全国市況レポート

注目記事
学ぶ
更新日:2025.05.15
登録日:2022.09.05
マンションを選ぶならエレベーターも確認しよう!チェックポイントを紹介

「マンションは何を基準に選べばいいか分からない」
「マンションにエレベーターは必ず設置されている?」
「エレベーターなしのマンションを選ぶメリットが知りたい」
マンションを選ぶ際には駅からの距離や部屋の広さ、周辺環境など様々な条件をチェックする必要がありますが、その1つにエレベーターの有無が挙げられます。
6階以下の建物にはエレベーターの設置義務はないものの、住民の利便性を考えて設置しているところも多くあります。
ただし、エレベーターが設置されていることによるデメリットもありますし、エレベーターがあるといっても設置台数や位置によっては不便に感じることもあります。
そこで、今回はマンション選びの際に役立つエレベーターに関する知識について解説します。快適に暮らせるマンション選びの参考にぜひご覧ください。
【この記事でわかること】
・エレベーターの設置義務があるマンションは高さで決まる
・エレベーター付きのマンションを選ぶときは、待ち時間や設置台数、位置、セキュリティ面などさまざまなチェックポイントがある
・エレベーターなしのマンションを選ぶ選択肢もある
マンション図書館の物件検索のここがすごい!

- 個々のマンションの詳細データ
(中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧 - 不動産鑑定士等の専門家によるコメント
表示&依頼 - 物件ごとの「マンション管理適正評価」
が見れる! - 新築物件速報など
今後拡張予定の機能も!
マンションへのエレベーター設置が義務になる条件

マンションへのエレベーター設置が義務になる条件
マンションへのエレベーター設置が義務付けられる条件は以下の2つです。
・高さ31mを超える建物
・高齢者向け住宅は3階建て以上
それぞれ具体的に解説します。
高さ31mを超える建物
高さが31mを超える高層の建物には、エレベーター設置義務が課されています。(※)一見、同じ高さの建物でも、内部の構造によっては階数が異なります。
天井までの高さが低い建物であれば、その分建物の階数も増えるでしょう。そのため、エレベーターの設置は建物の階数ではなく、高さで決められています。

高さ31m以上の建物は、7階から10階建てが一般的です。では、6階の建物にはエレベーターが未設置なのかというと、そうではありません。
6階建てを階段で上るのは体力面でも心配なので、どうしてもエレベーター付きのマンションにニーズがあります。そのため、6階以下の建物でもエレベーターが設置されているケースが多いです。
高齢者向け住宅は3階建て以上
マンションのような一般的な建物の場合は31m以上がエレベーター設置義務の対象ですが、高齢者施設は例外です。
高齢者向けの賃貸住宅や有料老人ホームなど、高齢者が住む共同住宅の場合は設置条件が厳しくなっており、3階建て以上の建物が対象です。
エレベーター設置は、国土交通省が定めた「高齢者居住の安定確保に関する法律」※にて義務付けられています。高齢者が安全に過ごせる環境を担保するために他にも基準が定められているので、代表的なものをご紹介します。
・床は段差のないバリアフリー設計である
・廊下の幅は78cm以上である
・居室の出入口は75cm以上、浴室の出入口は60cm以上である
・トイレや浴室には手すりが設置されている
福祉のまちづくり条例を制定している自治体であれば、高齢者向けの建物でなくてもエレベーターの使用や設置基準を設けている場合があります。
※参考:高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則 第34条第1項
鑑定士コメント
エレベーターの設置が免除されることはあるのでしょうか?4階建て以下の建物で、1階にオフィスや店舗が入っている場合はエレベーター設置が免除される場合があります。上階に住んでいる住人が少なく、エレベーター設置の必要性がないと判断された場合に適用されます。
エレベーター付きマンションを選ぶときのチェックポイント

エレベーター付きマンションを選ぶときのチェックポイント
エレベーター付きのマンションを選ぶ際に押さえておきたいチェックポイントをご紹介します。
・エレベーターの設置台数は適切か
・エレベーターの位置は問題ないか
・待ち時間は長くないか
・セキュリティ面で安全か
・緊急時の安全対策がされているか
・自分のニーズに合っているか
生活に密接している設備だからこそ、快適に日常生活を送るために賢くマンション選びをしましょう。
エレベーターの設置台数は適切か
エレベーター付きのマンションは多いので、エレベーターの有無よりも設置台数に注目しましょう。
通勤・通学の時間帯にはエレベーターの利用者数も当然多くなり、満員でエレベーターが止まらないこともあります。エレベーターの設置台数が少ないと、忙しい朝の時間に階段を利用したり、待ち時間が長くなったり、少なからずストレスを感じる要因になります。
マンションの適切な設置台数は、一般的に50戸に対してエレベーター1基です。一例ですが、80戸のマンションであればエレベーター2台、120戸では3台が快適に利用できる目安といわれています。
エレベーターの設置台数はあくまでも目安ですし、設置台数が増えるほど管理維持費が高額になるデメリットも考えられます。エレベーターの性能や住人の生活リズムによっても左右されるため、それぞれのマンションに合った台数が設置されていることが重要です。
エレベーターの位置は問題ないか
エレベーターの位置がご自身の部屋から遠くないか確認しましょう。当然、エレベーターと部屋の位置が近いと、荷物を運んだり移動したりするのに便利です。
あまり筋力がなく、移動距離を短くして利便性を重視したい場合は、エレベーターから近い部屋を選ぶとよいでしょう。
エレベーターと部屋があまりに近いと、動作音が気になる可能性もあります。防音対策を施している部屋も存在するので、気になる場合はマンションの設備を確認してみてください。
待ち時間は長くないか
エレベーターの性能で重視したいのは、目的階までの輸送時間よりも待ち時間です。毎日利用するからこそ、できるだけ待ち時間が少ないエレベーターが設置されているマンションを選びたいです。
一般的に、エレベーターの待ち時間が長いと感じるのは、60秒程度(※)といわれています。1階からエレベーターが移動する時間間隔の平均値がエレベーターの待ち時間の目安となるため、長くても60秒以内であることを確認しましょう。
参考:シチズン時計株式会社「ビジネスパーソンの「待ち時間」意識(2023年)」
セキュリティ面で安全か

セキュリティ面で安全か
エレベーターでは数分間密室になるため、少し怖いと感じる方もいるでしょう。
そこで、防犯面で対策が取られているかもチェックしてください。例えば、以下のようなポイントがあります。
・防犯カメラが設置されているかどうか
・エレベーターの扉に窓が付いているかどうか
窓があれば、エレベーターに乗る前に中の様子が確認できますし、エレベーターから降りる際には外側の様子を知ることができます。少しの違いではありますが、安心できるでしょう。
また、防犯警報装置が設置されていれば、何か問題が発生した際に防犯ボタンを押すことで、各階に強制停止することが可能です。
緊急時の安全対策がされているか
緊急時の配慮がなされているかどうかもチェックすべきポイントです。
具体的には、エレベーターに担架やストレッチャーが乗るかどうかを確認しておくと良いでしょう。もちろん担架が乗らない場合には抱きかかえてエレベーターに乗せることもできますが、担架に乗せたまま移動できるに越したことはありません。
エレベーターによっては、奥の壁が観音開きできるようになっていて、開くと担架が乗るためのスペースができるものもあります。こうした配慮がなされているかも確認してみてください。
また、災害時にエレベーターが緊急停止した場合、防災用具が完備されていれば、救出までの一時しのぎになるでしょう。
自分のニーズに合っているか
エレベーターの中には、車いすの方でも届く位置にボタンを用意しているものもあります。車いすの方や、その家族が一緒に住まわれるのであれば、そうしたボタンがあるかチェックしてみてください。
また、ペットと一緒に暮らせるマンションの場合、「ペット」というボタンがあることもあります。これは外でエレベーターを待つ方に対してペットが乗っていることを伝えるためのボタンです。ペット同士を鉢合わせたくない場合に役立ちます。
このように、家族構成やニーズに合わせて必要な機能が備わっているかについても確認しておきましょう。
以下はマンションに関するお役立ち情報です。無料でダウンロードできますので、ぜひこちらもご覧ください。
鑑定士コメント
エレベーターの横の部屋に入居するのは避けたほうがよいでしょうか?エレベーターに隣接する部屋は、どうしても動作音やブザー音などが気になる場合があります。音に敏感な人や、静音性を重視する場合は避けた方がよいでしょう。ただし、近年では建物により動作音を抑える防音施工を行っている部屋もあるので、内覧で確認することをお勧めします。
エレベーターがないマンションを選ぶ選択肢もある

エレベーターがないマンションを選ぶ選択肢もある
エレベーター付きのマンションは便利ですが、マンションに求める条件によってはエレベーターがないマンションの方がメリットの多い場合もあります。
エレベーターがないマンションのメリットとデメリットを以下でまとめてご紹介します。
マンションのエレベーター設置義務については以下の記事でも詳しくご紹介しています。エレベーターがないマンションのメリットやデメリットにも触れているので、気になる人はぜひご覧ください。
エレベーターがあるのは何階建てのマンションから?設置義務を解説
まとめ:マンションを選ぶときはエレベーターのチェックも忘れずに

まとめ:マンションを選ぶときはエレベーターのチェックも忘れずに
エレベーター付きのマンションは、大きな荷物やベビーカーなどの移動も快適にできる便利な設備です。
一般的に高さ31m以上のマンションであれば設置義務がありますが、利便性やニーズの高さから基準内でもエレベーターが設置されているマンションは多いです。
エレベーター付きのマンションを選ぶ際は、設置台数や位置、防犯面の配慮があるかどうか確認しましょう。生活に密接しているエレベーターだからこそ、この記事で紹介したチェックポイントをマンション選びの参考にしてみてください。
#エレベーター、#マンション、#設置、#建物

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
公式SNSをフォローすると最新情報が届きます
あなたのマンションの知識を確かめよう!

マンションドリル上級
あなたにとって一生で一番高い買い物なのかもしれないのに、今の知識のままマンションを買いますか??後悔しないマンション選びをするためにも正しい知識を身につけましょう。
おすすめ資料 (資料ダウンロード)
マンション図書館の
物件検索のここがすごい!

- 個々のマンションの詳細データ
(中古価格維持率や表面利回り等)の閲覧 - 不動産鑑定士等の専門家による
コメント表示&依頼 - 物件ごとの「マンション管理適正
評価」が見れる! - 新築物件速報など
今後拡張予定の機能も!
会員登録してマンションの
知識を身につけよう!
-
全国の
マンションデータが
検索できる -
すべての
学習コンテンツが
利用ができる -
お気に入り機能で
記事や物件を
管理できる -
情報満載の
お役立ち資料を
ダウンロードできる
関連記事
カテゴリ
当サイトの運営会社である東京カンテイは
「不動産データバンク」であり、「不動産専門家集団」です。
1979年の創業から不動産情報サービスを提供しています。
不動産会社、金融機関、公的機関、鑑定事務所など
3,500社以上の会員企業様にご利用いただいています。