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2023.08.21

地上権とは?地上権の種類と借地権や地役権との違いをわかりやすく解説

地上権とは?地上権の種類と借地権や地役権との違いをわかりやすく解説

「地上権って何?」
「地上権を設定するとどんなメリットがあるの?」
不動産の売買を検討しているとき、地上権という言葉を目にして上記のように思う人もいるのではないでしょうか。

本記事では地上権の意味や、よく似た言葉である借地権・地役権との違いについて説明します。最後まで読めば、不動産に地上権を設定するメリットやデメリットがわかります。ぜひ参考にして、住宅売買するときの予備知識として活用してください。

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地上権とは

地上権とは

地上権とは

地上権とは、民法第265条で定められた、土地についての権利です。意味としては、建物や工作物(道路・鉄道・トンネルなど)、竹木を所有するために、他人の土地を使用できるというもの(※)です。地上権を持っている人は、所有者の許可を得なくても第三者に土地を貸せるほか、建物を売ったり担保にしたりできます。

 

地上権は居住する以外にも、他人の土地を借りて畑として作物を育てている場合や、家の下を地下鉄が通っている場合の地下部分のみに設定されています。地上権を得ていることで、土地の所有者にその都度許可を求めることなく、新しく作物を植え付けたりトンネルを補修したりできる点がメリットです。

 

※参照:民法第265条

地上権と賃借権の違い

地上権と賃借権の違い

地上権と賃借権の違い

地上権とよく似たものに「賃借権」という言葉がありますが、地上権と賃借権の2つをまとめて呼ぶ言葉が「借地権」です。つまり、地上権は借地権の一種であり「他人が所有している土地を使える権利」という意味では、地上権も賃借権も同じといえます。

 

使い分けとしては、住宅においては地上権ではなく、賃借権が適用されるのが一般的です。そのため、賃借権のことを借地権と呼ぶ場合も多くあります。ここでは、「賃借権=借地権」として地上権との違いを解説します。地上権と借地権の違いは以下のとおりです。

 

 

地上権

借地権(賃借権)

存続期間

最短30年

(所有者との合意があれば自由に設定できる)

【普通借地権】

30年以上

【定期借地権】

50年以上/10年以上50年未満/

30年以上

地代の有無

なし

あり

地主の承諾

不要

必要

登記の有無

あり

なし

※参照:民法(第265条、第601条)

 

上記の表における「存続期間」とは、その土地を使う権利をどれだけの間持っていられるかを表します。地上権の存続期間は、土地の所有者との合意があり、かつ30年以上であれば自由に設定可能です。

 

借地権の場合、普通借地権と定期借地権にわかれており、普通借地権の存続期間は30年以上と決められています。定期借地権は、さらに以下のように3種類にわかれ、それぞれ存続期間が異なります。

 

一般定期借地権

50年以上

事業用定期借地権

10年以上50年未満

建物譲渡特約付借地権

30年以上

※参照:国土交通省

 

土地の所有者との間で賃貸借契約を結ぶ借地権では、毎月地代を支払う必要があります。地上権では法律上地代を支払う決まりはありませんが、土地の所有者との間で取り決めがあった場合は支払わなければなりません。

 

そのほか、土地を第三者に又貸しや譲渡をする際に地主の承諾が必要かどうかや、登記手続きが必要かどうかもそれぞれ違います。自分に当てはまる項目をチェックしておきましょう。

 

なお、定期借地権付きマンションのメリットやデメリットについては、以下の記事で解説しています。さらに詳しく知りたい人は、一度目を通してみてください。

定期借地権マンションとは?メリットとデメリットを詳しく解説

地上権と地役権の違い

地上権と地役権の違い

地上権と地役権の違い

地上権と地役権は、どちらも他人の土地を使えるようにするために設定される権利です。地上権と地役権の大きな違いは、その目的だといえるでしょう。それぞれの目的は以下のとおりです。

 

地上権

他人の土地において、建物・工作物・竹木などを所有するために設定

地役権

自分の土地の利便性を高めるために、他人の土地を利用できるように設定

 

たとえば、自分が所有する土地に面している道路が狭く、交通の便がよいメインストリートに出るためには他人の土地を通ったほうが早かったとします。その際、他人の土地の一部を自由に通行できる権利を得るために設定されるのが地役権です。

 

地役権は民法第280条(※)で定められている権利で、他人の土地に設定することで効力を発揮します。他人の土地を通行などで利用するだけなら地役権、建物などを建てて所有するなら地上権と覚えておきましょう。

 

※参照:民法

地上権が設定されるケース

地上権が設定されるケース

地上権が設定されるケース

地上権が設定されるケースには、「区分地上権」と「法定地上権」の2パターンがあります。それぞれの内容を詳しく解説するので、参考にしてください。

区分地上権

区分地上権とは、範囲を「ここからここまで」と限定して設定する地上権です。

 

地上権つきの不動産は、通常であれば敷地内の地上・地下・上空などのすべてを自由に使えます。しかし区分地上権は、地下や上空の一部のみに「〇mから〇mまで」などと設定され、一定の範囲に限って使用を許されるものです。

 

区分地上権が設定されるシーンは、他人が所有する土地の地下にトンネルなどを掘ったり、上空に高架道路を造ったりする場合が代表的です。その場合は工事の事業者が、土地の所有者と借地人(土地を借りている人)の両者と、区分地上権に関する契約を結ばなければなりません。

 

区分地上権を設定することで、工事の事業者は土地の所有者や借地人の許可を得ることなく、トンネルや高架道路の補修工事などが行えます。ただし、地下の一部に区分地上権が設定されると、その地上の土地には以下の4つの制限がかかる点を把握しておきましょう(※)。

 

・掘削などをして土地の形状を変更する場合は制限がかかる

・掘削したり土地の形状を変えたりする場合、道路管理者に届けなければならない

・地上に建物などを新築する場合、決められた数値より土地を重くしてはいけない

・地上の土砂を掘削するなどして、決められた数値より土地を軽くしてはいけない

 

土地の形状を変更する例としては、基礎杭を売ったり井戸を掘ったりすることが挙げられます。また荷重制限が設けられるため、建物を新築するときには階数などに制限がある点には注意が必要です。地下や地上の安全性を維持するためにも、区分地上権が設定された範囲での決まりは守りましょう。

 

※参照:国土交通省

法定地上権

法定地上権とは、元々は1人の人が所有していた土地と建物において、抵当権の行使により持ち主がわかれた場合に発生する地上権です。つまり、最初に物件を購入した人が借り入れたローンを返済できなくなったときに、金融機関により競売にかけられた建物を購入した人が法定地上権を得ることになります。

 

法定地上権を設定した建物は、地代をきちんと支払い、かつ住環境を整えていればほぼ永久に使用可能です。しかし法定地上権が成立する条件として、国税徴収法第127条では以下のような内容が定められています(※)。

 

・抵当権を設定したときに、土地の上に建物が建っていたこと

・抵当権を設定したときに、土地と建物の所有者が同じ人だったこと

・土地か建物のどちらか一方、または2つともに抵当権が設定されていること

・土地・建物のいずれかが競売にかけられ、双方の所有者が別人になったこと

 

法定地上権が一度設定されると、最短で30年、それ以降もほぼ永久的に権利を更新し続けられます。しかし元々の土地の所有者は、建物の所有権を二度と取り戻せないわけではありません。以下の4つの条件のうちいずれかひとつが当てはまった場合、法定地上権を解除するよう現在の所有者に請求できることも覚えておきましょう。

 

・現所有者が法定地上権を解除することに合意している

・現所有者が取り決めた地代を長期間支払っていない

・建物が老朽化したり災害によってなくなったりしたことで住めなくなった

・期間が満了した際、現所有者が更新しなかった

 

※参照:国税庁

鑑定士コメント

地上権の登記は誰が行うのでしょうか?土地の所有者と建物の所有者の双方です。実際には司法書士に任せるのが一般的ですが、土地の所有者と建物の所有者が合意したうえで登記手続きが行われます。地上権の設定は、必ず登記しなければならないものではありません。しかし登記しなければ、その建物に対して地上権を有していることを、第三者に主張できないデメリットがあります。登記情報に地上権の記載がないと、ほかの人が先に地上権を設定してしまいかねません。トラブルを避けるためにも、地上権を設定したときは司法書士に頼んで登記することをおすすめします。

地上権を設定するメリット

地上権を設定するメリット

地上権を設定するメリット

地上権を設定するメリットは以下のとおりです。なお、地上権を設定することでメリットを得られるのは、借地人です。

 

・土地の持ち主の許可を得なくても自由に建物・工作物・竹木を使える

・更新料や承諾料を支払わなくてよい場合が多い

・住宅ローンを組む際に抵当権を設定できる

・不動産投資においてコストを抑えられる

 

上記のように、地上権を設定した不動産は、土地の所有者の許可なしで譲渡・転貸(又貸し)・建て替え・リフォームなどができる点がメリットです。借地権(賃借権)では必要な更新料や承諾料(土地の所有者に許可を得るために支払うもの)は、地上権では必要ありません。担保として抵当権も設定できるので、住宅ローンが組みやすくなります。

 

また、地上権が設定されている物件は通常より安く購入できる傾向があるので、不動産投資においてもメリットが大きいでしょう。不動産取得税・固定資産税・都市計画税などの税金を支払う必要もないため、通常の物件を購入して資産運用をするときより、ランニングコストを抑えられます。

地上権を設定するデメリット

地上権を設定するデメリット

地上権を設定するデメリット

地上権を設定するデメリットは以下の3点です。なお、デメリットが発生するのは、おもに土地の所有者側となります。

 

・自分の土地なのに自由に使えなくなる

・知らないうちに借地人が別の人に又貸しする可能性がある

・承諾料を得られない場合が多い

 

地上権が設定されると、自分が所有している土地であっても好きに使えなくなる点は大きなデメリットです。借地人が自由に使える権利を持ってしまうため、場合によっては土地の所有者にとって不本意な用途で使用されることもあるでしょう。

 

また、地上権が設定された不動産は譲渡や又貸しも借地人の独断で行えるため、土地の所有者が意図しない状態になる可能性もあります。そればかりか、契約の更新料やリフォームなどをする際の承諾料も入らない場合がほとんどです。

 

以上のように、土地の所有者にとって地上権の設定は好ましくない場合が多いでしょう。特に法定地上権は、住宅ローンを返済できなければ問答無用で設定されてしまうため、マイホームの購入の際は自分に無理のない内容かよく考えることが大切です。

鑑定士コメント

地上権の在続期間が長いのはなぜでしょうか?地上権が設定されるシーンに理由があります。トンネルや地下鉄などの公共設備を造る場合に設定される区分地上権の場合、それらの設備は多くの人がずっと使い続けるものなので、存続期間は長くなければいけません。また法定地上権の場合、存続期間が短いと借地人の生活に支障をきたしてしまうでしょう。以上のことから、地上権の存続期間は長く設定されています。

まとめ:地上権が設定されるのは法定地上権がほとんど

まとめ:地上権が設定されるのは法定地上権がほとんど

まとめ:地上権が設定されるのは法定地上権がほとんど

地上権は、建物などを所有するために他人の土地を使用できる権利です。地上権が設定されるシーンには、区分地上権と法定地上権の2つがあります。区分地上権は、地下鉄や高架道路などの工事をする際に設定される場合が多い権利です。

 

法定地上権は、住宅ローンを借り入れた人が債務不履行を起こした場合に、金融機関が対象の不動産を競売にかけることで発生します。そのため身近に設定されやすいのは、区分地上権より法定地上権だといえるでしょう。

 

地上権は、借地人にとってはメリットが大きいものですが、土地の所有者にとってはデメリットのほうが多くなります。マイホームを購入するときは、地上権が設定されているかどうかを確認しましょう。

石川 勝

不動産鑑定士/マンションマイスター

石川 勝

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

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  • 修繕積立金が
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  • 子供が成人したから
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