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更新日:2025.12.24
登録日:2025.12.23
フローリングが滑る原因は?すぐできる滑り止め対策を徹底解説

「フローリングで滑って家族が転倒してしまった」
「フローリングの一部だけが滑りやすく、原因がわからない」
フローリングについて、このように困っていませんか?
この記事では、フローリングが滑る原因やすぐにできる対処法を徹底解説します。滑りにくくする予防策や家族構成別のおすすめ対策なども具体的にわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
【この記事でわかること】
・フローリングが滑る理由は、汚れや室内の湿度変化、フローリング自体の劣化など
・汚れや水分を拭いたり、ワックスをかけなおしたりすることで対処可能
・一緒に暮らす家族や家庭の状況に合わせた滑り止め対策が必要
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フローリングが滑るおもな原因
フローリングが滑るおもな原因
フローリングが滑る主な原因として、以下が考えられます。
・油汚れや皮脂の蓄積
・室内の湿度変化
・ワックスの劣化
・フローリング自体の経年劣化
・薬剤やスプレーの付着
それぞれについて具体的に解説します。
油汚れや皮脂の蓄積
床面に油や体から出る脂が溜まっていることが、滑りやすさの一因となります。こうした油性の汚れが床表面に目に見えない層を形成し、足元が不安定になるのです。
たとえば、リビングでの食品のこぼれや、素足で歩行する際に付着する体の脂などが積み重なっていきます。また、キッチン周辺での揚げ物といった調理の際の油はねも、床が滑る一因です。
靴下等を履いていても、油汚れを踏んでしまうと歩く際に汚れが広がり、その周囲全体が滑りやすい状態になることがあります。こうして、知らず知らずのうちに見えない汚染が進行しているケースがあります。
室内の湿度変化
屋内の湿気レベルが変動したり高くなったりすることも要因の一つです。湿気が多いと床の表面に水分が付着し、滑りやすい状態を作ります。特にバスルーム付近では水滴によるフローリングの滑りに注意が必要です。
加えて、雨が続く梅雨シーズンや、結露が起きやすい冬季も床が滑る傾向があります。逆に天然木を用いたフローリングでは、乾燥する季節に床表面の水分が失われることで滑りやすくなる性質があります。
ワックスの劣化
床に塗ったワックスの性能低下も関連しています。ワックスは見栄えをよくするだけでなく、床面に保護層を作ることで滑り止め効果を発揮するからです。
ワックスが劣化すると徐々に滑り止め機能が低下し、さらに摩耗によって木材が露出したフローリングはより滑りやすくなります。日々の生活の中でワックスは少しずつはがれていくため、定期的に塗り直す必要があります。
フローリング自体の経年劣化
フローリング自体の経年劣化
ワックス不使用のフローリングでも、表面の摩耗により滑りやすくなるケースがあります。人通りの多い箇所では木材の摩耗が特に進行しやすく、滑りに注意が必要です。
また、天然木などを使用したフローリングは、湿気を吸収して木の表面が柔軟になり摩擦力が下がるため滑りやすくなります。湿度コントロールや適切な手入れが、長期的な滑り止め性能を保つ鍵となります。湿度を管理したり、適切なメンテナンスを行ったりすることが、滑りにくさを長期的に保つポイントです。
それでも寿命によってフローリングが劣化してしまった場合は、滑りにくさを考慮した床材にリフォームするのもよいでしょう。
薬剤やスプレーの付着
各種薬剤やスプレーの飛散も床の滑りやすさに影響します。例えば、スプレータイプの整髪料を使用した際の飛沫が床に付くと、その箇所が極めて滑りやすくなり危険です。
そのほか、網戸や窓が開閉しづらい時に使うシリコンスプレーの使用も、床を滑りやすくする一因となります。シリコンスプレーが床にかかることで、フローリングの滑りがよくなりすぎてしまうためです。
スプレー式整髪剤やシリコンスプレーなどを使う際は、事前に新聞紙等で床を保護したり、使用後はしっかり清掃したりすることが大切です。
鑑定士コメント
新築のフローリングが滑りやすい原因はなんでしょうか?
新築住宅の床に使われるワックスの種類や施工方法により、滑りやすくなることがあります。ツヤのあるワックスを使用したり、厚めに塗布したりすると滑りやすくなるためです。対策としては、滑りにくいタイプのワックスを選択したり、薄く均等に塗ったりすることが考えられます。また、ワックスによっては時間経過で滑りやすさが変わるものもあるため、定期的な点検とメンテナンスも欠かせません。
フローリングが滑るときの対処法
フローリングが滑るときの対処法
フローリングが滑る場合の対策として、以下が挙げられます。
・古いワックスを剥がして塗り直す
・中性洗剤で油汚れを拭き取る
・水気や湿気を乾拭きで除去する
・シリコンスプレーやヘアスプレーの成分を拭き取る
上記4つの対処法について、順に解説します。
古いワックスを剥がして塗り直す
ワックスが劣化すると滑りやすくなるためかけなおします。古いワックスが床に残ったまま新しいワックスを塗るとムラになりやすいため、古いワックスをすべて取り除いてから塗りなおしてください。
ワックスを塗るときは薄く均一になるよう塗り、十分に乾燥させましょう。塗布直後はとくに滑りやすいため、ワックスが完全に乾くまで歩かないように気をつけてください。2度塗りする場合は、1回目に塗ったワックスが完全に乾いたことを確認してから塗ります。
中性洗剤で油汚れを拭き取る
油性汚れの除去には、水で希釈した中性洗剤が有効です。食器洗い用の中性洗剤を水に溶かしたものを布に含ませて、油や体の脂などが気になる箇所を拭き取ります。汚れの範囲が広い時は、柄付きモップの使用も便利です。
ただし、中性洗剤や濡れた布でフローリングを繰り返し拭いたり、強くこすったりするとワックスが取れてしまう可能性があるため注意してください。床の状態を確認して、必要であれば再度新しくワックスをかけなおしましょう。
水気や湿気を乾拭きで除去する
水気や湿気を乾拭きで除去する
湿度変化による水滴や水分の発生で床が滑る場合は、乾いた布で水分を除去することで滑りやすさを改善できます。雨の多い梅雨シーズンや結露が生じやすい冬、床が濡れやすい浴室周辺などでは、日頃から床の濡れ具合をこまめに確認しましょう。
また、キッチンなどでは水分と油分が混ざることでフローリングがさらに滑りやすくなるため、両方をしっかりと取り除くようにしてください。希釈した中性洗剤を布に含ませて拭いた後、乾いた布で仕上げ拭きをし、水分が残っていないか確認しましょう。
シリコンスプレーやヘアスプレーの成分を拭き取る
シリコンスプレーやヘアスプレーなどが原因の場合は、スプレーの成分を除去する必要があります。油汚れと同じく中性洗剤を使うと効果的です。
スプレーがフローリングに軽く付いているだけであれば、床を水拭きするだけで除去できます。希釈した中性洗剤を使って拭けばより確実です。
中性洗剤で拭いても落ちない場合は、ワックス除去の際に使用する「ワックススクレーパー」を使う方法もあります。スプレー成分とともにワックスも除去されてしまうため、使用した後は忘れずに再度ワックスがけを行いましょう。
フローリングを滑りにくくする予防対策
フローリングを滑りにくくする予防対策
フローリングを滑りにくくするための予防方法は、主に以下の4つです。
・定期的にワックスがけをする
・ラグやマット、カーペットを活用する
・フロアコーティングを専門業者に依頼する
・滑りにくい床材へリフォームする
それぞれについて詳しく解説します。
定期的にワックスがけをする
フローリングのワックスを定期的にかけなおすことで、滑りにくさを維持しやすくなります。ワックスには床の表面をピカピカにすることに加え、滑りにくくする働きがあるためです。
塗りなおす際は古いワックスが残った状態で新しいワックスを塗ると、滑りにくさが低減するほか、かえって滑りやすくなる可能性もあります。仕上がりの美しさにも影響するため、手間はかかりますが一度完全に古い部分はとり除くようにしましょう。
ワックスの塗りなおしを定期的に行うことによって、滑りにくいフローリングを保ちやすくなります。ワックスには滑りにくいものやツヤあり・ツヤ無しタイプなど、さまざまな種類があるため、各家庭に合ったものを選んでみてください。
ラグやマット、カーペットを活用する
フローリングに絨毯やマットを敷くのもひとつの手です。ツルツルとしたフローリングに比べ、繊維質のカーペット等を使うことでより滑りにくくすることができます。
フローリングの滑りやすさに不安がある場合のほか、ワックスを定期的にかけなおす負担が大きい場合にもおすすめの方法です。ラグやマットなどは一度購入すれば、洗って繰り返し使えるため経済的な負担も抑えられます。
床全体を覆うタイプのほか、キッチンやダイニングなどのとくに滑りやすさが気になるところに部分使いするのもよいでしょう。マット等を敷く際は、裏に滑り止め加工のあるものを選んだり、滑り止めシートとあわせて使ったりすることでしっかりと固定できます。
フロアコーティングを専門業者に依頼する
フロアコーティングを専門業者に依頼する
自分ではワックスの定期的なかけなおしが難しいという場合は、専門業者に依頼するのもよいでしょう。プロの力を借りることで見た目もよく仕上げられます。
また、塗膜が柔らかいワックスと比べフロアコーティングは硬化させて固めるため、塗膜が硬くフローリングを厚く保護できるのが特徴です。ワックスは数カ月に一度塗りなおす必要がありますが、フロアコーティングは10年~30年ほど持つものもあります。
シリコン樹脂を使った滑り止め効果の高いシリコンコーティングを選べば、水に強いため水拭きやアルコールを使った掃除も可能です。ただし、塗料を常温で硬化させる必要があるため、2日~4日ほどかかる点は覚えておきましょう。
滑りにくい床材へリフォームする
滑りを根本的に改善したいときは、フローリングを滑りにくいタイプにリフォームするのもひとつの方法です。無垢材のなかでも、とくに柔らかい樹種はすべりにくい性質があります。
そのほか、最近ではすべり止め性能付きの床材やノンワックス仕様のものなど、販売されている商品は多種多様です。また、既存のフローリングを残して施工する「上貼り工法」では工期を短くしつつ安全性を高められます。
リフォーム業者に相談のうえ、家庭に合った床材を選びましょう。申し込む場合は、費用や内容などをしっかり確認し、必要に応じて見積もりを取ると安心です。
鑑定士コメント
ワックスフリーのフローリングにワックスをしても大丈夫でしょうか?
ワックスフリーのフローリングにワックスがけをする必要はありません。ノンワックスフローリングの上にワックスをかけると、もとのフローリングの質感や性能が損なわれるほか滑りやすくなる危険性があるためです。また、シートタイプの床材のなかにはワックスをとり除く際の水でシートが膨らみ、シワや歪みが出るものもあります。するとフローリングの部分交換が必要になってしまうため、ワックスフリーの床材はワックスをかけないほうが無難です。
【家族構成別】あなたに合った最適な滑り止め対策
【家族構成別】あなたに合った最適な滑り止め対策
一緒に暮らす家族の構成によって、最適な滑り止め対策は異なります。
・ペット
・小さな子ども
・高齢者
こちらの家族がいる場合にできる対策を紹介します。
ペット(犬・猫)と暮らす家庭向け
犬や猫などのペットと暮らしている場合、ペット用マットを敷いたり床の一部分にタイルカーペットを敷いたりする方法が適しています。マットやカーペットによって、グリップが得られるためです。走るときに滑りにくくなり、関節への負担を減らすことができます。
撥水効果も備えたペット用マットを選べば、滑りにくさだけではなく急な粗相にも備えられ一石二鳥です。裏面に滑り止めがついているタイルカーペットは、厚みがあり感触がやわらかいためペットの足腰への負担を減らせます。1枚ごとに交換できるのも利点です。
小さな子どもがいる家庭向け
小さな子どもがいる家庭では、日常生活のなかでよく歩く場所に滑り止め機能付きのカーペットを敷くのが、最も手軽で効果的な方法です。ラグやマットなどを敷くことで、子どもが足を滑らせて転ぶことを防ぎやすくなります。
そのほか、滑り止めのついた室内履きを活用するのもひとつの手です。最近では子供用として、底面に滑り止めのついたルームシューズが多く販売されています。可能であれば、家に帰ったら靴を脱いで履き替える習慣をつけることで、転倒事故を大幅に減らせるでしょう。
高齢者と暮らす家庭向け
高齢者と暮らしている場合は、よく使う場所を中心に対策することが大切です。寝室からトイレまでの通路やリビングの中央付近などに、滑り止め機能の付いたラグやカーペットなどを敷きます。
裏面にゴム加工がされた滑り止め付きの絨毯を選んだり、ラグと滑り止めシートを組み合わせて使ったりするのがおすすめです。
また、廊下や脱衣所などの滑りやすさがとくに気になる箇所には、手すりをつけるのもよいでしょう。夜間のトイレ利用時に備え、足元を照らすフットライトの設置も効果的です。高齢者の場合は、敷物とあわせて必要な設備を用意すると転倒事故を大幅に減らせます。
なお、マンションの設備や機能についてもっと詳しく知りたい人は、以下が参考になります。ぜひチェックしてみてください。
フローリングの滑りに関するよくある質問
フローリングの滑りに関するよくある質問
フローリングの滑りやすさについて、よくある質問をまとめました。
・無垢床の滑り止め対策は?
・フローリングの耐用年数は?
無垢材の滑り止め対策や、そもそものフローリングの寿命などを知りたい人は参考にしてください。
無垢床の滑り止め対策は?
無垢材のフローリングは摩擦や乾燥に弱いため、ワックスやオイルを定期的に塗る必要があります。ワックス等を選ぶ際は、滑りにくさに配慮したものを選びましょう。
オイル塗装の無垢フローリングの場合は、「グリップオイル」という専用の滑り止めオイルを使用できます。植物ワックスと植物オイルからできている滑り止めのオイルです。オイル塗装がされている床の上から塗装できます。
フローリングの耐用年数は?
フローリングの耐用年数は10年~30年ほどです。シートフローリングや突板フローリングなど、種類によって年数は異なります。無垢材のフローリングは30年ですが、水気には弱いため取り扱いには注意が必要です。
耐用年数は決まっていますが、扱い方に気をつけることで長く使うことができます。こまめにメンテナンスや清掃をするように心がけましょう。
フローリングの耐用年数については、以下の記事が参考になります。ぜひあわせて確認してみてください。
まとめ:フローリングの滑り対策で、家族みんなが安心できる住まいにしよう
まとめ:フローリングの滑り対策で、家族みんなが安心できる住まいにしよう
フローリングが滑る原因は、油や薬剤による汚れや、表面を覆うワックスやフローリング自体の劣化などです。対処法としては、中性洗剤を使って汚れを拭き取ったり、ワックスをかけなおしたりする方法があります。
それでも滑りやすさが気になる場合は、絨毯やカーペットを敷いたり、業者にフロアコーティングを依頼したりする方法をとるのが効果的です。
子どもや高齢者などと暮らす家庭の場合は、よく歩く場所に滑り止め加工の付いたラグやカーペットを敷くとよいでしょう。家庭の状況に合わせて、適切な対策を検討してみてください。

不動産鑑定士/マンションマイスター
石川 勝
東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。
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