金が高い

共有部分が充実していたり、コンシェルジュが常駐していたりと便利なことがある反面、その管理コストが高くなってしまうデメリットもあります。また、ほとんどのタワーマンションは築年数が浅いため、大規模修繕の経験がありません。

 

タワーマンションは共用施設やサービスが充実しているぶん、一般的なマンションよりも管理費・修繕積立金が高い傾向にあります。国土交通省による1戸あたりの月額平均は以下のとおりです。(※)

 

費用

20階以上(タワーマンション)

マンション全体の平均

管理費

月額 約14,415円

月額 約11,503円

修繕積立金

月額 約14,025円

月額 約13,054円

 

参考:国土交通省

 

タワーマンションの管理費と修繕積立金を合わせると、月額約2万8,000〜3万円程度が目安となります。ただし、共用施設の内容や物件の規模によって大きく異なるため、あくまで参考値として捉えてください。

 

実際に大規模修繕が行われる場合にどれくらいの費用が発生するか予測できないため、毎月支払っている修繕積立金だけでは足りない可能性もあります。修繕積立金だけでは足りないことが判明した場合、修繕積立金が値上げされたり一時金を徴収されたりする可能性があるため注意が必要です。

災害に備えた準備が必要になる

タワーマンションでは、災害に備えた準備が欠かせません。地震による家具の転倒防止対策のほか、下記のような対策が必要です。

 

・ガラスの飛散防止

・食料、飲料水の備蓄

 

高層階は風が強いため、台風などの影響で物が飛んできてガラスが割れてしまう可能性があります。そのため、飛散防止フィルムなどをガラスに貼っておく必要があるでしょう。

 

災害によって電気が止まってしまうと、エレベーターが利用できなくなります。エレベーターが使えなければ階段を利用するしかありませんが、高層階に住んでいる場合は通常の生活すら困難になる人もいるでしょう。常に、食料や飲料水を備蓄しておく必要があります。

 

マンションで停電が起きたときの対処法などは、以下の記事で紹介しています。

マンションで停電が起こった際の対処法とは?

さらに、タワーマンションの資産価値や将来の市場動向について、不動産鑑定士による見解を紹介します。

鑑定士コメント

特に都心で人気の高いタワーマンションですが、その人気故に、通常のマンションよりも購入費が高くなったり、将来に向けて維持管理費が高額になることを許容する必要があります。また、タワーマンションは昨今は分譲価格よりも中古価格が上昇しているケースもよく見られますが、これらは投機目的で資金が流入している場合もあります。投機需要が多いほど、今後不動産市況が悪くなったときに、急速に価格が下落する可能性もあることに留意してください。タワーマンションには本文に説明のあるとおり、メリットとデメリットがあります。まずは、自分の求めるマンションライフがタワーマンションでしか実現できないのか、そうでないのかを考えてみましょう。

携帯電話の電波が届かない場合がある

タワーマンションの高層階では、携帯電話の電波がつながりにくくなることがあります。携帯電話の基地局の電波は基本的に下方向に向けて発信されており、基地局のアンテナの高さを超える高層階には電波が届きにくいためです。窓ガラスの種類(鉄線入りやUVカットガラスなど)によっても電波の通りやすさは変わります。

 

携帯電話各社では改善策として、基地局のアンテナを上向きに調整したり、ユーザーからの報告に応じて電波改善装置を無料で貸し出したりする対応を行っています。物件によってはあらかじめ建物側で電波対策を施しているケースもあるため、購入前に確認しておくとよいでしょう。なお、基地局の電波を利用するポケットWi-Fiも同様の影響を受ける可能性があります。

タワーマンションはどんな人に向いている?

タワーマンションはどんな人に向いている?

タワーマンションはどんな人に向いている?

タワーマンションは魅力的な住まいですが、一般的なマンションとは異なる特性を持つため、すべての人に適しているとは限りません。ここでは、タワーマンションに向いている人の特徴を2つの観点から整理します。

 

タワーマンションには多くの住民が暮らすため、一般的なマンション以上に共同生活への理解と意識が求められます。

 

共同生活のルールを守れる

多様な住民が多数集まるため、ゴミ出しや共用施設の利用ルールなどを正しく理解し、守る姿勢が欠かせない

防災意識が高い

停電時にエレベーターが使えなくなるリスクや、高層階からの避難の難しさなど、高層建築特有の災害リスクに日頃から備えられる

維持費の値上げを許容できる

資産価値や建物の寿命を維持するために、一般的なマンションよりも大幅な管理費・修繕積立金の値上げが発生する可能性がある。これを必要なコストとして受け入れられる

 

タワーマンションの立地や設備の特性と自身のライフスタイルが合っているかも重要な判断基準です。

 

短期的な住み替えを前提としている

タワーマンションは物件の流動性が高く売買がしやすいため、ライフステージの変化に応じた住み替えと相性がよい

部屋の広さよりも交通利便性を重視する

駅近・駅直結の立地が多く、通勤や日常生活の利便性を最優先にしたい人に適している

高層階ならではの眺望・日当たりを求める

周囲に遮るものがない開放的な眺望や日当たりは、タワーマンションだからこそ得られる大きなメリット

モノを持たないミニマルな生活を好む

カーシェアやシェアサイクルなど共用サービスを活用し、居住空間の広さよりも立地やサービスの質を重視する現代的な暮らし方と相性がよい

 

タワーマンションの適性について(今村談)

タワーマンションに向いているのは、共同生活のルールや維持費の負担を理解したうえで、利便性や眺望といったタワーマンションならではの価値を積極的に活かせる人です。反対に、広い居住空間を優先する方や、管理費・修繕費の上昇に抵抗がある方は、一般的なマンションや戸建ても視野に入れて比較検討することをおすすめします。

タワーマンションを購入する前に確認しておきたいポイント

タワーマンションを購入する前に確認しておきたいポイント

タワーマンションを購入する前に確認しておきたいポイント

タワーマンションは価格やスペックに目が行きがちですが、購入後に後悔しないためには、日常の暮らしやすさや将来の維持管理に関わる項目を事前にチェックしておくことが大切です。ここでは、購入前に確認しておきたいポイントを整理します。

 

・共用施設や設備の内容を確認する

・長期修繕計画の内容をチェックする

・住民の雰囲気や管理体制を肌で感じる

・資産価値の維持につながる立地条件を見極める

共用施設や設備の内容を確認する

タワーマンションならではの暮らしやすさは、共用施設や設備の充実度に大きく左右されます。購入前には以下のような点を確認しましょう。

 

・各階にゴミ置き場があるか

・エレベーターの台数や、低層階用・高層階用に分かれているかどうかなど

・コンシェルジュサービスの有無と対応時間

・自分のライフスタイルに合った共用施設があるか

 

共有部分のチェックに使いやすいリストをご用意しました。実際の物件を見に行く際にお役立てください。

中古マンションのCHECKPONT(一棟:共有部編)

長期修繕計画の内容をチェックする

将来の修繕費用の負担を見極めるために、長期修繕計画の内容も確認しておきましょう。

 

チェックポイント

確認すべき内容

定期的な見直しがされているか

長期修繕計画は5年程度での見直しが目安とされている。長期間放置されている場合は注意が必要

工事単価が最新の水準か

建設費用は物価上昇とともに上がっている。古い単価のまま計画が作られていると、実際の修繕時に積立金が不足する恐れがある

タワマン特有の事情が反映されているか

免震装置の点検費用や、高層建築ならではの工事単価の上乗せなど、一般的なマンションにはない費用が計画に盛り込まれているか

積立金の状況は健全か

現在の修繕積立金の残高や、将来の値上げ計画を確認し、無理のない資金計画になっているか

住民の雰囲気や管理体制を肌で感じる

タワーマンションには多様な住民が集まるため、コミュニティの雰囲気も物件選びの大切な判断材料です。内見の際には、共用部分の清掃状況や住民同士の挨拶の様子など、「自分がここで心地よく暮らせそうか」という視点で確認してみましょう。

 

資産価値の維持につながる立地条件を見極める

タワーマンションは資産価値が高い傾向にありますが、すべての物件が将来も価値を維持できるとは限りません。最寄り駅からの距離や周辺の再開発計画、将来的に眺望を遮る建物が建つ可能性がないかなど、長期的な視点で立地条件を確認することが大切です。

 

購入前のチェックについて(今村談)

価格やスペックだけでなく、共用施設の使い勝手やエレベーターの台数、外廊下・内廊下、長期修繕計画の健全さなど、タワーマンション独自のポイントを必ず確認してください。とくに管理費や修繕積立金の値上げ状況は、事前に把握しておくことが重要です。

 

また、住民の雰囲気も見落としがちですが、多くの人が暮らすタワーマンションでは、自分にとって居心地がよいと感じられるかどうかが、長く快適に住み続けるための大切な判断基準になります。

まとめ:タワーマンションの定義だけでなくメリットとデメリットを把握して選ぼう

まとめ:タワーマンションの定義だけでなくメリットとデメリットを把握して選ぼう

まとめ:タワーマンションの定義だけでなくメリットとデメリットを把握して選ぼう

タワーマンションに明確な定義はありませんが、一般的には60m以上、およそ20階を超えるマンションがタワーマンションと呼ばれています。タワーマンションにはさまざまな形状があり、それぞれマンションの内装や間取りに特徴があります。

 

タワーマンションは、多くのメリットがある一方でデメリットも存在するため、それぞれを把握したうえで検討しましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

本記事で学んだことをおさらいしよう!

簡易テスト

分譲マンションの「共用部分」に関する記述のうち、明らかに間違っているものは次のうちどれですか?

答えは 4

「共有持分」とは、1つの不動産を複数で共有する場合のそれぞれの共有者の所有権の割合のことです。権利上のものであって、物理的なものではないため、専有部分の床面積に等しいとは限りません。

  • 資産性が低くて
    売りたくても売れない
  • 安いという理由だけで
    中古マンションを
    買ってしまった
  • 修繕積立金が
    年々上がる
  • 子供が成人したから
    マンションを売って
    一軒家生活したいけど…
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